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●「ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる」――― マグロ漁船「第五福竜丸」の船員・大石又七さんが亡くなる

2021年04月03日 00時00分11秒 | Weblog

[『放射線を浴びたX年後』(http://x311.info/part1.html)↑]


/ (2021年03月28日[日])
アサヒコムの【(社説)ビキニ核実験 船員が憂えた未来の命】(https://www.asahi.com/articles/DA3S14843050.html?iref=comtop_Opinion_03)。

 《67年前の3月1日、米国が太平洋ビキニ環礁で水爆実験を行い、日本漁船の乗員や近くの島々の住民らが巻き込まれた。静岡県のマグロ漁船「第五福竜丸」は、操業中に「死の灰」を浴びた。その船員の一人として、核廃絶を訴え続けた大石又七(またしち)さんが亡くなった。享年87。体験を語る証言活動を国内外で700回以上重ねた。「まだまだ言いたいこと、伝えたいことがある」。最近もそう語っていたという。核兵器の罪をじかに知る語り部は年々、少なくなっていく。だが人類が再び過ちを犯す恐れは今も消えず、むしろ核軍拡と拡散の流れが強まっている。…「ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる」。大石さんの警句が、重く響く》。

 大石又七さんが亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。
 《『ビキニ事件』は終わっていないんです》(「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん)。
 《ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる》。さらに、「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為」…『ビキニ事件』は終わっていない。「国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」、《国会や政府は対応を放置したままだ》…なんというデタラメな国なのか…。無責任国家、無慈悲な国。東京電力核発電所人災も似たようなものだ。『放射線を浴びたX年後』に慄く…。

   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
     「こんな巨大な事件が、…日本人としての資質が問われる」
   『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
       『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』
   『●東電原発人災の『X年後』: 厚生省「1.68ミリシーベルト」
                      vs 研究者「1400ミリシーベルト」
   『●『放射能を浴びたX年後』: 「国はこれまで
       福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」
   『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」…
                 2011年から「X年後」を怖れる
    「東京新聞のコラム【【私説・論説室から】「放射線を浴びたX年後」】
     …《登場人物はみな、静かな語り口だが、私たちは被ばく船員を
     見捨ててきたと痛感する。ビキニ事件で政府が積極的に調べたのは、
     船体と魚の放射能汚染。船員はおざなり。米国から賠償金二百万ドルを
     受け取ると調査もやめた。漁港では風評被害を恐れ、
     誰も被ばくは口にできない。そんな時代だ》」
    「同じ構図を…3.11東京電力原発人災でもやってしまっているのではないか…、
     ということをとても怖れる。過小に見積り、情報が隠され、
     「ただちには影響はない」とした「X年後」に、取り返しのつかない何かが
     起こってしまいはしないか? …「事故直後の1巡目の検査では「異常なし」
     とされた子ども4人が、4月から始まった2巡目の検査で甲状腺がんの疑い
     と診断…1986年のチェルノブイリ原発事故では4~5年後に子どもの
     甲状腺がんが急増した」。取り返しのつかない「X年後」が経過してしまった
     のではないでしょうか」

   『●東京電力原発人災から『X年後』…… 
       取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
   『●人類は核と共存できるのか? 
        『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議
   『●『放射線を浴びた『X年後』』: ビキニの海に居た
       元船員「行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう」
   『●第五福竜丸元乗組員大石又七さん「ビキニと
     福島はつながっている」「被曝者がたどった道を、福島で…」
   『●「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん
                「『ビキニ事件』は終わっていないんです」
   『●《基準値超えのマグロ…午後からは検査がなくなり、すべての
          マグロが出荷された…。こうして汚染魚は“ゼロ”に》
   『●「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為」
                    …『ビキニ事件』は終わっていない
    「長年こつこつと、この問題に取り組んでこられた
     「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん、
     「『ビキニ事件』は終わっていないんです」。」
    「《子どもたちの間では甲状腺がんが増えているが、県の調査班は放射能の
     影響を否定するばかり。原発のちりは広い範囲に降った。原因の究明は
     進むのか、将来への不安を声にも出せず苦しんでいる子どもは各地にいる
     …慄く。怒りが湧く」
    《ビキニ被ばく 国賠提訴 「情報不開示」元船員ら初
     2016年5月9日 夕刊
      一九五四年の米国による太平洋・ビキニ環礁での水爆実験の際に
     周辺海域にいた元漁船員やその遺族ら四十五人が九日午後、被ばくに
     関する調査結果を日本政府が長年開示せず、米国への賠償請求の機会を
     奪われたなどとして、元船員一人当たり二百万円の慰謝料を
     求める国家賠償請求訴訟高知地裁に起こした。 
      原告側によると、ビキニ実験を巡る国賠訴訟は初めて。被ばくした
     第五福竜丸(静岡県焼津市)の元船員らには五五年に米側から見舞金が
     支払われており、提訴で国の責任を追及するとともに、救済実現を目指す

