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●西山太吉さんを見殺し…《結果として、その後の日米関係はどのような「隷属の道」を辿ることになったのか…今もわれわれ一人ひとりの喉元に…》

2023年07月07日 00時00分08秒 | Weblog

[※ 沖縄復帰50年 利用され続けた海と大地/西山太吉 「密約」を語る (週刊金曜日、2022年5月13日1376号)↑]


(20230621[])
偽りの日米関係偽りの沖縄返還の尻尾を捕まえて、これをすっぱ抜いた伝説の記者西山太吉さん。(神保哲生さん)《これだけの大ニュースだ。本来であれば、この記事を発端に偽りの日米関係の実態が次々と明らかになりアメリカに隷属することで日本国内で安定的な権力が確保できるという現在の日本の国辱的な属国体質は、もっと早くに改善されるはずだった》のだが…。様々な意味で、西山太吉さんは《見殺し》にされた。《ジャーナリズム界最高の栄誉とされるピュリッツァー賞を受賞》してもおかしくないレベルの大スクープだったのに…。「ペンタゴン・ペーパー」報道と比較して、《ところが、同じく政府の壮大な嘘がばれた日本はどうなっただろうか。》 《強面のニクソン政権と言えども、アメリカ中の新聞をすべて差し止めることなどできるはずもなかった》…一方、ニッポンでは、ニッポン中の新聞をすべて差し止め》たかのように、《すっぱ抜きを後追いする社は一つも無かった》。日・米での結果の彼我の差はなぜ?

 再びの引用。日刊ゲンダイのコラム【佐高信「追悼譜」/西山太吉メディアや岸田文雄に絶望して憤死したのだ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/319554)によると、《国家の嘘を暴いた元『毎日新聞』記者の西山太吉の死を各新聞を含むメディアがそれなりに大きく取り上げている。しかし、報じたメディアは西山の怒りがそのメディアにも向けられていることを知っているのだろうか》。
 佐高さんの「追悼譜」タイトルが示す通り、《西山太吉メディアや岸田文雄に絶望して憤死したのだ》。無念だった、と思う。

   『●《憤死》した西山太吉さん:《報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、
      今の日本にあるだろうか》? 《報道の自由を守るには報道しかない》

 神保哲生さんのビデオニュースドットコムの記事【偽りの沖縄返還を暴いた伝説の記者・西山太吉の遺言/マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1101回)】(https://www.videonews.com/marugeki-talk/1101)によると、《なぜあの時日本は西山氏を見殺しにしたのか。西山氏の取材手法を非難したとしても、なぜ同時にそこで暴かれた密約をきちんと追求できなかったのかその結果として、その後の日米関係はどのような「隷属の道」を辿ることになったのか。これは決して過去の話ではなく、今もわれわれ一人ひとりの喉元に突きつけられた匕首なのではないか。》

   『●三十数年前の映画 ~『密約 ―外務省機密漏洩事件―』
   『●『密約 ~外務省機密漏洩事件~』読了
   『●西山太吉さん密約事件が示すもの:
      「一人歩きし、拡大解釈され、時の権力によって必ず乱用される」
     「「首相のウソを暴いた西山太吉さん。それが今後できなくなる」
      (佐高信さん、10月13日『サンデーモーニング』)。
      また、「西山事件が
      示している通り、必ず一人歩きする。拡大解釈される。
      その時の権力に
      よって必ず乱用される」(岸井成格さん、同番組)」
     「「公務員法でも政と官がその気になれば、
      ジャーナリストなんぞ簡単に逮捕できるということ」だったが、
      それ以上の強力な「猛毒」を安倍首相や自公議員は欲しいらしい。
      自公議員への投票者や支持者は、そんな「猛毒」をどう思っている
      のでしょう?」

   『●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が
       伝えられなかった・・・身近で必要な情報が一層隠される」
     「田島泰彦氏の発言で気になるのは、「日本は今でさえ、
       本来なら国民が知るべき情報が出てこない。原発事故で…
      「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム
      (SPEEDI)」や
      被ばくに関する正確な情報が伝えられなかったのがその表れだ…
      身近で必要な情報が一層隠される」という部分。
       ホント~にロクでもない事ばかりする政権!」

   『●西山太吉さん: 「特定秘密保護法制の実施機関に
              メディアが入っている」非民主国
   『●密約破棄
     「自民党の政治家の顔色を見てもみ消したわけですね。西山太吉
      元毎日新聞記者の記者生命を奪っておいて、さんざん嘘を吐き、
      最後はもみ消してあげるわけ」

   『●『沖縄密約』文書破棄という歴史の冒涜
         ~「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国~

   『●沖縄密約文書:
      「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国を許す最高裁

    《それ以外にも「秘密枠」が存在し、莫大(ばくだい)な金を日本が
     積んでいた。核兵器の持ち込みなど「核密約」も含まれていた。
     このような重要情報が米国からもたらされても、日本側は「ない
     と言い張ってきた状況は異様である》

   『●情報公開法と公文書管理法: 「「何が秘密かすら秘密」
          という特定秘密保護法が施行」、そして共謀罪へ
   『●特定秘密保護法案「改悪」協議:
       沖縄密約事件時どころか、戦前の「治安維持法の再来」
   『●〝沖縄密約〟東京高裁判決、原告側の逆転敗訴
     「「無いんだから仕方ないジャン」、
      「捨てちゃっただからもういいジャン」
      という言い訳を認めて良いのかな。本当に廃棄してしまった
      のならば、それはそれで大問題でしょう。これだけ議論を
      呼んだこんな重要な文章が、
      そういう風にいい加減に取り扱われていて大丈夫なのか? 
      廃棄を指示したのは一体誰で、実行したのは一体誰?」

   『●西山太吉さんが喝破、
      「うそをつく人たちが作ろうとしている危険な法案」
   『●『ペンタゴン・ペーパーズ』: 「報道の自由を守るには
         報道しかない」、でも、沖縄密約と西山太吉記者…
    「リテラの記事【森友文書改ざん問題を彷彿と話題の映画
     『ペンタゴン・ペーパーズ』! 三浦瑠麗はまたトンチンカンコメント】」

   『●政権広報「アベ様のNHK」への切っ掛け…アベ様や
       中川昭一氏に「勘ぐれ、お前」と忖度を強要されて…
    《綿井健陽さん…「報道やジャーナリズムに携わる者が、
     「言論・報道の自由」という言葉を抵抗手段として公に訴える場合は、
     それは対国家、対公権力に向けて使うべきだと私は考えている。
     たとえばNHKの「ETV番組改編問題」のときの
     安倍晋三や故・中川昭一ら国会議員(当時)の対応、古くは毎日新聞
     西山太吉記者(当時)の沖縄返還密約記事での逮捕・有罪、
     最近では映画『靖国』上映中止問題のときに国会議員らが試写要求と
     文化庁に口出しや取材対象者に接触する行為など、これらは
     「言論・報道の自由」の問題として、それこそ良い意味での
     〝メディア・スクラム〟でもって対応すべき出来事だった》

   『●《権力にとって、これほど便利で御しやすい低能メディアも、
      国民も珍しい…一刻も早く立て直さなければ、本当に危険》
   『●西山太吉さん亡くなる: 事件の本質のすり替えであり、「西山事件」に
     非ず…《今も政府は密約を認めない…「返還密約事件」は終わっていない》

   『●《憤死》した西山太吉さん:《報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、
      今の日本にあるだろうか》? 《報道の自由を守るには報道しかない》

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https://www.videonews.com/marugeki-talk/1101


西山太吉×宮台真司×神保哲生:偽りの沖縄返還を暴いた伝説の記者・西山太吉の遺言【ダイジェスト】】
https://youtu.be/FYS1qSLLwoY

完全版part1 ( 42分 15秒 )  https://youtu.be/6a-YWupmt10
完全版part2 ( 44分 14秒 )  https://youtu.be/fHyV8HzaSgw


2022年05月14日公開
偽りの沖縄返還を暴いた伝説の記者・西山太吉の遺言
マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1101回)


ゲスト
西山太吉 (にしやま たきち)
元毎日新聞記者
その他の放送 (3件)

1931年山口県生まれ。52年慶應義塾大学法学部卒業。54年慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻修了。同年毎日新聞社入社。横浜支局、経済部を経て、政治部記者として首相官邸、自民党、外務省などを担当。72年沖縄密約取材をめぐり、国家公務員法違反容疑で逮捕・起訴。一審無罪、二審で逆転有罪、78年、最高裁で有罪確定(懲役4ヵ月、執行猶予1年)。74年毎日新聞社を退社し西山青果勤務。91年退職。著書に『沖縄密約 「情報犯罪」と日米同盟』、『記者と国家  西山太吉の遺言』など。


概要
 西山太吉さんの2023年2月のご逝去を受けて、過去の番組を追悼番組として無料で放送いたします。


 この5月15日で沖縄は本土返還50周年を迎える。終戦と同時に始まった米軍の4半世紀にわたる占領が解かれ、沖縄の施政権が日本に返還された記念日は、本来であれば日本にとっても沖縄にとっても祝うべきおめでたい日なのかもしれない。

 しかし、実は50年前、沖縄は完全に日本に返されたわけではなかった。それは沖縄の施政権を返還するにあたり、当時の日米政府間では米軍が沖縄の基地を自由に使用し続けることを認めるという密約が存在していたからだ。にもかかわらず当時の佐藤政権は「核抜き、本土なみ」などというスローガンであたかも沖縄が無条件で日本に返還され、これから沖縄は日本の他の都道府県と同様の地位を得るかのような幻想をしきりと喧伝した。もちろん核兵器もないし、基地負担も他県と同等程度になるはずだった

 ところが、これがとんでもない嘘だった。そして、沖縄はその後も基地負担に喘ぎ続けることになるが、それが沖縄返還時の両国が密かに合意した条件だったのだ。

 その偽りの日米関係偽りの沖縄返還の尻尾を捕まえて、これをすっぱ抜いた伝説の記者がいる。元毎日新聞記者の西山太吉氏だ。今年、齢91歳となる西山氏は、日米間で沖縄返還を巡る交渉が大詰めを迎えていた1971年6月、日米間の機密電文を入手し、両国の間には国民に説明されていない密約が存在することを暴く記事を書いたのだ。

 これだけの大ニュースだ。本来であれば、この記事を発端に偽りの日米関係の実態が次々と明らかになりアメリカに隷属することで日本国内で安定的な権力が確保できるという現在の日本の国辱的な属国体質は、もっと早くに改善されるはずだった

 実はアメリカでもほぼ同時期に有名な機密暴露報道があった。西山氏が密約をすっぱ抜いた2日後の1971年6月13日、機密指定されていた国防総省の内部文書「ペンタゴンペーパー」が、内部告発者ダニエル・エルズバーグ博士によって持ち出され、これを入手したニューヨークタイムズがスクープしたことをきっかけに、それまでのアメリカ政府によるベトナム戦争に関する嘘が次々と明らかになっていた

 アメリカではペンタゴンペーパー報道の結果、アメリカ国民がベトナム戦争の実態を知ることとなりニクソン政権がベトナム戦争に対する国民の支持を失った結果、4年後のアメリカによるベトナムからの撤退につながっている。そして、これを報じたニューヨークタイムズのニール・シーハン記者はジャーナリズム界最高の栄誉とされるピュリッツァー賞を受賞する一方で、支持率が低迷したニクソン政権はその後、ウォーターゲート事件を引き起こし、アメリカ史上初の現職大統領の辞任へとつながっていった。ところが、同じく政府の壮大な嘘がばれた日本はどうなっただろうか

 まず、当時、西山記者のすっぱ抜きを後追いする社は一つも無かった。記者会見で密約の存在を質したりする記者もまったくいなかったと西山氏は言う。結果的に、国家機密を暴いた毎日新聞、とりわけ当時、同社の外務省記者クラブのキャップだった西山氏だけが矢面に立つこととなった。ペンタゴンペーパーをスクープしたニューヨークタイムズも、ニクソン政権が取った法的措置によって発行が差し止められていたが、ペンタゴンペーパーはワシントン・ポストを始めとする全米の新聞が後追いで内容を報じ続けたために、政府は嘘を隠し通すことができなくなっていた。強面のニクソン政権と言えども、アメリカ中の新聞をすべて差し止めることなどできるはずもなかった

 しかも、西山氏と西山氏に機密文書を渡した外務省の女性事務官を公務員法違反起訴した検察が、起訴状の中で「密かに情を通じ」という表現で西山氏と事務官の間の男女関係にことさらに焦点を当てたことで、日本では西山氏の情報の入手手段に対する一斉攻撃が始まった。「沖縄密約佐藤内閣が日本国民に対してアメリカとの合意内容について嘘の説明をしている問題」がいつのまにか「外務省機密情報漏洩事件となり気がつけば密約とはまったく関係のない毎日新聞記者と外務省女性事務官の不倫スキャンダルすり替えられてしまったのだ。もはや日本には、密約や政府の嘘を問題視する空気感は残っていなかった

 それから4半世紀が過ぎ、アメリカで機密指定されていた沖縄返還交渉に関わる膨大な量の公文書の機密が解除されたことで、1990年代後半になって日米密約の存在が明らかになった西山氏の報道内容が正しかったことも、初めてそこで裏付けられたが、時既に遅し。西山氏は裁判の一審で無罪判決を受けた1974年に毎日新聞を退社し、地元小倉に戻り家業の青果店を継ぐ選択を下していた。アメリカ側の公開文書によって密約の存在が明らかになった後、西山氏の名誉を回復するための国賠訴訟や密約の存在を確認するための情報公開請求訴訟などが提起されたが、裁判所はいずれもこれを退けている。アメリカ側の公式文書でその存在が確認された今となっても、日本政府は未だに密約の存在を正式には認めていないのだ。

 アメリカではペンタゴンペーパーの存在を暴いたニューヨークタイムズのシーハン記者がピュリッツァー賞を受賞し、ニューヨークタイムズもその報道によって高級紙としての地位を確固たるものとした。その一方で、日本でほぼ同時期に政府の嘘を暴いた西山氏は、逮捕された上に筆を折りジャーナリスト活動を廃業せざるを得なくなった。この事件で社会から指弾された毎日新聞はそこから一気に部数を落とした挙げ句、事件から6年後の1977年には事実上の倒産をしている。また、アメリカではニクソン大統領がその後、辞任に追い込まれたが、一方の佐藤栄作首相は沖縄返還を実現したことが評価され、ノーベル平和賞まで受賞している。両国のこのギャップは一体何なのだろうか

 西山氏の情報入手方法の是非については、メディア論としては色々な議論があって然るべきだろう。また、西山氏が国会で政府を追及させるために、入手した機密情報の一部を当時の社会党の国会議員に渡したことも、仮に目的が公益的なものであったとしても、メディア倫理上、その是非は当然議論されて然るべきものだ。また、守秘義務を負っている公務員に機密を持ち出させてそれを報じた以上、公務員法違反(そそのかし罪)に問われることも覚悟はしなければならないだろう。しかし、それもこれも、その一方で、西山氏が暴いた政府の嘘がきちんと追求され、責任者がしかるべき責任を取らされるという大前提があればこその話だ

 西山氏の記事は密約のほんの一端を捉まえただけだった。西山氏はこれを「巨大な密約の尻尾を捕まえただけ」と表現する。しかし、例え尻尾でも、沖縄返還協定でアメリカ側が負担することになっていた原状回復費の400万ドル(当時のレートで約14億円あまり)を実は日本政府が負担し、国民には嘘の説明をして頬被りをしようとしていたことを白日の下に晒すものだったことに変わりはない。そして、実際には日本政府はアメリカとの間で沖縄の基地の自由使用の容認という、主権国家としては到底あり得ない密約まで結んでいたことが、後にこれもまたアメリカ側で公開された文書によって明らかになる

 なぜあの時日本は西山氏を見殺しにしたのか。西山氏の取材手法を非難したとしても、なぜ同時にそこで暴かれた密約をきちんと追求できなかったのかその結果として、その後の日米関係はどのような「隷属の道」を辿ることになったのか。これは決して過去の話ではなく、今もわれわれ一人ひとりの喉元に突きつけられた匕首なのではないか

 沖縄が返還50周年を迎える今週、マル激はジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が福岡県の小倉に西山太吉氏を訪ね、西山氏とともに当時の日米関係と、その後、日本が歩んだ道をどう考えるかなどについて議論した。
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コメント
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●《憤死》した西山太吉さん:《報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、今の日本にあるだろうか》? 《報道の自由を守るには報道しかない》

2023年03月30日 00時00分15秒 | Weblog

// (20230311[])

[※ 沖縄復帰50年 利用され続けた海と大地/西山太吉 「密約」を語る (週刊金曜日、2022年5月13日1376号)↑]

