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100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

歳月の名残り。

2017年10月06日 | 百伝。
昨晩、今年のノーベル文学賞は、日系英国人のカズオ・イシグロ氏が受賞・・突然のニュース速報あり。

その時、スペインへの旅先での思い出、見学した絵画ゲルニカへの感想、ピカソへの想いやら描いていましたが、思考停止。

だんだんと、とても、嬉しい、楽しい気分になりました。

もう30年昔、英国生活の中で、たまたま、ロンドンの書店で見つけて買った本は、表紙が日本の能面を飾ったものでした。

それが、カズオ・イシグロ氏の最初のデビュー作品「A Pale View of Hills」でした。

当時は、「大草原の小さな家」でさえ理解不能な読解力レベル。

ましてや、英文学最高峰のディケンズやヴァージニア・ウルフの原書なんて、チンプンカンプンです。

ところが、イシグロ氏の世界は、英語文章の中に意味不明な英単語、言い回しがあったとしても、こういう意味合いだろうなぁというイメージ、自分の理解と合致するのです。

・・同じ日本人として? 

異なる言語感覚の意思疎通可能なテレパシーのような不思議な感覚でした。

僕にとっては、小説というよりも、秘かな最高の英語学習の教材テキストであり、先生のような存在でした。

数年後の1989年、英語圏最高のブッカー文学賞を受賞した「The Remains of the Days 邦題:日の名残り」が、彼の出世作となります。

僕の書棚から引っ張り出してきました。



今回のノーベル文学賞の受賞理由。
「彼の小説は、偉大な感情の力をもって、我々の世界とのつながりの感覚が、不確かなものでしかないという、底知れない奈落を明らかにした」

・・いいね❗

イシグロ氏曰く、「人生は我々が考えているよりも短い」と言います。

名残惜しくもない人生ですが、もっと長く生きたい気持ちが強くなりました。

百年先、百年後にも残る自分の作品を創りたいものです。

またしても、元気を頂戴しました。

イシグロ氏に感謝。

おめでとうございます。


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