   『●【放射線を浴びたX年後】…《半世紀以上前の列強国による…核実験に
       関わったイギリス軍の元兵士や遺族…その海で何があったのか》?
   『●『放射線を浴びたX年後』…『ビキニ事件』は終わっていない。
     「国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」
    《六十六年前の核実験を忘れるわけにはいきません。裁判が今もある
     のです。先行したのは第五福竜丸「以外」の漁船の元船員や遺族が
     一六年、高知地裁に国家賠償を求めた訴訟です》。
    「「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為
     …『ビキニ事件』は終わっていない。「国はこれまで福竜丸以外の
     船員の追跡調査をしてこなかった」」。

   『●「原子力の平和利用」という核発電への幻想…「原発は『プルトニウム
         をつくる装置』」(内橋克人さん)にこだわる周回遅れのニッポン

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https://www.asahi.com/articles/DA3S14843050.html?iref=comtop_Opinion_03

(社説)ビキニ核実験 船員が憂えた未来の命
2021年3月23日 5時00分

     (亡くなった第五福竜丸の元船員、大石又七さん
             =2018年9月22日、東京都内で)

 67年前の3月1日、米国が太平洋ビキニ環礁で水爆実験を行い、日本漁船の乗員や近くの島々の住民らが巻き込まれた。

 静岡県のマグロ漁船「第五福竜丸」は、操業中に「死の灰」を浴びた。その船員の一人として、核廃絶を訴え続けた大石又七(またしち)さんが亡くなった。

 享年87。体験を語る証言活動を国内外で700回以上重ねた。「まだまだ言いたいこと、伝えたいことがある」。最近もそう語っていたという。

 核兵器の罪をじかに知る語り部は年々、少なくなっていく。だが人類が再び過ちを犯す恐れは今も消えず、むしろ核軍拡と拡散の流れが強まっている

 大石さんらが後世に残そうとした遺志を胸に刻むとともに、「核なき世界」をめざす道筋を真剣に考えねばなるまい。

 ビキニ事件が起きたのは、広島・長崎の原爆から9年後の1954年。米ソ冷戦下の核競争が激化した時代だ。

 福竜丸の乗員は23人。無線長が約半年後に亡くなり、さらに早世する仲間が相次いだ

 「訴え続けなければ、ビキニ事件はやがて消えてしまう」。大石さんは被曝(ひばく)の影響とみられる症状や差別に苦しみながらも沈黙を破り、訴え続けた

 ビキニ事件は原水爆禁止の国内世論を高めた一方で、日米両政府の政治決着により、翌年に米側の見舞金7億円余で「完全解決」とされた

 同じ海域で影響を受けた日本の漁船は約1千隻とされるが、公式の健康影響調査はされていない。80年代以降、船の約3割は高知県から出ていたことが地元の地道な調査で浮かんだ。

 高知の船員らは5年前に国に賠償を求めて提訴したが、棄却された。ただし判決は、立法府と行政府に対し「一層の検討に期待するほかない」と救済を促した。それでも国会や政府は対応を放置したままだ

 国際情勢に目を転じれば、今年1月に核兵器禁止条約が発効した。この枠組みは、核実験の被害者への国際的な支援を定めた点でも注目されている。

 普遍的な人道主義にもとづく救済の考え方は、日本だけでなく、太平洋諸国など各地の核被害に苦しむ人びとにとって貴重な手立てとなろう。

 ビキニ事件で「3度目の被ばく」を経験した日本は、核禁条約への参画を果たすべきだ

 米国による「核の傘」を理由に傍観を決め込む姿勢は許されない。核廃絶を願う国際世論と共に立つ日本の決意を示すためにも、条約への関与が必要だ。

 「ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる」。大石さんの警句が、重く響く。
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●『放射線を浴びたX年後』…『ビキニ事件』は終わっていない。「国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」

