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●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見てみたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?

2021年08月20日 00時00分57秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2021年07月18日[日])
マガジン9のコラム【言葉の海へ 第170回:原発の今(鈴木耕)】(https://maga9.jp/210630-5/)。

 《処理汚染水海洋放出決定 …しかし、それらは安全基準以下に海水で薄めてから「海へ流す」ので環境汚染にはならないと東電も政府も言う。何度もぼくは書いたり話したりしているが、こんなおかしな話もない。「海水で薄めて海へ流す」? 海の水を海水という。海から採取した水で薄めて海へ還す。普通のリクツとはとても思えん! これをマジな顔で議論している政府や東電、そして御用学者や官僚たち。正気なのだろうか?

 反核発電に、高度な工学的知識は不要である。

   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
       電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》
   『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
           超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
       北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》
   『●反核発電に、高度な工学的知識は不要である…(樋口英明さん)《原発の
     《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから


 1兆3700億円!? デブリの一欠片をほんの少し摘み上げてバカ騒ぎ…デブリがどんな状態で何トンあるのかも不明、どこで隔離・管理するのかも不明、かつ、《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》。後藤さんらは持ち出せないし、持ち出すべきではない、という主張。いわゆる石棺方式で、その場で隔離・管理すべきだ、と。
 デモクラシータイムスの【【原発耕論 No16】福島第一のデブリ取出しを断念せよ 20210701】(https://www.youtube.com/watch?v=gN4sTsNn0vQ)によると:
《デモクラシータイムス 
 希望的観測のデブリ取り出し計画
 不透明な計画に、増え続ける汚染水と撤去費用
 仮にデブリを取り出せても、資材等と絡み合った核廃棄物の処理方法や
 管理場所すら何も決まっていない

 デブリ取り出しの難しさ、空冷化による管理を筒井さんが解説
 なし崩しの原子力政策はもういらない

 ゲスト:筒井哲郎(プラント技術者の会)
     後藤政志(元東芝 原発設計技術者)
     菅波完(高木仁三郎市民科学基金 事務局長)
 司会:鈴木 耕(デモクラシータイムス)
 収録は、2021年7月1日》


https://www.youtube.com/watch?v=gN4sTsNn0vQ

   『●《廃炉の時代》、そして、核燃料サイクルという閉じない「環」
              …未来無き核発電に邁進するアベ様独裁政権
   『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も
      3基で計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》―――
      《ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそう》
   『●自公お維や寄生委、東京電力の皆さん、《どんな状態が“福島第一の
     廃炉完了”》の定義なの? 《ゴールわからず走り続ける「廃炉」》?

 《ゴールわからず走り続ける「廃炉」》。
 同じ週のマガジン9の記事【福島第一原発の「廃炉」を考える――廃炉制度研究会レポート 第2回:「事故炉廃炉」と住民参画――スリーマイルではどう決めたか⑴――①「処理水」処分決定プロセスの日米比較】(https://maga9.jp/210630-4/)によると、《作家の尾松亮さんは、法規制や政策決定プロセスなどをテーマに、東京電力福島第一原発を含む世界中の原発の廃炉について調査しています。その尾松さんが、ジャーナリストや研究者らと立ち上げた「廃炉制度研究会」の第2回オンライン報告会が5月31日に実施されました。意思決定プロセスにおける民主性の担保という観点から、福島第一原発とアメリカのスリーマイル島原発の事故後対応を比較する尾松さんのお話の内容を、2回にわけて紹介します。1回目は、処理水処分決定にいたるまでの意思決定プロセスの違いについてのお話をまとめました。(田上了子)》。

   『●「国際的に一番厳しい基準を設けている」し、
      そして「原状回復」したのならば、「そこ」に住んでみては?
   『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
     「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●今村雅弘復興相、「本人の責任」
     「裁判でも何でもやればいい」と…「死の町」にした者こそ糾弾されるべき
   『●今村雅弘復興相「問題は激高よりも「自主避難は自己責任」発言」
                …ココで「自己責任」論に出くわすとは…
    「それにしてもこんなところで「自己責任」論が出てくるとは、
     唖然としました。《誰が好き好んで自主避難などするだろうか》!」

   『●東京電力原発人災、支援の幕引き: 
      「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●東京電力に核発電所を再稼働させる資格はあるのか?
           無条件で即時に全ての廃炉作業に入るべき
   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
     刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を取らなければ
        企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》
   『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》ではない
           …「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」
    「《住宅無償提供打ち切りで、避難を続けるか、福島に帰るか選択に
     迫られた。家賃の支払いをめぐり被告となる人たちも出ている》…
     何という無慈悲。自主避難者を《被告》にする? デタラメ」

   『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
     10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》
   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
      違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》

 さらに、〝自主避難者〟という区別・差別…区域外避難者に、どこまでこの国は冷酷なの?
 これもマガジン9のコラム【一枝通信 第7回:「原発避難者住宅追い出し裁判」傍聴記 「『戻る権利』があるように『戻らない権利もあって然るべき」(渡辺一枝)】(https://maga9.jp/210623-1/)。《5月14日、福島地方裁判所で開廷された「原発避難者住宅追い出し裁判」の傍聴に行ってきました。2011年3月11日の東日本大震災と原発事故によって、多くの人が居住地を離れて避難しました。避難者は災害救助法によって避難先で仮の住居を得ましたが、自然災害と違って原発事故による被害は、災害救助法では救済しきれない問題が多々あります被害も長期に亘ります。それなのに、福島県はたった6年で住宅支援を打ち切り、行き場がなくそのまま居住する人に対しては2倍の家賃を請求、更に裁判に訴えてまで追い出そうとしています県民を守ろうとしないばかりか、逆にいたぶっているのです。どうぞ、この裁判にご注目を。》
 東京電力や政府、福島県は、なぜ「原状回復」してくれないんですか? 10年も経ちましたけど? 「原状回復」してくれれば、区域外避難者のみなさんも喜んで古里、故郷にお戻りになるはずです。なぜ「原状回復」しないのですか? 《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》。

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https://maga9.jp/210630-5/

言葉の海へ
第170回:原発の今鈴木耕
By 鈴木耕 2021年6月30日

ぼくの「原発ファイル」

 コロナとオリンピックに頭を汚染されて、しばらくこのコラムでも「原発」に触れていなかった。むろん、原発を忘れていたわけじゃない。ぼくの切り抜き「原発ファイル」は、もう47冊目に入っている。

 新聞記事を主体に、週刊誌月刊誌などの雑誌記事、ネット情報のプリントアウト、官報からのデータや、信頼できる筋から入手した文書など、その時々の情報をピックアップして集めているものだ。今も毎朝、新聞4紙(朝日、毎日、東京、沖縄タイムス=電子配信)を読んで、目についたものは切り抜きプリントアウトする。

