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●《核開発の「聖地」…「どんな理由でも核兵器は使用すべきではないし、米国は核兵器禁止条約を締結し、多くの国に締結を求めるべきだ」》

2021年12月29日 00時00分31秒 | Weblog

[『放射線を浴びたX年後』(http://x311.info/part1.html)↑]


(20211127[])
金杉貴雄記者による、東京新聞の記事【<米国と核>「核なき世界」は実現するのか…核開発の「聖地」を歩く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/144521?rct=world)。

 《この核開発の「聖地」を訪れた人に聞けば、核兵器に賛同する人が多いだろう―。そう考えながら周辺にいた人々に問いかけると、意外にも、核兵器の非人道性を危惧し核廃絶を願う声を多く聞いた。「日本では多くの無実の人が殺された。戦争を終わらせる唯一の方法だったとの主張には同意できない」。スザンヌ・ウェスコットさん(71)はそう強調し「核兵器はなくすべきで、どの国も保有を認められるべきではない」と続けた。ジム・ファレルさん(57)も「どんな理由でも核兵器は使用すべきではないし、米国は核兵器禁止条約を締結し、多くの国に締結を求めるべきだ」と語った》。

 ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ…核廃絶の先頭に立つべきニッポンなのに…。ニッポンが「核なき世界」の実現を邪魔ばかりしているとはね…。 

   『●サーロー節子さん「自分の国に裏切られ、
      見捨てられ続けてきたという被爆者としての思いを深くした」
    「「核兵器なき世界」さへ目指さないアベ様の言う「核なき世界」が
     如何にいい加減かが分かろうというもの…
     「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。
     小型であればですね」というアベ様の思想は何も変わっていない
     のでは?」

   『●「核廃絶の訴えは政府だけの役割ではない」…
        とは言え、そこに居るべき国が居ない恥ずかしさ
   『●核兵器禁止条約不参加で、「どこの国の総理ですか」な 
          アベ様の「わが国のアプローチ」とやらは一体全体?
   『●適菜収さん【それでもバカとは戦え】…《われわれ日本人が目指すべき
        なのは「核兵器のない世界」の前に「安倍のいない世界」である》
   『●「核兵器なき世界」は未だに………自公お維を直接的に支持している
     方々、選挙にも行かず眠り猫に徹している間接的支持者の皆さんの責任
   『●核兵器先制不使用宣言に反対…当時の首相・アベ様「憲法上は原子
     爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」

 「原発はプルトニウムをつくる装置』」(内橋克人さん)。
 《だが核抑止が今の中国の抑え込みにどれほど役立っているのかむしろ核軍拡競争を呼び込み、逆に国民を危険な状況に立たせているのではないか日本政府はこうした疑問について国民に説明する責任がある》(東京新聞金杉貴雄記者)。

   『●「原子力の平和利用」という核発電への幻想…「原発は『プルトニウム
         をつくる装置』」(内橋克人さん)にこだわる周回遅れのニッポン
   『●「ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる」
       ――― マグロ漁船「第五福竜丸」の船員・大石又七さんが亡くなる

 広島県出身議員としての首相…核兵器禁止条約への署名を、そして、核廃絶を訴えるサーロー節子さんのお手紙も、岸田首相の心には届かないらしい。哀しいことだ。核兵器保有国が参加しないからニッポンも署名しないという言い訳、あまりに情けない。何をおいても、一番に署名しなければいけないはずなのに。やはり、#政権交代で命を守る新しい政権を!…達成しとくべきだったよね。残念だ。

   『●核発電「麻薬」中毒患者の覚めぬ悪夢…《安全神話、
       経済神話、クリーン神話-三つの神話》を脱却できず

 《原発は『プルトニウムをつくる装置』》(内橋克人さん)。先日亡くなった内橋さんは見事に喝破している。内橋克人さんは「集団的自衛権の先に待っているのは、核兵器を持って抑止力にしようという政策原発はプルトニウムをつくる装置でもあり、原発を止めることは日本の核武装に待ったをかけることだ」と訴えた》(アサヒコム【「川内原発再稼働に反対」東京で集会 5500人参加】、2014年6月29日)
 「原子力の平和利用」という核発電への幻想…。

   『●「原子力の平和利用」という核発電への幻想…「原発は『プルトニウム
         をつくる装置』」(内橋克人さん)にこだわる周回遅れのニッポン

 「核=悪」、「原子力=善」を使い分けてきた我国、世界でも稀なその独特の心理。でも、その本質は全く同じであり、「核兵器=原子力発電」。ヒロシマナガサキの「被害者」としての感情の陰に、戦争の加害者」としての反省が曖昧にされたこと。そして、東京電力原発人災で核技術の加害者」となったことへの戸惑い。
 (烏賀陽弘道さん)《兵器としてアメリカで生まれ、ヒロシマに落とされた「核」。その双子の兄弟「原発」……》。そう両者は双子の兄弟。《アメリカは、臨界状態をつくり出して自然の中に眠っていた核エネルギーを引っ張りだすところから始まって、原爆をつくり、爆発させ、原子炉に閉じ込め、それを発電所に設置しそれが全国や世界に普及していくところまで、全部ひとつながり》。核分裂のエネルギーを放出させるか、原子炉の中に閉じ込めるかの違いであり、原理的には全く同じ。
 《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人をいないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を論ずることはタブーになった》。