2020年09月06日 00時00分32秒 | Weblog

[『放射線を浴びたX年後』(http://x311.info/part1.html)↑]



東京新聞の【社説 <戦後75年>ビキニ被ばく訴訟から 核とゴジラと漁船員と】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/49285?rct=editorial)。

 《六十六年前の核実験を忘れるわけにはいきません。裁判が今もあるのです。先行したのは第五福竜丸「以外」の漁船の元船員や遺族が一六年、高知地裁に国家賠償を求めた訴訟です》。

 「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為」…『ビキニ事件』は終わっていない。「国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」。

   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
     「こんな巨大な事件が、…日本人としての資質が問われる」
   『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
       『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』
   『●東電原発人災の『X年後』: 厚生省「1.68ミリシーベルト」
                      vs 研究者「1400ミリシーベルト」
   『●『放射能を浴びたX年後』: 「国はこれまで
       福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」
   『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」…
                 2011年から「X年後」を怖れる
    「東京新聞のコラム【【私説・論説室から】「放射線を浴びたX年後」】
     …《登場人物はみな、静かな語り口だが、私たちは被ばく船員を
     見捨ててきたと痛感する。ビキニ事件で政府が積極的に調べたのは、
     船体と魚の放射能汚染。船員はおざなり。米国から賠償金二百万ドルを
     受け取ると調査もやめた。漁港では風評被害を恐れ、
     誰も被ばくは口にできない。そんな時代だ》」
    「同じ構図を…3.11東京電力原発人災でもやってしまっているのではないか…、
     ということをとても怖れる。過小に見積り、情報が隠され、
     「ただちには影響はない」とした「X年後」に、取り返しのつかない何かが
     起こってしまいはしないか? …「事故直後の1巡目の検査では「異常なし」
     とされた子ども4人が、4月から始まった2巡目の検査で甲状腺がんの疑い
     と診断…1986年のチェルノブイリ原発事故では4~5年後に子どもの
     甲状腺がんが急増した」。取り返しのつかない「X年後」が経過してしまった
     のではないでしょうか」

   『●東京電力原発人災から『X年後』…… 
       取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
   『●人類は核と共存できるのか? 
        『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議
   『●『放射線を浴びた『X年後』』: ビキニの海に居た
       元船員「行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう」
   『●第五福竜丸元乗組員大石又七さん「ビキニと
     福島はつながっている」「被曝者がたどった道を、福島で…」
   『●「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん
                「『ビキニ事件』は終わっていないんです」
   『●《基準値超えのマグロ…午後からは検査がなくなり、すべての
          マグロが出荷された…。こうして汚染魚は“ゼロ”に》
   『●「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為」
                    …『ビキニ事件』は終わっていない
    「長年こつこつと、この問題に取り組んでこられた
     「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん、
     「『ビキニ事件』は終わっていないんです」。」
    「《子どもたちの間では甲状腺がんが増えているが、県の調査班は放射能の
     影響を否定するばかりだ。原発のちりは広い範囲に降った。原因の究明は
     進むのか、将来への不安を声にも出せず苦しんでいる子どもは各地にいる
     …慄く。怒りが湧く」
    《ビキニ被ばく 国賠提訴 「情報不開示」元船員ら初
     2016年5月9日 夕刊
      一九五四年の米国による太平洋・ビキニ環礁での水爆実験の際に
     周辺海域にいた元漁船員やその遺族ら四十五人が九日午後、被ばくに
     関する調査結果を日本政府が長年開示せず、米国への賠償請求の機会を
     奪われたなどとして、元船員一人当たり二百万円の慰謝料を
     求める国家賠償請求訴訟高知地裁に起こした。 
      原告側によると、ビキニ実験を巡る国賠訴訟は初めて。被ばくした
     第五福竜丸(静岡県焼津市)の元船員らには五五年に米側から見舞金が
     支払われており、提訴で国の責任を追及するとともに、救済実現を目指す

   『●【放射線を浴びたX年後】…《半世紀以上前の列強国による…核実験に
       関わったイギリス軍の元兵士や遺族…その海で何があったのか》?

