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心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

打てば響く静

2009-11-25 | 漢詩
                           (半紙1/2)

11/16にも書いた「萬里無雲孤月圓」~萬里雲無く孤月円(まどか)なり
空には雲一つなく、まるい月が照っている景色。


大学の頃、いいなって思った詩やことばを書き留めたノートがある。
その中にあったものをここに
どなたのことばかを記していないのが申し訳ないけれど


 「静」には「動」の対語としての意味、不動、静止の意味がある。
 しかしその静は、水も流れず風も吹かぬという世界の静止の謂いではない。
 内に動きを秘めながらの静、
 橋がかりの幕のかげで出を待つ名優の静こそ、真の静である。

 「静」にはまた「躁」の対語としてのしずけさ、沈黙の意味がある。
 しかしこれまた物音一つしない世界のそれではない。
 「鳥啼いて山更に幽なり」というように、音を内に含み、打てば響く静である。



色に頼らない、色で誤魔化さない、書とは本来、白と黒の世界。
それは静の中に動を含んだ、打てば響く静であるような。
ゆるぎない、潔い言い訳のない世界。。

なかなかそこには到達できそうにないけれど、
打てば響く静・・言い訳をしない生き方でいたいなぁ 

コメント (11)
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光風霽月のような気持ちで

2009-11-17 | 漢詩
                        「霽月」 (半紙1/2)

ほんとは「光風霽月」と書いたのだけど、
眺めていたら「光風」が気に入らない・・って思って半分だけ 

書ではよく書かれることば。こうふうさいげつ。
雨のあとの晴天に吹く風(光風)や、霽(は)れた空の月(霽月)のように、
さっぱりとしたわだかまりのない気持ちのこと。
似たことばに、虚心坦懐、明鏡止水、清風名月などなど。

日々、あぁ・・今の仕事は自分には向いてないのになぁとか
家事も手伝ってくれる人を選べばよかったなぁとか
それぞれに(私も)悶々とするものはあるかと思いまするが・・  

先日訪れたすどう美術館の須藤さんがおっしゃっていた言葉に、はっとして

 どんなことも無駄なことはないんですよ。
 みんな生活の中で、本意ではない時間や労力を費やすこともあるわけで。
 でも、苦手なことも好きじゃないことも、一生懸命向き合うことが大事。
 それらのひとつひとつは、きっと自分の財産になるから。

なんか自分が恥かしくなって、もっと真摯になりたいって思った。
ずっと何となくすっきりしなかった心が、晴れ晴れとした気持ちになれて 

そう、だからこれからは、光風霽月のような気持ちで
日々何事も大事に過ごしたいなぁとしみじみと 


 時々コメントも下さるオランダ在住の華文字さんのブログ~
書之時 華文字 を新しくブックマークに加えさせて頂きました。

書の教室もされている華文字さんのブログと、HPもありますので
是非お立ち寄りくださいませ 


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「萬里無雲孤月圓」

2009-11-16 | 漢詩
                            (はがき)

秋の詩の「萬里無雲孤月圓」 萬里雲無ク孤月円カナリ
意味は、見渡す限り雲一つなく、まるい月が照っているよのぉっ・・て感じかな。

「雲」と「孤」の間があきすぎた・・と思ったので、以前、房州やさん に頂いた
お地蔵さん印を押してみるも、全体にいまいちメリハリがないなぁ。。。


さて、霜月も半ば、うちの駐車場の柿も紅葉して・・落葉も始まり。
毎年見事な近所のイチョウ並木は、今年は片側が早くも丸坊主にされてしまい残念。
でも近隣の方にしたら、一面黄色のじゅうたんのお掃除は大仕事なのでせうね 

昨日は一日家に籠もって、ある楽しいことに集中夢中。
近々機が来たらご報告しま~す (文字を書いたり・・ちょっとした工作どす)

そんな中、藤澤さん から黄色が眩しいほどの柚子がたくさん届き。

ビニール袋を開けると、柚子の香りと加賀の空気と、カメムシさんもご一緒に。
あ、そういえばお宅にはカメムシがたくさんいるとか。


加賀のカメムシさん見えます?