   『●烏賀陽弘道さん『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了

 ところで…別件ですが、なんで自公お維に投票しちゃったの? 嗤ってしまう。しかも因縁 (元法相夫妻) の広島ではないですか! (広島選挙区の理由は知らんが)岸田首相のお膝元。
 日刊スポーツの記事【政界地獄耳/自民党級の言い訳 国交相の現金払い問題「知らないなら…」】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202111260000057.html)によると、《★先の総選挙で2度目の当選を果たした自民党の国光文乃のつくば市での応援に首相・岸田文雄が駆け付けた街頭演説で茨城県トラック協会が関連する茨城県運輸政策研究会が日当5000円で演説に参加するよう呼びかけ同会では計34人を参加させ、交通費として日当を支払ったことを認めている。これが公職選挙法違反の疑いがあるとして11月18日に市民団体が刑事告発した。 ★一般社団法人「茨城県トラック協会」と住所や役員が同一の任意団体・茨城県運輸政策研究会は県内の運送業者約1600社が加盟しているが、朝日新聞によれば役員の1人が「数時間拘束するので、何も出さないわけにはいかないと思った」とし案内には「参加者に対しまして、日当5000円をお支払いさせていただきます」と明記していたという。これに対して国光事務所は「動員ではない」とし、自民党県連は「全く承知しておらず、コメントは差し控える」としている。 ★一方、選挙中に公明党で国交相・斉藤鉄夫が広島市のホテルで開いた個人演説会で県トラック協会の関連団体「広ト協政策研究会」が出席した会員に「旅費」として現金5000円を支払ったという。県トラック協会は「買収の認識は全くない」としているが国交省は協会の監督官庁だ。一部報道は「動員サクラ疑惑」のように報じるが、公職選挙法を正面から受け止めれば買収と言われても仕方がない。巧妙に領収書まで発行して正当性を装うが、法の精神はこれを禁じているのではないか。東京地検特捜部が捜査している公明党元議員で元財務副大臣・遠山清彦の無登録で融資仲介容疑をはじめ、公明党も自民党と連立を組む間にブレーキの役目どころか同じ穴のむじなになっているのではないか。25日、公明党中央幹事会長・北側一雄は斉藤の件について「斉藤自身が全く知らないと説明している。知らないなら進退の話にならない」と擁護したが、こちらも自民党級の言い訳だ公明党の凋落(ちょうらく)が悲しい》。

 なんで自公お維に投票しちゃったの? 《庶民の味方》? 《子育ての党》?? 嗤ってしまう。しかも因縁 (元法相夫妻) の広島ではないですか!
 日刊ゲンダイの記事【「庶民の味方」のはずが…公明・斉藤鉄夫国交相の株投資2億4151万円の衝撃!】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297909)によると、《「公明こそが庶民の味方」(公明党青年委員会ブログより)の公明党・西田実仁税制調査会長…。その「庶民の味方」公明党・斉藤鉄夫国交大臣の株式投資が夫婦合わせて時価総額5990万円(21日時点)であることがわかった。証券投資信託などが1億8161万円となっていることから、2億4151万円の株(金融)投資をしていることになる》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/144521?rct=world

<米国と核>「核なき世界」は実現するのか…核開発の「聖地」を歩く
2021年11月24日 11時58分

 米国が1945年に世界初の核実験を行った西部ニューメキシコ州の実験場跡地が10月、2年ぶりに公開され、約3000人の見学者が訪れた。核兵器禁止条約が今年1月に発効し、バイデン大統領も核軍縮に意欲を示す半面、中国が核戦力の増強を図るなど「核なき世界」への道のりは遠い。「核の時代」の扉を開いた原点で、米国民の声を聞いた。(米西部ニューメキシコ州で、金杉貴雄、写真も)

     (爆心地「グラウンド・ゼロ」に立つモニュメント前で
      記念撮影する家族連れ。ここで世界で初めて核爆弾が炸裂した
      =米西部ニューメキシコ州で(金杉貴雄))


◆2年ぶりに公開された爆心地

 爆心地「グラウンド・ゼロ」には、溶岩で作られた4メートルの尖塔状のモニュメントが立っていた。禍々しくも見えるその碑の前で、多くの家族連れなどが楽しげに記念撮影していた。

 広大な砂漠地帯の一角の米軍施設内に、核実験場跡地「トリニティ・サイト」はある。年に2回だけ一般公開されているが、昨年は新型コロナウイルスまん延で中止になっていた。

 米国は45年7月までに3つの核爆弾をほぼ同時並行で完成させた。広島・長崎で投下された2つに先立ち、世界で初めて核爆弾がさく裂したのは、ここ米国自身の地だった。

 この核開発の「聖地」を訪れた人に聞けば、核兵器に賛同する人が多いだろう―。そう考えながら周辺にいた人々に問いかけると、意外にも、核兵器の非人道性を危惧し核廃絶を願う声を多く聞いた
 「日本では多くの無実の人が殺された。戦争を終わらせる唯一の方法だったとの主張には同意できない」。スザンヌ・ウェスコットさん(71)はそう強調し「核兵器はなくすべきで、どの国も保有を認められるべきではない」と続けた。

 ジム・ファレルさん(57)も「どんな理由でも核兵器は使用すべきではないし、米国は核兵器禁止条約を締結し、多くの国に締結を求めるべきだ」と語った。


◆がんに苦しめられる住民

 周辺では住民にがんが多発したと指摘されているが、実験は当初秘密で調査も十分されなかったため米政府は補償を認めていない。この日、核実験場跡地に続く道沿いには補償を訴え抗議する人々の姿があった。