 私が許せないのは、未だに、「核兵器なき世界」さへ目指さないアベ様。

   『●アベ様「あの、今回もですね…あの、わりと時間をとってお話もさせて
         いただきました…日々、西村担当大臣、また官房長官からも…」
    「「核兵器なき世界」さへ目指さないアベ様の言う「核なき世界」が
     如何にいい加減かが分かろうというもの…
     「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。
     小型であればですね」というアベ様の思想は何も変わっていない。
     敵基地攻撃論の先には、何が待っていることやら」

   『●「憲法くん」…《「変なうわさを耳にしました。本当でしょうか。私が
       リストラされるかもしれないという話」。…無関心ではいられない》
   ●適菜収さん【それでもバカとは戦え】…《われわれ日本人が目指すべき
          なのは「核兵器のない世界」の前に「安倍のいない世界」である》

 この社説の〆、《ゴジラと核兵器−。一四年のハリウッド版「ゴジラ」は…「ビキニ環礁での水爆実験はゴジラを殺すため」との台詞(せりふ)が出てきます。日本の第一作とは前提があべこべ米国の核実験の正当化にも聞こえます殺されたのは架空のゴジラではなく、生身の漁船員たちです闇に葬ってはいけません》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/49285?rct=editorial

社説
<戦後75年>ビキニ被ばく訴訟から 核とゴジラと漁船員と
2020年8月16日 07時17分

 「ゴジラ」は一九五四年秋に映画に登場した怪獣です。南太平洋のビキニ環礁で米国の行った水爆実験を機に誕生しました。それさえ知らない人が増えました。「核の申し子」の設定なのです。

 水爆は広島型原爆の一千倍もの威力があるといわれました。同年春先にはマグロ漁船・第五福竜丸など多数の漁船が放射性物質の「死の灰」を浴びました。全貌は不明ですが、漁船一千隻、被ばく者一万数千ともいわれます。

 「ゴジラ」はむろんこの事件で着想されています。日本国民にとりヒロシマナガサキに続く「第三の被ばく」で、新たな恐怖の象徴でもあったと思います。

 でも、二〇一六年公開の「シン・ゴジラ」ではビキニ環礁での核実験には触れられず、ただ「巨大不明生物」の設定です。放射性廃棄物を食べるという点で、核とのつながりはありますが…。

 六十六年前の核実験を忘れるわけにはいきません。裁判が今もあるのです。先行したのは第五福竜丸以外の漁船の元船員や遺族が一六年、高知地裁に国家賠償を求めた訴訟です。

 例えば原告の一人は水爆実験当時十九歳。マグロ漁中に水平線の向こうにピカッと光ったのを見ましたが、稲妻と思い操業を続けました。風雨を浴び、捕ったマグロを刺し身で食べています

 三崎港(神奈川県)に到着後、放射線検査を受けましたが結果は知らされぬまま。マグロは水揚げされず海洋投棄に。三十六歳ごろにC型肝炎、後に肝臓がん、胃がんの診断を受けました。左耳が聞こえなくなり、四十歳ごろからは歯が次々と抜けました。

 別の原告は被ばく当時二十一歳。操業中に黒ずんだ降下物が降り注ぎましたが、火山灰だと思っていました。築地港(東京都)に着いた後、白血球の数値が高くなり、大量の鼻血が出たり、突然意識を失ったり…。胃がんや心筋梗塞の手術も受けています。

 ある原告が漁船の同僚の消息を調べたら、大腸がんで四十二歳で死亡したり、骨髄炎で五十二歳で死亡したり…。二十六人中四人しか生存していませんでした


◆許せぬ政府の頬かぶり

 原告の住む高知県では漁業が主要産業。風評被害を恐れて被ばくを口にできない状態でした。国の対応も提訴を遅くした原因です

 第五福竜丸事件は大ニュースだったので、旧厚生省は乗組員の健康状態の調査などを実施したものの、やがて中止に。一九五五年に米国側が二百万ドルの慰謝料を払う合意が日米間で結ばれたためです。これが「すべての請求に対する完全な解決」だとも…。

 実際には第五福竜丸の乗員や漁業者団体だけに慰謝料が支払われ、「それ以外の漁船」にはありません。マグロの廃棄処分への、わずかな補償金が支払われたのみでした。健康被害などへの救済はなかったのです。

