扇子と手拭い

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ご贔屓さまに支えられ(落語2―82)

2012-01-22 01:06:31 | 日記
▼いただいた「にほひ袋」
 着物や帯、扇子などを入れた衣装バッグを開けた途端、かぐわしい香りが漂った。風雅な香りの出どころは、浅草での落語会でご贔屓さまからいただいた「にほひ袋」(匂い袋)。落語を聴きに来て頂けるだけで十分なのに、手拭い、扇子など毎回、品を選んでご持参。細やかな心配りに感謝するだけである。

 これまでにご贔屓さまから帯など、いろんなものを贈って頂いたが、「にほひ袋」は今回が初めて。「にほひ袋」というのは鳩居堂の呼称だそうで、「衣装に直接触れぬよう」との添え書きがあった。衣類が変色する恐れがあるのだそうだ。

▼正倉院に匂いルーツ
 それにしても結構な香りである。気持ちまで芳香として安らぐ。どこかで嗅いだことのある香りだ、と思ったら、わが菩提寺で正月に、新春を祝う法要が催された。その席で漂った香りに似ている。

 「掛香」と言って、柱などに匂い袋をつるして、寺社の催事や茶会などの席で香りを楽しむのだそうだ。わが寺も、正月の特別行事ということで、「掛香」を施したのかも知れない。そう言えば、匂い袋のルーツである「裛衣香(えびこう)」が、奈良の正倉院に保存されている、という話を聞いたことがある。

▼伝統文化の良さ、奥深さ
 匂い袋は香りを楽しむだけでなく、防虫効果もあるようで、箪笥の隅に置くだけでOKだそうだ。近ごろは「タンスにゴン」などという便利なものがあるが、ゴンでは風情がない。日本の伝統文化の良さ、奥深さを知った思いがする。

 ところで、文七迷人会の定期公演では毎回、ご贔屓さまから食べ物や生ビールなどの差し入れをいただき恐縮している。こうした多くのご贔屓さまに支えられて、公演が継続できていることを肝に銘じている。重ねて感謝。


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