 核実験8日前に生まれたベルニス・グティエレスさん(76)もその1人。母は3種類のがん、兄弟姉妹、おいやめいら多くの親族ががんを発症。自らも甲状腺を除去し、昨年には息子(56)を血液系のがんで亡くした。

 数年前と比べると、活動を好意的に受け止め、真剣に話を聞いてくれる人が増えているという。「核兵器は破壊的で、その悪影響の例が私たちだ。核兵器なしでわれわれは生きていける」と力を込めた。

     (核実験場跡地に続く道沿いで抗議するベルニス・グティエレスさん
      =米西部ニューメキシコ州で(金杉貴雄撮影))


◆「核廃絶は夢物語」の声も

 一方では、核兵器の抑止力を重視し支持する声も依然として根強い。

 アルバート・シュチュニアさん(57)は「日本への原爆使用は終戦を早め、原爆での死者の2、3倍の命を救った」と言い、核廃絶にも「他の核兵器保有国を抑止するため核は不可欠」と反対する。グレン・ヒューバーさん(58)も「核廃絶は夢物語だ」と突き放した。

 ただ、かつて圧倒的多数が核兵器に賛成していた米世論も少しずつ変化している。米シンクタンク「シカゴ国際問題評議会」の昨年の調査では、「あらゆる国が核保有を許されるべきではないとの答えが66%と全体の3分の2に上った

 米国防総省は、中国が2030年までに少なくとも1000発の核弾頭を保有する可能性があると指摘するなど、現実は厳しい。それでも跡地で祈りをささげていたターニャ・タイラーさん(62)は「核戦争では誰も勝たない。76年前も(核実験の被爆で)米国人自身を傷つけた。全ての人々が集まり、核をなくすべきだ」と訴えた。

 ◇ ◇

 核兵器を世界で初めて開発し、日本に投下した米国。現在もロシアと並ぶ最大の核保有国であると同時に、世界一の原発大国でもある。「核なき世界」に向け最大のかぎを握る「米国と核」の今を随時報告する。

【関連記事】【独自】核兵器の先制不使用案は「日本の反対で断念」 オバマ政権元高官が証言
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●次の国政選挙に向けて、先ずは脱メディアコントロール…2019年7月参院選「あとの祭り」を繰り返さぬために

2019年07月25日 00時00分59秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/まれに見る魅力ない国政選挙】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907220000209.html)。
日刊ゲンダイのインタビュー記事【注目の人 直撃インタビュー/れいわ新撰組・山本太郎氏「世の中変わるなら捨て石上等」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/258508)。

 《21日投開票の参院選でもっとも注目されるのが、山本太郎代表が立ち上げた「れいわ新選組」の動向。テレビ中心に大手メディアが存在を黙殺する中、街頭では大勢が立ち止まり、演説に耳を傾け、寄付をする。その映像がネットで拡散され、著名人もがSNSで応援する。かつてない社会現象だ》。
 《ところがこの参院選、国民は全く盛り上がらず、関心のない低調な国政選挙になったと書くと、そんなはずはない、あれほどの熱気が渦巻いたと思うかもしれないが、それは極めて局地的な話で最近まれにみる魅力のない選挙だったと結論付けるしかない》。

 《こうした野党の動きを伝える報道がほとんどない》…低投票率を望んでいるがごとし、一体誰に忖度しているのやら。またしても、メディアコントロール、大成功。

 それでも何とか選挙に行ってもらいたい…、投票率をせめて、60%中盤以上に…なんて夢のまた夢、でした。

――低投票率が懸念されています。
 ハッキリ言って、みんな政治どころじゃないんですよ。「立憲主義に基づいた政治を行う」っていくら訴えても、多くの人はそれどころじゃない生活が本当に苦しくて、目の前のことで精いっぱいという声をたくさん聞いてきました》。

   『●2016年7月参院選、今回も「眠り猫」だった皆さん…
   『●2016年7月参院選、「あとの祭り」…
      教育破壊の効果とアベノサギという「壊憲=争点」隠し
   『●2016年7月参院選、
      「あとの祭」の要因の大きな一つは片棒担ぎのマスコミにあり
   『●2016年7月参院選、「あとの祭り」…   
         アベ様にそんな謙虚さがあれば、アベノサギなんてしませんって
   『●2016年7月参院選、「あとの祭り」…
      「もっとも危ない暴君に、とてつもない数を与えてしまった」

 リテラの記事【改憲勢力3分の2割れなのに…安倍首相が橋下徹と民意無視の“改憲議論”強要、「私の任期中に改憲実現」明言の倒錯】(https://lite-ra.com/2019/07/post-4857.html)によると、《…参院選。「憲法改正」を争点に掲げた安倍首相だったが、獲得議席数をみれば、与党・自民党は57議席と、改選前から10議席も減らし、公明党が14議席。ここに日本維新の会(10議席)を加えた“改憲勢力”は、非改選と合わせて「改憲発議要件の3分の2議席」を下回った。投票率が戦後2番目に低い48.80となるなど盛り上がりに欠けた選挙だったことは事実だが、この結果は率直に改憲発議をさせるべきではないという世論の表れと言っていいだろう。ところが、信じがたいことに、昨晩、テレビの選挙特番をはしご出演した安倍首相は、「やっぱり改憲の議論をせよということだと真反対のアピール民意を完全に捏造し、9条改憲に前のめりになっていたのである》
 アベ様が息吐く様にウソを吐き、《捏造》体質であることは、百も承知でしょうに。自公お維に投票した皆さん、「2/4」の眠り猫な皆さん…「あとの祭り」。