 被爆者援護法などは広島と長崎の原爆に対する法律で、ビキニ環礁での被ばくには対応していません政府も日米合意で解決済みの立場を繰り返します

 その後、米国の情報公開が進み、日本でも二〇一〇年代に外務省や旧厚生省の資料が開示され、提訴に向かったのです。だから訴訟では「国が記録を隠し続けた」と原告側は主張しました。

 でも一八年の地裁判決は原告敗訴。訴えの権利が消滅する二十年という「除斥期間」が壁になりました。高松高裁も昨年暮れに訴えを退けました。ただ「漁船員の救済の必要性を改めて検討すべきだ」と述べて、立法や行政に呼び掛けています。

 元船員らは憲法違反や労災申請の不適用取り消しという別の訴訟を始め、先月末に高知地裁で初弁論があったばかりです。ビキニ事件は終わっていないのです

 許せぬのは頬かぶりを続ける政府です。もし被ばくと健康被害の因果関係があれば、補償や生活支援は当然ではないでしょうか。日米の政治決着により米国に賠償を求められなかったのだから…。救済を急ぐべきです。


◆埋もれた歴史を調べよ

 そもそも被害の全貌が不明なだけに実態調査も必要です。被災漁船数は公開資料ではのべ約五百六十隻ですが、汚染マグロを海洋廃棄した船はのべ約九百九十隻。数に隔たりがあります。埋もれた歴史を掘り起こさねばなりません

 ゴジラと核兵器−。一四年のハリウッド版「ゴジラ」はサンフランシスコに上陸する話ですが、「ビキニ環礁での水爆実験はゴジラを殺すため」との台詞(せりふ)が出てきます。日本の第一作とは前提があべこべ米国の核実験の正当化にも聞こえます

 殺されたのは架空のゴジラではなく、生身の漁船員たちです闇に葬ってはいけません
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●「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為」…『ビキニ事件』は終わっていない

2016年05月27日 00時00分30秒 | Weblog


東京新聞の記事『ビキニ被ばく 国賠提訴 「情報不開示」元船員ら初』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016050902000237.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016051202000152.html)。

 《被ばくに関する調査結果を日本政府が長年開示せず、米国への賠償請求の機会を奪われた…》。
 《<目はあっても何も見ることができず耳はあっても何も聞くことのできない/…>(『脱原発・自然エネルギー218人詩集』)》。

 長年こつこつと、この問題に取り組んでこられた「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん、「『ビキニ事件』は終わっていないんです」。

   『●「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん
               「『ビキニ事件』は終わっていないんです」

 <目はあっても何も見ることができず耳はあっても何も聞くことのできない/…>その典型が、正にアベ様ら。

   『●烏賀陽弘道さん
     『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
    《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人を
     「いないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を
     論ずることはタブーになった》

   『●核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…
       《核兵器六千発分相当の四十八トンを抱える》ニッポン
   『●アベ様ら「貧しい人」=「ぜいたくな暮らしを際限なく求め、
                欲の奴隷となって」政を行い、人殺しへと誘う
    「ホセ・ムヒカ前ウルグアイ大統領は、《日本政府が憲法解釈を変更し、
     他国を武力で守ることを可能にした安全保障関連法を制定した
     ことについて「日本が先走って大きな過ちを犯していると思う」と批判》、
     《私たちには戦争を終わらせる義務がある。それは世界の若者が
     完成させなければならない大義であり、可能なことだ》。
       涙が出ました…《日本に来て広島を訪れないのは
     日本国民の皆さんに対して敬意に欠けるのではないか》…とまで言う、
     貴重な「先輩」「真の友人」の助言には、耳を傾けるべき。」

   『●「核兵器廃絶」に対するニッポンの歯切れの悪さ…
       原発は『プルトニウムをつくる装置』、双子の兄弟の一人

 広島や長崎で核兵器が使用され、ビキニ事件で多くの船員の皆様が亡くなり、福島では核発電所が人災を起こしても、何も変わらないニッポン。「核の非人道性」を訴えることもしません。それをタブー視しつつある、とさえ感じます。ヘレン・ケラーが指先で感じ取った《「戦争の早期終結に寄与したと米国が主張する核兵器の真の姿》や《人類の不条理》…ニッポンが主張せずして誰がするのでしょうか? そのためには、まずは、アベ様らがやることは何? 出来ないのならば、分からないのならば、分からないフリをしているのならば、政権から降りてもらうしかありません。