   『●西山太吉さん亡くなる: 事件の本質のすり替えであり、「西山事件」に
     非ず…《今も政府は密約を認めない…「返還密約事件」は終わっていない》

 【<金口木舌>「ペンタゴン・ペーパーズ」】《▼後追いで報じたポストもタイムズと共に政府に訴えられた。だが最高裁は「制限を受けない自由な報道のみが政府の偽りを効果的に暴くことができると新聞社勝訴の判決を出す報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、今の日本にあるだろうか》? (リテラ)(ワシントン・ポスト編集主幹のベン・ブラッドリー氏)《報道の自由を守るには報道しかない》。
 日刊ゲンダイのコラム【佐高信「追悼譜」/西山太吉メディアや岸田文雄に絶望して憤死したのだ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/319554)によると、《国家の嘘を暴いた元『毎日新聞』記者の西山太吉の死を各新聞を含むメディアがそれなりに大きく取り上げている。しかし、報じたメディアは西山の怒りがそのメディアにも向けられていることを知っているのだろうか》。
 佐高さんの「追悼譜」タイトルが示す通り、《西山太吉メディアや岸田文雄に絶望して憤死したのだ》。無念だった、と思う。

   『●三十数年前の映画 ~『密約 ―外務省機密漏洩事件―』
   『●『密約 ~外務省機密漏洩事件~』読了
   『●西山太吉さん密約事件が示すもの:
      「一人歩きし、拡大解釈され、時の権力によって必ず乱用される」
     「「首相のウソを暴いた西山太吉さん。それが今後できなくなる」
      (佐高信さん、10月13日『サンデーモーニング』)。
      また、「西山事件が
      示している通り、必ず一人歩きする。拡大解釈される。
      その時の権力に
      よって必ず乱用される」(岸井成格さん、同番組)」
     「「公務員法でも政と官がその気になれば、
      ジャーナリストなんぞ簡単に逮捕できるということ」だったが、
      それ以上の強力な「猛毒」を安倍首相や自公議員は欲しいらしい。
      自公議員への投票者や支持者は、そんな「猛毒」をどう思っている
      のでしょう?」

   『●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が
       伝えられなかった・・・身近で必要な情報が一層隠される」
     「田島泰彦氏の発言で気になるのは、「日本は今でさえ、
       本来なら国民が知るべき情報が出てこない。原発事故で…
      「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム
      (SPEEDI)」や
      被ばくに関する正確な情報が伝えられなかったのがその表れだ…
      身近で必要な情報が一層隠される」という部分。
       ホント~にロクでもない事ばかりする政権!」

   『●西山太吉さん: 「特定秘密保護法制の実施機関に
              メディアが入っている」非民主国
   『●密約破棄
     「自民党の政治家の顔色を見てもみ消したわけですね。西山太吉
      元毎日新聞記者の記者生命を奪っておいて、さんざん嘘を吐き、
      最後はもみ消してあげるわけ」

   『●『沖縄密約』文書破棄という歴史の冒涜
         ~「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国~

   『●沖縄密約文書:
      「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国を許す最高裁

    《それ以外にも「秘密枠」が存在し、莫大(ばくだい)な金を日本が
     積んでいた。核兵器の持ち込みなど「核密約」も含まれていた。
     このような重要情報が米国からもたらされても、日本側は「ない
     と言い張ってきた状況は異様である》

   『●情報公開法と公文書管理法: 「「何が秘密かすら秘密」
          という特定秘密保護法が施行」、そして共謀罪へ
   『●特定秘密保護法案「改悪」協議:
       沖縄密約事件時どころか、戦前の「治安維持法の再来」
   『●〝沖縄密約〟東京高裁判決、原告側の逆転敗訴
     「「無いんだから仕方ないジャン」、
      「捨てちゃっただからもういいジャン」
      という言い訳を認めて良いのかな。本当に廃棄してしまった
      のならば、それはそれで大問題でしょう。これだけ議論を
      呼んだこんな重要な文章が、
      そういう風にいい加減に取り扱われていて大丈夫なのか? 
      廃棄を指示したのは一体誰で、実行したのは一体誰?」

   『●西山太吉さんが喝破、
      「うそをつく人たちが作ろうとしている危険な法案」
   『●『ペンタゴン・ペーパーズ』: 「報道の自由を守るには
         報道しかない」、でも、沖縄密約と西山太吉記者…
    「リテラの記事【森友文書改ざん問題を彷彿と話題の映画
     『ペンタゴン・ペーパーズ』! 三浦瑠麗はまたトンチンカンコメント】」

   『●政権広報「アベ様のNHK」への切っ掛け…アベ様や
       中川昭一氏に「勘ぐれ、お前」と忖度を強要されて…
    《綿井健陽さん…「報道やジャーナリズムに携わる者が、
     「言論・報道の自由」という言葉を抵抗手段として公に訴える場合は、
     それは対国家、対公権力に向けて使うべきだと私は考えている。
     たとえばNHKの「ETV番組改編問題」のときの
     安倍晋三や故・中川昭一ら国会議員(当時)の対応、古くは毎日新聞
     西山太吉記者(当時)の沖縄返還密約記事での逮捕・有罪、
     最近では映画『靖国』上映中止問題のときに国会議員らが試写要求と
     文化庁に口出しや取材対象者に接触する行為など、これらは
     「言論・報道の自由」の問題として、それこそ良い意味での
     〝メディア・スクラム〟でもって対応すべき出来事だった》

   『●《権力にとって、これほど便利で御しやすい低能メディアも、
      国民も珍しい…一刻も早く立て直さなければ、本当に危険》

 さて、モリカケ桜事件以前、官僚らの〝忖度〟の始まり。アベ様直伝の息吐くようなウソ吐き…「礒崎さんという名前は今年3月になって初めて聞いた」!? 「202333日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」。「報道の自由」「知る権利」「権力の監視」を委縮させた問題についての高市早苗元総務相のタンカ…。(琉球新報)《しかも高市氏に対する質疑内容について官邸は「こちらの方で質問立てしたい」との意向を総務省に伝えていた。まさに自作自演》だった。青木理さん《礒崎氏が自身のコントロール可能な議員に“ヤラセ質問”をさせ、官邸の意向に沿う答弁を総務大臣にさせることで、放送法の解釈を変えてしまおうという構図であり、論外です》。この問題、有耶無耶でいいのか?
 沖縄タイムスの【[社説]放送法巡る文書公表 解釈変更の真相究明を】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1116088)によると、《安倍晋三政権当時、官邸官僚が各省庁ににらみを利かせ、官邸主導の政治を担っていたことはよく知られているが、その実態を伝える内部資料が明らかになった。放送法が定める「政治的公平」の解釈を巡り、立憲民主党議員が公表した内部文書とされる資料について、松本剛明総務相は、同省の「行政文書」だと正式に認め、全文を公表した》。
 琉球新報の【<社説>放送法解釈変更 「報道の自由」を侵害した】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1674441.html)によると、《露骨な政治介入の経緯が明らかになった。「報道の自由を侵害するものであり、到底許されない。放送法第4条が定める「政治的公平」の解釈変更を巡り、立憲民主党の小西洋之参院議員が公表した総務省の内部文書について、松本剛明総務相は公式な「行政文書」と認め、全文をホームページで公表した。小西氏が公表した文書と同じ内容だった》、《当時の高市早苗総務相は15年5月、国会で「一つの番組でも極端な場合は政治的公平を確保しているとは認められない」と答弁した。高市氏の答弁は官邸と総務省の協議を踏まえたものだったしかも高市氏に対する質疑内容について官邸は「こちらの方で質問立てしたい」との意向を総務省に伝えていたまさに自作自演である。政権に批判的な番組へのけん制を狙い、官邸主導で放送法の解釈を変えたのだ。岸田文雄首相は「従来の解釈を変更することなく補充的な説明を行ったと承知している」と解釈変更を否定するが、高市氏の答弁は放送局を萎縮させるものにほかならない》。

 斎藤美奈子さん《メディアの役目は「中立公正、不偏不党な報道」ではなく権力の監視なんです。それ、常識。》
 日刊ゲンダイの記事【批判的なコメンテーターは今や皆無 自民党政権の言論弾圧“黒歴史”】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/319684)によると、《第2次安倍政権以降、権力は公然と大手メディアに圧力をかけ、萎縮したメディアによる忖度は常態化し、「権力の監視は骨抜きにされた。大きな転換点となったのが、2015年5月に示された放送法の政治的公平性をめぐる「新たな解釈」の追加だ。政権に批判的なメディアに対する圧力を強めるため、…》。

   『●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と
     「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」
   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の
     「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか、それとも…
   『●「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」…《「捏造文書
     でなければ大臣も議員も辞職するか」と問われて「結構ですよ」と答弁》
   『●《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は「中立
     公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。それ、常識。》
   『●青木理さん《関口宏さんが番組で言っていましたが、『われわれはこの
     番組の姿勢を淡々と貫いていかないといけない』ということに尽きる》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/319554

佐高信 評論家
1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

佐高信「追悼譜」
西山太吉はメディアや岸田文雄に絶望して憤死したのだ
公開日:2023/03/06 06:00 更新日:2023/03/06 11:38

西山太吉(2023224日没 享年92

     (西山太吉さん(2023年2月24日没 享年92)
                /(C)日刊ゲンダイ)

 国家の嘘を暴いた元『毎日新聞』記者の西山太吉の死を各新聞を含むメディアがそれなりに大きく取り上げている。しかし、報じたメディアは西山の怒りがそのメディアにも向けられていることを知っているのだろうか。

 私が聞き手を務めた西山の『西山太吉最後の告白』(集英社新書)で西山はこう憤る。

戦後において、国家機密が日本のメディアによって暴かれたことがありますか? 1回もないよ西山太吉だけですよ国家機密の暴露は

 沖縄返還の密約を暴いて、時の首相・佐藤栄作の怒りを買い、その取材方法が「情を通じて」だったとして逮捕された西山は天国から地獄への苦痛を味わった。

 その時、メディアは西山に味方して国家権力に立ち向かったのかと西山は問うているのである。

国家機密の暴露は1回だけ最初にして最後情けないですよ

 死後にこれほど焦点を当てるなら、生前にもっと西山の名誉回復に努めるべきではなかったのか。

 「最後の告白」を受けた私はこう言わざるをえない。

 「日本のメディアは何一つ、自力で取材し、裏付けを取ってはいないんです」

 密約をいまだに政府は認めていないが、危険なものは焼却したり、なかったことにしてきたのだが、たとえば森友事件などでは改ざんに変えた。

「特に、安倍政権では特定秘密保護法を制定し、国民の知る権利を侵害する一方、内閣人事局による人事統制で、公文書改ざん国会での虚偽答弁など好き放題やってきた。これに対して、メディアが徹底した取材や追及を本当にやってきたかについては、私は大いに疑問を持っています」

 最初は否定しながらも、のちに密約を認めた事件当時の外務省アメリカ局長の吉野文六諸永裕司著『ふたつの嘘』(講談社)の中で西山をこう語っている。

「自分を、そして国民を欺いた国家に嘘を認めさせようとする執念、そして正義感。さらには、みずからの名誉をなんとしても回復させたいという欲。そのすべてをひっくるめて、偉大だと思います。なにしろ、鎧兜をつけたような国を相手に、ひとり素手で戦ってきたのですから」

 西山によれば、岸信介やその弟の佐藤栄作らの強権的な秘密主義を阻止すべく池田勇人大平正芳らの宏池会は組織された。しかし、その流れをくむはずの岸田文雄には「宏池会のこの字もない」と西山は断罪する。大平と一心同体だった西山は岸の孫の安倍晋三に、亡くなってからも追随する岸田が腹立たしくてならないのだろう。岸田が腹立たしくてならないのだろう。岸田は宏池会を名乗るが、「私の知っている宏池会とは似て非なるものですよ。宏池会は絶対追随しません」と西山は怒りに体をふるわせていた

 西山はメディアや岸田に絶望して憤死したのだと私は思う。(文中敬称略)
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●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》

2021年04月05日 00時00分51秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(20210320[])
マガジン9のインタビュー記事【この人に聞きたい 武藤類子さんに聞いた:原発事故から10年。東電刑事裁判と福島の今】(https://maga9.jp/210317-3/)。

 《「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を揺さぶりました…。それからもうすぐ10年。原発事故と向き合い、東京電力の刑事責任を問う活動などを続けてきた武藤さんは何を思い、いまの日本をどう見ているのでしょうか。お話をうかがいました》。

   『●東京電力核発電人災の刑事裁判: 東京地裁永渕健一裁判長の判決は、
          あまりに酷い理由も含めて《司法犯罪とも言える不当判決》
    《被告人全員無罪! 2019年9月19日、福島第一原発事故刑事裁判
     判決が下された。司法犯罪とも言える不当判決の内容を弁護士・
     海渡雄一が徹底解説する、前作「東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故」
     の改訂版。東京高等裁判所での控訴審を前に全国民必見の33分間!!》

   『●東京電力核発電人災後に《福島県から千葉県などに避難した住民ら
     43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審》で逆転判決
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●希望の牧場・吉沢正巳さん「この牛たちを見て、命の扱い方とか、
     原発があるというのはどういうことかを考えるきっかけになってほしい」
   『●《「国に法的責任はある」−原発事故で千葉県に避難した人々が
     起こした訴訟での東京高裁の判断だ。規制権限の不行使を厳しく指弾した》
   『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
     10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》

 《避難者の人たちだって、多分ほとんどの人は「叶うなら帰りたい」と思っているでしょう。でも、それはただ同じ場所に戻りたいということではなく、慣れ親しんだ、かつてのふるさとに帰りたいということ。「帰りなさい」と言いながら、復興予算がじゃぶじゃぶ投入されて知らない建物が次々に建ち、新しい住民ばかりが増えて、以前とはまったく違うふるさとになってしまっているというのは、大きな矛盾だと思います》。
 東電や国はさっさと「原状回復」して見せてほしい…10年も経ってしまったではないですか。下記CMLより、《ひとりひとりの市民が… 国と東電の責任を問い続けています。そして、原発はもういらないと声をあげています私たちは今、静かに怒りを燃やす東北の鬼です》。

   『●脱アクションウィーク、5万人集会
    「最後の福島の被災市民として武藤類子さんが
     訴えておられる映像がとても印象に残りました。
     その文章おこしされたものはCML
     (http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-September/011909.html
     にありますので、一読して頂きたいです」

   『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の
              五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続
    《団長を務める武藤類子さん(60)は「抜本的な対策を取らない
     と大量な汚染水が出ることは、東電にとって想定内だったはず
     文書はそれを示す証拠だ。これまでのずさんな汚染水対策を見ると、
     私たち被災者の犠牲はなんだったのかと思う」と憤る》

   『●「東電元幹部の罪と罰」
     『週刊金曜日』(2014年9月19日、1008号)についてのつぶやき
    《武藤類子氏【これでも罪を問わないのか】。
     明石昇二郎さん【東電関係者の「不起訴」理由 検察は、いかに
     原子力ムラに丸め込まれたか】、「告発人として主任検事から
     詳細な説明を受けていた筆者が、その詳細を暴露する……
     御用電力学者の言い訳を鵜呑み……原子力ムラにしてやられた検察」》

   『●原状回復が損害賠償の基本: 東京電力原発人災で
             「ふるさとをなくした痛み」は全く癒えていない
    《「東京電力福島第一原発事故で国と東電の刑事責任を
     追及している福島原発告訴団の武藤類子団長は「原発事故が
     解決していない中での再稼働は信じ難い」と強調。川内原発建設
     反対連絡協議会の鳥原良子会長は「民意を反映しない
     鹿児島県や薩摩川内市の再稼働同意に住民は大きな怒りを
     感じている」と述べた》
    《原発事故被害者団体連絡会が設立された。被災者の悲しみ、
     怒りは、激しく、深く。共に訴え、助け合うため団結した。
     それは私たちとも無関係ではあり得ない。福島が求めている
     のは、当然そうあるべきことだけだ。謝罪と被害の完全賠償、
     暮らしと生業の回復、詳細な健康診断と医療保障、
     および被曝(ひばく)低減策、そして、事故の責任解明-》

   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
    《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
     団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
     スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
     「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
     と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
     「われらゆるがず」の歌声に連なりたい。 (佐藤直子)》

   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」
    《こういった人々の語りから「病めるフクシマ」という言葉がじわり
     と浮かんでくる。福島原発告訴団武藤類子団長が登場する章では、
     「自分たちは理不尽な被害者なのに、黙っていていいの?
     と問いかける武藤団長が、沖縄で闘っている人の言葉を紹介する。
     「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ。
     それが尊厳なんだ。プライドなんだ」 胸に響く。》

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https://maga9.jp/210317-3/

この人に聞きたい
武藤類子さんに聞いた:原発事故から10年。東電刑事裁判と福島の今
By マガジン9編集部 2021年3月17日

私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を揺さぶりました(前回のマガ9でのインタビューはこちら)。それからもうすぐ10年。原発事故と向き合い、東京電力の刑事責任を問う活動などを続けてきた武藤さんは何を思い、いまの日本をどう見ているのでしょうか。お話をうかがいました。
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原発事故は「あったはずの時間」を奪ってしまった