   『●アベ様のおかげで《自衛隊が名実ともに米軍の傭兵に》…
        9条壊憲と緊急事態条項で《米国の「グルカ兵」》が完成

 「2016年7月参院選、「あとの祭り」」を繰り返してはイケナイ…はずだったのですが。2019年7月参院選でも、大雨警報や避難などの影響があったとはいえ、この低投票率。「2/4」の眠り猫な皆さんは目覚めず。
 与党自公及び癒着党お維の議員をあわせても、参院では、2/3を下回り、壊憲の発議は、野党議員が「協力」しない限り出来なくなったことは、良かった。しかし、自民党単独での過半数確保は出来なかったものの、公明の議員数は増加し、与党で過半数を大きく越えている。消費増税などのデタラメは、アベ様達的には「信任を得た」と嘯くでしょう。いくら民意を示しても、沖縄では、辺野古破壊は止まらないし、沖縄イジメも止まない。また、アノ癒着党お維の議員数も増加した。特に大阪では、お維・お維・自・公とういう悪夢のような布陣・結果だ。

   『●東京新聞「本音のコラム」【「動かぬ証拠」 前川喜平】
        【「情勢は流動的」 斎藤美奈子】…野党に投票を!
   『●《「憲法の議論をする政党か否か」が参院選の争点》…
       アベ様の「壊憲」=「■■■食え」 ⇒ 《「嫌だ」でOK》
   『●2019年7月参院選、またしても今回も「眠り猫」だった皆さん…
                       〝上手く行った〟メディアコントロール

 それでも、次の選挙に向けて、一歩一歩頑張るしかない。脱・メディアコントロール、そして、「眠り猫」な皆さんを揺さぶり起すこと。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907220000209.html

コラム
政界地獄耳
2019年7月22日8時57分
まれに見る魅力ない国政選挙

★与野党参院選の候補者、陣営、関係者の皆さん、17日間、当落はさておきお疲れさまでした。それぞれが死に物狂いで頑張ったという感想をお持ちだろう。ところがこの参院選、国民は全く盛り上がらず、関心のない低調な国政選挙になったと書くと、そんなはずはない、あれほどの熱気が渦巻いたと思うかもしれないが、それは極めて局地的な話で最近まれにみる魅力のない選挙だったと結論付けるしかない。

自民党は日韓協議、日米貿易協議、ホルムズ海峡有志連合参加問題、財政再検証発表延期と年金2000万円問題、10月からの消費税値上げなど国論を二分するテーマや失政をすべて先送りにした。その分、首相・安倍晋三の街頭演説は序盤戦ではこそこそと日程を隠しながら遊説し、中盤からはヤジに神経質に対応。警察は過剰に排除した。また演説の中身は“民主党”攻撃、民主党政権批判、アベノミクスのいい数字だけの羅列、野党批判に始終した。

★野党が反駁(はんばく)して騒いでも無視し続けメディアも深く追わなかった。与党が乗ってこずとも野党はそれ以外にも与党の失政と、成果のない外交など攻める材料は相当あったはずだが、立憲民主党が野党共闘に極めて消極的で、統一候補が決まったのがあまりにも遅すぎた。同時に複数区では野党候補のつぶし合いが相次ぎ、脆弱(ぜいじゃく)な野党内のトップ争いのような不毛な戦いを強いられた。結果的には立憲が野党第1党を維持したかに見えるが、野党の足を引っ張った戦犯は同党と野党共闘を推進しながら右派が共闘に批判ばかりで非協力だった連合と言わざるを得ない。

★ただ、立憲が躍進して議席が増えると党代表・枝野幸男、幹事長・福山哲郎の独裁体制の批判が強まるだろう。枝野降ろしこそないだろうが党運営や党の目指すものについて、また野党共闘についての方針に変化があるかもしれない。一方深刻なのは国民民主党だ。党代表・玉木雄一郎の優柔不断さ、幹事長・平野博文は選挙終盤、滋賀県で応援演説中にライターを取り出して「聴衆の心を燃やしたいと買ってきたが、京都のようになったら困る」と発言するなど政治音痴ぶりが過ぎる。執行部の早期退陣はやむなしだろう。いずれにせよ野党は野党共闘路線を維持するつもりなら、甲子園の予選敗退球児のように、明日から衆院選挙に向けての対応をはじめ、本気の対策を練るべきだろう。また、連合ありきの野党共闘も精査すべきだ。連合が邪魔をするようなら連合抜きの野党共闘も視野に入れるべきだ。

★その中で野党の体たらくを見抜き、独自の展開を見せたのがれいわ新選組だ。代表の山本太郎への期待は6年前よりもパワーアップしたが、組織もなく全国での戦いは野党に期待できない野党支持者の駆け込み寺となった。また政治の基礎である弱者の視点に立ち続けたことは既に正社員の労働組合の集合体・連合が庶民の代表ではないことを示唆している。障がい者、外国人労働者、低所得者をも含めたすべての働く人たちを、働き方を包括する政策や価値観、対策が待たれている。