 原発のほかに、沖縄や憲法、その他の重要な記事は「沖縄・憲法・その他」というファイルを作っていて、こちらはもう62冊目になっている。

 自分でも、これらはかなり貴重な資料集だと思っている。なにしろ、2011年3月から始めたファイルだから、最初のころの紙面はもう茶色く褪せている。そう、あれから10年以上も過ぎたんだな。

 今めくってみると、例えば「原子力安全・保安院の人員構成」「原子力安全委員会役員名簿」「原子力発電所の災害評価」「東京電力本店会議録」「放射能を正しく理解するために・文部科学省パンフ」「第23回原子力安全委員会速記録」などなど、どこから入手したかも憶えていないものも目につく。あの頃、福島事故から1年ほど、ぼくが必死になって集めていたものだ。だから第1冊目は、こんなに分厚い。

 ファイルが47冊ということは、1年に4冊以上のファイルを作成しているということだ。その時々の、ぼくの関心のありようが伝わってくる。

 ぼくの本棚は雑多な本で溢れ返っているが、いずれぼくが死んだら、これらの本はあっさりと処分されるだろう。どう処分してもいいよ、とカミさんには伝えてある(ま、ぼくのほうがカミさんより先に逝くのは確かだと思うから)。

 しかし、このファイルだけはどこかに寄付したいなあ。きっと、それなりの資料的な価値はあると思うのだ。

 昔話はさておき、最近、まるで「コロナ禍」をチャンスとばかり、原発ムラの妖怪たちの動きが激しい。みんなの目がコロナやオリンピックに向いているのを勿怪(もっけ)の幸い、不審な動きが激しさを増している。

 目についたものを順不同でピックアップしてみよう。


処理汚染水海洋放出決定

 これは菅政権の原発に対する考え方を、そのまんま表したような決定である。

 汚染水は溜まりにたまって、貯蔵タンクは2023年には満杯になるとされる。もはや貯蔵しておくのが限界だとして、海へ流すというのだ。

 ALPSという放射性物質除去装置で、多くの放射性物質は取り除かれているという。だが、放射性物質であるトリチウムは除去できないし、他も完全処理には程遠く、多くの放射性物質の取り残しがあるとされる。しかし、それらは安全基準以下に海水で薄めてから「海へ流す」ので環境汚染にはならないと東電も政府も言う。

 何度もぼくは書いたり話したりしているが、こんなおかしな話もない。「海水で薄めて海へ流す」? 海の水を海水という。海から採取した水で薄めて海へ還す。普通のリクツとはとても思えん! これをマジな顔で議論している政府や東電、そして御用学者や官僚たち。正気なのだろうか?

 むろん、地元のみならず科学者や漁業関係者からは絶対反対の声が上がっている。さらには、国連の独立特別報告者(3名)が「放出は太平洋地域の何百万もの命や暮らしに大きな影響を与えかねない」として深い遺憾の意を表明している(4月15日)。国際的にも強い批判を浴びているのだ。


事故処理費の試算21.5兆円

 福島第一原発事故処理費は、2016年時の試算では21.5兆円になったという。費用の内訳は、廃炉=8兆円、賠償=7.9兆円、除染=4兆円、汚染土等保管費=1.6兆円。これは2016年の試算だ。政府による試算は、年が経つたびにどんどん増えていく。多分、もうじき政府が「もっと増えました」と言いだすに決まっている。

 例えば、沖縄辺野古米軍基地の建設費用は、当初(2013年)の防衛省計画では2310億円とされていた。だが沖縄県による現時点での試算では2兆5千億円ほぼ10倍に増え、工期も13年以上かかるとされている。それだって無理だとぼくは思うけれど。

 原発事故処理費はまだまだ増えるだろうし、期間も100年単位になるのは必至だ。それでもなお、原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見てみたい。多分、連中はオレの生きているうちには終わらないし、死んだ後のことなど知らねえよ。それまでは税金でいい目を見せてもらうぜとせせら笑っているのだろう。


自民原発推進派の動き

 国の基本的なエネルギー政策をまとめる「エネルギー基本計画」は、この夏に改定される予定。それに影響を及ぼそうとして自民党内に「最新型原子力リプレース推進議員連盟」なる組織が動きを活発化させている。

 要するに、「脱炭素社会(カーボンニュートラル)の実現」という菅首相の空疎なスローガンに乗っかって、「原発は脱炭素だから、新増設や建て替え(リプレース)を推進する」というヘリクツ集団である。稲田朋美会長に安倍晋三最高顧問という布陣の、政治的思惑だらけの組織だ。他に「電力安定供給推進議連(細田博之会長)」という議連も原発推進の動きを活発化させている。これらの「議連」というのは、それなりのスローガンは掲げるが、結局は、派閥絡みの利権集団なのだ。

 最近突然旗揚げした「『自由で開かれたインド太平洋』推進議連」というわけの分からない議連は二階俊博会長だが、安倍晋三と伊吹文明の両氏を最高顧問に祭り上げて発足。もはやこうなると、不仲を噂される二階と安倍のパフォーマンス。まるで抗争中のヤクザの組同士の手打ち式だ。でもまあ、そんなのはほっとけばいい。

 だが、「女性初の首相」を狙うという稲田朋美が動き出し、後ろ盾に安倍がつくとなると「原発推進議連」はかなり胡散臭いし、危険な臭いがするのだ。


原発事故の真相

 旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故から、今年の4月26日で丸35年が過ぎた。その事故に関する機密文書の一部をウクライナ保安庁(情報組織)が公開した。ソ連の情報機関の国家保安委員会(KGB)などの報告書だ。

 同原発は事故前からトラブルが相次ぎ、かなり危険視されていたが住民に知られることを恐れて、すべて隠蔽されていたという。事故後も隠蔽が続き、放出された放射性物質の量や構成、被害者や傷病者、死者などの詳細は隠されたままだった。今回公開されたのは、残念ながら、そのほんの一部に過ぎないけれど。

 原発に関しては、どこの国もやることは同じだ。最近、中国広東省台山原発1号機で放射能漏れ事故があったのではないかとの報道があり、事実、かなりの放射性ガスが放出されていたことが判明した。だが建設に携わったフランス電力は、例によって「多少のガス漏れはあったが環境に影響はない」とコメントしただけだった。

 日本列島は最近、やたらと地震が多い。その度に原発会社は「原発に影響はありません」と発表する。だが今年の2月13日の震度6の地震では、福島第一原発では格納容器内のデブリ冷却水の水位低下が起きていた。しかも、ここでは地震計が壊れたまま放置されていたことも判明。東電の体質は事故後も変わっていない

 電力会社の「原発に支障はない。環境に影響はない」を信じちゃいけない


40年超老朽原発、再稼働

 もう腹立たしいのも通り越して、バカ野郎!と叫びたい。

 あの「40年ルール」ってのは、いったい誰が何のために作ったのだ!

