
「駆け足で 落ちる点滴 春夕焼け」
駆け足。点滴。春夕焼け。上五、中七、下五の語句が
持つスピード感がそれぞれ違います。また、点滴は駆
け足より静かな印象があるのですが....。
「点滴は 囁くように 春の月」<理酔>
学ぶことばかりの俳句。語句の意味など調べていると
時を忘れます。そのため、座右の銘は「偶成」この漢
詩は、中国の儒学者「朱熹」の作と思われてきました。
しかし、検証が進み、阿波生まれの「観中中諦」とい
う僧が作者といわれています。
少年易老學難成
一寸光陰不可輕
未覺池塘春草夢
階前梧葉已秋聲
要約すると、若さを楽しんでいるうちに秋風が吹いて
きた。前半は学問の勧めで後半は比喩という構成。な
お、偶成とは、偶然生まれた詩のこと。池塘<ちとう>
は池の堤で階前は堂の階段、梧葉<ごよう>は青桐の葉。
錆びついていく頭。偶成の二文字が頭をよぎります。<殿>