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家族を想うとき。

2020年02月06日 | 千伝。
映画「Sorry We missed you. 邦題:家族を想うとき」を、やっと観る事ができました。





監督は、言わずとも知れたケン・ローチ、舞台は、「わたしは、ダニエル・ブレイク」同様、個人的にも思い出深いニューカッスル・アポン・タイン。

いろんな視点で深く考えさせられてしまう映画でした。

家族が幸せになるための仕事なのに、仕事が幸せを壊して不幸になっている家族の現実。

夫はフランチャイズ制の個人事業主のドライバー、妻は訪問介護士、子供たちは思春期でいろいろ想う年頃で問題あり。

特に、息子の人生は、スマホにすべて依存。

家族のこと、地域のこと、仕事のこと、イジメのこと、等々・・・舞台は、英国社会だけど、全く日本も同じ社会状況なのです。

出口が見えない貧富格差の社会、そんな浅ましい社会を作り出しているのは、誰だ?

この映画を観終えた時、帰り道、心にいろんな不条理な想いが渦巻いてしまいました。



・・・大きく声を挙げ訴えたい。

歳を取るにつれて、生活に経済的な余裕がなくなる社会は、貧困社会です。

個人事業主である国民年金者の方々の最低年金支給を、せめて生活保護支給金よりも高く設定すべきでしょう。

介護職の給与体系、時給は、高齢者層も若年層もほぼ同額であるということ。

さらに、訪問介護も療養型病院も高齢者施設もデイサービスも、一括りの介護職として、ほぼ同額給与、時給千円程度である事・・・これは経験値も含めて差別化しないとね。

僕個人の偏った経験、入手情報、見解ですが、訪問介護の仕事は、時給5000円以上にしないと釣り合いません。

あの映画の中の奥さん、よく頑張っていたよ❗

日本も英国も、同じく在宅訪問介護の現状は、人手不足の苦しい実情です。

在宅介護が可能なのは、お金持ち、資産家のみとなるのは、先ず間違いないはずです。

もうひとつ、さらに付け加えると、高齢者になり施設に入居後に関わる利用者としての毎月の支払い、加えて、施設内生活で病気になれば、患者さんとしての入院費、治療費も負担となります。

施設にも、病院にも、支払う二重負担です。

貧困高齢者層の終活は、在宅無介護、在宅無治療しかないのか?

昔、療養型病院での患者さんの家族の言葉が耳に残っています。

入院した年金受給額の多かったご主人に、ご家族の方が言い放ちました。

「父さんの仕事は、ここで生きること。生きているだけで年金が入るからね」

映画の原題「Sorry We missed you 」、これは、ドライバーが配達する時、不在者宅に伝票に書き残す言葉ですが、仕事に奪われる家族の不在、悲しさを物語るものでした。

金の貧富格差、心の品格格差、いろんな家族格差もあるものです。

素晴らしい映画でした❗



福井メトロ劇場さんに感謝。



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