 40年間も運転し続ければ、脆性劣化と呼ばれる金属疲労が起きて危険性が増す、というのは2011年3月の福島第一原発事故の大爆発以前から、ずっと言われてきたことではなかったか。そのために、何度も過酷事故(シビアアクシデント)の瀬戸際まで行ったことがあったではないか。

 美浜原発3号機(関西電力、福井県)では、2004年8月9日に配管破断という大事故を起こし、11名が被災、うち5名が死亡している。その美浜3号機がこの6月23日に再稼働したのだ。もう一度事故を起こさないと懲りないのか!

 関西電力は、福島事故以前は発電量の約5割を7基の原発に頼っていた。しかし関電の原発は老朽化が進み、2025年には5基が40年超となる。だから是が非でも再稼働したいのだ。電源のシフトチェンジを怠ってきたツケを、原発再稼働で補おうというのだから虫が良すぎる。というより、いったいこの10年間、何をやって来たのだ!

 こんな原発に、新規制基準適合というお墨付きを与える「原子力規制委員会」にも、ぼくは不信感いっぱいである。なお、この美浜3号機再稼働に関しては、住民たちが「運転差し止め仮処分」を大阪地裁に申し立てている。地裁では勝つ可能性もあるが、日本の司法は、上級審になるにしたがって「政権忖度判決」に堕ちていく


福島第二原発、廃炉開始

 東京電力は、福島第二原発(4基)の廃炉作業を開始した。廃炉終了までには44年間かかると見積もっているという。これで、第一(6基)と併せて、東電は全10基の廃炉作業を同時並行で行うことになる。

 だが、燃料デブリ(溶融核燃料等の融合物)は致死に至る放射能を帯びており、近づくことさえできず状況すら把握できていない。第一原発は廃炉工程さえ作れない状況にあり、それと同時並行の第二廃炉など、絵に描いた餅以上だ44年どころか、100年後の日本をも汚し続けているだろう

 しかも、取り出した放射性廃棄物の行き先は決められないままだ

 よく「原発はトイレなきマンション」と譬えられるが、この強烈な「排泄物」を、東電(すべての電力会社や自民党政府)は、いったいどうしようというのだろうか。再稼働など、デブリや使用済み核燃料の廃棄処分が終わってから言え

 なお、伊方3号機(愛媛)はこの10月に再稼働、また島根2号機には規制委が新規制基準適合を与えた。もはや、原発は規制を失ったかに見える


核燃料再処理工場の闇

 みなさん、核燃料再処理工場って知っていますか? そして、この事業にいったいいくらの金が注ぎ込まれているか知っていますか?

 青森県六ケ所村にある日本原燃の「六ケ所再処理工場」のこと。要するに、使用済み核燃料を各電力会社がここへ持ち込んでガラス固化体にして処理するという触れ込みで、1993年に建設が開始された。だが、固化体は何度試みても成功しない。したがって、工場そのものも完工には程遠い。

 これまで28年間で、すでに25回も稼働延期が繰り返され、費用も当初は7600億円だったものが、いまや総事業費14兆4千億円に膨れ上がっているなんと20倍だぜ。こんなデタラメな会社が存続しているのがニッポンだ。一般の会社ならとっくに倒産、社長らは責任取って腹切りものだろう。しかも、これで収まるという可能性はほぼゼロだ。これもまた、あの辺野古基地と同じ構造である。

 また、使用済み核燃料を加工してMOX燃料(抽出プルトニウムとウランの混合燃料)にする工場の総事業費も2兆4千億円と増え続けている。まるで金をドブに捨てるようなものだが、それでも止めようとしない。いったいどこからそんな金が出てくるのか。

 とにかく、最初は低い見積もりで、完成するかどうかわからないものに予算をつける。それが何度も延期を繰り返し、工期も費用も膨大にかさんでいく日本政府や官僚の、これがやり口なのだ。一度決めたことは何があっても引き返さない。誰も責任を取らない。そのうち、立案者や実行者たちは消えていく

 日本的無責任体系の典型的な例がここにある。そう、東京オリンピックの惨状を見ていれば、これが「ニッポン病」だということがよく分かる。


その他の諸問題

 とりあえずここまで書き進めてきたが、まだ原発に関する問題は山積みだ。

 例えば、事故による障害、白血病やその他の癌の発生、原発作業員の労災の問題、子どもたちの甲状腺検査縮小への批判、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書、避難者たちへの補償の問題、同じく住宅補助の打ち切り、再生エネルギー問題、九州電力による出力制御、風評被害……などなど、触れなければならない問題は限りがない。

 しかし、今回はここまでにしておこう。原発問題となると、ぼくの文はどうしても長くなってしまうのだ。

 とくに、原発事故による放射性物質の拡散の影響、それによる疾病の増大、小児甲状腺癌の発生と検査体制の問題については、とても数十行の文章では意を尽くせない。それについては稿を改めようと思う。


鈴木耕 すずき こう: 1945年、秋田県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業後、集英社に入社。「月刊明星」「月刊PLAYBOY」を経て、「週刊プレイボーイ」「集英社文庫」「イミダス」などの編集長。1999年「集英社新書」の創刊に参加、新書編集部長を最後に退社、フリー編集者・ライターに。著書に『スクール・クライシス 少年Xたちの反乱』(角川文庫)、『目覚めたら、戦争』(コモンズ)、『沖縄へ 歩く、訊く、創る』(リベルタ出版)、『反原発日記 原子炉に、風よ吹くな雨よ降るな 2011年3月11日〜5月11日』(マガジン9 ブックレット)、『原発から見えたこの国のかたち』(リベルタ出版)、最新刊に『私説 集英社放浪記』(河出書房新社)など。マガジン9では「言葉の海へ」を連載中。ツイッター@kou_1970でも日々発信中。
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●自公お維や寄生委、東京電力の皆さん、《どんな状態が“福島第一の廃炉完了”》の定義なの? 《ゴールわからず走り続ける「廃炉」》?

