こころの羅針盤

私の人生に待ちうける「意識」の大海原・・・心と身体と魂と、日々の感情生活を語ります。

デフォルメする傾向

2009年08月31日 | 無意識の世界
人間は体験した事物について、実際より誇張して記憶する傾向があるそうです。解りやすい例は似顔絵で、確かに、実寸に忠実な絵より誇張して描かれている方を、より似ていると思うところがあります。このような傾向は遥か祖先の時代の、敵を認識する自己防衛に端を発して出来上がってきた特性かもしれません。

なんとなくしっくりいかない人間関係では、誇張して記憶する傾向が“あなたとわたしの関係”に発揮されていることも意外に多いように思います。過去に印象付けられて、今ここで起っている現実を見る目が曇らされているのではないか?時々は自問して、過去の感情体験に縛られていないかどうか考えてみる価値はありそうです。

否定的な感情ばかりでなく、肯定的な好ましい感情でも、誇張しすぎた記憶というものは、現実吟味を狂わせます。

無理に記憶を訂正する必要もありませんが、人間の記憶の傾向を理解して折々にその傾向を意識できれば、今ここで“あなたとわたしの関係”をぱっちりと澄んだ瞳で見つめ、味わう可能性に開かれることは確かでしょう。

人気ブログランキングヘ宜しくお願いします
ありがとうございます


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

この一週間・・・

2009年08月30日 | 意識と知覚
先週の日曜日、珍しく一人車を駆って街の能楽堂へ出掛けました。たった一週間なのに、ずいぶん前の出来事ように感じられ、この一週間はいつもと違う時間の流れを体験しながら、こころの中で大きな変化が緩やかに進行していたような気もします。

先に、お能の世界に集中して感情移入する時間が、わたしの精神衛生によいことを書きました。それがとても重要なことに思えたので、観能以外でも、そういう時間を日常の中で創りだせないものかと考え始めてみると、同質の時間が成育史にも意外に散りばめられていることを発見します。

評価的なものに邪魔される以前の体験と、当時のこころを思い出す・・・これがポイントかと思うのですが、集中して何かに熱中できる楽しい時間を持てたなら、それだけで人生の最強の味方を得たようなもの。惹かれるものがあったならば、取り越し苦労はほどほどに、とりあえず始めてみればよいのではないでしょうか。

昨日の生き甲斐の心理学のブログに、“集中して何かを意識して知覚すると、人間は明晰になるように創られている”とありますが、なるほどと深く頷きました。集中して、意識して知覚する・・・今のわたしにいちばん必要な時間です。

人気ブログランキングヘ宜しくお願いします
ありがとうございます

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

優しく、そして容赦なく

2009年08月26日 | 愛とゆるし
秋の種蒔きに向けて、畝の準備を開始しました。二畝分のささやかなスペースを、土を深めに掘ったところに青草を敷き上に鶏糞を撒き、野積みして熟成させた枯れ草を入れて、土をかければ出来上がりです。

2時間弱の作業でしたが、いつもながら自然の力に脱帽です。虫の音や小鳥の声に包囲され、雑草と渾然一体のように動いていると、心奥深く沈殿していた暗めの感情とマイナス思考が、なんの躊躇いもなく表面に浮き上がってくるのです。まるで“そういうのは困りますよ、自然の中ではもっと澄んだこころでいてください”と言われているみたいに、ゆるやかに感情が露わにされるのを感じます。

だから感情を過度に抑圧していたようなときは、なんだか身包み剥される気がして、土仕事が辛く耐え難くなったこともありました。

まあまあ健康なときは、なるほど、こんな感情があったのかと、抑えられていた感情を認めながら、自然の率直な優しさに触れたような気持ちになります。こころの状態を知るのに、自然の中にすっぽり身を置いてみるのは最良の方法だと思うのですが、どうでしょう?