早速ぷくぷくの洗礼を受けそうだったので、慌ててベランダの草むらへ
藤澤さん、ありがとうございました♪

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蘇軾の詩でゆったりと

2009-10-30 | 漢詩
                         (半紙)

書家としても著名な蘇東坡(そとうば)とも呼ばれる 蘇軾(そしょく) の詩。 

「酔郷処ノ日月、鳥語花中ノ管絃」
酒に酔ってのどかな日々を送りつつ、鳥は花の間で妙なる調べを奏でているなぁ、と。

なんとも優雅と言うか羨ましいような境地よなぁ。
漢詩は、お役人が嘆きボヤク詩も多くあるけど、
こんなゆったりとした時を楽しむ詩もたくさんあり。

現代にこの境地が合うのか合わないのか、はたまた、できるできないもあるけれど
日々を何となく慌しく忙しがって過ごしていると、ふと振り返った時に
実は何も残ってないっていうか、次へつながるものも何もないってこと多々。
それでもって私は何年無駄にしてきたんだろ・・って、愕然とすることも 

無駄なものなんて何もないんだって、どこかで聞いたり言ったような気もするけど
時に、あれは慰めのような気もしてくる 

で、たまにはこんな詩から、
一人ゆったりと内なる自分と語り合う時間もよかね・・ってことで 


昨日は桃太郎さんが出品されてた7展に行き、楽しいひと時を過ごすなり。
早速ご報告をと思ってたけど、PC不調ですったもんだしてたので明日に。。


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共感という絆=友愛

2009-10-27 | 漢詩
                       「釣魚自娯」(半紙)

ちょうぎょ じご。
のんびり魚でも釣って、一人意のまま楽しむべ・・って句。

いやはや、なかなかそんな悠々自適な生活は夢のまた夢ではござるが
ずっと憧れではありまして・・ 

若い頃からの夢は、どこぞのできれば温暖な田舎の古い小屋に住み、
日々を家の修復やら土いじりやらに費やし、
死ぬ時に、あぁ、とうとう風力発電はできなかったか・・って笑顔で 

なんでそんな風に思うのかなぁと考えてみるに
たぶん子供の頃の生活が、どこかそれに近かったのかもしれないと、ふと。

私が子供の頃、犬小屋にしてもちょっとした日曜大工はお手の物だった父、
家計を切り盛りしながら、手作りのおやつを作ってくれてた母、
毎日の生活は物がない中でも、工夫やアイデア溢れる
手作りの物に囲まれていたような気がする 

昨日の鳩山首相の所信表明演説は、「友愛社会」をテーマに。
それぞれ感想もあるかと思うけど、私は聞きながら昭和の時代、
子供の頃のことを思い出してた 

そして印象に残ったひとこと。
「人と人は、共感という絆で結ばれている」

具体策がない、情緒的なだけと揶揄するばかりの某議員の方々に一言・・

でもね、人は・・夢や希望を持てたら頑張れるんですよ 


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オリオン座流星群を見に

2009-10-21 | 漢詩
                      七言二句   (半紙)


陳普の句。
「雲邊月色人千里 竹裏秋聲酒一壺」

雲間の月は千里はなれた人を照らし、私は一壺の酒を酌んで竹林の秋声をきく、と。

なんとも風情ある句よなぁ 

時間の長さは誰にも同じようにあるはずなのに
その速さは使い方や感じ方、生き方によって人それぞれ 

ところで19日から始まったオリオン座流星群、25日にかけて夜空を賑わすらしく。

おととい深夜、Kちゃんと近くの川原まで流れ星散策に出かけて。
見えるかなぁって5分位空を仰いでいたら、長くて太い軌跡が見える位の流れ星 
一瞬だったけど、目にも心にもやきついて。

この流星、約3000年前にハレー彗星が放出した塵なんだと。
長い旅をして来て、私たちが見ることができるのはほんの一瞬。

そう考えると、人の人生も出会いも、なんと儚いものよのぉ。
そう考えると、日々を大事に、ひとつひとつの出会いも大事にしたいなぁとつくづく。

今夜21日23時頃から、1時間に50個とピークとのこと。
今年は新月に当たり、月明りの影響も少なくよく見えるらしいですよ~ 


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春を感じて

2009-03-15 | 漢詩
                        (半切) 李白詩



「對酒不覚瞑」 酒に瞑(ひく)るるを覚えず
「落花盈我衣」 落花 我が衣盈(み)つ
「酔起歩渓月」 酔いより起きて 渓月に歩めば
「鳥還人亦稀」 鳥還って 人も亦た稀なり

酒と差向かいでいたら、日の暮れたのに気づかなかった。
散りしきる花びらは、私の衣にいっぱいになった。
酔ったあとの眠りからさめて、谷川の月にそぞろ歩きをすると
鳥たちはねぐらにかえり、人影もまた稀であった。
             (岩波書店 中国詩人選集 李白より)