   『●東電原発人災から『X年後』:「自分が壮大なできごとの 
          参加者だということがわかっているのだろうか」?
   『●黙殺される東電原発人災『X年後』: 
     「100万人に2~3人という日本の全国平均を大きく上回ったもの」
   『●「マンハッタン計画」の核開発拠点となった
      ハンフォードと東京電力核発電人災、それぞれの『X年後』…
   『●星北斗座長「甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい」 
            …では、何が原因なのか?、を説明して下さい!
   『●2011年の『X年後』:星北斗座長「現時点で 
     放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?
   『●『放射線を浴びた『X年後』』: ビキニの海に居た
      元船員「行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう」
   『●「太平洋核被災支援センター」事務局長
       山下正寿さん「『ビキニ事件』は終わっていないんです」
   『●「教訓を学ばないアベ様ら」を教訓に選挙を:
       戦前を忘れて壊憲し、東電人災を忘れて核発電所再暴走

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016050902000237.html

ビキニ被ばく 国賠提訴 「情報不開示」元船員ら初
2016年5月9日 夕刊

 一九五四年の米国による太平洋・ビキニ環礁での水爆実験の際に周辺海域にいた元漁船員やその遺族ら四十五人が九日午後、被ばくに関する調査結果を日本政府が長年開示せず、米国への賠償請求の機会を奪われたなどとして、元船員一人当たり二百万円の慰謝料を求める国家賠償請求訴訟高知地裁に起こした。 

 原告側によると、ビキニ実験を巡る国賠訴訟は初めて。被ばくした第五福竜丸(静岡県焼津市)の元船員らには五五年に米側から見舞金が支払われており、提訴で国の責任を追及するとともに、救済実現を目指す

 訴状などによると、高知県選出で共産党の故山原健二郎元衆院議員が八六年、衆院予算委員会で実験による被ばくに関する過去の調査結果の開示を求めたが政府側は「見つからない」として拒否した。

 しかし支援者らの度重なる求めに応じ、国は二〇一四年に当時周辺海域にいた漁船延べ五百五十六隻の検査結果を開示。うち延べ十二隻に一定線量以上の被ばくがあったが「健康被害が生じるレベルを下回っているとの見解を示した。

 原告は主に高知県の漁船の元船員とその遺族らで、高知、神奈川、兵庫の各県在住。訴訟では、国が事前に実験について知っていたのに漁船に周知しなかったと主張。さらに被ばくに関する調査結果を意図的に隠し、実験から六十年もたった後に開示した結果、元船員らは米国への賠償請求権などを時効で失い、精神的打撃を被ったと訴える。また五五年の米側の見舞金で政治決着して以降一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為についても追及する。

 提訴を前に高知市で開いた原告団の結成会で、周辺海域にいて被ばくした漁船の元船員桑野浩さん(83)=同市=は「仲間の中には四十代で亡くなった人もいて、国の対応には怒りを感じる」と訴えた。

 ことし二月には、周辺海域で被ばくし、後にがんなどを発症したとして今回の原告のうち高知県内の元船員やその遺族ら十人が船員保険適用を全国健康保険協会(東京)に申請している。


◆1954年に6回、「死の灰」広範囲


ビキニ水爆実験> 米国は1954年3~5月、6回にわたり太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁などで水爆実験を実施、放射性物質「死の灰」が広範囲に降り注いだ。3月1日の水爆「ブラボー」の実験では静岡県焼津市のマグロ漁船、第五福竜丸の23人が被ばくし、半年後に無線長久保山愛吉さん=当時(40)=が死亡。日本で反核世論が高まる契機となった。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016051202000152.html

