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100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

小説道

2006年11月16日 | 千伝。
某自治体と海外のエージェントに仕事上のメールを出した。

それにしても先日の肉体労働のせいか、背中、腰、体中筋肉痛。

先日、「信長の棺」「秀吉の枷」を読破したこともあり、少しその著者に興味を覚えていたら、その著者 加藤廣さんの講演会があったので出席してきた。

ほとんど自伝のような講演会でしたが、ユニークだった。

現在76歳。昭和5年生まれ。

東京の没落富豪の出。昭和29年3月東京大学法学部卒。

学生時代は、文学部に通い続け、小説家になるのが夢だったとか・・。

中小金融公庫に就職。当時東大文学部のアメリカ教授が、がっかりしていたとのこと。

「金融は男子一生の仕事ではない」と教わったとのこと。

ユダヤ人が行う卑しい稼業という考え方があったようです。

実際、1980年代まで、証券会社は別として、アメリカの銀行は、州単位のローカルビジネスだったとのこと。

アメリカ全土のナショナルビジネスになって、いまやグローバルビジネスになったとのこと。

本人の加藤さんは、同じ東大出の官僚エリートや自分の仕事でもある金融ビジネスに、ずっとコンプレックスがあって、辞めたくて仕方がなかったとの事。

歴史文学が好きで、転勤先で歴史跡をよく歩いたとの事。

ずっと作家になりたかったようです。

昭和58年、51歳で退職。山一證券に入り倒産まで籍を置く。

平成7年、自分で(株)加藤企画を設立して、今に至る。

平成16年デビュー。

それまで文章修行を含めて、かなりの準備をしたとの事。

日経新聞社へ作品を持ち込み、最初は4000部からスタート。

去年の夏、小泉前首相が、「信長の棺」を読んで面白いと言ったと・・朝日新聞が報道して一気に売り上げが増えたそうです。

次回作は、明智光秀を書き上げるとのこと(あちらこちらから申し込みが殺到して、既にテレビ化も出版社も決まっているとのこと)。

徳川家康は、嫌いだから書かないとのこと。

勝海舟もどうしようもない人間で、美化して書いた作家を許せない・・と憤る。

毎朝3時に起きて、書いているそうです。

1年1冊を出版目標。少なくともあと十年は書くという目標・信念、気魄です。

司馬遼太郎が、文庫本を含めて、トータル1200万部を売ったそうです。

それが、これからの目標。

加藤さん、木刀を毎日200回振り回すとのこと。その最中に宮本武蔵が現れ、何故、巌流島で佐々木小次郎と木刀で勝負したのか・・最近、理解できたとのこと・・(笑)。

皆さんが驚くような江戸の歴史小説を書くつもりだと言っていました。

加藤廣さん、遅咲きの76歳・・天狗になったような野心家・作家です。

加藤さんのお話する逸話は、まだまだ尽きませんが・・素晴らしい煩悩だと思いました。(笑)

次回作が楽しみです。

これから本屋さんと図書館へ出かけます。

若い時分に欧米の哲学や思想に向けた目を、少しだけ東洋思想に目を向けて「真っ白なアイデンティティ」を見つめていたならば・・

もっと早く白洲正子さんや白川静さんの著書に出会えたかもしれない・・。

人生の先輩でもあり、こんな方々が、ちょっと前までの同時代に生きていたというだけで嬉しくなります。

ご生前に是非お目にかかりたい人物でした。

残念で仕方がありません。

念じれば夢も花も咲く・・。

ちょっとだけ、そんな気持ちで、もっと先のことを考えて、一日を過ごしたいものです。

肉体労働も修行のうちなり・・心よりも体が痛い。(笑)