──今年2月に出版された『10年後の福島からあなたへ』(大月書店)には、2012年1月に出版された前作『福島からあなたへ』の後、武藤さんが書いたり、話したりされてきた内容が収められています。本をつくる過程で東日本大震災と原発事故からの10年を振り返りながら、何を思いましたか。

武藤 とにかく、「どういう時間だったか」と振り返る時間もなく生きてきた10年だったな、と思いました。長かったのか短かったのかもよく分からない、そのくらい激変した人生を夢中で生きてきたという感じですね。
 改めて感じたのは、原発事故がなかったら私は今、まったく違う時間を生きていただろうということです。私だけではなく、あの原発事故は本当に多くの人の人生を変えてしまった。特に、自宅に住めなくなるなど大きな被害を受けた方たちは、根底から人生が覆ってしまったわけで。本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく違った時間があったはずだった。原発事故は、その時間を奪ってしまったんだということを強く感じました。

──原発事故がなかったら、武藤さんは今も、福島県三春町のご自宅で開いていた里山カフェを続けていらしたでしょうか。

武藤 そうかもしれません。実際には、原発事故直後からカフェは休業、3年目に正式に廃業ということになりました。家の周りで採れた木の実なども料理に使うお店だったので、放射能の影響がある中での継続は難しいと考えたのです。
 その後は、東京電力幹部の刑事責任を問う「福島原発告訴団」の団長として活動しながら、地元で放射能の市民測定所をつくるための働きかけをしたり、被曝に関する専門家をお呼びして講演会を企画したり、いろんなことをやってきました。子どもたちを放射能から守るために何ができるだろうと模索しながらも、必死で両手にすくった砂が指の間からこぼれ落ちていってしまうようなもどかしさが常にありましたね。

──それはどうしてですか。

武藤 あれだけの事故があったにもかかわらず、原発による被害はなくなるどころか、形を変えて分かりにくくなりながら、むしろ広がっていっていると感じたからです。
 そもそも、福島第一原発の事故そのものがまだ収束したわけではありません。今年2月にも東日本大震災の余震で大きな地震があり、1・3号機の格納容器の水位が下がったと伝えられました。直接的な意味でも原発事故は終わっていなくて、この先も何があるのか分からない状態なんですよね。
 しかも、そこでは今もたくさんの人たちが被曝しながらの労働に従事している。よく「廃炉」作業といわれるけれど、実際には廃炉なんてまだまだ先の話で、その道のりさえ見えていません
 また、政府は原発から出た汚染水を浄化処理してもなお、放射性物質が残留する汚染水を海洋放出する方針を繰り返し示していますよね。加えて、除染作業で出た土が双葉町・大熊町の中間貯蔵施設に運び込まれていて、その量が1400万立方メートルにもなっているんですが、これも再利用資材として全国に拡散しようとしている。2045年には全量を県外に出すとまで言っています

──2014年に、「中間貯蔵施設での保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分する」ことを明記した法律(改正日本環境安全事業株式会社法)が成立しているんですね。

武藤 でも、今年環境省が実施したアンケートによれば、福島県外の人では8割以上が、そのことを「知らない」と答えていました。ほとんど知られていないままに、汚染土の拡散が進められようとしているわけです
 あと、除染作業やそこから出た廃棄物を処理する焼却事業、また木質バイオマス発電事業など、さまざまな形で原発関連企業の名前を見るようになっているのも気になります。かつて原発で利権を得ていた人たちが、「復興」に名を借りて再び福島で利権を取り戻そうとしているのではないでしょうか。
 そんなことばかりが続く状況に、理不尽さと怒りを強く感じながら、なんとか自分にできることを探し続けてきた日々だったような気がします。


実情と乖離したまま、喧伝される「福島の復興」

──2020年には福島県双葉町で、「東日本大震災と津波に伴う原子力災害を後世に伝える」ことを目的に掲げる「東日本大震災・原子力災害伝承館」がオープンしましたが、その内容については批判も多いようです。

武藤 私も3回訪れましたが、内容以前にそもそも立地が問題だと思いました。まだ事故が収束していない福島第一原発からわずか4キロ、周囲はすべて帰還困難区域に指定されているような場所です。しかも、東側はすぐ海で、東日本大震災のときのような大津波が来たら、水没する恐れがある。そんなところにたくさんの人が集まるものをつくるのはどうなのか。しかも福島県は、高校生の修学旅行を誘致するとも言っているんです。

──展示についてはどうでしたか。

武藤 それも、私たちが本当に伝承してほしいことがまったく描かれていない、という印象でした。
 原発事故が起きたときのこと、直後にみんなが避難せざるを得なくなって大変だったことなどは、映像も交えながらそれなりに詳しく描かれているのですが、避難先で子どもがいじめに遭ったとか、大事にしていた家畜やペットを置いたまま避難せざるを得なかったとか、そういうことはすっぽり抜け落ちてしまっている。事故後に子どもの被曝を予防するためのヨウ素剤配布が適切に行われなかったこと、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムSPEEDI)による、放射性物質の拡散状況予測データが公表されず隠されていたこと、東電が津波についての試算をしていたのに対策しなかったことなどへの反省も見当たりませんでした。嘘は展示していないけれど、本当に伝えるべき大事なことがスルーされているという感じでしょうか。
 「伝承」の役割とは、起きたことを正確に検証し、反省して教訓を導き出すことだと思うのですが、それがまったくできていないと感じました。この伝承館だけでなく、原発の再稼働を進めようとする動きがあることなどを見ても、「同じような悲劇を二度と起こさないという視点が、今の政策からは抜け落ちている気がします。

──「復興五輪」の言葉などに象徴されるように、政府は事あるごとに東日本大震災被災地の、そして福島の「復興」を強調しようとしているように見えます。ずっとそこで暮らしている立場として、福島の状況をどう見ていますか。

武藤 事故から10年経って、なんとか生活が落ち着いてきたという人も多いとは思います。ただ全体としては、やはり「復興」ばかりが叫ばれることで、不安や苦しみをますます口にしづらくなっているところがあるのではないでしょうか。
 多くの人が、怒りや悲しみを心の中に押し込めて暮らしている。避難生活を続ける中で、鬱になってしまったといった話もよく聞きます。その結果が、2300人以上と他の被災県よりも圧倒的に多い「災害関連死」なのではないでしょうか。ある意味では「復興」という言葉が、人が抱えていて当然の痛みを外に出すのを邪魔してしまっているといえるかもしれません。

──避難生活を送っている人も、いまだ数万人にのぼるといわれます。

武藤 福島県の発表では、今年の初め時点で約3万6000人。ただ、これも正確に把握されているわけではなく、自治体や集計する機関によって「避難者」の定義が違うため、数はかなり違ってきます。県内の各自治自体が把握している避難者の数の合計は6万7000人以上と、3万人以上の開きがあるんです。

──2017年ごろからは、やはり「復興」を強調するためでしょうか、避難者への住宅支援を打ち切るなど、あからさまな「帰還政策」が取られてきました。

武藤 それでも、健康不安や生活基盤の問題から、帰らないという選択をする人は少なくありません。だから、補助金を出して新しい住民を呼び込み、それによって人口を増やして、見せかけの帰還率を上げている自治体もあります。「復興している」と宣伝されている福島の姿と、実際の状況とが、すごく乖離してしまっているんですね
 避難者の人たちだって、多分ほとんどの人は「叶うなら帰りたい」と思っているでしょう。でも、それはただ同じ場所に戻りたいということではなく、慣れ親しんだ、かつてのふるさとに帰りたいということ。「帰りなさい」と言いながら、復興予算がじゃぶじゃぶ投入されて知らない建物が次々に建ち、新しい住民ばかりが増えて、以前とはまったく違うふるさとになってしまっているというのは、大きな矛盾だと思います。


福島原発刑事訴訟が明らかにしたこと

──さて、武藤さんが告訴団長を務められていた、福島原発刑事訴訟についてもお聞きしたいと思います。福島第一原発事故に対する東電幹部などへの刑事責任追及を求める裁判ですが、武藤さんたち告訴人が検察に告訴状を提出したものの、当初の結論は「不起訴」。最終的には二度にわたる検察審査会の「起訴相当」という判断を受けて、2015年7月に東電幹部3人の強制起訴が決定しました。

武藤 不起訴になったときは「この国は、これだけ大きな事件であっても責任をきちんと問わないのか」という絶望感があったので、強制起訴になったときは、ようやく裁判が開かれるんだ、とほっとしましたね。
 2017年6月に初公判があり、そこから全部で38回の公判が開かれたので、私は全部傍聴しました。朝早くから並んで傍聴券を確保しないといけないのですが、告訴人や支援者などたくさんの人たちが協力してくれて。みんな毎回、始発電車に乗って集まってくれたんです。

──裁判の中では、それまで知られていなかった事実がいくつも明らかになったそうですね。

武藤 21人の方が証人として証言された他、メールや議事録などの証拠書類からもさまざまなことが見えてきました。すでに政府事故調査委員会の報告書なども出ていましたから、ある程度は推測がついていたこともあったのですが、中には驚くような新事実も出てきたんですね。
 たとえば、被告の一人であった事故当時の東電会長、勝俣恒久氏も出席していた会議──「御前会議」と呼ばれていたそうなんですが──で、事故前から福島第一原発での津波対策の必要性が議題に挙がっていたこと。東北電力や日本原電など、太平洋沿いに原発を所有している他の電力会社とも、東電がリーダーシップを取って津波対策についての協議をしていたこと。その後、東電は経営判断によって津波対策をやめてしまうのですが、対照的に日本原電は独自で東海原発の津波対策をして、その結果東日本大震災による津波の際にも、ぎりぎりのところで事故に至らなかったということも明らかになりました。

──津波対策の必要性がしっかりと東電社内でも認識されていて、それなのにやらなかった、ということですね。

武藤 なぜやらなかったのかについても、元社員の方が証言しています。2004年の新潟県中越地震のとき、東電が新潟県に所有する柏崎刈羽原発では、火災が起きて放射性物質が漏れ出るなど大きな被害が出ました。その修理のために一時運転が停止されるのですが、その結果として東電は28年ぶりの大赤字を出してしまった。福島第一原発でも津波対策をするとしたら莫大な費用がかかるし、対策をするにはいったん原発を止める必要があるから、そうしたらまた大損失になる。それを恐れて、対策は見送るという判断になったというのです。
 これは、明らかな東電の不作為です。危険性を認識していて、しかも対策をしようと思えばできたのに、やらなかった。裁判を傍聴しながら、これはどう考えても有罪だろうと確信していました。

──しかし、2019年9月に東京地裁が出した判決は「全員無罪」でした

武藤 最初に裁判長が「被告人はいずれも無罪」と読み上げ、その後判決要旨を述べたのですが、この内容もひどかったです。
 たとえば、東電が津波対策の必要性を認識する根拠の一つだった、文部科学省の地震調査研究推進本部が公表した「長期評価」を、「信頼に値しない」と切り捨て、だから東電が津波対策をしなかったことには妥当性がある、としている。でも、この長期評価は、国や東電の責任を問う他の民事訴訟でも、「東電が危険性を予測できた」ことの根拠として何度も認められているものです。また、裁判の中で出てきたさまざまな証言の取り扱いも、「この裁判長はいったい何を聞いていたんだろう」という感じで、まったく整合性がありませんでした。

──本当に、驚きとしかいいようのない判決でした。

武藤 裁判で検察官役を担当してくださった指定弁護士チームの方たちが、判決後の記者会見で「原子力行政に忖度した判決だ」と指摘されていて、「ああ、そういうことか」と思いました。
 もちろん納得できるはずはなく、昨年9月に控訴趣意書を裁判所に提出しました。まだ予定は決まっていませんが、おそらく今年中には被告人側の答弁書が出て、裁判が始まるだろうといわれています。司法は本当の意味で独立した、正義が行われる場であってほしいと思うので、その期待は捨てずにいたい。控訴審では正しい判決を出してください、裁判所は正義の砦であってくださいと、訴え続けようと思っています。

     (東電刑事裁判で明らかになった事実や、判決の問題点について
      分かりやすく解説した短編映画『東電刑事裁判 不当判決
      (監督:河合弘之、企画・監修:海渡雄一)が、
      福島原発刑事訴訟支援団のホームページで無料公開されています。)


福島で起きていることは「自分の身に起きていること」

──改めて、原発事故から10年です。武藤さんが、福島から今の日本を見ていて感じることはありますか。

武藤 強く感じるのは、一番大事にすべきもの──人の健康、人の命といったものが、まったく大事にされていなくて、二の次にされているということです。
 コロナ対応を見ていてもそれを強く感じます。去年、仲間たちと東京オリンピック開催に反対する「福島はオリンピックどごでねぇ!!」というアクションを立ち上げたのですが、今の状況は日本全体、世界全体がどう考えても「オリンピックどころじゃない」ですよね。それなのに、政府やオリンピックの組織委員会は、いまだに開催を強行しようとしている。まさに、人の命が二の次にされているんです。
 あるいは、今経済産業省が進めているエネルギー基本計画の見直し。原発の復権を盛り込もうとする動きがあるのを見ていると、この社会は命を大事にしないばかりか、「反省をすることができない社会」でもあるんだと感じます。何が起きたのかをしっかりと目をこらして見て、どこが悪かったのか反省をして、二度と同じことを起こさないための教訓を導き出す。そういう態度が抜け落ちているといえるのではないでしょうか。

──先ほどお話しいただいた伝承館にも、まさにそのことが表れているといえそうです。

武藤 そういう中で、福島で起きていることについても、多くの人たちに「遠くのどこかで起きていること」ではなくて、まさに今、自分たちの身に起きていることなんだという現実感を持って受け止めてほしい。そうでないと、気づかないうちにどこかに流されて、今度は自分自身が命を奪われるようなことになっていくんじゃないかと思います。

 人権や尊厳が無視され、奪われて踏みにじられる。そういう状況は、これから災害などが起こるごとにいろんなところで起きてくるんじゃないか。福島では、それが先行して起こっているだけなんじゃないか。そんな気がしています。

 

──『10年目の福島からあなたへ』のまえがきの最後には、絶望の中に「光を見出せると信じて」とあります。私たちが「光」を見出せるとしたら、それはどこにあると思われますか。

武藤 実は、この部分は最初は「希望を見出せると信じて」と書いていたんです。でも、あまりにもこの10年、「希望」という言葉が空々しく、本当の意味とは違う意味で使われ続けてきたような気がして、自分の中でもしっくり来なかった。それで「光」と書き換えたんですが、本当はやっぱり本来の意味の「希望」を見出すことができればいいなと思いますよね。
 そして、見出せるとすればそれは、若い人たちの存在にかな、と思います。これからの世代は、本当に大変な時代を生きていかなくてはなりません。福島だけではなく、世界中で核実験や原発から出てきた膨大な廃棄物を押しつけられ、気候変動やコロナのような感染症の問題と向き合い……私たちは原発事故の被害者ではあるけれど、同時に若い人や未来の世代に対する加害者でもあるという意識が、常にあります。
 それでも、その厳しい状況を生きていく若い人たちの賢さに、私は期待したい。どうか私たちの間違いを繰り返さずに新しい道を切り開いていってほしいし、そうなるように手助けができたらと思っています。

(取材・構成/仲藤里美)




むとう・るいこ ●1953年生まれ。福島県三春町在住。養護学校教員などを経て、2003年に開業した里山喫茶「燦(きらら)」を営みながら反原発運動に取り組む。3・11原発事故発生後、「さようなら原発5万人集会」でのスピーチが反響をよび『福島からあなたへ』(大月書店)として書籍化。2012年に結成した福島原発告訴団の団長として全国に告訴運動をよびかけ、以後も東京電力の責任を問う活動を継続している。原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)共同代表、3・11甲状腺がん子ども基金副代表理事。他の著書に『どんぐりの森から』(緑風出版)など。
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●「『平成の治安維持法』をつくった総理」の非常に危険な思い入れ、それに手を貸す責任

2013年12月09日 00時00分45秒 | Weblog


asahi.comの記事【秘密保護法案、映画人ら269人反対 吉永小百合さんも】(http://www.asahi.com/articles/TKY201312030272.html?ref=com_top6)と、
保坂展人さんの記事【「目配せ」でも成立する共謀罪と特定秘密保護法案】(http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368.html?ref=comtop_fbox_d2http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368_01.html)、
そして、解説記事【(新ポリティカにっぽん)秘密保護法案、いまこそ再考を】(http://www.asahi.com/articles/TKY201312030244.html)。
最後に、東京新聞の記事【知る権利もメルトダウン 落合恵子さん憤り胸に反対運動】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013120690100153.html)。