2021年06月19日 00時00分40秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2021年06月12日[土])
マガジン9の記事【こちら編集部/福島第一原発にも「廃炉法」を――廃炉制度研究会 第1回オンライン研究報告会(田上了子)】(https://maga9.jp/210602-5/)。

 《作家の尾松亮さんは、東日本大震災と福島第一原発事故以降、チェルノブイリ原発事故後の現地政府の対応などを研究してきました。近年は、世界の原発の廃炉事例の調査・研究にも力を注いでいます。2018年にジャーナリストや研究者らと共同で「廃炉制度研究会」を立ち上げ、21年4月26日、第1回「オンライン研究報告会」が開催されました。「福島第一原発にも『廃炉法』を─TMI、チェルノブイリに学ぶ『事故炉廃炉』の法的定義─」と題された報告会での、尾松さんのお話の内容を紹介します。…しかし、どんな状態が“福島第一の廃炉完了”にあたるのかは決まっていませんにも拘わらず、遅くとも2051年までに作業を終了させるという期限だけが決められています》。

   『●《廃炉の時代》、そして、核燃料サイクルという閉じない「環」
              …未来無き核発電に邁進するアベ様独裁政権
   『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も
      3基で計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》―――
      《ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそう》

 《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》《ゴールわからず走り続ける「廃炉」》――― 自公お維や寄生委、東京電力の皆さん、その定義を教えて下さい? 《そもそも「福島第一原発の廃炉完了」とはどういう状態かが定められていない》。定義も無く、どうして、完了の期間を決めれるの? 《51年になった時点で、原発がどんな状態であれ、東電や政府が作業を放棄する可能性があることです。完了要件が定められていない以上、東電や政府には、作業継続の法的義務がありません》。廃炉作業のスペース確保という名の、〝汚染水〟の海洋放出という愚行。なにが〝風評被害〟だ。実害が出ます。
 そもそも、(地球上の誰にもできる訳がないのですが)「原状回復」することも出来ないくせに、核発電所再稼働なんてやっている場合なのか? それでも、ニッポンでは核発電「麻薬」中毒者は核発電所を再稼働したいそうだ、正気じゃぁないね。

 そんなに再稼働したけりゃぁ、まず、東電や国は、早く「原状回復」して見せてくれ。
 以下二つの記事を再度引用。
 AERAの記事【ゴールわからず走り続ける「廃炉」 法的義務なく…現状のまま“終了宣言”も】(https://dot.asahi.com/aera/2021030900015.html)によると、《未曽有の原発事故から10年。今も続く廃炉の現場は、課題山積。しかも東電は、「廃炉終了の定義を明確にしないまま廃炉を進める。残された年月は20~30年。》
 日刊ゲンダイの記事【注目の人 直撃インタビュー/福島原発「30~40年で廃炉完了」に根拠なし 1F廃炉の先研究会代表が喝破】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/286323)によると、《■松岡俊二(早大大学院アジア太平洋研究科・1F廃炉の先研究会代表)… ――最近になって2、3号機の原子炉格納容器の上ぶたに、2京(兆の1万倍)~4京ベクレルもの放射性セシウムが付着していることも判明しました》《現状では、ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそうです》。

 (リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」だというのに、のほほんと《とにかく嘘とインチキだらけのひどいシロモノ》を吐き続けている醜悪な図。

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」

 利権漁りカースーオジサンも、「脱炭素」「地球温暖化対策」を言い訳に、核発電に回帰。

   『●「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…40年超核発電所の
         稼働という「麻薬」に手を出す核発電「麻薬」中毒者らの暴走

 《日本という国の変わらぬ悪しき体質》。
 【西谷文和「路上のラジオ」 Vol.29 コロナ禍と原発 ~この国の悪しき体質から抜け出し、持続可能な社会を目指すには?~】(https://www.radiostreet.net/radio/499/)によると、《2020/07/10 ゲスト:小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所) 全世界で新型コロナウイルスが蔓延し、誰もが暮らしの先行きが全く見えない中、これまでの価値観は、短い間に次々と崩れていきます。今こそ私たちが考えておくべきことは一体何なのか?その答えを求めて、今回の「路上のラジオ」は長野県松本市に、小出裕章さんを訪ねました。もうすぐ東日本大震災による東京電力福島第一原発事故から10年。コロナ禍においても、原発事故と全く同じ構造の中で、私たちの命は危険にさらされ続けていますこの緊急事態にあっても、欲にまみれた為政者とそれを取り巻く大企業とメディアが、私たち生活者の苦難を横目に利権獲得に暇がないようにも見えます。そこで今回は、3.11以前からずっと日本の原子力政策に警鐘を鳴らし続けて来た小出裕章さんに、諸外国を含む原子力開発の歴史を紐解く中で、日本という国の変わらぬ悪しき体質を検証していただきました。そして番組最後には、退官後は松本に移住してできるだけ自然エネルギーを使いながら暮らし農業を通して土に親しむ小出さんに、過酷な未来をも乗り切ることができでそうな快適な暮らし方の提案をにいただきました。気づきと希望の60分、どうぞごゆっくりお楽しみください》



西谷文和「路上のラジオ」 Vol.29 コロナ禍と原発 ~この国の悪しき体質から抜け出し、持続可能な社会を目指すには?~】
 (https://www.radiostreet.net/radio/499/

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https://maga9.jp/210602-5/

こちら編集部
福島第一原発にも「廃炉法」を――廃炉制度研究会 第1回オンライン研究報告会(田上了子)
By マガジン9編集部 2021年6月2日

     (福島第一原発3号機原子炉建屋前
      (出典:東京電力ホールディングス))

 作家の尾松亮さんは、東日本大震災と福島第一原発事故以降、チェルノブイリ原発事故後の現地政府の対応などを研究してきました。近年は、世界の原発の廃炉事例の調査・研究にも力を注いでいます。2018年にジャーナリストや研究者らと共同で「廃炉制度研究会」を立ち上げ、21年4月26日、第1回「オンライン研究報告会」が開催されました。「福島第一原発にも『廃炉法』を─TMI、チェルノブイリに学ぶ『事故炉廃炉』の法的定義─」と題された報告会での、尾松さんのお話の内容を紹介します。(田上了子)

***


“廃炉”を法で縛ることの大切さ

 最初に、福島第一原発の現状についてお話ししましょう。現在、東京電力が定めた「廃炉に向けたロードマップ」に沿って、使用済核燃料取り出しなどの「廃止措置にむけた作業」が行われています。このロードマップの目標は、野田首相(当時)が事故の収束宣言を出した2011年12月から30~40年後(2041~2051年)までに工程を終了させることです。

 しかし、どんな状態が“福島第一の廃炉完了”にあたるのかは決まっていませんにも拘わらず、遅くとも2051年までに作業を終了させるという期限だけが決められています。51年までに作業を終了させるため、来年にはデブリ(原子格納容器の底に溶け落ちて固まった核燃料)の取り出し開始が予定されています。そして、デブリ取り出しに必要な施設を敷地内につくるために、タンクに貯蔵している処理水を海洋放出して、スペースを確保しようとしているのです。

 なぜこんなことが起きるのでしょうか。事故後、福島第一原発は原子炉等規制法に基づき、災害時の応急措置を講じた後も特別な管理が必要な「特定原子力施設」と位置付けられました。ところが現在の日本には、「特定原子力施設」の廃炉の完了要件を定めた法律がありません。現在、福島第一原発で行われている作業は、原子炉等規制法を根拠とする保安・防護措置であり、法的には「原子炉の廃止措置」ではないのです。