★与党は参院議長を決め内閣改造はフランスでサミット、横浜でアフリカ開発会議、ウラジオストクでの東方経済フォーラム終了後9月中旬に行う。秋の国会は先送り事項の主戦場になる。(K)※敬称略
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/258508

注目の人 直撃インタビュー
れいわ新選組・山本太郎氏「世の中変わるなら捨て石上等」
2019/07/18 11:50

     (れいわ新撰組代表の山本太郎氏(C)日刊ゲンダイ)

■「財政規律、財政再建と言う政治家はDV野郎です」

 21日投開票の参院選でもっとも注目されるのが、山本太郎代表が立ち上げた「れいわ新選組」の動向。テレビ中心に大手メディアが存在を黙殺する中、街頭では大勢が立ち止まり、演説に耳を傾け、寄付をする。その映像がネットで拡散され、著名人もがSNSで応援する。かつてない社会現象だ。

 ◇  ◇  ◇

 ――投開票日が迫っていますが、手応えは?

 反応はすごくいいです。公示日は(立候補)届け出がギリギリ、ポスターも張れてない、第一声でのぼりもない、選挙カーもないというスロースタートでしたが、どこへ行っても感触はいい。

 ――12日の品川駅前での街頭演説「れいわ祭」はかなりの群衆で、どんどん膨れ上がっていきました。何が有権者を引きつけていると?

 自分で聞いてみると、退屈な演説だなと思うわけです。12日も映像を確認して吐きそうになったんです。イケてなさに。ただ、分かりやすいというのはあるんじゃないですか。山本太郎でも理解できるんだから、みんな理解できる。それ以上でもそれ以下でもない。

 それと、本気の捨て身って、なかなかないじゃないですか。僕も野原さん(東京選挙区に出馬した野原善正候補)も、世の中が変わるんだったら、捨て石上等のつもりでやっている。そういうところが伝わっているのなら、面白がる人がいるかもしれないですね。

 ――寝ている票の掘り起こしは狙い通りですか。

 今の時点で何とも言いようがないです。蓋を開けてみないと。無党派に対して他の政党は伸びしろが少ないと思うんですよ。そうした中で、伸びしろ「しか」ないのが僕たち。グラウンド・ゼロから始まっていますから。(有権者の)視界に選択肢として映ればもっと面白くなると思うんですが、ネットなどの一部のメディアでしか取り上げられない。強制的に垂れ流すテレビでは、僕らの存在は扱われない。それは想定済みで分かっちゃいるけれど、大変ですね。

 ――確かに、テレビではほぼスルーされています。

 政党要件を満たさないので扱われないようなのですが、そうは言っても、国会議員1人が旗揚げしたグループが3億円の寄付を集めて、演説会場はどこよりも盛り上がっている。ひとつの現象として取り上げられてもいいのでは、と正直思いますね。もっとも、演説内容はスポンサーサイドにとって好ましくないでしょうから。テレビは商業主義ですからね。

 ――低投票率が懸念されています。

 ハッキリ言って、みんな政治どころじゃないんですよ。「立憲主義に基づいた政治を行う」っていくら訴えても、多くの人はそれどころじゃない生活が本当に苦しくて、目の前のことで精いっぱいという声をたくさん聞いてきました。こうした声を私よりも聞いてる先輩はいっぱいいると思うんですよ。それなのに、消費増税とか、増税凍結どまりとか。「ナニ寝言言ってんだ」ってことは、与野党に言いたいですね。

 (この国の経済状況は)20年続いたデフレから脱却して緩やかなインフレみたいな話になっていますが、いまの状況でプライマリーバランスの黒字化だとか、財政規律だ、財政再建だとか言っている政治家は与野党関係なくDV野郎ですよ。


■「政治に緊張感を生む存在を目指す」

 ――キツイですね。

 ここまで地盤沈下した中で財政規律だの、財政再建だのっていうのは、国民にとって暴力行為です。殺す気か、という話でしかない。消費増税を容認する人たちと、消費増税凍結を訴える人たちの未来デザインはほぼ一緒。消費税廃止を掲げる僕たちとは描く将来像が全く違う。

 凍結では、いずれ解凍されて増税に向かってしまう。消費税という大きな基幹税制を残し続けるということ。逆進性が強かろうが、中小企業の首が絞まろうが、消費税を大企業の補填に使い続けていくということ。違いは時期だけで、消費増税も増税凍結も大きく変わりません。


■この国に生きる人への愛とカネが足りない

 ――「れいわ祭」で「政権を取りに行く」と宣言していました。

 万年野党という座を手に入れるために政治団体を旗揚げしたのではないですから。この参院選ではできれば10人、そこまでいかなくても可能な限りを議会の中に送り込んでいただいて、市民の運動から初めてできた政党としたいんです。参院選で得た議席によって、政治に緊張感が生まれるような存在をめざす。仕事をする政党だと認識してもらえれば、次の衆院選で今回より議席を増やし、3年後の参院選とステップを踏んで、その先を狙っていけると思っています。

 ――「政治に緊張感」と繰り返しています。

 国会は結局、与党のリズムで進んでいて、なりふり構わずやってくる相手が常軌を逸しているのだから、こっちもトコトン抗わなきゃ野党は甘く見られる。例えば、委員会の強行採決で委員長を取り囲んでも、脇や後ろにいるだけで前はスカスカ。要は正面から(カメラに)撮ってもらえば抵抗している感じは出る。そういう演劇みたいなこと、やめた方がいいですよね。