 (非)特定秘密隠蔽法が参院でも可決されてしまった。(矢崎泰久さん)「・・それでなくとも「違憲状態にある国会が、こうしたデタラメな法律を審議する資格など、どこにも見当たらないhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f15ad34b381cf38250f40df47c7ee7eaにもかかわらず、「ウソをつく人達」である自公議員や翼賛野党議員が「治安維持法」を可決、または、可決をアシストしたわけである。彼/彼女ら議員に投票した人達は、どうも「騙され(続け)ることの責任」を問おうにも、その自覚は全くないようで、いくらその責任を叫んでも空しい・虚しいだけで、次の選挙が来ればまた過ちの繰り返しなのだろう。

 保坂展人さんの記事によると、あの小泉純一郎氏でさえが「『平成の治安維持法をつくった総理」と呼ばれることを嫌ったそうだ。「『平成の治安維持法』をつくった総理」安倍晋三首相や石破茂幹事長らの危険な思い入れの強さ」で、戦争できる国へまっしぐら・・・。「「私たちの『知る権利』がメルトダウンしてしま」い、さまざまな権利が「民主主義国家」をメルトスルーし、どこに権利が存在するのかわからない状態へ。
 それにしても、「第三自民党公明党の議員の自民党議員化は目を覆うばかりだ。「平和」を願っているらしい「学会さんらの心情や如何に

   『●閉塞の時代に: 安倍晋三首相の危険な「思い入れの強さ」
   
     「要するに都合のいい委員会を作り、自分の望む方向へと議論を
      誘導してくれる委員を選び、消費税増税にしろ、TPPにしろ、
      好き放題やっている訳。戦争を出来る国へと異常な思い入れの強さ」。
      その結果、以下のような世界を希求している」

     『●『石原莞爾/その虚飾』読了 (2/2)
   
       「「手と足をもいだ丸太にしてかへし
        万歳とあげて行った手を大陸へおいてきた
         /・・・鶴彬は、こうした刺し貫くような反戦川柳をつくって逮捕され、
             赤痢にかかって、手錠をかけられたまま、二十九歳で病死した」」

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http://www.asahi.com/articles/TKY201312030272.html?ref=com_top6

秘密保護法案、映画人ら269人反対 吉永小百合さんも
2013年12月3日20時01分

【織井優佳】 高畑勲監督、降旗康男監督、山田洋次監督ら5氏が呼びかけ人となり、「特定秘密保護法案に反対する映画人の会」が3日発足した。4日間で264人が賛同し、法案の内容や拙速な国会審議を批判する声明を発表した。

 賛同したのは大林宣彦監督、宮崎駿監督、是枝裕和監督、井筒和幸監督、俳優の吉永小百合さん、大竹しのぶさん、脚本家の山田太一さん、ジェームス三木さんら。撮影監督や映画館主、評論家らのほか、映画ファン約60人も加わった。

 声明は「心ならずも戦争に対する翼賛を押し付けられた映画界の先達の反省に立ち、日本映画界は戦後の歩みを開始しました」とした上で、「『知る権利』を奪い、『表現の自由』を脅かすことになりかねないこの法案は、とても容認することはできません」と反対を表明している。

 呼びかけ人や賛同者の一部のメッセージも公表。高畑監督は「安倍政権を生み出してしまったのが他ならぬ私たち国民自身であることに愕然(がくぜん)とせざるをえません」、降旗監督は「戦前、戦中の日本に戻らないように、ねばり強く抵抗していくほかありません」と記した。原田眞人監督は「公聴会を公然とセレモニー化したやり方にも憤りをおぼえます」と書いた。


■日本映画監督協会なども声明

 日本映画監督協会など各分野の著作者でつくる5団体は3日、特定秘密保護法案の廃案を求め、共同で緊急声明を出した。

 声明を出したのは同協会と日本児童文学者協会、日本シナリオ作家協会、日本美術家連盟、日本脚本家連盟。声明は「私たち著作者は、かつて国家による言論弾圧により、尊い仲間の生命を失った歴史を決して忘れることはできません」などとして、廃案を求めている。
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http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368.html?ref=comtop_fbox_d2
               http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368_01.html

目配せでも成立する共謀罪と特定秘密保護法案
文 保坂展人
2013年12月3日

 大きな危惧の声が高まっている特定秘密保護法案が審議されている今、2005年の秋を思い出してみたいと思います。衆議院法務委員会では、「共謀罪」をめぐり与野党で厳しい議論を交わしていました。

 8年前、共謀罪を新設する法案は3回も国会に提出されましたが、廃案になりました。当時は、小泉元首相による郵政解散によって与党が圧倒的多数を占めていたにもかかわらず、強行採決は総理官邸からの異例の指示で直前に直前に見送られました。

 「小泉元首相発言を『原発ゼロ』の追い風に」(10月8日)でも紹介したように、官邸からもれ聞こえてきたのは「『平成の治安維持法』をつくった総理と言われたくない」というものでした。小泉元首相独特のカンと言ってもよいと思います。

 当時、共謀罪はなぜ「平成の治安維持法」と呼ばれたのでしょうか。共謀罪とは「犯罪の概念」を根本から塗り替えるものです。犯罪は、心の中で芽が出る段階から、発育・成長して、次第に確固とした形をとる段階をへて、やがて実行へと至ります。これまでの刑事司法では、少なくとも、未遂か、実際に罪を犯した場合に罪を問われますが、「心の中の犯罪準備の意思」は処罰対象とはなっていませんでした。

 共謀罪が特異な点は、犯罪行為に及ばなくても、「2人以上で犯罪計画を示し合わせた時」に犯罪として成立するいう点にあります。「共謀をしたこと」自体が罪に問われるため、8年前の政府は600以上の行為が犯罪に問われる対象として列挙していました。

 私は、事件等で耳にする「共謀共同正犯での共謀」と「共謀罪の共謀」は同じ定義か、と国会でたずねたところ、答えはこうでした。

   「2人以上の者が、特定の犯罪を行うために、共同意思のもとに一体と
    なってお互いに他人の行為を利用し各自の意思を実行に移すための謀議。
    共謀罪の共謀として必要とされる合意内容とほぼ同一と考えています」
    (2005年10月21日、衆議院法務委員会・刑事局長答弁)

 共謀の概念は同一だけど、「謀議」をへて成立する……。それも「特定の犯罪を実行しようという具体的・現実的な合意」が必要となるので乱用の心配はない、と政府は説明していました。

 ところが、暴力団の拳銃所持をめぐる最高裁判所の決定(03年5月1日)に、「黙示的な意思の連携があり、共謀共同正犯に該当する」という判断がありました。暴力団の組長と一緒に移動するボディーガードとの間に特段の「謀議」がなくても、あうんの呼吸で共謀した、と解釈できるというものです。

 すると、「謀議」を行なわない共謀も論理的にはありえるということになります。犯罪を実行する意思のあるグループが、その意思を一致させるには必ずしも言語による「謀議」を挟まなくてもいいということなら、サインは「目配せ」でも共謀が成立することにならないでしょうか。

 そこで、私はあらためて、リーダーが「いよいよ時が来た」という顔で目配せしたら共謀が成立する場合もありえるのではないかと問いかけました。

   「ケースによって合意ができる仲間たちであれば、目配せでも相手に
    意思が伝えられるかなと思います」(05年10月25日、南野法相答弁)

 南野法相が微笑みながら口にした「目配せ答弁」は衝撃的で、テレビで何度も報道されるなど、多くの議論を呼びました。その後、何度か法案修正の動きがありましたが、共謀罪は廃案になりました。

 じつは、その共謀罪が特定秘密保護法案の中に盛り込まれています。しかも、大きな議論にはなっていません。元検事の落合洋司弁護士は次のように指摘しています。

   「特定秘密保護法は、懲役10年または1千万円以下の罰金を科しており、
    非常に刑罰が重い。特定秘密を漏らした公務員だけでなく、共謀や
    教唆(きょうさ)、扇動をした者も含めたことで、処罰対象を市民側にも
    広げている。
     市民運動をしている人や取材者が原発や在日米軍、外交などに
    関する情報を知ろうと、機密を扱う公務員に近づくことで、犯罪としての
    疑いがかかる可能性がある。起訴されなかったとしても、
    家宅捜索されたり、事情を聴かれたりすれば、人々の生活に支障が
    生じかねない」(13年11月28日付東京新聞「私の疑問」)

 重大な問題を多く抱えた秘密保護法案をめぐる議論に、共謀罪の危険性への言及が不足しているように思います。重い刑罰を課す法案にはしっかりした審議、あらゆる視点からの検証が不可欠のはずです。

 身近かな自治体での仕事について書く予定をさしかえて、今回は少々固い原稿となりました。息苦しい社会にしないために、活発な議論が必要です。

 参考:「共謀罪とは何か」(岩波ブックレット)
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http://www.asahi.com/articles/TKY201312030244.html

(新ポリティカにっぽん)秘密保護法案、いまこそ再考を
2013年12月3日18時35分

    民主党などの野党議員が額賀福志郎委員長(右端)に詰め寄るなか、
    賛成多数で特定秘密保護法案を可決した衆院国家安全保障特別委員会。
    左奥は森雅子・特定秘密保護法案担当相
    =11月26日午前、国会内、越田省吾撮影


 世の中もこの法案の危うさにじっとしていられないということだろうか、街に「反対」の声が響く。国会会期末は6日、圧倒的多数の与党と「すりより野党」によって成立してしまうのかどうか、特定秘密保護法案の参院審議が大詰めである。

「平和」掲げる公明党が、なぜ?

 それにしても、いったい公明党は何を考えているのだろうか。「平和」の党であることを誇りにしていたのに、「戦争」がちらつく法案にかくも血道をあげるなんて。

 11月26日、この法案が自民、公明の与党とみんなの党の賛成で衆院を強行通過したその夜、明治大学で行われたジャーナリストのリレートークに参加した私は公明党への疑問を呈した。それが伝わったのか元参院議員の平野貞夫氏から電話がきた。

   「1985年、中曽根内閣のときのスパイ防止法案に一番強く反対して
    廃案に追い込んだのは公明党でしたよ。こんどの秘密保護法案は、
    そのスパイ防止法よりも戦前の治安維持法よりもタチが悪い

・・・・・・・・・。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013120690100153.html

知る権利もメルトダウン 落合恵子さん憤り胸に反対運動
2013年12月6日 10時01分

 激しい怒りを胸に、反対運動に奔走してきた。東京都港区で絵本店を営む作家の落合恵子さん(68)は「私たちの『知る権利』がメルトダウンしてしまう」と原発事故の炉心溶融になぞらえる。参院特別委員会で可決された特定秘密保護法案。穏やかな生活を奪いかねないことへの懸念と、民意を無視して成立に向け強行した政権への憤りが湧き出している。

 東京電力福島第一原発事故以降、反原発を訴えてきた。「3・11で情報公開の大切さを嫌というほど味わっているにもかかわらず、世界の潮流を無視して逆行していくのが理解できない」と首をかしげる。

 事故直後、放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」の情報は公表されなかった。「さらに隠蔽(いんぺい)体質が推進されていく。市民の命と安全に生きる権利に反する」。反対集会や記者会見のほか、国会を囲む「人間の鎖」にも駆け付けてマイクを握り、法案に異を唱えた。

 法案では公務員だけでなく市民も処罰の対象になる。「見せしめにも、恐喝にも使える。どこまで拡大解釈されるかは、さじ加減ひとつ」。専門家を呼んで原発に関する勉強会を開いているが、その参加者も処罰の対象になる可能性があるのでは、と危惧している。

 ごく当たり前の家庭で朝「行ってらっしゃい」と見送ったその夜、愛する人が理由も分からず帰ってこないという状況が起きるかもしれない。

   「政府にとって都合の悪いことをしようとしたり、考えたり、話し合ったり。
    それだけで網に掛けることは可能。私たちの精神生活や思想の
    自由にも介入できる」

 採決強行、市民団体のデモを「テロと同一視した石破茂自民党幹事長の発言…。反対の声を押し切る姿勢こそがテロ行為だと考えている。「みんなが(法案の危うさに)気付いてきた。これ以上声が大きくなるのが嫌なんでしょう。十分な議論をはしょって決めてしまおうという、そのやり方自体が民主主義に反する

 終戦の年に生まれた。中学生のころ、祖母に「なぜ戦争に反対しなかったの」と尋ねたことがある。答えは「みんなの目があった」「言った人間は捕まった」。その言葉が今の時代と重なる

 「あの問いかけをした世代として、自分なりの『落とし前』を付けたい」。次世代の子どもたちのために、原発事故を体験してしまった国の人間として、いまの大人の一人として。これからも諦めず、抗議の声を上げていくつもりだ。

(東京新聞)
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●特定秘密隠蔽法案衆院通過: ・・・だから?、福島の人々の声は聞こえないのだろうか? それとも・・

2013年12月02日 00時00分35秒 | Weblog


asahi.comの社説【秘密保護法案―福島の声は「誤解」か】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit211月26日)、
東京新聞の記事【秘密保護法案 福島公聴会 与党推薦者も強い疑念】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013112602000121.html)、
『田中龍作ジャーナル』の記事【【秘密保護法・福島公聴会】全員反対 浪江町長「理解してもらえなかった」】(http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008272)。
最後に、東京新聞の社説【特定秘密保護法案 国民軽視の強行突破だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112702000131.html)。

 東京電力原発人災であんな大変な思いをした福島の人達でさえもアリバイづくり?、に利用されたようだ。無茶苦茶。

   『●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が
           伝えられなかった・・・身近で必要な情報が一層隠される」
   『●「「人間が近づけば即死──」特定秘密保護法が
               隠そうとする、福島第一原発4号機の“不都合な真実”」

 「秘密より情報公開が重要ではないか――。そんな意見が相次ぎ、自民党の推薦者を含む全員が法案に反対」、「「情報公開がすぐに行われていれば低線量の被曝(ひばく)を避けることができた」・・」、「実例を目の当たりにしたからこそ、秘密が際限なく広がりかねない法案のあり方に疑問を投げかけている」・・・・・・。

 アリバイ作りに利用され、猿芝居・デキレースにつき合わされ、またしても福島の人達は踏みつけられてしまった。
 田中龍作さんの記事、「「特定秘密保護法」について国民の声を聞く、最初で最後(25日現在の方針)の公聴会を福島市で開いた。原発事故のあった福島であえて開催したところに政府の意図が見えた・・「傍聴したい人が外にいます。入れてあげて下さい」。懸命に訴える福島の女性。傍聴は政党の紹介なしに入場できない。額賀座長は一顧だにしなかった」・・・・・・、酷いものである。
 馬耳東風な馬さんや鹿さんな政治家には反対を叫ぶ市民の声など聞こえないか、それとも、単に無神経なだけなのか?