 今年4月、菅首相は「廃炉を前に進めるために」汚染水の海洋放出を決定したと発表しました。しかし、そもそも「福島第一原発の廃炉完了」とはどういう状態かが定められていないのですから、首相の発言は筋が通りません。日本の法律家は、こうした矛盾を指摘すべきです。

 廃炉の完了要件や、そのプロセスを定めた法制度がないことの問題点は、大きく2つあります。1つは、51年になった時点で、原発がどんな状態であれ、東電や政府が作業を放棄する可能性があることです。完了要件が定められていない以上、東電や政府には、作業継続の法的義務がありません。現状の制度では、国民が作業放棄の法的責任を問うことも難しいでしょう。2つめの問題点は、廃炉プロセスが法で縛られていないために、作業員にたいへんな被ばくを強いる工程が採用されるかもしれないことです。環境汚染への影響も、十分考慮されない可能性があります。


極端な二者択一論から脱するために

 では、深刻な事故を起こした原発の廃炉に関して、他国ではどのような法的規定が適用されているのでしょうか。

 チェルノブイリでは、原発事故から12年後の1998年、ウクライナ議会で「チェルノブイリ廃炉法(通称)」が成立しました。この法律によって、廃炉の完了要件は「デブリを取り出して敷地を環境上安全な状態にする」ことと定められました。作業の実施は国営事業者に、予算措置は国に義務付けられています。2008年には、廃炉の工程や年数などを詳細に定めた「チェルノブイリ廃炉プログラム法(通称)」が成立。この法律の前文には、工程全体には約100年を要すると明記され、デブリの取り出し開始は、「プログラム法」の成立時点から30~50年後を見込むという目安が示されています。国や事業者が作業を急ごうとしても、法律を改正しない限り認められません。

 よく、「チェルノブイリは石棺で原発を封じ込めてしまい、デブリ取り出しは断念した」といわれますが、それは誤解です。2016年に石棺の上から設置された新シェルターは、「廃炉法」で「崩壊した4号炉から核燃料を含む物質(訳注:デブリ)を取り出すための設備」と定義されています。事故から35年が経った現在も、シェルター内部ではクレーンの試験運転などが続けられ、デブリ取り出しの準備が進められているのです。

 アメリカ・スリーマイル島原発事故の場合はどうでしょうか。スリーマイル島では、事故から11年後の1990年には、デブリの取り出しが完了しました。しかし、すぐには原子炉解体に着手せず、取り出したデブリを敷地外に搬出した後で、1993年に、NRC(アメリカ合衆国原子力規制員会)が原子炉を無期限に監視貯蔵するためのライセンス変更を行いました。事故から42年経った現在に至るまで監視貯蔵は続けられ、原子炉解体は未着手のまま作業員の被ばく量を低減させるため、解体を先延ばしにしているのです。

 現在、廃炉工程に入るための計画が審議されていますが、実は、スリーマイル島原発の廃炉作業について定めた特別な法律はありません。ただし、NRC規則によって、スリーマイル島原発の廃炉の完了要件は、アメリカの通常原発と同様の基準が適用されます。そのため、スリーマイル島原発の運営事業者は、原子炉施設の解体や敷地の更地化を達成した上で、空間線量0.25ミリシーベルト/年といった基準をクリアする法的責任を負っています。

 廃炉に関する他国の法規制や立法プロセスは、日本ではこれまで、あまり紹介されてきませんでした。日本で展開される廃炉についての議論は、技術的な困難さに焦点をあてたものが多く、その結果、国民は、極端な二者択一論に陥っているように感じます。一方の人は、「デブリ取り出しは技術的なハードルが高すぎるから、石棺方式を採用した方がよい」と主張し、もう一方の人は「石棺方式なんてとんでもない。とにかく早期にデブリ取り出しに着手しなければ」と主張する。本当はこの両極端の間に、いくつもの選択肢があるはずです。

 チェルノブイリは、新シェルターで原子炉を覆って周辺住民や環境の安全を確保しながら、時間をかけてデブリ取り出しの準備をしています。スリーマイルは、原子炉の線量が十分に下がるのを待ってから廃炉に着手することにしています。いずれも、議会での審議や市民を交えた議論を経て成立した法的規定に則って、廃炉に向けた作業や手続きを進めているのです。

 日本にも、廃炉の完了要件や、国や事業者への達成義務、さらには廃炉プロセスにおけるルールを定めた法的規制が必要なはずです。廃炉法制がないことによる課題を多くの人と共有し、廃炉法制成立に向けた議論を活発化させていきたいと思います。


尾松亮(おまつ りょう) 1978年生まれ。東京大学大学院人文社会研究科修士課程修了。文部科学省派遣留学生として、モスクワ大学文学部大学院に留学。その後、民間シンクタンクでロシア・北東アジアのエネルギー問題を中心に調査。2018年以降、民間の専門家・ジャーナリストによる「廃炉制度研究会」を主宰。『科学』(岩波書店)、『政経東北』、『聖教新聞』で「廃炉と社会制度」をテーマに連載中。編著に『原発「廃炉」地域ハンドブック』(東洋書店新社 2021年)。
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コメント
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●《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》―――《ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそう》

2021年03月28日 00時00分57秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


/ (2021年03月14日[日])
小川慎一記者による、東京新聞の記事【廃炉の道は長く、険しく 写真で振り返る福島第一原発事故10年】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/90659)と、
伊勢崎馨氏による、リテラの記事【東電に原発事故の反省なし! 柏崎原発でID不正使用による中央制御室進入事件が発生も4カ月間隠蔽 原子力規制庁も共犯か】(https://lite-ra.com/2021/03/post-5820.html)。
リテラの記事【安倍晋三が「震災復興は私の五輪招致スピーチに沿って進んできた」と妄言! ならば今年も言う 福島原発事故の最大の戦犯はお前だ】(https://lite-ra.com/2021/03/post-5821.html)。

 《東京電力福島第一原発事故では、世界最悪レベルとなった事故の収束作業は依然終わりが見えない。メルトダウン(炉心溶融)した1~3号機の原子炉に残る溶け落ちた核燃料(デブリ)を、技術的に取り切れるのかすら不明だ。汚染水対策も解決に至らず、政府と東電は「廃炉」を目指すも、その姿を示せないでいる。東電が公開している事故現場の写真から、10年を振り返る…この10年、廃炉工程が計画通りに進んできたことはほとんどない》。
 《11日に10年という節目を迎えるが、このタイミングで、あらためて原発の危険性を痛感させられる事故や事件が立てつづけに発生している。…だが、東電の無反省ぶりがはっきり浮き彫りになった件がもうひとつある。それは、新潟県の柏崎刈羽原発で起こった「ID不正使用問題だろう》。
 《ところが、その最大の戦犯は何の反省もないようだ。前首相だった安倍晋三が先日、震災10年を語るという体で時事通信のインタビューに登場したのだが、これがとにかく嘘とインチキだらけのひどいシロモノだったのだ》。

