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100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

シカゴマーカンタイル取引所

2022年03月21日 | 空木宝剣

シカゴ商品取引所では、原油や小麦が高騰しているとの事。

この先物市場は、何の為に在るかというと、ヘッジ、つまり保険つなぎである。 

悪天候による凶作や戦争などで、穀物が暴騰し、需要に対して極端な供給不足とならぬよう、現物業者が、先物に買い繋ぎ、その利食い益で、価格の平準化を計る為のものである。

発祥地は、オランダのアムステルダム。

1620年頃のチューリップバブルに始まった。

咲くものが、先物の先走りという歴史。

日本では、江戸時代の米相場の白いダイヤ。

出羽庄内平野の米どころ。

酒田の豪商、本間宗久(1724~1803)は、大阪堂島や江戸の米取引で財をなした。

倉庫を持っている現物問屋は強い。

相場が上がれば儲かり、下がれば、その安くなった現物を受ければ、損はない。

だが素人は、そうはいかない。

商いが反対にいけば損失である。

赤いダイヤの梶山季之(1930~1975) 広島廿日市出身。

名古屋の某紡績会社の社長は、小豆相場で大暴落、大損を避ける為に、現物を受け、紡績倉庫の空きに、小豆を満杯にして、従業員に毎日、ぜんざい、お汁粉をふるまったというエピソードがある。

一攫千金のスペキュレーションは、ギャンブルに近い。

格差時代、アメリカには、兆を超える資産家もいる。

世界の使い切れないほどの資産家は、先物を、高ければ売り叩き、暴落すれば、買い上げて、価格の平準化に、貢献すれば良い。

決して、倉庫を持たぬ、無資産家が失敗すると、アベのマスクのように、保管料だけで大損失だから、やるべきでない。

ハイリスク ハイリターンの投機。

「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」と吟われた本間家の家訓は、相場には手を出すなだった。