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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2、11月26日】

2013年11月26日(火)付
秘密保護法案―福島の声は「誤解」か

 特定秘密保護法案を審議する衆院の特別委員会がきのう福島市で地方公聴会を開いた。

 福島第一原発の事故は日本にとって近年最大の危機だった。その恐ろしさを肌身で知る福島の人たちは公聴会で、口々に法案への懸念を語った

 秘密より情報公開が重要ではないか――。そんな意見が相次ぎ、自民党の推薦者を含む全員が法案に反対した。

 与党である自民、公明両党は、この事実を重く受けとめるべきだ。

   「情報公開がすぐに行われていれば低線量の被曝(ひばく)を
    避けることができた」

 浪江町の馬場有(たもつ)町長は、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報が適切に公開されず、町民が放射線量の高い地域に避難した問題を取り上げた。

 自民、公明両党の委員は「誤解がある」「今回の法案の対象ではない」と反論したが、そう単純な話ではない

 危急の時にあっても行政機関は情報を公開せず、住民の被曝につながったその実例を目の当たりにしたからこそ、秘密が際限なく広がりかねない法案のあり方に疑問を投げかけているのではないか。

 法曹関係者は公聴会で「(秘密の範囲について)拡張解釈の余地をきちんと狭めるべきだ」と指摘した。

 特別委員会の審議で明らかになった、こんな事実もある。

 福島第一原発の事故直後、現場の状況を撮影した情報収集衛星の画像を、政府が秘密保全を理由に東京電力に提供しなかったというのだ

 東電には秘密保全措置がないから、画像は関係省庁だけで利用した。代わりに商業衛星の画像55枚を4800万円で購入して東電に提供したという。

 情報収集衛星は災害目的にも使われるはずだった。それが肝心のときに「秘密」にされた。

 公聴会の出席者に自民党議員は「どうぞ信頼していただきたい」と述べた。どう信頼すればいいのか。反対意見を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。

 地方公聴会を、みんなの党、日本維新の会を含めた4党による衆院通過に向けたアリバイづくりにしてはならない。

 福島県議会は10月、法案への慎重対応を求める意見書を出した。「もし制定されれば、民主主義を根底から覆す瑕疵(かし)ある議決となることは明白である」と訴えている。

 与党はもう一度、考えたほうがいい。福島の人々の懸念は、ほんとうに「誤解」なのか。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013112602000121.html

秘密保護法案 福島公聴会 与党推薦者も強い疑念
2013年11月26日 朝刊

 衆院国家安全保障特別委員会は二十五日、福島市で特定秘密保護法案の地方公聴会を開いた。七人の公述人が意見を述べたが、与党側が推薦した二人を含め、全員が法案の慎重審議や廃案を主張。福島側には、東京電力福島第一原発事故で政府の情報公開が遅れたことに対する不信感が強く、国民の「知る権利」を一段と制限しかねない法案への批判が噴出した。 (横山大輔)

 与党が推薦したのは、今も「帰還困難区域」を抱える福島県浪江町の馬場有(たもつ)町長と、畠中信義いわき短大特任教授。

 馬場氏は原発事故後、放射能拡散予測の公開が遅れたため、住民が放射線量の高い地域に避難した経緯を説明し「適切な経路を示してくれれば被ばくは防げた」と政府を批判。畠中氏は「知る権利」の重要性を指摘し「国民が判断するには情報が重要だ」と秘密保護より情報公開を進めるよう要求した。

 与党側は馬場氏との質疑で「原発情報は特定秘密の対象にならない」との政府解釈を持ち出して理解を求めた。しかし、馬場氏は納得せず、原発施設の警備情報はテロ防止のため公表されないことを指摘。秘密が際限なく広がりかねない懸念から「どう絞り込むのか。慎重に議論を尽くすことが大切だ」と強調した。野党推薦の公述人からも「今ある法律で十分だ」「拡大解釈はしないというが、歴史を踏まえると権力は腐敗する」と反対論が相次いだ。

 福島での開催は野党が求め、成立を急ぎたい与党が応じた。厳しい意見を受け、特別委の額賀(ぬかが)福志郎委員長(自民)は終了後の記者会見で「非常に濃密な意見交換ができた。与野党で議論して、まとめたい」と述べた。

 <地方公聴会と参考人質疑> 国会法は、委員会が一般的に関心の高い重要法案を審議する際、有識者らから意見を聴くことができると定める。これを中央公聴会と呼び、予算案や予算関連法案の審議には開催が義務付けられており、公聴会開催は一般的に採決の前提とされる。
 一方、地方公聴会は委員が地方に出向いて意見を聴くもので、正式には「委員派遣」という。公聴会の名が付くものの、中央公聴会とは異なり、法的に位置付けられたものではない。むしろ、利害関係者や学識経験者などの意見を聴く参考人質疑と似ている。
 特定秘密保護法案をめぐっては与党は参考人質疑と地方公聴会を終えたことで「採決の環境が整った」と主張。野党側は中央公聴会も開くよう求めている。
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http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008272

【秘密保護法・福島公聴会】全員反対 浪江町長「理解してもらえなかった」
2013年11月25日 18:26

     【浪江町の馬場有町長は憤りと落胆を隠せなかった。
      =25日、福島市 写真:島崎ろでぃ=】

 「衆院の国家安全保障・特別委員会はきょう、「特定秘密保護法」について国民の声を聞く、最初で最後(25日現在の方針)の公聴会を福島市で開いた。原発事故のあった福島であえて開催したところに政府の意図が見えた

 各党から選出された地元の7人が意見陳述した。

 トップバッターの浪江町の馬場有(たもつ)町長は次のように話した―

 「SPEEDIの情報が的確に公開されず、避難に活かせなかった。情報公開さえしてくれれば何らかの方法があった。東電と通報協定を結んでいたが守られなかった。我々は民主主義の拠り所である幸福追求権、生存権、財産権を全て侵害されている。人権を守って、情報公開してほしい。明るみに出せるところは出してほしい。もうちょっと慎重な対応をするべき。国民と論議を尽くすことが大切だ」。

 二瓶由美子・桜の聖母短大教授は「まず、廃案にしてほしい」と切り出した。

 「3.11以降、たくさんの情報が隠されていたのではないか、ここ(福島)で若い人々を教育していいのか思い悩む日々が続いた」。

 二瓶教授は原発事故の際、東電社員の家族がバスで先に逃げたとされることに触れ「情報は流れている所には流れているが、私たち愚民には与えられないのではないか?それが懸念される」。教授は官僚や政府トップによる情報独占の危険性を指摘した。

     【「傍聴したい人が外にいます。入れてあげて下さい」。
      懸命に訴える福島の女性。傍聴は政党の紹介なしに入場できない。
      額賀座長は一顧だにしなかった。=写真:島崎ろでぃ=】

 原発関連会社の名嘉幸照社長の陳述にはド肝を抜かれた。情報隠ぺいの多い原発政策を擁護するのかと思っていたら、その真逆だった。

 「原発労働者が原発について家族にも話せない状況が続いてきた。それが安全神話を生み取り返しのつかない事故につながった」。

 「私は沖縄県出身だが、米軍事故では何も知らされなかった。“ 私達は日本人ですか? ”といつも問いかけて来た。福島県の人にも“ 私達は日本人ですか?”と言わせないで下さい」。名嘉社長は体の深奥から言葉を絞り出すようにして訴えた。

 陳述人7人全員が「特定秘密保護法に反対する」と宣言した

 公聴会終了後、額賀福志郎座長(自民)、国家安全保障特別委員会の中谷元・与党筆頭理事らが記者会見を開いた。

 「地元陳述人は原発災害における情報公開と国民の生命・財産を守る特定秘密を若干混同していたが整理できた」。額賀座長は自信をのぞかせた。

 “ 国民が心配する情報隠しと、国が守ろうとする特定秘密は違うのだから、通過させても構わないだろう ” といわんばかりだ政府が福島で公聴会を開いた意図がここにあった

     【国家安全特別保障委員会・福島公聴会。
      中谷元・与党筆頭理事(右端)は記者会見で「原発で秘密指定の
      対象となるのは警備」と強調した。=写真:島崎ろでぃ=】

 ところが浪江町長にぶら下がり記者会見で話を聞くとそうではなかった。「(特定秘密の)範囲が広すぎる。テロ防止の名目で(原発)事故隠しをされたら困る」。

 「理解してもらえたか?」と記者団が聞くと「理解してないんじゃないかな。表情を見る限り」。浪江町長は肩を落とした。

 「中央でも公聴会をすべき。2週間やそこらの審議で済むことではない。国民の安全保障に関わる問題なのだから」と続けた。

 公聴会開始前、幼子を背負った母親が受付に現れた。「秘密保護法にイヤと言いたいんですけど、私たちは言えないんですか?子供のためにもすごく心配。何か分からないで知らずに触れる恐れがある。議員さんにもぜひ伝えたい」

 母子はたまたま公聴会会場のホテルに投宿していたのだった。安倍政権は国民の心配をよそに猛スピードで「特定秘密保護法案」を成立させようとしている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112702000131.html

【社説】
特定秘密保護法案 国民軽視の強行突破だ
2013年11月27日

 広く疑念の声があがる特定秘密保護法案が衆院の本会議で可決した。巨大与党が力ずくで、渦巻く反対論をねじ伏せたのだ。強行突破は看過できない

 福島で二十五日に開かれた地方公聴会は、いったい何のためだったのだろう。首長や学者ら七人が意見を述べたが、賛成者は一人もいなかった。「慎重に、国民のために議論を尽くすことが大切だ」「外国の信頼よりも、国民の信頼を得るべきだ」-。もっともな意見が続出した。

 とくに原発事故で放射能の拡散予測が隠された体験があるだけに、「一番大切なのは情報公開だ」と語った人もいた。


数の力でのおごりだ

 その翌日に衆院の本会議で、一部野党との修正協議を経た法案が、駆け足で可決された。つまり、福島の公聴会はたんなる“儀式”にすぎず与党は耳をふさぎ、尊重もしなかったのだ。あまりに乱暴である

 さまざまな危うさが指摘される秘密保護法案であるため、報道各社の世論調査でも「慎重審議」を求める意見が、60%台から80%台を占めていた。国民の声すら軽視したに等しい

 与党は圧倒的な数の力におごっている。修正案に加わった日本維新の会さえ、この採決には退席した。この強行可決をあえて暴挙と呼ぼう。

 修正案自体も評価に値しない内容だ。秘密の有効期間は最長三十年だったが、「六十年を超えることができない」という規定が加わったため、「六十年原則」の方が幅を利かせる恐れがある。

 その場合も七項目の例外が設けられていて、中には「政令で定める重要な情報」という、あいまいな言葉が挿入されている。これでは半永久的に国民から重要情報が遮断されてしまう。


議員こそ反対の先頭に

 特定秘密の指定や解除などについて、首相が「その適正を確保するため(中略)指揮監督する」という条文も、効力を発揮しないだろう。首相は行政機関の「長」の上に存在する「長」であるから、公正な審判役たりえない

 約四十万件とも見積もられる特定秘密の膨大な文書に対し、首相がいちいち目を通すはずもない。全くの空文である。

 有識者会議もたんに基準を示すだけの存在だ。本当に実質的な秘密に値するかどうかのチェックは、司法権さえからも受けない仕組みなのだ。

 付則では「独立した公正な立場において検証し、監察する新たな機関の設置」が書かれた。だが、あくまで検討事項にすぎないし、具体的な中身も不明である。法案が抱える欠陥を補えるとは到底、期待できない。

 国会への特定秘密の提供も付則に記されたものの、その方策はやはり検討事項にとどまる。この法案が国権の最高機関さえ素通りし、官僚機構が情報支配を進める原点に変わりはないのだ。

 問題のありかは特別委員会の審議を経ても山積している。衆院本会議で可決・通過したので、次は参院に移る。もっと議論して、廃案に持ち込んでほしい。

 とくに憲法の観点から疑念が持たれている点を重視すべきである。国民主権や基本的人権、平和主義の三大原則から逸脱していることだ。

 いわゆる「沖縄密約」や「核密約」などの問題は本来、活発に議論されるべき国政上の大テーマである。これに類似した情報が特定秘密に指定されると、国民は主権者として判断が下せない。

 国会議員といえども、秘密の壁に阻まれてしまう。仮に情報を得たとしても、政策秘書や所属政党に口外すると、処罰対象になる。議員は院内での免責特権があるものの、国会追及はとても期待はできないだろう。

 国政上のテーマについての言論を封じ込める法案とは、ほとんど情報統制の世界に近い。国会議員自身の問題でもある。どれだけの議員が、この深刻さを理解しているか。本来は議員こそ反対の先頭に立つべきなのだ。

 軍事面に過度に傾いている法案であるうえ、安倍晋三内閣は来年にも集団的自衛権の行使ができる「国家安全保障基本法案」の提出をめざしている。平和主義とも相いれないはずだ。


三角形は美しく保て

 特定秘密の取扱者は、飲酒の節度や借金などまで調べ上げられる。調査は親族にも及ぶ。人権上の懸念が持たれるのも当然だ。反原発運動など、さまざまな市民活動の領域まで、公権力が監視する心配も濃厚だ。

 行政権だけが強くなる性質を持つ法案である。民主主義の三角形を美しく保つためにも、あらためて反対表明をする。
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●特定秘密保護法案: 「うそをつく人たちが作」る猛毒を「いい内容に仕上がっている」認識とは!?

2013年11月14日 00時00分45秒 | Weblog


神保哲生さんのvideonews.comの三つの記事【特定秘密保護法案 西山太吉がわれわれに残した宿題と政治家の問題意識を問う】(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/003011.php)、【特定秘密保護法案「国民の知る権利にも配慮したいい法案ができたと思う」 町村信孝氏(衆院議員・党秘密保全PT座長)】(http://www.videonews.com/press-club/0804/003019.php)、【特定秘密保護法案 われわれは内容を知らされないまま裁かれることになる インタビュー:海渡雄一氏(弁護士)】(http://www.videonews.com/interviews/001999/003018.php)。

 特定秘密保護法案について、「うそをつく人たちが作ろうとしている」猛毒を「国民の知る権利や取材の自由などが保障されたいい内容に仕上がっている」という認識を示した方が居られます。また、壊憲党の同氏は、「西山氏の事件は取材方法に違法性があったことが問題なのであって、特定秘密保護法案の問題とは直接関係がない。特定秘密保護法の議論で西山事件が引き合いに出されること自体がおかしい」とも指摘したそうです。西山太吉氏の言う「うそをつく人たち」の意味が本当によく分かります。「一般の市民はどの情報を聞き出したり漏らしたりしたことが違反に当たるかを知らされないまま逮捕、起訴され、裁判でも何が秘密かが明らかにならないまま、有罪判決を受ける恐れが現実のものとな」り、「それ招く萎縮効果は絶大」で、「このままでは濫用の暴走が避けられない」ような猛毒が、「いい内容」だそうです。それは、「うそをつく人たち」にとって都合の「いい内容」でしょう。

   『●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が
            伝えられなかった・・・身近で必要な情報が一層隠される」
   
     「田島泰彦氏の発言で気になるのは、「日本は今でさえ、
       本来なら国民が知るべき情報が出てこない。原発事故で・・・
      「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」や
      被ばくに関する正確な情報が伝えられなかったのがその表れだ・・・
      身近で必要な情報が一層隠される」という部分。
       ホント~にロクでもない事ばかりする政権!」

   『●西山太吉さん密約事件が示すもの:
          「一人歩きし、拡大解釈され、時の権力によって必ず乱用される」
   
     「「首相のウソを暴いた西山太吉さん。それが今後できなくなる」
      (佐高信さん、10月13日『サンデーモーニング』)。また、「西山事件が
      示している通り、必ず一人歩きする。拡大解釈される。その時の権力に
      よって必ず乱用される」(岸井成格さん、同番組)」
     「「公務員法でも政と官がその気になれば、
      ジャーナリストなんぞ簡単に逮捕できるということ」だったが、
      それ以上の強力な「猛毒」を安倍首相や自公議員は欲しいらしい。
      自公議員への投票者や支持者は、そんな「猛毒」をどう思っている
      のでしょう?」

   『●西山太吉さんが喝破、「うそをつく人たちが作ろうとしている危険な法案」
   
    「西山太吉さん曰く、「政府に都合が悪い情報が、永久に秘密にされる恐れが
      あることだ。・・特定秘密の指定から30年たっても内閣が承認すれば
      無期限に指定を延長できる。国には昔から情報を国民に隠す体質があるが、
      法案が成立すれば隠蔽される情報の範囲がさらに広がる。
      秘密国家の誕生につながりかねない、恐ろしい法律」。そして、
      安倍晋三首相や麻生太郎外相らのような「うそをつく人たちが作ろう
      としている危険な法案」と喝破」

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http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/003011.php

ニュース・コメンタリー (2013年11月02日)
特定秘密保護法案
西山太吉がわれわれに残した宿題と政治家の問題意識を問う
西山太吉氏(元毎日新聞記者)、町村信孝氏(党PT座長)、海渡雄一氏(弁護士)

 沖縄返還に際して日米密約の存在を暴きながら機密文書の入手方法の違法性を問われて逮捕・起訴され有罪判決を受けた元毎日新聞記者の西山太吉氏は、特定秘密保護法案を推進する政府・自民党を厳しく批判する。たびたび西山氏の取材方法の問題を取り上げながら密約の存在を認めようとはせず、いまだに国民への釈明・謝罪がないからだ。
 「外国政府との密約は国家の根幹に関わる問題。そこに目を向けないで、私の取材論だけを指摘するのは、問題の本質から目を反らすための行為だ」と西山氏は、10月27日のビデオニュース・ドットコムとの取材で答えた。
 これに対して、自民党で秘密保護法案を検討したプロジェクトチームの座長を務める町村信孝衆院議員(元外務大臣)は、11月1日、日本記者クラブの講演で、「西山氏の事件は取材方法に違法性があったことが問題なのであって、特定秘密保護法案の問題とは直接関係がない。特定秘密保護法の議論で西山事件が引き合いに出されること自体がおかしい」と指摘した。
 1978年、最高裁は西山氏が外務省の女性職員との肉体関係を通じて機密文書を持ち出させたのは国家公務員法で規定する「そそのかし」にあたるとして上告を棄却し、西山氏の有罪が確定していた。
 しかし、1990年代後半に入り、アメリカで当時の機密文書が25年の期限を経て機密が解除され、国立公文書館で公開されたことで、西山氏の暴いた日米密約が実際に存在したことが次々と明らかになった。
 民主党政権下では岡田克也外相の下で密約の調査が進んだが、自民党政権はまだ密約の存在を一度も認めていない
 2009年には、密約の日本側の当事者だった当時の外務省アメリカ局長の吉野文六氏が、法廷で密約の存在を証言したために、密約が存在していたことは、確実なものとなっている。しかし、依然として、自民党は密約の存在を認めず、その釈明や謝罪の意思を見せていない
 町村氏は、密約が日本の安全保障に関わる問題である以上、秘密にされていたことは当然のことだと語っている。しかし、密約が公開されれば、日本のどのような国益が損なわれるかは説明されていない。「自分が外務大臣当時、この問題は主要な問題とはならなかった」ことを理由に、そもそも密約の存在すら認めていないのだ。
 日米沖縄密約とは、日本国民にはアメリカ側が負担していると説明されていた、米軍施設の原状回復費の400万ドルを始めとする総額で億ドル単位の資金が、実際には日本の国庫から支出されていたことを秘密にしておくことを日米間で約束したもの
 弁護士の海渡雄一氏は、特定秘密保護法案が法制化されれば、一般市民は自分が入手した情報のどれが特定秘密かわからないまま逮捕・起訴され、裁判にかけられることになると指摘。裁判でも、秘密指定された情報は明らかにされないので、自分の行った行為のどの部分が違法行為に当たるのかがわからないまま有罪判決を受ける可能性があるため、弁護のしようがない可能性があると言う。
 識者へのインタビューを通じて見えてきた特定秘密保護法案の問題点について、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
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http://www.videonews.com/press-club/0804/003019.php