   『●《廃炉の時代》、そして、核燃料サイクルという閉じない「環」
              …未来無き核発電に邁進するアベ様独裁政権
   『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も
      3基で計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま

 (地球上の誰にもできる訳がないのですが)「原状回復」することも出来ないくせに、核発電所再稼働なんてやっている場合なのか? それでも、ニッポンでは核発電「麻薬」中毒者は核発電所を再稼働したいそうだ、正気じゃぁないね。

 そんなに再稼働したけりゃぁ、まず、東電や国は、早く「原状回復」して見せてくれ。
 AERAの記事【ゴールわからず走り続ける「廃炉」 法的義務なく…現状のまま“終了宣言”も】(https://dot.asahi.com/aera/2021030900015.html)によると、《未曽有の原発事故から10年。今も続く廃炉の現場は、課題山積。しかも東電は、「廃炉終了の定義を明確にしないまま廃炉を進める。残された年月は20~30年。》
 日刊ゲンダイの記事【注目の人 直撃インタビュー/福島原発「30~40年で廃炉完了」に根拠なし 1F廃炉の先研究会代表が喝破】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/286323)によると、《――最近になって2、3号機の原子炉格納容器の上ぶたに、2京(兆の1万倍)~4京ベクレルもの放射性セシウムが付着していることも判明しました》《現状では、ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそうです》。

 (リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」だというのに、のほほんと《とにかく嘘とインチキだらけのひどいシロモノ》を吐き続けている醜悪な図。

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/90659

廃炉の道は長く、険しく 写真で振り返る福島第一原発事故10
2021年3月10日 14時00分

 東京電力福島第一原発事故では、世界最悪レベルとなった事故の収束作業は依然終わりが見えない。メルトダウン(炉心溶融)した1~3号機の原子炉に残る溶け落ちた核燃料(デブリ)を、技術的に取り切れるのかすら不明だ。汚染水対策も解決に至らず、政府と東電は「廃炉」を目指すも、その姿を示せないでいる。東電が公開している事故現場の写真から、10年を振り返る(小川慎一、写真は断りがない限り東電提供)


2011311日 地震、津波、そしてメルトダウン

[3月15日に起きた4号機建屋の水素爆発直後の様子。手前の3号機建屋は前日に水素爆発で大破(2011年)]

 3月11日午後2時46分、宮城県三陸沖を震源としたマグニチュード(M)9の地震が起きた。高さ約15メートルの大津波が襲来し、4号機タービン建屋を点検していた男性社員二人が亡くなった。1、3号機原子炉建屋の水素爆発で15人が負傷。4号機原子炉建屋も水素爆発で激しく損傷した。

[緊急対策室に集まる事故収束にあたる東電社員や作業員たち(2011年)]

 原子炉へ注入を続けた冷却水はデブリに触れて汚染水となり、建屋地下へたまった。そして、海へ漏れ出す。東電は当初、汚染水を減らせるとしていたが、建屋への地下水流入で増え続ける。仮設ホースは雑草や凍結で損傷し、汚染水が漏れた。見通しの甘さが露呈した。

[事故直後は消防車が原子炉や使用済み核燃料プールに注水して、危機をしのいだ(2011年)]


2012年 増える汚染水とタンク 綱渡りの対応

[3号機タービン建屋内に張り巡らされた仮設ホース。建屋地下にたまる汚染水の移送では水漏れが相次いだ(2012年)]

 増え続ける汚染水を保管するために、東電は構内にタンクの建設を進めた。しかし、「足りる」と最小限にとどめたことが、後に災いする。


2013年 「アンダーコントロール」安倍首相発言のプレッシャー

ボルト締め型タンクから汚染水漏れが相次いだ(2013年)]

 現場は、汚染水対策に翻弄された。3月にはほとんどの放射性物質を除去できる多核種除去設備(ALPS)の試験運用が始まった。放射能リスクを減らせるようになったが、浄化処理前の汚染水漏れが相次ぐ。4月には地下貯水池から推定120トンが地中に漏れ、8月には急ピッチで造ったボルト締め型タンクから300トンが漏れた。そんな中、東京五輪招致で安倍晋三首相(当時)が「(汚染水の影響は)アンダーコントロールと世界に向けて発言。疲弊する作業員らへのプレッシャーが強まった。


2014年 続いた作業事故 工程ありきのしわ寄せ

[廃棄物貯蔵庫の基礎杭の補修作業にあたっていた作業員が死亡する事故があった(2014年)]

 作業事故が相次いだ。3月、廃棄物の保管建屋の基礎部分を工事中、土砂が崩れ作業員が亡くなり、初の死亡事故となった。11月にはタンクから鋼材が落下し、3人が重軽傷。被ばく線量がかさみベテラン作業員が現場から離れたことと、東電の工程ありきのしわ寄せが浮き彫りとなった。12月、4号機使用済み核燃料プールから核燃料1535体の搬出が終了。作業は1年以上かかった。


2015年 大型休憩所で温かい食事ができるように

[温かい料理が食べられる食堂が入った大型休憩所の運用が始まった(2015年)]

 死亡事故が続いた。1月にタンクから落下した男性が、8月には大型バキュームカーの事故で男性が亡くなった。疲弊する現場の救いは、大型休憩所の運用開始。大熊町の給食センターから温かい食事が運ばれるようになった。汚染水を巡っては2月、排水溝から海へ汚染水を垂れ流していたことが発覚。東電は前年春に気付いていたが、公表も対策もしていなかった。


2016年 「氷の壁」汚染水対策の切り札にならず

[台風の影響による大雨で海側の地下水の水位が、地表と同じ高さまで上昇。仮設ポンプやバキュームカーを増やしてくみ上げ、あふれるのを抑えた(2016年)]

 東電と政府は汚染水対策の切り札として、1~4号機建屋周囲の地中を凍らせて地下水の流入を防ぐ、凍土遮水壁の凍結を始めた。凍結完了まで2年半かかったものの、完全に水を食い止める効果はなかった。大雨で海側の地下水が井戸からあふれそうになるなど、綱渡りの対応を迫られた。


2017年 見え始めた原子炉内 ヘリポート運用開始

[ヘリポートの運用が始まり、ドクターヘリによる救急搬送の訓練。従来は12キロ離れた福島第二原発など構外から搬送していた(2017年)]

 原子炉内の状況を画像で知ることができた。2号機では、カメラ付きのパイプを格納容器に入れた調査が成功し、デブリと構造物が交じった堆積物を初確認。3号機は水中ロボットで、圧力容器下部でデブリとみられる黒い堆積物を確認した。政府と東電は、1、2号機プールの核燃料搬出開始を20年度から23年度に変更。計画は19年末に再び見直され、開始時期はさらに遅れることになる。