 ガチンコで喧嘩をしにいく野党に変われば、与党も今のペースで物事を決められなくなる有権者の政治に対する見方も変わり、もっと興味を持っていただけるようになる。他の野党が貴族みたいな戦い方をしていたら、僕たちと温度差が出て、有権者に「どうしてもっと必死にやらないんだ」とバレてしまうから困るわけです。僕たちの存在が緊張感を生む出発点になれればと思います。

 ――野党は本気の捨て身を見せ切れていないから、有権者の支持が高まらない。

 みんなダメだと言う気はありません。与党の中にも心ある人がいるし、でもその中で公認を得られなくなるから黙っている人たちがいる。野党の中にも素晴らしい人たちはいて、とてもじゃないけどかなわないっていう人たちが山ほどいます。けれど、ここ一番抗うべきという場面で気合が足りないというか。権力闘争なんだから、権力を奪うということに対してのこだわりや執念が感じられないってことですね。

 ―――それでも国会は「数」が必要。他の野党の仲間もつくらなきゃいけないですよね。

 国会の中はものすごくシンプルで、カネがあるか、票があるか、自分が次も議員でいられるか、が一番重要なんです。選挙が始まる前に10億円集まっていたら、現職の国会議員が動いていた可能性があると思います。そうは言いながらも、野党との関係性も重要だとは思っています。この6年間、政治をぶっ壊してきたのは与党なのですから、野党は1議席でも減らさせてはダメだし、当然、手を組んでいく人々だと思っています。

 ――投票率が低くなりそうなのは、「選挙に行っても何も変わらない」という諦めもあるように思います。

 分野の違う話ですけど、高校野球ってなぜあんなに燃えるのかというと、緊張感ですよね。1回きりの勝負をガチンコで戦わなきゃ次に上がれない。そこに磨き抜かれたテクニックを競うプロ野球との違いがある。700人以上いる国会議員のほとんどがプロの政治家。そこに高校球児みたいな集団が紛れ込んで、粗削りだけれども「ならぬものはならん」と空気を読まないでやるべきことをやる。政治が面白くなって、期待感が膨らむと思うんですよね。

 ――今の政治に足りないものは何でしょう?

 この国に生きる人々を思う気持ちですね。20年以上もデフレで、圧倒的に日本だけが成長していない。要は国からの投資がないってことです。揚げ句の果てに、貧乏になって、生産能力も低くなり、衰退国家の入り口に立っている。この20年は、この国に生きる人々への愛とカネが足りなかった歴史なんじゃないですか。衰退が加速しても、形としては国は残る。先に倒れるのは人々ですよ。

 行く末は究極の自己責任社会生産性で人間の価値が測られるのですから、将来的に命の選別まで迫られる可能性が高いだろうと思っています。だからこそ、寝たきり界のトップランナーや重度障害者の方が国会に入ることによって、生産性で物事を語ったりとか、命の選別にブレーキをかける。それで特定枠を使ったんです。国会が真剣に取り組まなきゃいけないテーマを突き付けられるということです。

(聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)


▽山本太郎(やまもと・たろう) 1974年兵庫県宝塚市生まれ。高校在学中に「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(日本テレビ系)の「ダンス甲子園」に出場し、芸能界入り。俳優として活躍。3・11後に反原発活動を始め、12年の衆院選(東京8区)に無所属で初出馬するも落選。13年の参院選(東京選挙区)で初当選。自由党共同代表などを経て、今年4月に政治団体「れいわ新選組」を旗揚げ。
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●構造調整という名の奈落: 「エコノミック・ヒットマン…巨額の貸付金によって途上国を債務漬けにし…」

2018年07月13日 00時00分17秒 | Weblog


レイバーネット(http://www.labornetjp.org/)のコラム【〔週刊 本の発見〕『エコノミック・ヒットマン ― 途上国を食い物にするアメリカ』/なぜ世界はかくも怒りに満ちているのか?】(http://www.labornetjp.org/news/2018/0628hon)。書評者は、菊池恵介氏。

 《巨額の貸付金によって途上国を債務漬けにし、アメリカが思いのままに操れる状況を作り出すことだ》。

 不勉強にも、《エコノミック・ヒットマン》(an Economic Hit Man)という言葉を初めて知りました。
 以下は、【「水」戦争の世紀 (“Blue Gold”) 、集英社新書、p.149】よりのメモ。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
  “構造調整” = 新規融資のための行政改革要求 [ニカラグア・タンザニアなど]
    ・公務員の削減と公共サービスの民営化
    ・貿易・投資・金融の自由化
    ・輸出換金作物の栽培奨励や天然資源輸出制限の撤廃など

                     [自由化・民営化・規制
                           緩和・輸出志向型経済]

     負債解消のための輸出依拠型経済 
       →  輸出の増加 (限定された種類の産品になりがち)
         →  価格下落 + 借金返済による収入減少 
           →  未払い + 利子増大 → 負債の増大
 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 《ほぼ例外なく債務不履行に陥る。そうなると、著者が「コーポレートクラシー」と呼ぶ一群のアクター(大企業、政府、世界銀行、IMFなど)が登場し、「マフィアと同じく、厳しい代償を求める》…。《コーポレートクラシー》とは、「企業独占主義 (corporatocracy: コーポレートクラシー)」(http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-2356.html)、あるいは、「コーポレートクラシーとは、上の旗に掲げられているようなアメリカの多国籍企業が実質的にアメリカの政治を支配し、ひいては世界を支配していることを説明する言葉」(http://bougainvillea330.blog.fc2.com/blog-entry-356.html)だそうです。
 「構造調整」という名の奈落。民営化私企業化)・規制緩和市場原理…泥沼。