去年の 3/13のブログ でも同じ詩の作品を載せてますが、ちょっとイメージを変えて。


前の作品は、酒豪が豪快に酔ったイメージで、今回のは静かにしみじみと酔ったような・・

好きな詩というのは、何度も書きたくなるもので。
情景が浮かんでくるこの詩は、いろんなイメージが膨らんできて。

ふとこの詩を思い出したのは、春がすぐそこまで来てるっていう実感があるのかな。
そう考えると「季節」は、静かに密かに人の心とからだに忍び込んで
「ことば」や「音」「食」「衣」「香」「色」といった様々な五感を刺激しているのね 

そうそう、うちのベランダ(3階)の上までもある桜の木は、もうだいぶ芽吹いてきて。
ベランダのあじさいにも新芽がたくさん

まだ朝晩はストーブが手放せないけど、春へのうつろいの瞬間を見落とさないように
ちょっとそこいらまでお散歩に行ってきま~す

このまま春にな~れ





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移ろう季節を・・

2008-12-10 | 漢詩
                       五言二句 (半紙1/2)



昨日は絵手紙教室があり。
晴れた日は自転車で1時間位?かけていらっしゃるKさん、欠席。。

道路に敷き詰められた、ちょっと濡れたイチョウの葉の上を走られて横転、
膝と胸を痛めたのに、ま、大丈夫だろうって泊りで出かけられたり
ご子息一家の来訪と、忙しくされていたらしく。。。

1週間経っても胸の痛みがあり病院に行くと、なんと肋骨が3本も折れていたとか。
なんとも我慢強いというか、おおらかというか。。

その世代(・・どの世代じゃ・・)の女性は強い!
いや・・母は強し・・か? 

私なぞ、間違ってホチキスを指に刺して、しばらく痛みが取れない・・ってだけで
病院に行こうかな・・なんて思ったくらいなのに。。。トホホ
(あ・・行ってませんよ~)

私も、もっとたくましく生きたいぞよ。

Kさ~ん! 
たまにはのんびりして下さいね~って、お告げかもしれませぬ。
年内はもうお目にかかれませぬが、どうぞお大事に・・ 
新年明けて・・お待ちしております。

「菊花含雨艶 楓葉酔霜紅」 
きくかあめをふくみてあでやかに
ふうようしもにようてくれないなり

菊の花は雨を含んで艶を帯び、楓の葉は霜に酔って赤くなった。

早くも師走、なんとなく気ぜわしい候ですが、
そんな季節の移ろいをのんびり楽しんでくだしゃんせ 


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なんとなく思う気持ち

2008-02-14 | 漢詩
                          (はがき)  



1/26のブログ でも一度書いたけれど。
今日、一応バレンタインデーに寄せて・・・高啓の詩。


  渡水復渡水   水(川)を渡り また水(川)を渡り
  看花還看花   花を看(見) 還(また)花を看る
  春風江上路   春風(のそよぐ) 江上(川沿いの)路を歩くうちに
  不覚到君家   不覚(いつの間にか) あなたの家に着きました



この詩、大好き。
本当は、恋の歌ではなく、友への思いを歌った詩。

約束の時間など決めずに、春風に誘われるまま、咲く花を愛でつつ、
足が自然に友の家へと向かい、ふと気づいたら着いていたという詩。

春にはまだちょっと遠いけど・・。

恋ではなくても、こんな風になんとなく誰かを思う気持ちっていいなぁって思う。

辿り着いて、たとえば相手が不在でも「ま、いっか」って、
また来た路を、あるいは気分を変えて別の路を帰る、
そんな自由な心で、誰かを思っていたいです。





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苦手もお互いさま

2008-01-19 | 漢詩


「心静興長」こころしずかなればきょうながし。
心が静かであれば日もまた長く興趣も深いものである、という意味。

社会にいれば、いろんな人と交わることになる。
気の合う人とばかりとはなかなかいかず、苦手な人、どうも相性の
悪い人もいたり。
同じことを言われても、ありがとうって思える人と、そう思えない人とか

そんな時、ふと自分のことも考えてみると、消したくても消せない自分の
キライなところも見えてきて、人のこと言えないなぁって落ち込むこともある。

だから時々、心静興長・・・と、ことばに出して確認する。

どうも気が合わないっていう相手と、無理に交わろうとしないで、
適当な距離を保ちつつ、キライな自分とも折り合いをつけつつ、心静かに。
どちらにも思いを強くせず、こだわらないように、こだわらないように。。。

本来人は皆、気持ちよく、仲良くしたいと思っているんだと思う。
だから、何事もなるべくなら、良い方に良い方に捕らえていきたいものです。

「キライ」も、「苦手」も余計なエネルギー使うから。
心静興長・・と念じつつ。

苦手な人・・私ももちろんいます。
そして私のことが苦手な人も、もちろんいるわけだから。

苦手もキライもお互いさま。
そう思えば、少しは楽になれるかな・・と 







 
 
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