575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

風船の日に日に萎み色の濃き  容子

2024年03月28日 | Weblog

萎んでいく風船に目を付けたところがすばらしいと思いました。「日に日に」少しずつ萎んでいく風船。色が濃くなっていく微妙な変化を捉えた見事な写生句です。

千香子さん:何でもないようなところに、気が付いているのが面白いと思いました。

須美さん:風船が日に日に萎むのは気付くが色が濃くなるところに目を付けているのが面白い。

泉さん: 風船をおいておくと 膨らんでいる時より だんだん縮んで風船の色も濃くなる。人生のようだ。

 

      さみしさを風船にのせ雲にのせ   亜子

どんな人もある種のさみしさを抱きながら過ごしていると思います。それを風船に乗せて手放していく様子。中七と下五の反復も巧妙です。

作者の亜子さんに句意を伺ったところ、今の心境句だそうです。気持ちに波があって心が沈むことも。。。風船に救いを求めて作られたそうです。

竹葉さん:よく読むとそうか、さみしさを風船にのせて空の彼方の亡き人の所へ連れてもらうのかな、と私の気持ちを詠んで頂いた感がします。「にのせ」の繰り返しがだんだん高くなる感じがしました。

能登さん:きれいな句ですね。

遅足さんも採られています。

      

     指をさす風船涙の海に消ゆ  遅足

風船が飛んでいって海に消えて行ったのか?あるいは青空を「涙の海」に見立てたのかも知れません。亜子さんの句と共通するさみしさが感じられます。

晴代さん:悔しさが涙の海でよくわかります。

           ★★★

風船は膨らんでいる時は明るく楽しいものですが、しぼんだり飛んで行ったりすると、そこはかとなく寂しいもの。なぜか心が揺さぶられますね。    麗子

 

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