   『●IMFと世界銀行: ワシントンコンセンサス、
               ブレトンウッズ体制を支えるもの達
    「消費税増税を促すような口出しまでされて(口出しするよう外圧を
     加えさせて?)、何も感じない? 消費税増税で我が国も不幸の
     どん底になり、IMFや世銀のおかげで不幸になった国の一例になる
     のかもしれない。
       「小さな政府」という幻想を振りまく竹中平蔵氏が
     元・大阪〝ト〟知事のバックに、ブレインに。と~ってもお似合いだ。
     彼らが、大阪市民・府民や日本の国民のことなど何も考えていないこと
     がよく分かるよ」

   『●世界の潮流に周回遅れで水道私企業化の亡国…
       「15年までに再公営化を決断した自治体は世界で180」


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http://www.labornetjp.org/news/2018/0628hon

〔週刊 本の発見〕『エコノミック・ヒットマン途上国を食い物にするアメリカ
毎木曜掲載・第63回(2018/6/28)

なぜ世界はかくも怒りに満ちているのか?
●ジョン・パーキンス『エコノミック・ヒットマン ― 途上国を食い物にするアメリカ』(古草秀子訳、東洋経済、2007)/評者:菊池恵介

 本書は、長年、国際開発のエキスパートとして現代史の裏舞台で活躍してきた人物の告白の書である(原題:Confessions of an Economic Hit Man)。著者のジョン・パーキンスは、表向きにはコンサルティング会社のエコノミストとして途上国の開発計画に携わってきたが、裏では「エコノミック・ヒットマンEHM」と呼ばれる秘密の任務に従事してきた。それは、巨額の貸付金によって途上国を債務漬けにし、アメリカが思いのままに操れる状況を作り出すことだ

 1971年に、アメリカ国家安全保障局(NSA)の試験を26歳で合格したパーキンスは、メイン社という大手コンサルティング会社に入社する。そこで「エコノミック・ヒットマン(EHM)」としての手ほどきを、クローディンと名乗る女性工作員から受けた後、インドネシア、パナマ、エクアドル、コロンビア、サウジアラビア、イランといった国々に送り込まれていく。いずれもアメリカの世界戦略において重要な地政学的位置を占める国々ばかりだ。現地での彼の任務は、巨大な開発プロジェクトを策定し、世界銀行やアメリカ国際開発庁(USAIDS)の融資を取り付けることだった。

 「マフィア組織のヒットマンと同じく、EHMもまずは恩恵を施す。それは発電プラントや高速道路、港湾施設、空港、工業団地などのインフラ整備を建設するための融資という形をとる融資の条件は、そうしたプロジェクトの建設をアメリカの企業に請け負わせることだ。要するに、資金の大半はアメリカから流出しない。単にワシントンの銀行のオフィスから、ニューヨークやヒューストンやサンフランシスコのエンジニアリング会社に送金されるだけの話だ」(18-19頁)。

 エコノミック・ヒットマンとしての任務が成功すると、巨額な対外債務を負った途上国はまもなく利払いに行き詰まり、数年後にはほぼ例外なく債務不履行に陥る。そうなると、著者が「コーポレートクラシー」と呼ぶ一群のアクター(大企業、政府、世界銀行IMFなど)が登場し、「マフィアと同じく、厳しい代償を求める。代償はさまざまな形をとる。たとえば、国連での投票権の操作、軍事基地の設置、石油やパナマ運河などの貴重な資源へのアクセス」などだ。こうして債務の罠に陥った途上国は政治的・経済的にコントロールできるようになるというのである。

 その典型的な国の一つが、南米のエクアドルである。1960年代末に、アマゾン川流域で石油が発見され、その採掘事業が開始されると、現地の有力者はまんまと国際金融機関の術中にはまった。彼らは石油から得られると約束された収入をあてに、巨額の貸付金を受け取り、道路、工業団地、水力発電のダム、通信システム、送電線などを全国に建設した。その結果、石油採掘の利権を握る少数のエリートが潤う一方、莫大な対外債務の利払いにより、先住民をはじめとする国民の大半は困窮していった

 「この美しい国を破壊するのに自分が果たした役割をあらためて考えれば、いくら悔やんでも悔やみきれない。私や仲間のEHMのせいで、今日のエクアドルは、現代的な経済構造や銀行やエンジニアリング技術がもたらす数々の「奇跡」が導入される以前よりも、はるかに悪い状況に陥っている。1970年代以降、「石油ブーム」と婉曲的に呼ばれる期間に、生活困窮者の割合を示す公式な貧困線は50パーセントから70パーセントへと、不完全就業者および失業者の割合は15パーセントから70パーセントへと大きく上昇し、国家の負債は2億4000万ドルから160億ドルに増加した。その一方で、最貧層のために配分される国家予算の割合は20パーセントから6パーセントへと減少した。今日では、エクアドルは負債の支払いのためだけに国家予算のほぼ半分をつぎ込まなければならなくなっている