2018年 でこぼこに堆積したデブリ 突き付けられた難題

[メルトダウンした2号機原子炉圧力容器直下の映像。足場が脱落し、上部には制御棒の駆動装置が確認できた(国際廃炉研究開発機構提供、2018年)]

 2号機の炉内調査が進み、デブリが格納容器底部にでこぼこに堆積していることを確認。3号機では格納容器底部にデブリと鋼材のがれきが積み重なっていることが分かり、取り出しの難しさを突き付けた。また、汚染水を浄化処理した後の水の大半に、法令の排出基準を超える濃度の放射性物質が残っていることが判明。政府と東電は、処理水を海へ放出処分する検討を進めるものの、漁業者らから反対意見が続出した。


◆2019年 損傷した1、2号機排気塔の解体 地震リスク軽減

[1、2号機排気筒の頂部は専用装置と一緒にクレーンで地上に下ろされた(2019年)]

 3号機使用済み核燃料プールからの核燃料取り出しが4月に開始。14年末にも始めるとしていた計画は高線量がハードルとなった上、機器の不具合が設置前から相次ぎ、予定は大幅にずれ込んだ。8月には、本紙報道で複数の破断や損傷が判明していた1、2号機排気筒(高さ120メートル)を半分に解体する作業が始まった。頂部から専用装置で輪切りにする作業は、トラブルが続出。切断装置が動かず、作業員が筒頂部に上がって切断する事態にも。20年5月1日に作業を終え、倒壊リスクが減った。


◆2020年 タービン建屋地下階の汚染水ほぼなくなる

[水素爆発の影響で大穴が開いた3号機タービン建屋の屋根に大きなカバーが設置された(2020年)]

 1~4号機タービン建屋の地下階にたまっていた汚染水がほぼなくなり、床が見えるようになった。当初は津波で浸水し、原子炉建屋からの汚染水流入も続いた。地下水の流入を防ぐため、山側の井戸のくみ上げを増やし、建屋内で常設の排水ポンプも稼働。雨が入り込まないよう、水素爆発の影響で大穴が開いていた3号機タービン建屋の屋根にもカバーが設置され、汚染水の発生抑制につながった。ただ、原子炉建屋にたまる汚染水をどう抜き取るかは決まっていない。

[水素爆発の影響で3号機タービン建屋の屋根には大きな穴が開いた(上空から無人航空機で2011年3月20日撮影)]


◆2021年 新型コロナ禍 3号機プールからの核燃料搬出終わる

[3号機使用済み核燃料プールからつり上げられる核燃料。周囲には小さながれきが多く見える(2021年2月)]

 3号機使用済み核燃料プールからの核燃料566体の搬出が、2月28日に終わった。1~6号機のうち2基のプールから核燃料がなくなった。1、2号機のプールでは、24年度以降に核燃料搬出を始める予定だが、現場は高線量のままで計画通り進むかは不透明だ。2号機で予定されていたデブリ採取は、新型コロナの感染拡大で機器開発が遅れ、22年以降に延期した。この10年、廃炉工程が計画通りに進んできたことはほとんどない
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https://lite-ra.com/2021/03/post-5820.html

東電に原発事故の反省なし! 柏崎原発でID不正使用による中央制御室進入事件が発生も4カ月間隠蔽 原子力規制庁も共犯か
2021.03.10 10:09

     (東京電力グループ公式サイトより)

 メルトダウンを起こし、原子炉建屋が爆発するという東京電力福島第一原発の未曾有の事故から明日11日に10年という節目を迎えるが、このタイミングで、あらためて原発の危険性を痛感させられる事故や事件が立てつづけに発生している。

 本サイトでも報じたように(https://lite-ra.com/2021/02/post-5806.html)、2月13日に福島県沖で発生した地震では、福島第一原発の3号機に設置されていた地震計2台の故障を確認しながら東電は半年以上も放置し、それによって地震のデータが取れていないことが地震発生から約1週間後の同月22日に発覚。さらに、処理水や浄化途中の汚染水が入ったタンクの位置にずれが生じていたことや、1号機と3号機の格納容器で水位が低下し、1号機では圧力低下が起きていることも地震後から1週間近い18・19日になって発表された。

 4日におこなわれた会見によると、1号機では格納容器内の水位が1メートルほど下がっており、これ以上水位が下がると監視ができない恐れがあるため注水量を増やすと発表されたが、地震計の故障を半年以上も放置していたことをはじめ、東電の杜撰さは度を越している

 だが、東電の無反省ぶりがはっきり浮き彫りになった件がもうひとつある。それは、新潟県の柏崎刈羽原発で起こった「ID不正使用問題だろう。

 事件が発生したのは、昨年9月20日。東電の社員が自分のIDカードを見つけられず、更衣室にある同僚のロッカーからIDカードを持ち出した。当然ながら本人認証が出来ずにエラーが出たというが、〈東電の担当者は上司に相談もせず、元の持ち主の認証情報を社員の情報に書き換えることを勝手に許可〉(朝日新聞2月16日付)。そうした結果、他人のIDカードを持ち出した社員は中央制御室に入室したのだ。

 言わずもがな、中央制御室は原発の運転をコントロールする重要施設。そのような場所で不正IDによる進入事件が起きるとは、これがテロリストだったらどうなっていたのか。しかも、柏崎刈羽原発では昨年2月にも偽造免許証を使用して協力企業の作業員が原発構内に入るという事件も起きていたのに、である。


■東電の報告書に唖然! ID不正の原因は〈警備員の社員への忖度〉〈核物質防護の重要性への理解不足〉

 しかし、もっと酷いのは、東電がこの問題を約4カ月も“隠蔽”したことだ

 このID不正問題は今年1月23日に読売新聞が朝刊でスクープしたのだが、それを受けて同日に東電はようやくこの事実を公表。読売のスクープが出るまで地元住民をはじめとして公式にはひた隠しにしていたのだ。

 それだけではない。東電は1月13日に柏崎刈羽原発7号機の安全対策工事が完了したと報告していたが、読売の記事によってID不正使用問題が明るみに出てから4日後の27日には一部で工事が未完了であることを発表。その後もさらに3件の工事未完了が相次いで発覚するという事態となった。もしID不正が発覚してなければ、一連の工事未完了の問題も隠されていたのではないかと疑わざるを得ないだろう。

 だが、さらに絶句することに、本日10日に東電は原子力規制委員会にこの問題の報告をおこなったが、東電が原因として挙げたのは、なんと〈警報が出たのに所員を通過させるなど、警備員の社員への忖度〉〈核物質防護の重要性への理解不足〉などというシロモノだった。

 核物質を扱う企業が、しかも福島であのような事故を引き起こしておきながら、いまも「重要性への理解不足」などと言っていることにも閉口せざるを得ないが、前述したように東電の担当者が認証情報の書き換えまでおこなっていたことも判明しているのに「警備員の社員への忖度」を原因に挙げるというのは、警備会社への責任転嫁ではないか。

