心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

自分の感性くらい

2011-06-09 | つれづれ

                     (はがき)

 

 

今日は仕事がお休みだったので、本棚の整理をば。

で、大学の頃、よく読んでいた詩集が何冊か出てきて。

 

寺山修司、辻井喬吉増剛造清岡卓行ねじめ正一、そして茂木のり子。

久々に頁をめくって、ふと目に止まった詩。

 

なんだか、ぐぐっときて

読み終わったあと、背筋を伸ばして大きく深呼吸した。

 

 

 

茨木のり子

『自分の感受性くらい』 

 

ぱさぱさに乾いてゆく心を

ひとのせいにはするな

みずから水やりを怠っておいて

 

気難かしくなってきたのを

友人のせいにはするな

しなやかさを失ったのはどちらなのか

 

苛立つのを

近親のせいにはするな

なにもかも下手だったのはわたくし

 

初心消えかかるのを

暮しのせいにはするな

そもそもが ひよわな志にすぎなかった

 

駄目なことの一切を

時代のせいにはするな

わずかに光る尊厳の放棄

 

自分の感受性くらい

自分で守れ

ばかものよ

 

コメント (2)
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