 残念ながら、エクアドルはほんの一例である。私たちEHMが世界帝国の傘下に引き入れた国々は、ほぼ例外なく同じような運命に苦しんでいる。第三世界の債務は2兆5000億ドル以上にも膨れ上がり、利息だけでも2004年の時点で年間3750億ドル以上にものぼる。この数字は第三世界の国々が公衆衛生や教育に支出する金額の増額を超えており、発展途上国への対外援助の年額の20倍にものぼる(21頁)」。

 「エクアドルの雨林か算出する原油100ドル当たり、石油会社の取り分は75ドルだ。残りの25ドルのうち、4分の3は対外債務の返済にあてられる。4分の1の大半は軍備をはじめとする政府支出に使われ、公衆衛生や教育や貧しい人々を援助するための計画に使われる資金は2.5ドルほどしか残らない。つまり、アマゾンから100ドル分の石油が奪い取られるたびに、もっとも金を必要としている人々、ダム建設や石油掘削やパイプラインで居住地を破壊され、食料や飲料水の欠乏から死に瀕している人々のところへ届くのは、わずか3ドル以下なのだ。そうした人々はすべて――エクアドルだけで数百万人、全世界では数十億人にものぼる――テロリストと化す可能性を秘めている。それは彼らが共産主義や無政府主義を信奉しているからでも本質的に悪人であるからでもなくひたすら現状に絶望しているからである(23-24頁)」。

     (*「デモクラシー・ナウ!」に出演するジョン・パーキンス氏。番組はこちら


https://youtu.be/v8Xsz62O-fU

 それでは、有能なエコノミック・ヒットマンとして成り上がった著者が、なぜ開発政策の舞台裏について告白するにいたったのか。そこには、大きく二つの要因が見て取れる。一つは、現地の人々と交流するなかで、年々罪悪感が膨らんできたことだ。もともとエクアドルでのボランティアをきっかけに国際開発の世界に足を踏み入れた著者は、EHMとなって途上国を「債務の罠」に陥れる一方、現地の人々の言葉を覚え、友情関係を育んでしまう「どっちつかずの人間」であった。それゆえ、アメリカの偽善に対する民衆の本音に戸惑い、しばしば弁明を強いられる状況に置かれてきた。だがどんなに言い訳を重ねたところで、自己嫌悪の念は払拭できず、その感情は年々高まるばかりだった。

 もう一つは、出世のために「魂を売った」自分とは対極的な生き方を選択し、暗殺された二人の政治指導者との出会いだ。その一人は、パナマのオマール・トリホス将軍。もう一人は、エクアドルのハイメ・ロルドス大統領である。「両者ともに、世界の巨大勢力に勇敢に立ち向かった。トリホスはパナマ運河を取り戻したいと願い、ロルドスは世界有数の石油企業から自国の天然資源を守るため強固な愛国主義の立場を貫いた。ロルドスもトリホスも共産主義者ではなかったが、自国の運命を決める権利は自分たちの手にあると考えていた」(235頁)。だが、まさにそれゆえに大企業やアメリカ政府にとっては脅威であり、取り除くべき存在だった。コンゴのルムンバ、チリのアジェンデ、ブルキナファソのサンカラなど、コーポレートクラシーとの癒着や汚職を拒んだ第三世界の指導者大半は短命に終わったが、それは偶然ではない。もしエコノミック・ヒットマンが失敗すれば、ジャッカルと呼ばれる刺客が放たれ、さらにジャッカルが失敗すれば、軍事介入という古いモデルが復活するからである。

 これらの経験を経て、著者は1980年にメイン社を辞職するが、その後も開発コンサルティング業からなかなか足を洗えなかった。マイアミに豪邸を構え、フロリダ湾をヨットで周遊し、顧問として高給を受け取る暮らしは、容易に手放せるものではなかった。そんな彼にとって最終的な引導となったのが、2001年9月のニューヨーク同時多発テロである。事件の二か月後、焼け焦げた残骸が散乱し、人肉の腐臭が漂うグラウンド・ゼロに立ったパーキンスは、アメリカ帝国の偽善に対する世界の激しい怒りに震撼する。一般の多くのアメリカ人にとって、テロは平和な日常を脅かす理不尽な出来事かもしれないが、毎日2万4000人の人々が飢餓のために死んでいる世界帝国の建設に従事してきた著者には、あまりにも多くの心当たりがあった。「アメリカの平和」こそ、南北間における構造的暴力の産物なのである。

 2004年に刊行された本書は、アメリカで巨大な反響を呼び、オルター・グローバリゼーション運動を背景に世界的ベストセラーとなった。それと前後するように、ラテンアメリカでは左派政権が次々に誕生し、アメリカとの対決姿勢を鮮明にしていった。とりわけエクアドルでは、2006年にラファエル・コレアが大統領に当選し、「不当債務」の帳消しを求めるなど、画期的な変化が見られた。一方、アメリカの軍事介入を被った中東では、戦争の廃墟の中から「イスラム国」が台頭し、シャルリー・エブド事件パリ同時多発テロなど、世界を絶えざるテロリズムの脅威にさらすようになった。なぜ世界はかくも激しい怒りに満ちているのか。「テロとの戦い」などを語る前に、もう一度、その原因について考えてみる必要があるだろう。ここに、その重要な手がかりがある。

*「週刊 本の発見」は毎週木曜日に掲載します。筆者は、大西赤人・渡辺照子・志真秀弘・菊池恵介・佐々木有美・佐藤灯・金塚荒夫ほかです。
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