【コラム】
筆洗
2016年5月12日

 ヘレン・ケラーは一九四八年の秋、広島を訪れた。見ることも聞くこともできぬ彼女は、原爆ドームを見ることも、被爆者の声に耳を傾けることもできなかった▼だが、一人の男性が彼女の手を自分の顔に導き、触れさせた。その顔に原爆が刻んだケロイドの感触が、「戦争の早期終結に寄与したと米国が主張する核兵器の真の姿を、ヘレン・ケラーにまざまざと伝えたのだ▼この逸話をもとに長崎の詩人・志田昌教(まさのり)さんは、こんな詩を書いた。<視覚も聴覚も失ったヘレンにとって/触れることが世界を知る唯一の術(すべ)であった/そしてヘレンの細いゆびさきは/健常者の目や耳の感覚を超えて/人類の不条理をあまねく読み取った…>▼<目はあっても何も見ることができず耳はあっても何も聞くことのできない/束(つか)の間の繁栄に執着するだけの/わたしたちの罪を受け止めるように/ヘレンのゆびさきは不条理と対峙(たいじ)する…>(『脱原発・自然エネルギー218人詩集』)▼米国のオバマ大統領が今月二十七日に、広島を訪れることになった。現職の米大統領による初の被爆地訪問だが、米政府の説明によると、被爆者と会う機会を持つかどうかは未定だという▼しかし米大統領は、その指で核兵器の発射ボタンを押すこともできる。だからこそ、ゆびさきで原爆の傷痕にじかに触れ核の不条理を読み取ってほしいのだ
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●またしても裁判所は機能せず、闘いは高知高裁へ: 高知白バイ「冤罪」事件、地裁が再審請求を棄却

2015年01月21日 00時00分50秒 | Weblog


KSBのWP【高知白バイ衝突死(29) 証拠ねつ造を否定…再審認めず】(http://www.ksb.co.jp/newsweb/series/kochi)。残念ながら、折角、過去の映像が貯蔵されているのに、見れないようです。

 「高知県の白バイとスクールバスの衝突死亡事故。無実を訴えながら刑務所に服役したバスの元運転手が裁判のやり直しを求めていましたが、12月、高知地裁が再審を認めない決定」・・・・・・。

   『●『冤罪File(No.06、2009年6月号)』
     「柳原三佳さん、「「高知白バイ死亡事件」最新速報/「本件事故は、
      高知県警の暴挙による重大な謀略事件である」・・片岡さんの支援者は、
      「片岡さんに罪をなすりつけたことはもちろんですが、大人として、
      子を持つ親として許せないのは、
      
一連の行為が22名の中学生の前で行われた
      ということです。生徒達に警察や司法への不信感を植えつけた責任は
      問わなくてはなりません。大人として、
      同じ
親として恥ずかしくはないのか!? と彼らに問いかけたいのです」」

   『●ここにも不当逮捕・冤罪が
   『●「右向け右。安倍首相のタカ派教育路線」/
        『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号)について

     「■『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号)/粟野仁雄さん
      「高知白バイ事故捏造事件 内部告発警官が続々」、片岡晴彦さん、
      タイヤスリップ痕捏造、「小松氏は会見で「白バイ事故のでっち上げ事件は
      高知県民の恥です」と訴えたが、各新聞は全く報道しなかった」、
      http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B9%E2%C3%CE%C7%F2%A5%D0%A5%A4

   『●『自然と人間』(2013年3月号、Vol.201)についてのつぶやき
     「■『自然と人間』(2013年3月号、Vol.201) / 粟野仁雄さん
      【高知白バイ事件「スリップ痕跡は偽造」の鑑定】、「「内部告発者を
      割れと」躍起の県警」「なかった取調べ、突然出された写真」「乾いたスリップ痕」
      「決定的な鑑定書 再審は必然」。多数の中学生の〝目撃者〟の
      目前で起こされた冤罪」

   『●「国家と教育」『週刊金曜日
       (2013年3月22日、936号)についてのつぶやき
     「■『週刊金曜日』(2013年3月22日、936号) / 今週の一押し記事、
      粟野仁雄さん【再審請求中の高知白バイ事故 「高知県警の証拠は偽造
      とする決定的な鑑定書】、片岡晴彦さん。  中学生らの目の前で
      繰り広げられた冤罪事件
      http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B9%E2%C3%CE%C7%F2%A5%D0%A5%A4)、
      捏造事件

 裁判所がまたしても機能せず。高知地裁が再審請求を棄却しました。高知白バイ事故冤罪事件です。高知高裁へ、ということのようですが、望み薄なのでしょうかね? 

