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●富岡町の「白地地区」に自宅がある避難民の方「…国も東電も避難者をばかにし、うんと軽く見ている」…さっさと《原状回復》してみせよ

2021年09月23日 00時00分21秒 | Weblog

[※ 『ふくしま原発作業員日誌-イチエフの真実、9年間の記録』(片山夏子、朝日新聞出版、2020年2月刊、1700円)↑]


(2021年09月08日[水])
東京新聞の記事【政府は「住民の希望」強調するが…福島の帰宅困難区域、“まだら解除”の新方針の思惑は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/129294)。

 《東京電力福島第一原発事故から10年半になるのを前に、政府は福島県7市町村に残る帰還困難区域の避難指示解除について新たな方針を示した。戻りたい住民がいる自宅周辺などを除染し、部分的に解除する仕組みだ。被災自治体が求める全面除染には後ろ向きで、巨額の費用負担を避けようとする思惑が透ける。(小川慎一小野沢健太片山夏子)》

   『●西日本新聞【フクオカ☆シネマペディア/『遺言 原発さえなければ』
           野田雅也、福島を追い10年「飯舘の酪農 復活までは」】
   『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
     10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》
   『●「まだ復興していない。臭いものにふたをしての五輪。自分たちは
     除外されているように感じる」…何が復興五輪か! 原状回復して見せよ!
   『●あぁ、《「復興五輪」「新型コロナに打ち勝った証し」…スローガン》
      の《大会経費は3兆円を超える》…そのおカネで何ができただろう?
   『●「復興五輪」!? 原状回復してから言ってくれ…片山夏子記者【「原発
      事故前の故郷に戻して」 浪江町・津島訴訟の原告団長が語った決意】

 「住民の希望」は「原状回復」でしょ? 東京電力核発電人災以前の元の状態に戻すこと。《巨額の費用負担》をしてでも、東電や政府は元の姿に戻して見せなければいけない。《一連の政府方針には費用を抑えようという狙いが見える。経済産業省幹部は「戻らないと分かっている場所に、多額の税金を使うのは難しい」と明かす》…責任感が欠如していないか? 10年前に何を自分たちが引き起こしてしまったのかを理解しているのだろうか?

 みんなの願いは単純だ。国や東電が、大地の汚れを取り除き、元の状態に戻す、原状回復してくれることだけだ。《原発事故で地域の歴史や人の絆、伝統や文化、一切合切が壊された》《原状回復して住めるようにしてほしい。ふるさとに帰れるのなら、賠償はいらない。津島に帰りたい。このままでは終われない》。

 東電や政府、核発電「寄生」委員会委員、核発電支持者は、やむを得ず避難されている方の叫びを聞きなさい ―――「山も田んぼも除染し荒れ果てた家々も更地にしてきれいにし、住民がこれなら帰れるという状態にしてほしい国も東電も避難者をばかにし、うんと軽く見ている」。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/129294

政府は「住民の希望」強調するが…福島の帰宅困難区域、“まだら解除”の新方針の思惑は
2021年9月7日 06時00分

     (帰還困難区域の夜の森地区(手前)は特定復興再生拠点区域
      として整備が進む。奥に見えるのは東京電力福島第一原発
      =福島県富岡町で、本社ヘリ「おおづる」から)

 東京電力福島第一原発事故から10年半になるのを前に、政府は福島県7市町村に残る帰還困難区域の避難指示解除について新たな方針を示した。戻りたい住民がいる自宅周辺などを除染し、部分的に解除する仕組みだ。被災自治体が求める全面除染には後ろ向きで、巨額の費用負担を避けようとする思惑が透ける。(小川慎一小野沢健太片山夏子

【関連記事】「戻る希望あれば除染して解除」政府が原発事故の帰還困難区域で新方針 全面解除は見えぬまま


◆「原発事故20年近くで80歳…」1人で帰る決意

 「私は戻りますよ」。福島県大熊町から同県いわき市に避難している佐々木祥一さん(72)ははっきりと言った。自宅は福島第一原発の南約4.5キロの帰還困難区域にある。通りを挟んだ南側は、人が暮らせるよう優先的に除染が進む特定復興再生拠点区域(復興拠点)。わずかな距離で戻れるかどうかが分けられた。

 町の復興拠点は2022年春に避難指示解除の見込み。拠点に近い家は放射線量低減のため除染はされるが、避難指示は続く。政府は住民の希望に応じて29年までに拠点外の解除を目指すも、佐々木さんは「原発事故から20年近くになれば、私も80歳。体が動けるうちに…」と話す。

 故郷に戻るのは1人だけで、同居する妻と母、娘夫婦と孫2人はいわきでの暮らしを続けるという。「どんな生活になるかはイメージできないが、大熊を拠点にする。朝、目覚めた時の空気感が違うんですよ」


◆まるで「アリの巣」に…インフラ整備に懸念

 帰還困難区域で復興拠点から外れて見通しが立たない地域を、地元住民は「白地(しろじ)地区」と呼ぶ。ここへ戻りたいと望む住民が1人でもいれば、政府は除染し生活環境を整えるという

 どれぐらいの人が戻るのか。復興庁などによる20年度アンケートでは、大熊、双葉、富岡、浪江の4町の白地地区の住民で「戻りたい」と回答したのは1割強。復興拠点や既に避難指示が解除された地域の住民よりはわずかに多い。

 大熊町の担当者は、戻るのを希望する人が点在し、各住居とそこにつながる道路だけが解除されていくことを懸念し、「アリの巣のようになってしまうのでは」とため息を漏らした。広く「面」で除染した方が費用や放射線量の低減が見込める。「希望に応じて点々と電気や水道などインフラを通さなければならず、難易度が高い」と話す。


◆全面除染には巨費

 原発事故による放射能汚染の責任は東電にある。4兆円かかる除染費用はこれまで国が立て替えて、東電が最終的に負担する方法を続けてきた。だが新方針では、復興拠点と同じく除染や建物解体費用は国が全て負担すると明確にした

 復興拠点外の帰還困難区域を巡り、政府は昨年12月、自治体の要望があり、人が暮らさないことを前提とする場合には限定的な除染で解除できるようにした。今回は「住民の希望」を強調し、全面除染という自治体の要求をかわした。

 一連の政府方針には費用を抑えようという狙いが見える。経済産業省幹部は「戻らないと分かっている場所に、多額の税金を使うのは難しい」と明かす。帰還困難区域の8%しかない復興拠点の整備に、政府は既に約1000億円を投入。残る全区域の除染となれば、巨額の税投入が不可欠となる。


◆「国も東電も避難者ばかにしている」

 富岡町の「白地地区」に自宅がある深谷敬子さん(77)=郡山市に避難=は怒りを隠さない。「山も田んぼも除染し荒れ果てた家々も更地にしてきれいにし、住民がこれなら帰れるという状態にしてほしい国も東電も避難者をばかにし、うんと軽く見ている

《関連記事】縮みゆく自治体 データで見る住民帰還 <あの日から・福島原発事故10年>
【関連記事】コンテナ4000基の中身分からず 福島第一原発で東電ずさん管理
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