プレスクラブ (2013年11月01日)
特定秘密保護法案
「国民の知る権利にも配慮したいい法案ができたと思う」
町村信孝氏(衆院議員・党秘密保全PT座長)


 特定秘密保護法案を検討してきた自民党の「インテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム(PT)」の座長を務める町村信孝衆院議員が11月1日、日本記者クラブで講演し、現在国会に提出されている特定秘密保護法案は、国民の知る権利や取材の自由などが保障されたいい内容に仕上がっているとの認識を示した。
 町村氏は同法案について、公明党との修正協議などを経て、国民の知る権利や報道の自由などにも配慮された点を強調。秘密に指定できる期限は原則30年とし、延長には内閣の承認を必要としたことで、無節操に秘密が延長されていく恐れも取り除くことができたと説明し、理解を求めた。
 しかし、秘密に指定された情報の妥当性を監視する第三者機関の設置や、インカメラ条項を入れることで裁判所に秘密の妥当性を問う役割を持たせるなど、濫用を防止するための措置については、今後国会で民主党などと議論をしていくと述べるにとどめた。
 元毎日新聞記者の西山太吉氏が暴露した沖縄返還にかかる日米密約については、安全保障に関わる問題のため秘密にされるべき情報だったとの認識を示したほか、「そもそもあれは取材のやり方が問題だった」と語り、特定秘密保護法案に関連した議論で引き合いに出すには不適当であるとの考えを強調した。
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http://www.videonews.com/interviews/001999/003018.php

インタビューズ (2013年11月02日)
特定秘密保護法案
われわれは内容を知らされないまま裁かれることになる
インタビュー:海渡雄一氏(弁護士)

 1980年代から秘密保全法制の制定に反対をしてきた弁護士で「何のための秘密保全法か」の共著がある海渡雄一氏は、この法律ができれば、一般の市民はどの情報を聞き出したり漏らしたりことが違反に当たるかを知らされないまま逮捕、起訴され、裁判でも何が秘密かが明らかにならないまま、有罪判決を受ける恐れが現実のものとなると指摘する。
 同法案では秘密の内容はおろか、秘密の存在まで明かされない。しかし、同法案は故意ではない過失による秘密漏洩やその教唆でも罪に問われることになる。ある情報が特定秘密に指定されていることを知らずに、政府関係者から情報を聞き出したり、それをネット上に公開したりすれば、それが違反に問われる可能性もあり、それ招く萎縮効果は絶大だ、と海渡氏は言う。
 要するに、この法案が、単に秘密を守るだけでなく、「何が秘密かも秘密」という極度の秘匿性を持っており、しかも秘密の内容に対する第三者のチェック機能がまったくビルトインされていないために、このままでは濫用の暴走が避けられないというのだ。 
 特定秘密保護法が制定された場合に、どのような問題が現実に生じうるかについて、ジャーナリストの神保哲生が弁護士の海渡氏に聞いた。
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●西山太吉さんが喝破、「うそをつく人たちが作ろうとしている危険な法案」

2013年11月01日 00時00分11秒 | Weblog


西日本新聞のインタビュー記事【秘密国家 目の前 沖縄密約報道で逮捕の西山さん 民主主義の空洞化懸念】(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_sougou/article/48713)。

 原発推進・原発輸出、消費税増税、TPP推進、壊憲・・・・・・自公投票者・自公支持者の皆さん、ブログ主は耐えられないのですが? 身に降りかかる火の粉はないのでしょうか?? 

 西山太吉さん曰く、「政府に都合が悪い情報が、永久に秘密にされる恐れがあることだ。・・特定秘密の指定から30年たっても内閣が承認すれば無期限に指定を延長できる。国には昔から情報を国民に隠す体質があるが、法案が成立すれば隠蔽される情報の範囲がさらに広がる。秘密国家の誕生につながりかねない、恐ろしい法律」。そして、安倍晋三首相や麻生太郎外相らのような「うそをつく人たちが作ろうとしている危険な法案」と喝破。

   『●西山太吉さん密約事件が示すもの:
          「一人歩きし、拡大解釈され、時の権力によって必ず乱用される」
   
     「「首相のウソを暴いた西山太吉さん。それが今後できなくなる」
      (佐高信さん、10月13日『サンデーモーニング』)。また、「西山事件が
      示している通り、必ず一人歩きする。拡大解釈される。その時の権力に
      よって必ず乱用される」(岸井成格さん、同番組)」
     「「公務員法でも政と官がその気になれば、
      ジャーナリストなんぞ簡単に逮捕できるということ」だったが、
      それ以上の強力な「猛毒」を安倍首相や自公議員は欲しいらしい。
      自公議員への投票者や支持者は、そんな「猛毒」をどう思っている
      のでしょう?」

   『●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が
            伝えられなかった・・・身近で必要な情報が一層隠される」
   
     「田島泰彦氏の発言で気になるのは、「日本は今でさえ、
       本来なら国民が知るべき情報が出てこない。原発事故で・・・
      「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」や
      被ばくに関する正確な情報が伝えられなかったのがその表れだ・・・
      身近で必要な情報が一層隠される」という部分。
       ホント~にロクでもない事ばかりする政権!」

   『●密約破棄
     「自民党の政治家の顔色を見てもみ消したわけですね。西山太吉
      元毎日新聞記者の記者生命を奪っておいて、さんざん嘘を吐き、
      最後はもみ消してあげるわけ」

   『●〝沖縄密約〟東京高裁判決、原告側の逆転敗訴
     「「無いんだから仕方ないジャン」、「捨てちゃっただからもういいジャン」
      という言い訳を認めて良いのかな。本当に廃棄してしまったのならば、
      それはそれで大問題でしょう。これだけ議論を呼んだこんな重要な文章が、
      そういう風にいい加減に取り扱われていて大丈夫なのか? 廃棄を
      指示したのは一体誰で、実行したのは一体誰?」

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http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_sougou/article/48713

秘密国家 目の前 沖縄密約報道で逮捕の西山さん 民主主義の空洞化懸念 [福岡県]
2013年10月27日(最終更新 2013年10月27日 00時17分)

   (「特定秘密保護法は危険な法律だ」と指摘する西山太吉さん
                         =25日、北九州市小倉北区)

 政府が今国会に提出した特定秘密保護法案。成立すれば、国が勝手に秘密を拡大解釈し、情報統制が強まる懸念がある。国会審議を前に、1972年の沖縄返還をめぐる日米の密約を報じ、国家公務員法違反容疑で逮捕された元毎日新聞記者の西山太吉さん(82)=北九州市小倉北区=に、法案の問題点を聞いた。


 -法案の最大の問題点は。

 政府に都合が悪い情報が、永久に秘密にされる恐れがあることだ。欧米では秘密にして25~30年たてば全て公開される。だが、法案では、特定秘密の指定から30年たっても内閣が承認すれば無期限に指定を延長できる。国には昔から情報を国民に隠す体質があるが、法案が成立すれば隠蔽(いんぺい)される情報の範囲がさらに広がる。秘密国家の誕生につながりかねない、恐ろしい法律だ。


 -民主主義へ影響は。

 政権は主権者の国民に最大限の情報を伝え、選挙で審判を仰ぐのが民主主義のルール。ところが、投票の前に知っておくべき情報が国民から遮断され、日本の民主主義が空洞化する恐れがある。


 -内部告発の意義は。

 私が触れたのは氷山の一角。今も昔も政府が嫌がる情報をそう簡単に明らかにできるわけではない。沖縄密約の時も当時の佐藤栄作政権は「これをやってもばれないだろう」と、国民やマスコミをなめていたと思う。そこを私がつついた。


 -現政権が法案を作ることをどう考えるか。

 2006年に外務省元アメリカ局長が沖縄密約の存在を認めた直後も、当時官房長官だった安倍晋三首相や、外相だった麻生太郎副総理兼財務相は公的な場で「密約は一切ない」と答えた。その後も内閣は密約を否定したままだ。うそをつく人たちが作ろうとしている危険な法案といえる。


 -法案提出で西山さんの事件が再び注目を集めている。

 現政権は法案提出に当たって、私の過去の取材手法を「違法行為に当たる」とプロパガンダ(宣伝)に使い、メディアもそのまま報道する。問題点を沖縄密約から取材方法にすり替えた72年と全く同じ手法だ。


 -外国からは、日本に秘密保護法がないため外交や防衛情報を共有できないとの指摘もある。

 背景には米国と機密情報を共有したい政府の思惑がある。しかし、米情報機関がドイツ首相の携帯電話を盗聴していた疑惑が浮上し、米国は同盟国も信用していないと分かった。そんな国が日本に情報を流すだろうか。


 -法案を審議する国会に求めることは。

 国民の知る権利を明記した情報公開法改正案を可決することに尽きる。情報の開示量を増やし、非開示とした場合も30年たてば全面公開すべきだ。秘密保護法は今の日本に必要ない。


 【ワードBOX】沖縄密約
   
 1972年の沖縄返還に伴い、返還協定で米国が支払うとされた米軍用地の原状回復費400万ドル(当時約12億円)を日本が肩代わり負担した裏約束。この機密電文を外務省の女性事務官から入手して報じた西山太吉さんが国家公務員法違反罪で起訴され、一審は無罪だったが、78年に最高裁で有罪が確定した。その後、米公文書や外務省元局長の証言で、密約の存在が示された。9月に亡くなった山崎豊子さんはこの事件を題材に小説「運命の人」を執筆し、ドラマ化もされた。

=2013/10/27付 西日本新聞朝刊=
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●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が伝えられなかった・・・身近で必要な情報が一層隠される」

2013年10月17日 00時00分42秒 | Weblog


東京新聞の記事【「秘密保護法案」秘密肥大化 意のまま 田島泰彦教授に聞く】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013100402000122.html)。

 盗聴法とか・・・、

   『●「希望にすがるな 絶望せよ」/『週刊金曜日』(2013年2月22日、932号)についてのつぶやき
   『●「これでもコントロールできているのか」 『週刊金曜日』(9月27日、961号)についてのつぶやき

 共謀罪とか・・・、

   『●『月刊誌3冊』読了(3/5)
   『●そりゃぁ、東京電力原発人災以降を見ただけでも、「司法」にも絶望するよな
   『●海渡雄一さんの原子力「規制」委員会人選批判
   『●「「愛国」と戦争 安倍政権の軍事改革徹底批判」 『週刊金曜日』(9月20日、960号)について

あの時の教訓ってい一体どこに行ったの??

 田島泰彦氏の発言で気になるのは、「日本は今でさえ、本来なら国民が知るべき情報が出てこない。原発事故で・・・「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」や被ばくに関する正確な情報が伝えられなかったのがその表れだ・・・身近で必要な情報が一層隠される」という部分。
 ホント~にロクでもない事ばかりする政権!

   『●「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」、騙す阿呆に、騙される阿呆

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013100402000122.html

秘密保護法案秘密肥大化 意のまま 田島泰彦教授に聞く
2013年10月4日 朝刊

 安倍政権は「特定秘密」に指定した情報を漏らしたり、取得したりした場合、最高懲役10年とする「特定秘密保護法案」の原案をまとめた。臨時国会に法案を提出し、成立させることを目指している。ただ、過度な厳罰化と「秘密」の定義の拡大によって、国民の「知る権利」が脅かされかねない。情報の公開と規制の問題に詳しい上智大の田島泰彦教授に問題点を聞いた。 (聞き手・金杉貴雄)


 -法案では、情報漏えいに罰則を科すのは防衛や外交など四分野の「特定秘密」に限るとしているが。

 限定的に聞こえるが、実際はすごく広範に指定できる。例えば、原発や放射能などの情報は、スパイやテロ活動の防止にあたるかもしれない。環太平洋連携協定(TPP)も外交に関連し、指定されてもおかしくない。指定は政府側が随意に、誰にもチェックされず決めることができる


 -厳罰化の影響は。

 情報を得る方も最高懲役十年だ。共謀や教唆だけで罰則が適用される。記者のほか、情報公開を求め、調査活動をする市民や研究者まで厳罰の対象になり、国民全体に大きな影響がある。


 -政府は「外国と情報共有のため厳罰化が必要だ」と主張するが、国民の「知る権利」との関係は。

 各国は情報公開や表現の自由への取り組みの上に、情報保護の法律がある。日本は今でさえ、本来なら国民が知るべき情報が出てこない。原発事故で(放射性物質の拡散状況をコンピューターで予測する)「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」や被ばくに関する正確な情報が伝えられなかったのがその表れだ。(法案が成立すれば)身近で必要な情報が一層隠される


 -法案は「知る権利」に抵触するのでは。

 政府が何をしているのか情報がなければ、民は是非を判断できず、民主主義は機能しない。「知る権利」は表現の自由国民主権のための基本的人権の一つという考えが主流だ。
 情報公開や知る権利を前提にして、国家の「秘密」をできる限り少なくするのが、むしろ民主主義国の大きな流れだ。秘密を肥大化させていくのは、世界と時代に逆行する。


特定秘密保護法案> 政府原案では、国の安全保障に著しい支障を与える恐れがある情報を「特定秘密」に指定。(1)防衛(2)外交(3)特定有害活動の防止(スパイ行為などを指す)(4)テロの防止-に関する事項が対象で、行政機関の長が指定する。漏えいは最高懲役10年で、従来の国家公務員法の守秘義務違反(懲役1年)、自衛隊法の防衛秘密漏えい(懲役5年)と比べ大幅に厳しくなる。不正に取得した場合も懲役10年、共謀やそそのかし、扇動も懲役5年とする。特定秘密の取り扱いは、適性評価による調査をクリアしたものに限定する。

<たじま・やすひこ> 専門は憲法、メディア法で、表現の自由や国民の「知る権利」に詳しい。神奈川大短期大学部教授を経て1999年から現職。著書に「共通番号制度のカラクリ」「秘密保全法批判」(ともに編著)など。61歳。
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●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖

2012年08月04日 00時00分47秒 | Weblog


SPEEDIについての東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012072802000109.html)。玄海原発のボヤ騒ぎについてのasahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/intro/SEB201207270058.html)と、玄海原発1号機の健全性についての記事(http://www.asahi.com/national/update/0727/TKY201207270489.html)。もんじゅにの誤警報についての東京新聞のニュース(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012073002000232.html)。

 原発人災直後の最も重要な時期に緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI」のデータを公開せずに、多くの人たち、特に、子供を被爆させておいて、何も問題がなかったとでも文科省は言いたげである。ほとんどの人がそんなシステムがあることさへ知らず、しかも、巨費を投じて、「その時」のために開発されたにもかかわらず、結果として何の役目も果たさなかった。誰も責任をとらないし、なあなあでコトを済ませている。我が国に連綿と続く無責任の連鎖の一つ。
 ボヤが起きた九電玄海原発では、漏電の原因になる機械の故障や作業ミスはなく、原因がわからないまま調査をやめたそうだ。早く再稼働したいものね、臭いものには蓋を!! また、経済産業省原子力安全・保安院は玄海原発1号機の老朽化問題について、検討を終え、報告書をまとめるそうだ。「脆性遷移温度が急激に高まっているにもかかわらず、「十分に健全だ」と主張している。「1993年に取り出した金属片は56度だったのが、2009年は98度にまで上昇」し、「予測値を14度超えていた」にも係らずである。つまり、高い温度でも原子炉の材料がガラスのように脆くなり、破壊されてしまう恐れが高まっていることを意味している。保安院は「事故時に原子炉を急激に冷やすと壊れないか検証」し、原子炉内に設置していた金属片について「取り出した金属片を分析し、圧力容器の溶接部を調べたが、異常は見つからなかった」ので、「急激に冷やしても圧力容器が耐えられることも確認した」そうである。どこが原子炉が破壊されない「」になっているのか。むしろ、リスクが上がっていることが確認」されたのではないのか。電力会社や原子力ムラの住人のいい加減さ、それを見過ごした専門家や我々一般市民・利用者にも責任があったはずだ。東京電力原発人災で少なくとも我々は気づいたはずで、このままズルズルと原発再稼働・原発輸出・原発建設再開という「無責任」を続けてはならない。
 さらに、発電もしていないもんじゅ」にバカみたいなカネがかかり、そのお守りに手がかかっているという、どいつもこいつも無責任な話。これも「警報が作動した原因は不明」だそうだ。「もんじゅは原子炉停止中だが、炉内には核燃料が装荷されており、冷却のために一次系、二次系でナトリウムが循環している」という、物理的・工学的・化学的に本当に本当に恐ろしいことが続いていて、加えて、巨大な投資・建設費だけでなく、1円分も発電していないというこちらも経済的に本当に恐ろしい話がいまも続いている。誰か責任をとったのでしょうか? 自民党の何方かが謝罪の一つでもしたのでしょうか??