 このように、福島第一原発事故の反省が東電にまるでないことは明々白々であり、再稼働などもってのほかであることははっきりとしているが、このID不正使用問題は、東電のみならず国の責任も問われるべきものだ

 というのも、東電はID不正使用がおこなわれた翌日である9月21日に原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁に報告をおこなったというのだが、原子力規制委の更田豊志委員長によると、この問題について事務局から報告を受けたのは、読売新聞が東電と事務局に取材をおこなった今年1月19日つまり、規制庁は読売が取材に動くまで、東電と一緒になって規制委に事実の隠蔽を図っていたのである。


■ID不正隠しの目的は柏崎刈羽原発の再稼働 事件の2日後、原子力規制委が再稼働に向けた定例会で「適格性」了承

 なぜ、規制庁は規制委にこの重大な問題を隠したのか。それは原発の再稼働への影響を与えないためだったとしか考えられない

 じつは、ID不正使用が起こって2日後の9月23日には、柏崎刈羽原発の再稼働に向けた審査をおこなう規制委の定例会が開かれ、そこで東電に原発を再び動かす「適格性」を了承10月30日に保安規定を認可し、国による審査が終了したのだ。

 もし、ID不正使用による中央制御室進入問題が規制委に報告がなされていれば、「適格性」を了承していたかは疑わしい。実際、2月10日におこなわれた定例会見で更田委員長は、規制委の委員の一部から「(適格性認定の)判断を全く左右しなかったかというと、そんなことはない」という意見があがっていることを明かしている。

 規制委は福島第一原発事故をきっかけにして2012年に環境省の下に設立された独立規制機関だが、この一件における規制庁の対応をひとつとっても、チェック機関として機能しているとは言えない。情報隠蔽と杜撰極まりない対応を繰り返している東電に原発を動かす資格がないことは論を俟たないが、規制庁の「再稼働」ありきの姿勢も大きな問題なのだ。

 しかも、今後の最大の問題は菅義偉首相だ。菅首相はカーボンニュートラル実現を盾にして「原子力政策を進める」と明言し、昨年12月25日に公表された政府の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、〈安全最優先での再稼働を進めるとともに、安全性に優れた次世代炉の開発を行っていくことが必要〉と明記。再稼働どころか、原発の新設まで目論んでいるのだ

 原発の再稼働と新設が「国策」となりつづけるかぎり、東電の無責任な体制は温存され、安全のためのチェック機関は骨抜きにされていくことになる。一体いつになれば、この国は10年前の事故の反省をおこなうのだろうか。

伊勢崎馨
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https://lite-ra.com/2021/03/post-5821.html

安倍晋三が「震災復興は私の五輪招致スピーチに沿って進んできた」と妄言! ならば今年も言う 福島原発事故の最大の戦犯はお前だ
2021.03.11 12:02

     (首相官邸HPより(2013/9/7))

 東日本大震災から10年。しかし、この間の被災地軽視・棄民政策によって、復興は当初の見込みより大幅に遅れ、いまも4万人以上が避難生活をしいられている

 ところが、その最大の戦犯は何の反省もないようだ。前首相だった安倍晋三が先日、震災10年を語るという体で時事通信のインタビューに登場したのだが、これがとにかく嘘とインチキだらけのひどいシロモノだったのだ。

 まず、呆れたのが復興について聞かれたときの答えだ。安倍氏はなんと「縦割りを排し、現場主義を徹底した」「高台移転や災害公営住宅など住まいの整備、帰還困難区域を除く地域の避難指示解除、道路や鉄道などの交通インフラ復旧は進んだ。製造品の出荷額や観光客数も震災前より増え、一定の役割を果たせたと思う」などと胸を張ったのである

 福島原発事故の影響について「アンダーコントロール嘘をつき東京五輪を誘致、工事原価の急騰や人手不足を招き、被災地の復旧工事を大幅に遅れさせた張本人が何を言っているのか。「避難指示解除」にしても実態は被災者切り捨てであり、一部地域を除いた避難指示解除から約4年が経った現在、福島県飯舘村に戻った村民は2割にも満たない。同じく富岡町1割に満たない状態だ。それを「一定の役割は果たせた」とは

 いや、それどころではない。前述のように被災地の復興を妨げる大きな原因になり、そしていま、コロナ禍での開催を国民から懸念されている東京五輪について、安倍はこんなことをいいはっていた。

「IOC総会で行った東京招致へのスピーチで、『復興した姿を皆さんに見ていただく五輪にしたい』と話し、その趣旨に沿う形で復興は進んできた復興五輪であると同時に、人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして開催できれば、五輪の歴史に残る大会となる」

 ここまでくると、もはや妄想のレベル。国会でも「桜を見る会」問題だけで100回以上の虚偽答弁を平気で繰り返してきただけのことはある。しかも、安倍は自分の失政は事実を捻じ曲げてフタをする一方で、震災発生当時をふりかえって、当時の民主党政権をこう批判した。

「民主党は政権運営に十分慣れておらず、菅直人首相は原子力緊急事態宣言を直ちに出すべきだったのに遅れた。現場の要望を聞くネットワークもなく、行政を動かす能力に欠けていたと言わざるを得ない」

 当時の首相・菅直人や民主党政権の対応にも問題があったことは事実だが、原子力緊急事態宣言が出されたのは、地震から約2時間後の3月11日16時36分。宣言が遅れたなどというのは、デマまがいの言いがかりではないか。だいたいコロナであれだけ後手対応を繰り返し、西日本豪雨のときには宴会を開いていたお前にそれを言う資格があるのか、という話だろう。

 しかも、原発事故対応を云々する前に、安倍晋三はその福島第一原発事故じたいを引き起こした最大の“戦犯”なのだ

 言っておくが、これは歴代自民党政権が昔から原発政策を推進してきたとか、そういう抽象的なレベルの話ではない。もっと具体的かつ直接的なものだ。

 実は、第一次安倍政権だった2006年、すでに国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性が指摘されていた。にもかかわらず、ときの総理大臣だった安倍晋三は、「日本の原発でそういう事態は考えられないとして一切の対策を拒否していたのである。

 しかも、東日本大震災後、安倍は、原発事故の責任を当時の菅直人首相と民主党政権に押し付け、真実を追及するメディアを「捏造だ!」と恫喝自身の重大責任を隠蔽してきた。そして、無反省に原発再稼働や原発輸出という流れをつくりだした。

 本サイトでは3月11日を迎えるたびに、安倍晋三前首相こそが原発事故の“戦犯”であること、そして、その責任を隠すためメディアを黙らせてきたことを記事にしてきた。今年もまたあらためて、その事実をお伝えしたい。

(編集部)
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 ⇨ 『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
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