旅する小林亜星

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男冥利

2005-12-16 01:15:19 | 比律賓
会社の忘年会。
蟹があたしを見つめてる。

若い男席には座れず、
はずれ席かと思いきや。

前に座ってたおっさんは52歳。
手持ちの情報によると
奥さんがフィリピンのひとだということのみ。

言葉は悪いが
フィリピンバーか
現地妻だろうと思ったものの
出会いを聞いてみた。

出会いは3年前。
おっさんは49歳、
フィリピンは
仕事でちょこちょこ訪れていた。

クラブで別嬪さんの彼女を見つけナンパ。
彼女は当時若干20歳。

3年間の遠恋を経て、ゴールイン。

フィリピンに建設中の豪邸は
1500万。

3階建て、
プール付き、
メイド部屋あり。

嫁はフィリピンで家族と暮らしてる。

豪邸は来年の3月に完成、
そのとき仕事を辞め
フィリピンへ。

遊んでも暮らしていける貯金と
フィリピンで投資してる事業。

おっさんは口数少なく
あたしの力量では
彼の魅力を最大限には引き出せなかったけれど

おっさんが自分の人生を充分に満喫し
しっかり遊んで
最後に運命のひとを
掴まえたということはわかった。

遊んでいた割に
誠実な雰囲気を
あたしは感じとった。

おっさんの顔は満足していた。

コミュニケーションは
少しのタガログ語と
少しの英語と
少しの日本語。

意思疎通できてるのだろうか。

嫁さんは
30歳も年下で
結婚はお金目当てかもしれないけれど
きっとそんなことは
おっさんにとってはどうでもいいことなんだろう。

おっさんは幸せそうだった。

メイドにしてください。
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