   『●増殖もしない、発電もしない「もんじゅ」でも儲かる仕組み
   『●パンドラの箱を開けたのは誰だ?

 東京電力原発人災以降も連綿と続く無責任の連鎖、このまま本当に見過ごしていて良いのでしょうか?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012072802000109.html

非公表 理由示さず SPEEDI いつ、誰が不明のまま
2012年7月28日 朝刊

 東京電力福島第一原発の事故後、政府は緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI」で放射性物質の拡散方向などを予測しながら、当初公表しなかった問題で、文部科学省は二十七日、同省の対応を検証した最終報告を発表した。だが、誰がなぜ公表しないよう決めたのかなど肝心の部分は明らかにしなかった「無用の被ばく」をしたとされる福島県浪江町の避難者からは文科省の姿勢に怒りの声が上がった。 
 SPEEDIは、昨年三月十五日、午後から翌未明にかけ、放射性物質が原発から北西方向に拡散するとの予測結果をはじき出していた。同じころ、南相馬市や浪江町の住民の中には、北西方向の飯舘村方面に避難しようと動いていた。
 文科省が予測結果を公表していれば、住民の被ばくを防げたのではないかというのが最大の問題点だ。
 文科省は十五、十六日に高木義明文科相(当時)ら政務三役と事務方でSPEEDIについて協議。政府事故調の中間報告は「公表すると無用の混乱を招く恐れがある」と出席者から意見が出た、と指摘した。
 文科省の検証チームは、当時三役だった五人全員から話を聞いたものの、いつ、誰が、なぜ非公表を決めたのか、検証結果が一切示されていない
 わずかに、十五日夕の省内打ち合わせで、「(公表すれば)被災地での医療崩壊、ガソリン・医薬品の枯渇などが進み、救急活動などに悪影響を与えかねない」旨の発言があった、とだけ記述。
 公表していれば、被ばくを防げたのかという点に関しては、「否定することまではできない」と記した。公表方法については「関係機関に何らかの助言を行うことを検討すべきだった」と、自らには直接的な公表の責任はないとの認識を示した。
 SPEEDIは、昨年三月二十三日以降、徐々に公開し始めた。
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http://www.asahi.com/national/intro/SEB201207270058.html

2012年7月28日03時00分
「原因分からない」まま調査終了 玄海原発火災で九電

 九州電力は27日、玄海原発(佐賀県玄海町)で照明用のケーブル管が焦げた火災について、原因がわからないまま調査をやめたと発表した。溶接機から漏電したが、その原因になる機械の故障や作業ミスは「なかった」と主張している。
 火災は6月15日、低レベル放射性廃棄物の処理施設でおきた。九電によると、・・・・・・。
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http://www.asahi.com/national/update/0727/TKY201207270489.html

2012年7月27日20時26分
玄海原発1号機「十分に健全」 老朽化問題で保安院報告

 経済産業省原子力安全・保安院は27日、定期検査で運転停止中の九州電力玄海原発1号機(佐賀県)の原子炉圧力容器が予想以上に老朽化しているとの専門家の指摘に「十分に健全だ」とする検証結果をまとめた。保安院はこの日で専門家会合での確認を終え、8月中に報告書をまとめる。
 圧力容器は核燃料から出る中性子で劣化する。電力会社は運転開始時に圧力容器の中に同じ材質の金属片を入れ、取り出して調べている。運転から36年がたつ玄海1号機は、劣化の目安となる「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度」が1993年に取り出した金属片は56度だったのが、2009年は98度にまで上昇していた。予測値を14度超えていた。
 保安院は昨年11月から、事故時に原子炉を急激に冷やすと壊れないか検証してきた。09年に取り出した金属片を分析し、圧力容器の溶接部を調べたが、異常は見つからなかった。激に冷やしても圧力容器が耐えられることも確認した。ただ、「予測精度が十分ではない」として学会に見直しの検討を求めた。
 一方、専門家会合では委員から「データが十分でなく炉の状態を把握できない。健全性には疑問がある」(井野博満・東大名誉教授)との指摘も出た。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012073002000232.html

ナトリウム漏れ もんじゅ誤警報 原因不明
2012年7月30日 夕刊

 日本原子力研究開発機構は三十日、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で同日午前三時四十分ごろ、二次冷却系の冷却材ナトリウムの漏えいを知らせる警報が作動したと発表した。実際のナトリウム漏れや環境への影響はなかった。
 警報が作動した原因は不明で、同機構が詳しく調べ、結果を経済産業省原子力安全・保安院に報告する。
 もんじゅは原子炉停止中だが、炉内には核燃料が装荷されており、冷却のために一次系、二次系でナトリウムが循環している。
 警報が作動したのは、原子炉補助建屋にある、二次系配管周辺に設置された検出器の一つ。部品を交換したり、作業員が現場を目視で点検したりしたが、ナトリウム漏れは確認できなかったという。
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●追悼・日隅一雄さん

2012年07月09日 00時00分28秒 | Weblog


videonews.comに出ていた再放送映像(http://www.videonews.com/on-demand/561570/002322.php)。

 NPJ編集長・日隅一雄さんのインタビュー映像が、追悼のために、再放送されている。やはり惜しい人を亡くしたと思います。亡くなる直前まで、大飯原発再稼働に反対をしておられたようです。

   『●日隈一雄さん、「小沢さん無罪が明確であり、そもそも起訴する必要がない事案」
   『●NPJ編集長・日隈一雄さん亡くなる
   『●大飯原発再稼働についての首相の酷い会見

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http://www.videonews.com/on-demand/561570/002322.php

マル激トーク・オン・ディマンド 第568回(2012年03月03日)
追悼・無料放送
東電・政府は何を隠そうとしたのか


ゲスト:日隅一雄氏(弁護士・NPJ編集長)

 火事で火が燃えさかる最中、とりあえず出火の原因究明や責任の追及は後回しにして、まず優先されるべきことは人命救助と消火になることはやむを得ない。しかし、起きた事故のスケールがあまりにも大きい場合、その収束に時間がかかるため、いつまでたっても原因究明や責任追及がなされないまま事故そのものが風化してしまったり、世の中の関心がよそに向いてしまったりするリスクがある。
 福島第一原発の事故も、そんな様相を呈し始めている。昨年の3・11からの1年間は、日本にとってはもっぱら起きてしまったことへの対応に追われる1年だった。しかし、大地震と津波で福島第一原発が全ての電源を喪失し冷却機能を失った時、政府および東京電力がその事態にどのように対応し、その時政府や東電内部で何が起きていたのかが十分に検証されたとは、とても言いがたい。
 今週、民間の事故調査委員会の報告書が発表になった。主要な政府の関係者は事故調のヒヤリングに応じたため、報告書は事故直後の政府内部の動きやその問題点は詳細に指摘している。しかし、肝心の東電が協力を拒否したため、事故直後に東電内部で何が起きていたかについて、報告書ではほとんど何も触れられていない。
 そこについては今後の政府並びに国会の調査委員会の報告に期待するしかないが、今回の民間事故調の報告書が触れていない問題がもう一つある。それは、東電や政府が事故への対応に追われる中、彼らが一体何を国民に伝えてきたかの検証だ。主権者たる国民に真実が伝えられないだけでも十分に大きな問題だが、今回の事故では、それが避難の遅れや不必要な被曝につながる可能性があり、直接命に関わる問題となっている。そこでは、果たしてわれわれはこの政府や電力会社に自分たちの命を預けても大丈夫なのかが問われることになる。
 事故発生直後から東京電力や政府の事故対策本部の記者会見に日参して、政府・東電の嘘を追及してきた弁護士の日隅一雄氏は、政府・東電は事故発生直後から重大な嘘をつき、結果的に多くの国民を騙したばかりか、大勢の国民を不必要な被曝のリスクに晒したと批判する。
 それは、例えば政府・東電内部では事故発生の翌日にはメルトダウン(炉心溶融)の可能性が高いことがわかっていながら、記者会見でそれを認めた審議官を繰り返し交代させてまで、国民に対して炉心の溶融は起きていないと言い続けたところに代表される。あれは、あからさまな嘘だった。
 政府も東電も3月12日の段階で炉心溶融の可能性が高いことがわかっていた。原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官は、12日の会見で炉心溶融の可能性が高いことを認めていた。しかし、政府はこの直後、中村審議官を記者会見の担当から降板させ、マスコミの厳しい追及を前にメルトダウンを完全に否定できなかった2人の後任の審議官も次々と交代させた上で、炉心溶融の可能性を明確に否定して見せる芸当を備えた西山英彦審議官を広報担当に据え、そこからはあくまでメルトダウンはしていないとの立場をとり続けた。
 結局、政府・東電が炉心溶融を認めたのは5月12日で、事故から2ヶ月も経っていた。しかも、懲りない政府・東電は、「炉心溶融」を「燃料の損傷」とまで言い換えて、事故の実態をできるだけ小さく見せるような工作をしている。実際は燃料が溶けているばかりか、それが圧力容器から外に漏れ出す「メルトスルー」が起きていることがわかっていながら、それを「損傷」と言ってのけたのだ。
 もし3月12日の時点で核燃料が外部に溶け出していることがわかっていれば、政府は直ちにより大規模な避難を実施しなければならなかった。溶融した核燃料が、原子炉内の圧力容器や格納容器を突き破り、大規模な水素爆発や水蒸気爆発が起きる可能性が高まっていたからだ。結果的に、事故発生直後はメルトダウンが起きていないことを前提とした避難措置しか取られなかったし、幸いにして、いや偶然、大規模な水蒸気爆発は起きなかったために、この嘘による被害は最小限に抑えられたかに見える。しかし、このによって、どれだけの人が不要な被曝を受けたかは、当時はガイガーカウンターも普及していなかったため、はっきりとはわからない。いずれにしても多くの住民が間一髪の危機的な状況に晒されていたことだけは、今となっては間違いない。今回われわれはとてもラッキーだったようなのだ
 日隅氏は、政府・東電が嘘をついてまでこうした情報を隠そうとした理由として、それを認めなければならなくなると何十万人にも及ぶ大規模な避難が必要になるが、原発安全神話を前提とした避難態勢しか準備されていない日本では、政府はそれだけの避難を実際に行うことができない。そのため、それこそ政府が責任を問われる事態となる。そうなることがわかっている以上、情報を隠すことで、情報隠しの責を負う方が得策だと考えたのではないかとの見方を示す。特に情報隠しの場合は、隠されたという事実がばれにくいという、例の「鍵のかかった箱の中の鍵」問題があるため、「必要な避難をさせなかった」ことに比べると、逃げ道が多いのだ。
 同じく放射性物質の拡散状況をモニターするSPEEDI(スピーディ=緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報が公開されなかったことについても、政府はあからさまな嘘をついている。最終的にSPEEDIのデータが公開されたのは4月26日だったが、まず事故後5日目の3月15日の段階で、スピーディが故障していたという嘘のリーク読売新聞に書かせている。今となってはこれはSPEEDI情報を非公開としたことが意図的なものだったことを示す重要な証拠となっているが、その時は政府部内の何者かが、後でSPEEDIを公開しなかったことの責任を問われることを恐れて、嘘の情報をリークしたものと見られる。実際はSPEEDIのデータが事故直後から外務省を通じてアメリカ政府には送信されていたことが明らかになっているし、政府の担当部内では事故直後からSPEEDIのデータは共有されていたのだ。
 放射性物質の拡散状況をモニターし予想するSPEEDIのデータが、事故直後に公表されてれば、避難を強いられた原発周辺の住人たちが、わざわざ放射性物質が多く飛散している方向へ向かって避難をするようなことは避けられたはずだ。また、放射性物質が向かってきている地域では、あらかじめ避難をしたり、屋外での活動を控えたりするなどの対応が可能だった。一番肝心な時にSPEEDIは何の役にも立たなかった。そして、それはSPEEDI自体が悪かったのではなく、それを扱う政府部内のまったくもって官僚的な問題だった。
 4月25日に、政府・東電の原発事故対策統合本部の事務局長を務める細野豪志首相補佐官(当時)が、それまでSPEEDIのデータが公表されなかった理由として、「パニックを恐れたもの」との見方を示した上で、謝罪をしている。その後、5月2日には、SPEEDIデータとして、5000部を超える画像データが公表され、それまでどれだけの情報が隠されていたかが明らかになっている。
 他にも、実際には2006年頃から東電内部では、大規模な地震や津波が起きた際の危険性が検討されていたにもかかわらず、今回の震災を「想定外」のものとして、対応が遅れたことへの責任逃れをするなど、どうも「消火と人命救助」が優先されるべき事故直後の段階で、政府・東電内部ではすでに責任逃れのための工作が熱心に行われていたとしか思えない状況がある。
 なぜ政府や東電はをついてまで情報を隠したのか。なぜ重要な局面になると、政府は決まって情報を隠そうするのか。これは単なる責任逃れなのか、それともそこには何か別の行動原理があるのか。末期がんに冒されながら政府・東電の嘘を追及し続けた弁護士にしてインターネット新聞主宰者の日隅氏と考えた。
(藍原寛子さんの福島報告は、今週はお休みいたします。)

関連番組

マル激トーク・オン・ディマンド 第380回(2008年07月12日)
メディア問題徹底討論
Part1
・2 NHK裁判とマスゴミ問題
Part3
テレビニュースは本当に終わりませんか

ゲスト(Part1・2):日隅一雄氏(弁護士・NHK裁判原告代理人)
ゲスト(Part3):金平茂紀氏(TBSアメリカ総局長)

マル激トーク・オン・ディマンド 第300回(2006年12月22日)
マル激300回記念特別番組 2006年これだけは言わせろ!


福島第一原発事故


プロフィール

日隅 一雄ひずみ かずお
(弁護士・NPJ編集長)

1963年広島県生まれ。87年京都大学法学部卒業。同年産経新聞入社。92年退社。96年司法試験合格。98年弁護士登録。NHK女性戦犯法廷番組改編事件や外務省沖縄密約事件の代理人をつとめる。2006年よりインターネット新聞「News for the People in Japan」編集長。著書に『マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのか』、共著に『検証福島原発事故・記者会見――東電・政府は何を隠したのか』など。
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●こんな国に大飯原発を再稼働させて大丈夫か?