   ●〝犬〟になれなかった裁判官
   『●「絶望の裁判所」: 裁判所の頂点、最高裁からして・・・・・・
   『●真の司法改革とは?、そして「イヌのイヌのイヌのイヌ」


 裁判所は、検察の(改竄された)作文を鵜呑みしてしまっているようです。
 片岡さんの奥さまの発言「人間を相手にするとこじゃないから、そんなもんよ・・・・・・裁判所って何のためににあるんやろね?」、片岡さん「給料もらうためじゃないか・・・・・・高い給料を。警察もそうやろけど」。
 布川事件桜井昌司さんは、片岡さんに向けて「負けて落胆するのは間違っている。正義はこっちにある・・・・・・諦めるな! 高裁では裁判官を説得するような闘いを!!」。

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http://www.ksb.co.jp/newsweb/series/kochi

シリーズ / 高知白バイ衝突死

2006年、高知県で起きた白バイとスクールバスの衝突死亡事故。業務上過失致死の罪に問われ、「無実」を訴えるバスの元運転手。
食い違う目撃証言や疑問が多い証拠を徹底検証する。


高知白バイ衝突死(29)証拠ねつ造を否定再審認めず
01月14日 18:35   

シリーズでお送りしている高知県の白バイとスクールバスの衝突死亡事故。無実を訴えながら刑務所に服役したバスの元運転手が裁判のやり直しを求めていましたが、12月、高知地裁が再審を認めない決定を下しました。焦点となっていた「証拠ねつ造」を否定する内容でした。


高知白バイ衝突死   FEATURE
2015年01月14日  高知白バイ衝突死(29) 証拠ねつ造を否定…再審認めず
2014年01月30日  高知白バイ衝突死(28) 異例…裁判官が新たな“提案”
2013年03月06日  高知白バイ衝突死(27) 再審へ…“証拠偽造”の新鑑定
2011年01月11日  高知白バイ衝突死(26) 事故から5年 成人式での思い
2010年10月21日  高知白バイ衝突死(25) えん罪被害者が集結・・・再審のカギは
2010年10月20日  高知白バイ衝突死(24) 疑惑の証拠写真・・・再審請求
2010年04月26日  高知白バイ衝突死(23) 国家賠償訴訟・・・2つの判決
2010年04月01日  高知白バイ衝突死(22) 出所・・・そして新たな出発
2010年03月02日  高知白バイ衝突死(21) 禁固1年4ヵ月 元運転手が出所
2010年02月10日  高知白バイ衝突死(20) 間もなく出所 家族の思いは・・・
2009年11月16日  高知白バイ衝突死(19) 収監1年…深まる証拠写真の疑惑
2009年05月27日  高知白バイ衝突死(18) 新たな幕開け 国賠訴訟始まる
2009年05月12日  高知白バイ衝突死(17) カギは証拠写真・・・国賠訴訟の行方
2009年03月04日  高知白バイ衝突死(16) ねつ造疑惑 再不起訴と国賠提訴
2009年02月04日  高知白バイ衝突死(15) 検察審査会「証拠ねつ造再捜査を」
2008年12月01日  高知白バイ衝突死(14) 残された家族と収監という現実
2008年11月13日  高知白バイ衝突死(13) 無実訴え刑務所へ…収監の日に密着
2008年10月20日  高知白バイ衝突死(12) 元運転手、収監までの日々
2008年08月25日  高知白バイ衝突死(11) 訴え届かず…最高裁が上告棄却
2008年07月30日  高知白バイ衝突死(10) 元裁判官に聞く 判決の問題点
2008年07月29日  高知白バイ衝突死(9)  ”隠された”生徒の調書
2008年02月28日  高知白バイ衝突死(8)  最高裁の連絡待つ…被告と家族は
2008年01月10日  高知白バイ衝突死(7)  同僚証言の不自然と「謎の白バイ」 
2008年01月09日  高知白バイ衝突死(6)  県警が否定…白バイの高速走行は?
2007年10月30日  高知白バイ衝突死(5)  いよいよ判決…高松高裁の判断は?
2007年10月25日  高知白バイ衝突死(4)  真実はどこに…動き出した生徒たち
2007年10月24日  高知白バイ衝突死(3)  鑑定人が迫る ブレーキ痕の“嘘”
2007年10月04日  高知白バイ衝突死(2)  証拠ねつ造…動機はあった?!
2007年10月03日  高知白バイ衝突死(1)  警察が証拠を「ねつ造」?
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