ここ十年間、インターネットでの通信環境の構築で、どんな地方の僻地や離島でも都会と同じように仕事ができる可能性を信じた。
しかるに、結局は、インフラの整備は、都会が優先で、地方は後回しの傾向にある。
戦後、地方から東京に出て働く若者は、田舎の親へ仕送りを続けた。
公的な金の流れは、上から下へと、都会から地方へと還流されてゆく。
平成になって、今は、地方の親から都会に暮らす息子娘の家庭に仕送りをする。
私的な金は、地方から都会へと吸い上げられている。
地方に戻らない人々・・田舎は、人がまばら。
もっと山間部に行くと、空き家や廃家が目立つ。
そのうち、熊が住むかもしれない。
真っ暗な静かな夜に田舎家で観るテレビ。
画面には、光溢れる都会のシーンが映る。
このアンバランスは、日本の未来への危険信号にも思える。
東京への一極集中・・まず政治機能の中枢を地方へ移すべきだ。
都知事の石原さんの横槍で、いつのまにやら日本の首都移転の問題は、雲散霧消した。
石原慎太郎さんの愛国心は、つまり郷土東京への愛国心なのか・・。
米国の人口は、3億人、食糧自給率約120%。
フランス、食糧自給率、約180%。
英国 食糧自給率、70~80% 引き上げ中。
日本 食糧自給率、現在 約40%。
あと20年後、米国の人口は、約4億人になる。
その時には、米国の自給率は、100%を切り、アメリカからの食料輸入は激減するという。
日本は、核拡散よりも食糧の拡散、つまり国内自給率を上げる方向での政策に転換すべき。
大企業優先の税制政策、都会重視のインフラ拡大への投資は、20年後、50年後、そして100年後・・日本の国土が、ジャングルのような密林に覆われてゆく。
今でさえ、地方の空き家、廃屋を見れば、日本の現状が惨憺なるもの。
地方都市でさえ、昼間の商店街はさびしい。
地方の主要道路は、日本全国、同じような愚景・・洋服屋に電気屋に量販店のオンパレード・・さらに、これまたチェーンストアの飯屋等々ばかり・・。
こんな日本の郊外風景ばかり見せつけられては、誇り高い愛国心が、生まれてくるはずもない。
日本は、経済格差だけではなく「情調・幸福格差」さえも拡大してゆく。
教育基本法の改正案が改正となる運び。
「愛国心って、いろんな郷土愛の集まりだろうか」
国会議員2世、3世とか・・政治家の名門の出自・誉とは、どれほどのものか。
ほんの60年ほど昔、国を守らんとする愛国心溢れる誉高い日本人が、悲惨な戦争を導き、敗戦に繋がっていたのではないのか・・。
彼らは、「美しい日本の何を、どの部分を」を美しいと感じたのだろうか。
山、野、里、島に暮らす民は、少なくなった。
犬や猫は、どこに行った・・野良犬も野良猫も、あまり見なくなった。
雨降る朝、ペットに化けて服を着た犬や猫が、アーケードのある商店街で小便をしながら雨宿りをしている。
国家百年の計を語れ。