2012年06月22日 00時00分07秒 | Weblog


東京新聞(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012061202000090.html)と朝日新聞の記事(http://www.asahi.com/politics/update/0618/TKY201206170453.html)、山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、6月19日、20日)。

 住民が被爆しようがどうしようがお構いなしというわけだ。FUKUSIMAで被爆してしまった皆さんはあきれ果て、怒りの言葉を発することにも疲れ果てておられるのではないか。では、おおい町や周辺自治体の人たちが、「地元」住民が怒りの声を上げ、原発の再稼働を阻止すべきではないだろうか。「この公園は「株式会社おおい」が管理・運営しているが、代表取締役を時岡忍・大飯町長がつとめる」こういう現実を「地元」の人たちは何も感じないのか?
 こんな国に、原発の再稼働や原発の輸出など絶対にさせてはならない。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012061202000090.html

SPEEDI 住民に公表前、測定活用 浪江の高線量地把握
2012年6月12日 朝刊

 福島第一原発事故が発生した四日後の昨年三月十五日、文部科学省が緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による予測結果を基に、原発の北西約二十キロの福島県浪江町に職員を派遣し、実際に高い放射線量を測定していたことが十一日、分かった。

 SPEEDIによる放射性物質の拡散予測が事故後初めて公表されたのは昨年三月二十三日で、住民避難に役立てられなかった予測を、政府は公表前から活用していたことになる。

 政府の住民軽視の姿勢があらためて浮き彫りになった。

 文科省によると、同十五日夕に福島県入りした同省職員から測定地点の指示を求められ、文科省はSPEEDIの試算結果を基に場所を指定。同日午後九時前、毎時三三〇マイクロシーベルトと高い数値を実際に測定し、翌十六日未明に公表した。

 同省は原発から一ベクレルが放出したと仮定し、風向きなどの気象条件から、どの方角に放射性物質が拡散しているか把握する試算を同十一日夕に開始。同十五日は、原発から南向きに流れていた風が昼ごろから夕方にかけて時計回りに回転し、北西向きに変化していたことが判明しており、この予測を基に職員に測定地点を指示したという。
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http://www.asahi.com/politics/update/0618/TKY201206170453.html

2012年6月18日5時0分
米の放射線実測図、政府が放置 原発事故避難に生かさず

 東京電力福島第一原子力発電所の事故直後の昨年3月17~19日、米エネルギー省が米軍機で空から放射線測定(モニタリング)を行って詳細な「汚染地図」を提供したのに、日本政府はこのデータを公表せず、住民の避難に活用していなかったことがわかった。放射性物質が大量に放出される中、北西方向に帯状に広がる高濃度地域が一目でわかるデータが死蔵され、大勢の住民が汚染地域を避難先や避難経路に選んだ

 政府の初動対応では、汚染の広がりを予測する緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)の試算結果の公表遅れが問題となった。同システムの予測値と決定的に違うのは、米エネルギー省のデータが放射能の拡散方向を示す実測値だったことだ

 米エネルギー省は原発事故直後の昨年3月17~19日、米軍機2機に、地上の放射線量の分布を電子地図に表示する空中測定システム(AMS)と呼ばれる機材を搭載して、福島第一原発から半径約45キロの地域の線量を計測した。

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http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、6月19日、20日】

2012/06/19
大飯町テント村、再稼働反対運動の拠点へ――再稼働阻止福井バスツアー同行記<その1>
執筆者: Yamaoka (2:40 pm)

 野田佳彦首相は6月16日、4閣僚会合で関西電力・大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を決めた。前日には首相官邸前を1万人を越える市民が集まり、諸々の世論調査でも過半数が再稼動に反対するなかで行なわれた決定だ。民主主義の基本から考えても、「暴挙」といえる政治決断だろう。
 17日には福井県庁にほど近い、福井市中央公園で再稼動に反対する集会が開かれ、約2200人が集まった。再稼動に同意した西川一誠・福井県知事に対し、地元福井だけでなく、全国から反原発団体・個人が結集。福島の被災者をはじめ、80人にのぼる個人や団体が次々に登壇しアピールをおこなった(写真は福井集会の全景と、タレント千葉麗子が音頭によるシュプレヒコールの様子)。
 さて集会後、東京からバス6台でかけつけた「再稼働阻止福井バスツアー」の一団は、「ここまで来て大飯町にいかないわけにはいかない」と有志を募り、大飯現地にまで足を伸ばすことに。記者も急遽、同行取材することにした。
 その有志30数人は、「福島の女たちの会」(写真)、日本山妙法寺の住職、大学教員、敦賀原発で働いた経験のある方、あるいは最近反原発デモに参加したばかりの若者など様々。放射線量が高いため一時休校となった「沢入国際サーカス学校」(群馬県みどり市)の生徒の姿も。
 夕方、一団を載せたバスはおおい町へ。電源三法交付金によって作られたハコモノを眺めながら、おおい町総合運動公園に到着。この公園は「株式会社おおい」が管理・運営しているが、代表取締役を時岡忍・大飯町長がつとめる

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012/06/20
原発に雇用と行政を握られたおおい町にも、変化の兆し――再稼働阻止福井バスツアー同行記<その2>
執筆者: Yamaoka (1:00 pm)

 翌朝(6月18日)、ツアー団有志はバスに乗り、一路、大飯原発をめざす。文字通り「一路」、国道241号線という一本の道しかない。大飯原発のある大島半島と、小浜湾をまたがり本土とを結んでいる橋も一本しかない。しかも老朽化で大地震には耐えられないという。つまり大地震が起き、橋が崩落したり一本道が不通になれば、大島半島の住民は逃げ場を失う。そこで放射能もれの事故が発生したら・・・。
 さらに、変動地形学が専門の渡辺満久・東洋大教授は、大飯原発敷地内の断層は活断層の可能性があると指摘している。その指摘を受けても、原子力安全保安院は調査もせずに「問題はない」と再稼動を認めた
 大飯原発の再稼動は、やはりあまりにも無謀だ。
 さてバスは大飯原発のゲート前に到着。トンネルを越えた所に原発はあり、ここから見ることはできない。トンネル手前のPR館「エル・パーク おおい」も今日は休館。一週間前に新たに設置されたフェンスとガードマンが、入り口を塞いでいた。
 バスから降りた参加者は口々に訴えた。「原子力で火遊びをしないでくれ」「若狭湾は涙が出るくらい美しい。ここを福島の海のようにしたくない」「私は敦賀原発の定期検査で働いた。原発作業員がいちばん原発の危険性を身にしみて感じているはず」。抗議している間にも、関西電力や関連企業の乗用車、工事用車両が頻繁に出入りする。7月からの稼動開始に向け、急ピッチで準備作業が行われている模様だ。
 ある女性はガードマンに近づいて語った。「あなた方を責める気はありません。まっさきに被曝するのは作業員とあなた方です。原発を動かす電力会社の幹部は被曝しないところにいる」。そして小出裕章・京大助教の講演録などを手渡そうとした。ガードマンはやや困った表情で受け取りを拒んだが、やがて受け取った。
 トンネル前での抗議行動を終え、大飯町役場に移動。時岡忍・おおい町長に宛てた申し入れ書「人類に禍根を残さぬよう再考を」を手交するためだ。

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●原発人災、犯罪者を追求すべし: なぜ自民党議員は口を閉ざし、マスコミは黙り込むのか?

2012年03月28日 00時04分56秒 | Weblog


CMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-March/015491.html)で知りました。DIAMOND on lineのココ(http://diamond.jp/articles/-/16547)に4頁の記事のリンクあり。

 FUKUSIMA原発人災を引き起こした、歴代自民党議員の責任について、なぜ自民党議員は口を閉ざすのか? それについてマスコミは黙り込むのか? 言葉は悪いが、くだらないことにはバカ騒ぎするのに、このことに触れないのはなぜだ。政府は冷温停止〝状態〟だというのだから、そして、〝収束〟したというのだから、ならば、東電幹部や、電力会社幹部は当然として、原子力ムラに従事してきた歴代自民党議員の責任を問うべき時期に来たのではないか? 小泉純一郎氏が自然エネルギーを唱えるなんて、御笑いである。中曾根中曽根)氏らの責任を問うべき、その時期である。風見鶏ぶりを許してはならない。

   『●どんだけ面の皮が厚いんだか!!
   『●Mr.風見鶏: 反原発をお前が言うか!?

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-March/015491.html

[CML 015654] 河野太郎のインタビューの紹介
・・・・・・

2012
3 13 () 09:29:43 JST
・・・・・・。

立川の岩下です
河野太郎のインタビュー「電力行政の基礎をつくった自民党にも責任あり」が載っていますので転送・紹介します。

地域独占、発送電一体総原価方式決めた「責任」を、自民党・河野が率直に認めていることは当然です。
新味があるのは、計画停電の批判。趣旨は・・・

①大企業との需給調整契約は、「いざというときは電気を止める」という契約
 (だから大企業は自家発電装置を持っている・・・岩下の注)

②代わりに電気代を安くしている・・・河野の調査で最安例は7円/kwhで一般家庭の1/3以下だという
 (発電の原価レベルだ。電力会社は利益は一般家庭からむしり取っている  ・・・岩下の注)

③だからまず大企業から停電にすべきで、「計画停電」は不要だった
 実際には超大口需要家の停電は行わなかったのは問題・・・という主張。

いま「原発がないと電気が足らず日本の産業がつぶれる」というデマが流されていますが、河野の需給調整契約に関するコメントは、デマの批判になっています。

・・・・・・。
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http://diamond.jp/articles/-/16547に4頁の記事のリンク】

電力行政の基礎をつくった自民党にも責任あり
ウラで蠢く“電力族”はオモテに出て議論すべし
――河野太郎・衆議院議員インタビュー


自民党議員として長年、原子力などエネルギー政策について取り組む河野太郎・衆議院議員。震災直後の原子力事故対応の稚拙さについては菅政権を批判するが、その電力行政の基礎を作ったのは、半世紀以上にわたって政権を担ってきた自民党に一定の責任があると認めている。現在、党内でかつて自民党が深く関わった原子力行政の仕組みついて検証するプロジェクトチームを立ち上げ、そこでも厳しく自民党の取り組みを検証している。そんな河野議員に、東日本大震災から1年経って電力行政や事故対応について、次世代に申し渡すべき事項、電力システムをどう変革すべきかについて聞いた。
(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)


最低限やるべき
データ取得もできなかった


――震災によって引き起こされた原発事故について、どのように見ているか。

 やるべきことはデータをきちんと取ることだった。それができなかったことは一番の反省点だろう。どれだけの放射線による汚染を、人間と自然に与えたのかをきちんと把握するべきだった。そもそも起きてはいけない事故で、そのこと自体反省すべきだが、記録を取ることさえもできなかった。極めて不完全だった。
 記録が取れれば、放射能の怖さや知見を後世に残すことができた。極めてお粗末な対応で、教訓としてそれも残すことができなかった。教訓さえも得られていないというのが、一番ダメな点だ。
 スピーディSPEEDI:緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)によるデータが活用されないなど、政府による情報の公開も不完全だった。学者や原子力関係者は、「直ちに深刻な事態にはなりません」と言っていた。しかし、後になってみるとメルトダウンは起きているし、深刻な放射の汚染が広がっている。もう、国民は政府と原子力関係者の言うことなんて、まったく信用していない信頼はゼロだ。

―― 原子力行政の仕組みを作ったのは、過去、政権を半世紀以上にわたって取っていた自民党だ。

 地域独占、発送電一体、総括原価方式等、こうした利権が今回の事故の温床だ。学者もメディアもみんなグルだった。原子力行政のトップである経済産業大臣は代々、自民党から出してきた。事故の対応は菅政権がマズかったが、そうした仕組みを作って来たのは自民党だ。これは誰も否定することはできない。
 先日、自民党として長年取り組んで来た原子力行政の検証チームが立ち上がった。政治献金をいくらもらってきたか、そういったことを公開していくことが最初にやることだ。また、東京電力の副社長をやった人間を参議院で擁立候補として出して、彼に原子力行政の何をやらせてきたのかも検証する。

自民党としての提言はあるが
電力族の抵抗にあっている


――党内では、そうした検証チームの動きはどうみられているのか。

 私は、昔からエネルギーや原子力について取り組んで来た。「原子力では変わっているよね」と言われ続けて来たが、昨年の3月11日で周囲はまったく変わった。今は電力システムの改革派と守旧派でせめぎあっている。去年までは私一人だった。驚天動地変わっている。
 しかし、抵抗はある。自民党としては原子力規制庁は完全に独立した形で設置すべきだと言っている。自民党として、電力行政全体の案もまとめたのだが、これの発表は守旧派の抵抗で止まってしまっている。

――その抵抗には、どう対処するつもりか。

 電力族がウラで動いている。オモテに出てこないんだよ。これは執行部の力で、なんとしてもオモテで正々堂々議論しようということにしなければならない。

――今後、原子力行政はどう変わるべきか。

 まず、電力業界の根本を変えることだ。独立した送電網の確立、総括原価方式の撤廃、地域独占もやめる。電力業界を普通の業界にしなければならない。
 民主党は環境省に原子力規制庁を作ると言っているがまったく理解できない。環境省は「地球温暖化対策で原発を」と推進していた。その下に規制庁をつくってしまっては、経済産業省のなかに、推進役のエネルギー庁と規制役の原子力安全・保安院があった構図と一緒だ。どうして、それで原子力行政が変わるのか。完全な独立した組織を作ることは、IAEAのスタンダードなんですよ。

――河野議員は早くから計画停電は必要なかったと言っていた。

 去年の計画停電はまったく必要なかった。計画停電で信号が止まって、その影響で交通事故による死亡者が出ている。これはほとんど殺人だ
 計画停電しなければ電力が足らない、だから原発の再稼働が必要だ、となる。こうした動きをたださないといけない。
 需給調整契約は、「いざというときに電気を止めますよ。だから安い単価でいいですよ」というものだ。しかし今回、私が調べたところ、需給調整契約は実行されていない。需給調整契約で、私が聞いた中で一番安い料金は、1kW/hあたり7円というのがあった。普通の家庭の三分の一以下だ。
 ところが、計画停電で、需給調整契約を結んでいるところと一般家庭を同じように扱った。なかには混乱を避けるために、需給調整契約を結んでいながら超大口需要家は計画停電の範囲から外しているこんなこと、ありえないでしょう。本来なら、安い単価で電気を使っているんだから、需給調整契約を結んでいるところから切っていくのがだ。

自由化と言っておきながら
中部電力は都庁に電力供給しない


――守旧派は、電力市場は自由化されていると反論する。

「自由化されていて、相対取引だから需給調整契約の電力単価は公表できない」という言い訳に使われている。
 また、自由化と言っておきながら、東京都が中部電力に電力供給を要請しても、中部電力と東京電力のテリトリーを超えた入札はいっさいやらない。
 福田内閣のころ、自民党で事業仕分けをやった。そのとき、北海道の刑務所や東北刑務所、東京刑務所のワンパックにして、いくらになるか入札をすべきだということを提案した。複数の電力会社をまぜこぜにして、入札するということだ。そうしたら、電力族がでてきて、それはダメですと。あっさり、提案は却下された。

――電力族は産業界、政界に深く根を張っている

 紛争審査会も、日本エネルギー法研究所から委員が来ている。こうした団体にはかなりのカネが電力業界から流れているはずだ。電事連もそう。しかし、両団体は任意団体だから、財務内容がわからない。今後の電力行政を考える場にそうした人たちが来ていていいのか。彼らは完全に癒着している。

――発送電分離の議論はどのように見ているか。

 発送電分離はあたりまえだ。電力利権に事故の原因があることは、国民のだれもがわかっているはずだ。所有権分離にまで踏み込むのは当然だ。そうでなければ、分離にならないでしょう。
 社内カンパニー制にすることはまったく意味がない。体質がそもそも問題なのだ。福島第一原発でおきた臨界事故を28年間も隠していた会社ですよ、東京電力は

――東京電力はどうすべきだったのか。

 今のようにゾンビ企業にしないで出直させるべきだった。だいたい、資本主義の世界で、当時官房長官だった枝野氏は特定の会社を取り上げて破綻させないと言った。こんなことがあっていいのか。しかもその会社の株は、市場で自由に売り買いされている。
 知り合いの中小企業のオヤジさんたちは「じゃあ、うちの会社も破綻させないっていってくれよ。なんでもやるよ」と笑っている。

立地自治体の財政問題は
原発誘致時からわかっていたこと


――今後の電力供給体制はどのようにあるべきか。

 一番簡単なのはコンバインド・サイクルの天然ガスによる発電所を増やすことだ。二酸化炭素を大量に排出する石炭火力は減らすべきだ。原子力発電に関しては、何基再稼働が必要なのかを政府は示す必要がある。いずれにしても、電力会社や電力供給システムの改革を行うことが、なによりも先だ。

――原発の立地自治体は財政の半分程度を原発マネーに頼り、雇用も頼っている。日本では今後、原発は減っていく。立地自治体は困難に直面する。

 少なくとも原発の雇用が廃炉の雇用に変わることになる。原発が止まるからといって、すぐに雇用がなくなることはない。
 地方財政と経済の中心となっているのは分かる。しかし、原発マネーを何に投資するかを決めて来たのは、地元の首長であり議員であり、その人たちを選んだ住民達だ。電源三法交付金は、使い道が決まっているから柔軟な使い方ができないと言ったって、それははじめから分かっていたことだ。将来につながる投資ができなかった、ということだ。もっとも、これは原発立地自治体すべてに共通する問題だ。
 こういう原子力の制度を設計したのは自民党だ。もし、国民の皆さんに自民党が政権を取ったら、これまでのような原子力行政を続けると思われていたら、自民党は政権を取ることはできないだろう。電力、特に原子力行政については社会保障や消費税と並ぶ争点となっている。
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●東京電力原発人災、一体どこ向いて(た)んだ?

2012年01月23日 00時00分09秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012011601002390.html)。

 何億とカネをつぎ込んで作った放射性物質予測システム。随分と時間が経って避難するタイミングを逸してから、しぶしぶ日本の市民に、しかも、小出しで公開しておきながら、〝番犬様〟〝世界の警察官・検察・裁判官〟の米軍やアメリカ政府には人災直後に素早く情報を提供していたとさ。大使館情報で在日米国民をさっさと出国・退避させた訳だ。東京電力原発人災で被災・被爆した住民には何の役にも立たなかった訳で、大量の税金を使っての何のためのソフト開発・システム開発だったのか? 
 一方、滋賀県が要望したにもかかわらず、それを利用させないそうだ●原発事故ハザードマップを知らしめてはいけない!?)。一体、この国の政府はどこを向いているのか? 〝番犬様〟〝世界の警察官・検察・裁判官〟のためか?

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012011601002390.html

拡散予測、米軍に提供 事故直後に文科省
2012116 2221

 東京電力福島第1原発事故直後の昨年3月14日、放射性物質の拡散状況を予測する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による試算結果を、文部科学省が外務省を通じて米軍に提供していたことが16日、分かった。
 SPEEDIを運用する原子力安全委員会が拡散の試算結果を公表したのは3月23日公表の遅れによって住民避難に生かせず、無用な被ばくを招いたと批判されているが、事故後の早い段階で米軍や米政府には試算内容が伝わっていた

(共同)
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