人気ブログランキングヘ宜しくお願いします
ありがとうございます

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

澱をとり除く…

2009年08月24日 | 無意識の世界
わたしの精神衛生にとても効果的と思われるものの一つに能楽観賞があります。昨日は一日をO市の能楽堂で過し、その思いを強くしました。どうしてかと考えてみるに、お能の研ぎ澄まされた象徴的な感情の世界に、安心して自分のこころを投影することができるからだと思います。

お能にしばしば登場する、成仏できずに彷徨う主人公。
その否定的な暗い感情が吐露されてから、最後、昇華するまでの過程を、観ているわたしも感情移入して一緒に体験することになります。たとえば今、具体的な怨恨や悲哀がないにしても、感情を抑圧していた時期に溜まり、微かに残っていたものが観賞するたびに少しずつ取り除かれていく、そんなイメージです。

積年の“抑圧傾向という澱が取り除かれていく”、そんなふうに表現できるかもしれません。こころの全体を視通して、自分にあう精神衛生に良い方法を意識して見つけておくと、それだけでも一つの安心感に繋がるようです。

人気ブログランキングヘ宜しくお願いします
ありがとうございます


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夢見つつ深く、大きく

2009年08月23日 | 螺旋状に上昇する意味
日々の理想や思考が明確でないわりには、死ぬ直前に叶えたい夢は、はっきりしています。相手のあることなので、この夢に希望をおくのは賭けにでるようなものですが、諦めることは考えられません。

賭けに勝つ方法はただ一つ、深く大きく愛すること。そう言ってしまうと随分キザですが、夢と理想は高みに燦然と輝いている方が挑みがいがあるというもの。現在の生き方の延長線上に夢の実現はあるはずですが、もっと精度を高めなければ、とても実現は不可能、これはわかっています。

昨日の朝、目覚める直前に夢を見ていました(これは眠ってみる方の夢)。相手の姿は見えませんが、わたしは差し出されたワインのラベルを見て、グレードの高いワインをプレゼントされたことを知ります。・・・このワインが愛を表していると解釈してみると、まさに最期の望みを先取りしたような夢を見たことに、気が付きました。

心と身体の到達点。最終的な理想をイメージできると、それだけで日々の理想や迷いは、だいぶ整理されてくるように思うのですが、どうでしょう。。。

人気ブログランキングヘ宜しくお願いします
ありがとうございます



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

考えるより感じること

2009年08月21日 | 五感と体感
こうしたいとか、ああしたいとか、理想をもつことは大事です。たとえば日々のちょっとした変化や道端の草花に喜びを見出せれば十分という人だって、小さな変化や名もなき花を愛でるという夢や理想があるわけです。人は理想なくしては生きられません。

というわけで、わたしの理想はなんだろう?夢はなんだろうと考え出しても、頭で考えたことは意外と当てになりません。建てまえの理想がでてくるだけで、なんだか違う、本当の理想は別にありそう…と、途中から違和感を覚えだしたりします。

思えば、夢をもたなければ理想をもたなければと考え出すときというのは、強迫観念に駆られているようなもので、そんな不安の中で、本物の理想がでてくるわけもないのでした。

理想を見きわめるためには、頭で考えるより感性に正直に生きることの方がずっと大事な気がします。考えることを意識的に止めることも時には必要かもしれません。五感と体感、感性を大事にする生き方があってはじめて、ほんものの理想や夢も自ずとあぶりだされてくるように思います。ほんの僅かな時間、思考を休んでみるだけで、ほっと楽になるものです。

人気ブログランキングヘ宜しくお願いします
ありがとうございます

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

理想を知ること

2009年08月19日 | 無意識の世界
理想と現実のギャップが悩みをつくるといわれていますが、その前に、理想が明確でないために悩んでいることも結構多いような気がします。自分の理想を把握するのは案外難しく、冷静に考えて、こうありたい、こうするべき等の成育史でつくられると云われる理想や思考の世界が、どうも自分には希薄と感じるのです。

自分が何をしたいのか?あまり明確でなくても生きられる土壌があった。または明確にすると生き難い土壌があった。このような日本人の傾向も、個々の人生に影響を与えているように思います。

何をしたいのか?何が好きで何が嫌いか?これを、自身の感性に正直に意識化することが、とても大事なのだと思います。本当はそんなに好きでもないものに引きつけられたり、惹かれていると錯覚したり、時々自分の不一致に気付いてハッとすることがあります。本当は理想でもなんでもないことを、理想と思い込んで悩むなどということがないように、人とは違う、独自の感性と指向を大事に生きたいものです。

人気ブログランキングヘ宜しくお願いします
ありがとうございます




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

気がつけば日本神話

2009年08月17日 | 魂と聖霊
久しぶりに図書館に行きました。源氏物語関連の本を探すためでしたが、ついでに借りた古事記関連の本を読みだしたら、これが面白くて、今年は古事記には手をつけないつもりでいましたが、そうもいっていられなくなりました。

この本が云うように仏教が浸透する以前の愛の形をぎりぎりのところでとどめ、古代における理想や倫理のあり方をも語っているのが源氏物語だとすれば、神話から古代の日本人の内面を知ることなしには、本当に源氏物語を読んだことにはなりません。そういう意味では源氏物語関連で一番重要な本は実は古事記だと、理解しました。

古代から今日まで、脈々と語られてきた日本人の魂観というものがわたしの中にもあって、そうとは意識しなくても、思考と感情に影響を与えていることは確かです。

まだほんの入り口ですが、“愛そのものである魂”が日本神話の世界、源氏物語の世界で、どのように語られ顕現しているか知ることは、今の自分と日本人を理解することに繋がってくる。だからわくわくするし、興味も尽きないのでしょう。

ところで“遊ぶ”、この言葉は本来、魂を生き生きと活性化させることをあらわしたようです。遊ぶとは、これ、これがわたしにとっての遊び…この確かなスケールを、自身の内に見つけなければ!

人気ブログランキングヘ宜しくお願いします
ありがとうございます



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ことばがあった

2009年08月15日 | 第9章:愛
テレビを見たり本を読んだりしていて、突然、涙ぐんでしまうことがあります。意思とは関係ないところで、こころが動かされている。このような反応は成育史のこころでは説明できなくて、わたしの与り知らぬところから湧いてくる感情が涙ぐませている・・・そう解釈すると落ち着きます。

わたしがあずかり知らぬところとは、遥か祖先から受け継いできた記憶の層とでもいえばよいのか、そこでは、いとも簡単にわたしという個人を超えてしまいます。

23年前、あなたはなぜ、神を信じるのですか?と問われて、“それは、わたしがここに在るからです”と、即答したことをふしぎに思います。おそらく、これもわたしを超えたところから発せられた言葉でした。

近頃、言葉が今よりずっと大切にあつかわれていた時代のことを知るにつけて、そのような関係を取り戻したいと切望するというのも、考えてみればふしぎです。経験したことがあるのでなければ、取り戻したいとは決して思わないでしょうから。

わたしを超えた遥か彼方から聞こえてくる声、この切望に従ってみなければ人生に悔いが残る・・・これは確かだと思います。

人気ブログランキングヘ宜しくお願いします
ありがとうございます

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゴールディーのお人形

2009年08月13日 | 愛とゆるし
私の好きな絵本の主人公、ゴールディーの仕事は人形作りです。森で拾った小枝から心をこめて人形を彫りだし、絵の具で洋服と顔を描きます。寝る間も惜しんでコツコツ仕事をする毎日ですが、そんな彼女がある日、街のお気に入りのお店で素晴らしく美しいランプを見つけます。

“私が今までみたことのあるものの中で、いちばん美しいもの”・・・

ゴールディーは大切な箱を抱え、夢見心地で森の道を戻りました。ところが親友のオームスに大好きなランプを見せた途端、彼の素っ気無い感想にすっかり意気消沈してしまいます。

“こんなに高いものを買うなんて、本当に、とても正気とは思えないよ”

親友の思いがけない言葉にゴールディーのうれしかった気持ちはすっかり消え去り、家に戻る頃までにはランプを返しにゆこうと思いつめます。その夜は、寂しくて泣きながら眠ってしまいました。

オームスは親友の幸福感を解さなかったし大切にもできなかった。ゴールディーも親友の評価のままに自分を思い込んでしまった。こういうことは大切な人、身近な人との間で、大なり小なり起こりがちなことです。

あなたはあなた、わたしとは違う感じ方や考え方をするのはごく自然のことなのに、この当たり前をついつい忘れてしまうのですね。

その後、夢の中でゴールディーは同志と温かな対話を交し、目覚めた時にはランプの喜び、うれしい気持ちも戻っていました。読み手の私もモノトーンの優しい線画を眺めながら、自信を回復して、以前にも益して仕事を愛するようになった主人公と共に、見えないものに支えられている安心を体験することになります。。。

人気ブログランキングヘ宜しくお願いします
ありがとうございます



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする