Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

傷痕は深くても(イラク対豪州)

2011-01-31 18:40:09 | ワールドサッカー
今さらアジアカップの準々決勝かと呆れる方もいらっしゃるでしょうが、イラク代表が豪州相手にいいサッカーをしていたので取り上げます。イラクと言えば前回大会優勝の実力あるチームですが、当時はエースストライカーのマハムードに頼ったサッカーで、アジアカップで契約が切れるビエイラ元監督が長期的視野は度外視してアジアカップだけを勝つチームを作ったと推測できます。

イラクはまだ戦争の傷痕が十分には回復していない国で、サッカー協会の財政事情も苦しいはずですが、今回は監督に元バーレーン代表監督のウォルフガング・ジドカ氏を据えて、サッカーへの情熱は失われていないという人選です。

サッカーの内容も前回大会とは一変していました。前回は3ボランチで相手の攻撃を寸断して、取ったらすぐにマハムードめがけてロングボールというサッカーでしたが、今回はマハムード自身は大会得点王に輝いた前回大会の出来ではなかったものの、周りの選手のレベルが向上していました。

2トップの一角に入ったレザはトップ下の位置まで幅広く動いてマハムードをサポートしましたし、ボランチの5番の選手も動けてゲームメークもできるいい選手です。彼らを中心にボールを動かしたイラクは、ボール支配率こそ豪州の方が上でしたが、鋭いカウンターで互角の戦いを演じました。

解説の人は「イラクはいいサッカーはするが途中で運動量が落ちる」と言っていましたが、延長戦はともかく90分間はしっかり走れていました。イラクは前回のW杯3次予選で豪州、カタール、中国と強豪揃いの組に入れられて敗退しましたが、もしジドカ監督が続投して長期的視野に立っていれば日本の脅威になる可能性はあります。

ウズベキスタン戦では前から仕掛けてきた豪州ですが、このイラク戦は大苦戦で思うようにボールをつなげませんでした。イラクより中盤の強い日本が相手ならつなぐより蹴ってしまえと、決勝戦の中盤省略リトリートサッカーを選んだきっかけになった試合かもしれません。
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最終ラインの位置(3位決定戦韓国対ウズベキスタン)

2011-01-30 16:41:23 | ワールドサッカー
今回のアジアカップの期間中、ほぼずっと続いた風邪はようやく治りかけています。時間があるときしかできない、マニアックな他チーム分析が、予定より2週間早く完了したので、今回は3位決定戦の韓国対ウズベキスタンからネタを引っ張ってきます。

この試合を映像で見た方は少ないと思いますが、3-2で韓国勝利というスコアだけ見れば、熱いシーソーゲームを想像している方もいらっしゃるでしょう。

しかし、実際は韓国が先に3点を入れて、逃げる展開に持ち込みながら、疲労で動きが落ちてウズベキスタンに2点を返される、韓国にとってもウズベキスタンにとっても、あまり良い試合とは言えない試合だったと思います。

代表から引退する朴智星が欠場したこの試合ですが、韓国サイドから見ればク・ジャチョルに得点王を取らせたいという大きなモチベーションはありました。早い時間でそのク・ジャチョルが先制点を入れると、準決勝で0-6の惨敗を喫しているウズベキスタンは、スタミナ切れを起こしているだろうと想像できます。

事実、前半のウズベキスタンのDFはバラバラでした。豪州戦でも問題だったCBアフメドフの攻撃参加時の対応ができておらず、また最終ラインも引き過ぎていて韓国にDFの前で回されてしまいました。その結果、チ・ドンウォンに2点を取られ、前半で0-3になった試合は終わったかのように思えました。

しかし、ウズベキスタンも2試合続けてひどい試合はできないと意地を見せました。前半終了間際にPKを取ってこれを決めて2点差に詰めると、韓国が疲労で動けなくなった事情はありますが、ウズベキスタンも最終ラインを上げてコンパクトにして、前線の選手にいいボールが入るようにしました。

その結果、ウズベキスタンはゲインリッヒのゴールで1点差に追い上げ、トゥルスノフ、カルペンコの両SBを攻撃参加させて、前半とは見違えるようなサッカーを見せました。真ん中から攻撃参加したときのバランスの悪さを修正して、アフメドフと3番のCB、ボランチのハイダロフを守備に残すことで対応しました。

結果的には惜しくも1点及ばずに4位に終わったウズベキスタンですが、開幕戦で開催国のカタールを破るなど、大いにこの大会を盛り上げました。まだ弱点もあるチームですが、これから強くなる要素はあると思います。
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2対4(1/29日本対オーストラリア)

2011-01-30 15:27:40 | ワールドサッカー
Jリーグでも週2試合が2週間以上続くと、次第に疲労からコンディションが落ちてきます。このアジアカップも中3日、中2日がずっと続いていますから、日本だけでなく豪州の方もきついはずだと思っていました。

その疲労感は、ベテランの多い豪州に顕著でした。準決勝のウズベキスタン戦では前に出てきましたが、この日本戦では8人を自陣に残してロングボールを蹴り、2トップのケーヒル、キューエルの個人技でなんとかする、省エネサッカーでした。

こういうパワーごり押しのサッカーは日本は比較的苦手で、しかも日本の攻撃が相手のリトリートの前になかなかシュートで終われませんでした。日本も攻撃の枚数こそ4枚ありましたが、やはり日本の方も疲れていて、フリーランニングのようなスタミナを要求される動きはあまりできませんでした。

この試合はシュートを打ち合うオープンゲームではなく、お互いに相手の持ち味を消し合う慎重な試合でした。日本も藤本に代えてCBの岩政を入れて、この日は毎回豪州の長身選手と競り合うCBが一番きついはずとザッケローニが判断したと思います。

この交代で、左SBの長友が左MFに上がったのですが、この判断がザッケローニ采配が正解だということをアピールしたと思います。長友ももちろん疲れているでしょうが、途中出場の選手を除けばチームで一番動けているのは長友でした。

この結果、日本は左から攻められるようになりましたが、豪州もやはり強いチームで、キューエルがフリーで抜け出したプレーに川島が1対1を止めるような際どい場面もありました。結局0-0で延長戦に入ることになりました。

延長戦の李忠成のゴールは消耗戦だったこの大会を象徴するもので、途中出場の選手がうまくフリーになって決めた、豪州の一瞬の隙を突いたゴールでした。

松井、香川、大会前を含めれば酒井、槙野と負傷者が続出する苦しい展開で、しかも天皇杯の決勝に出た選手は1日しかオフがないというコンディションの調整が難しい大会でしたが、この勝利ですべて報われた気がします。
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オーストラリア代表選手紹介

2011-01-29 19:08:00 | ワールドサッカー
まだ声はいくぶん変ですが、咳はだいぶ良くなったので、この週末が明ければ出勤したいです。今日のオーストラリア(以下豪州)との決勝戦は明日書くことにして、今日は穴埋めネタで豪州の代表選手紹介です。

・ケーヒル(FW)

たぶん今回の豪州代表の中で、一番欧州で実績のある選手でしょう。今季のプレミアリーグで9得点と好調ですが、グラウンダーのパスがあまり得意ではなく、彼をワールドクラスとは個人的には言いたくありません。

その点の取り方も、日本のサッカー少年には真似て欲しくない形で、手を使って相手DFを押さえつけ、何回ファウルを取られても一回フリーになれば得意のヘディングで点を取れるというFWです。テレビではフリーになったところしか映しませんが、横浜国際で実際にやっているところを見ていた私はごまかされません。

・キューエル(FW)

1997年のW杯予選当時から代表に入っていた息の長いベテランです。当時見せていたような切れのあるドリブルは今は見られなくなりましたが、上背も技術も結構あり、フリーでシュートは打たせたくない相手です。

・マッカイ(左MF)

MVP候補に豪州からノミネートされているのはGKのシュウォーツァーですが、映像で豪州の試合を見る限りではMVPは彼だと思います。自分ではあまり点を取っていませんが、長いボールを正確に蹴れるMFで、アシストの数は多い選手です。

・ジェディナク(守備的MF)

2008年のW杯予選からあまりメンバーの変わっていない今回の豪州代表の中で、数少ない新戦力です。ヘディングとミドルシュートで2得点を挙げていますが、普段は後ろで慎重にバランスを取っています。

・サーシャ・オグネノブスキ(CB)

韓国の城南一和に所属して、ACLでMVPを取ってクラブW杯にも出てきたお馴染みの名前ですが、代表では初めて見ました。セットプレーの強さが売り物の豪州ですが、主なターゲットはケーヒルより彼の方で、うまく相手DFを出し抜くタイプです。

・ウィルクシャー(右SB)

彼のことは2006年のW杯で日本と対戦したときの印象が今でも残っています。三都主に何度も突破されていた右サイドのDFに途中から入って試合の流れを変えました。今はスタメンですが、守備から入るプレースタイルは変わっていません。日本はこのサイドに岡崎が入りそうですが、岡崎が彼に消されると日本にとっては苦戦の流れになります。
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縦へのスピード(ウズベキスタン対豪州)

2011-01-28 17:04:24 | ワールドサッカー
風邪で会社を休んでおり、こんな時間にブログを書いています。今年は社内でも風邪が流行っていて、私もそこでウイルスをもらった可能性があります。しかし、もう一週間ですから治りが悪いのは確かで、検査を受けに行きます。

今回はアジアカップの準決勝、ウズベキスタン対豪州からネタを引っ張ってきます。このカードは日本以外の試合では最も楽しみにしていたカードで、豪州のパワーサッカーにパワーで対抗できるのはCBに大柄な選手が揃うウズベキスタンだけだろうと思っていたからです。

そのため、最終スコアの6-0で豪州勝利という結果には驚いていました。いつか映像で確認しようと思っていましたが、今回の風邪で想像より早く機会がきました。この試合では、豪州の6点のうち、得意のセットプレーは1点だけで、しかもヘディングではなくこぼれ球を押し込んだゴールです。

つまり、豪州はパワーでウズベキスタンに勝った訳ではなく、別の手を使ったのです。それはウズベキスタンのDFのスピード不足を狙ったショートカウンターでした。ウズベキスタンはCBのアフメドフの攻撃参加を武器にしていますが、そこで取られたときのカバーリングがボランチのハイダロフの個人能力に任されていて、バランスが悪いという欠点があります。

また、アフメドフ自身も後ろへ走る動きはあまり得意ではなく、最終ラインが1枚だけになる時間もあります。豪州の先制点のキューエルの得点がまさにそこを狙ったゴールで、中盤で取ってから速く攻めるパターンでうまく点を取りました。

前半で2-0にしてからは、もう豪州のワンサイドゲームで、ウズベキスタンはボール支配率だけは高いものの、ただ後ろで回すばかりになってしまいました。解説の福西氏によれば、ウズベキスタンのボール回しが足元ばかりで単調で、リズムの変化がないため豪州は守りやすいそうです。

豪州はきれいなオフサイドトラップを掛けるチームではなく、2枚のDFで慎重にカバーリングを徹底するチームです。この相手に日本代表で最も有効な選手は香川ですが、ないものねだりをしても仕方ないので、本田圭佑のような、リズムを変えられる選手に期待したいです。
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頼りになった1トップ(1/25日本対韓国)

2011-01-28 12:52:57 | ワールドサッカー
これまで、前田の1トップはあまり評価していませんでした。点こそ圧勝したサウジアラビア戦で2点取っていますが、ボールを収めることが十分にできておらず、前田に入れてから日本の攻撃が始まる形があまりなかったからです。

しかし、この日の前田は、さすがJリーグ得点王という勝負強さを、大事な場面での同点ゴールという形で見せてくれました。左からのクロスをワンタッチで合わせたゴールは、前田に多い得点パターンで、それをこの大事な場面で出せるのは実力がある証明です。

韓国の1トップ、チ・ドンウォンも持ち味を見せました。確かに真ん中で待っているタイプではないというのはこれまでの試合で見た通りですが、チ・ドンウォンの場合、サイドに出されたロングボールに追い付ける脚力があります。

また、韓国の場合は、朴智星、李青龍の両サイドハーフがFWの位置に入っても十分プレーできます。チ・ドンウォンはあくまでおとり役と決まっていて、他の選手に点を取らせる役割なのです。

審判の判定はおかしいところもあって、韓国の先制点になったPKの場面での今野と朴智星の競り合いは普通のプレーに見えましたし、日本が延長戦で取ったPKも岡崎が倒されたとはいえ、PKになるほど悪質なものには見えませんでした。

この試合が苦しい試合になったのは、韓国の延長戦終了間際のゴールもありますが、後半の韓国の3トップへの変更に対応できなかったこともあります。チ・ドンウォンを下げて11番を入れた交代で、韓国の3枚の中盤にセカンドボールを拾われて苦しい戦いになりました。

結果的には点にならなかったとはいえ、日本もチーム全体の疲れが出てきているのかと気になるプレーで、アジアカップで準決勝に初めて進出したウズベキスタンがチーム全体の疲れからか豪州に0-6で大敗したところを見ると、日本も疲れていないと言えば嘘になるでしょう。

ただ、日本の場合気力は十分張り詰めていて、韓国とのPK戦での川島の二つのセーブなど、気迫あるプレーは見られています。豪州もベテラン主体のチームなのできっと疲れてはいるでしょうから、決勝戦は気力勝負になると思います。
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豪州戦プレビュー

2011-01-26 18:58:56 | ワールドサッカー
まだ昨日の日韓戦は映像を見ていないので、今夜見られたとしても記事にするのは明日が精一杯でしょう。そのため、穴埋めネタとして、だいぶ気が早いですが、決勝戦の豪州戦のプレビュー記事にします。

準決勝で豪州がウズベキスタンに6-0で勝ったことは、豪州がここまで苦しみながら勝ち上がってきたことを考えると、大いなる驚きです。確かに豪州は名古屋所属のケネディこそ負傷で不在ですが、ケーヒル、ホルマン、エマートンらW杯予選で活躍したメンバーは健在です。

このベストメンバーの豪州相手に、日本は1敗1分けに終わり、豪州のサポーターから「Nippon always in our shadow」(日本は常に豪州の影の存在だ)という横断幕を出されています。今こそこの横断幕のリベンジをする絶好の機会です。

豪州は選手の所属チームを見ると、イングランドやイタリア、スペインなどの名前が並びます。しかし、中には2部のチームもあり、韓国代表の朴智星のようなワールドクラスの選手はいません。

ケーヒルがプレミアリーグで9点を取っているという事実もありますが、彼の腕を使ってでも強引にゴール前に割って入るプレースタイルはカードと紙一重のプレーです。W杯でも退場になっている彼の起用は豪州にとっては常に賭けです。

ただ、豪州はSBも攻撃参加させてくる、近代サッカーのスタイルは十分染み付いているチームです。確かに得点はセットプレーが多いですが、前回の対戦では背の低い阿部勇樹のところを意図的に狙ってケーヒルの頭でこじ開けています。今回も今野は徹底的に狙われることになるかもしれません。

豪州の守備は4バックですがラインDFでオフサイドトラップを掛けるより、慎重に二人のDFでチャレンジアンドカバーで守る守備です。こういうタイプには個人技のある香川が有効だと思います。一人抜けば決定機にできるので、ドイツで発揮している得点力を見せてほしいと思います。

ベテランの多い豪州はこの長期戦は疲れているはずで、若手の育ってきた日本は有利な立場にいると思います。最終予選でも当たる可能性のある相手ですから、ここで強さを見せておきたいです。
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埋まらぬ1トップ(イラン対韓国)

2011-01-25 19:08:16 | ワールドサッカー
この週末、準々決勝のイラン対韓国も見ていました。韓国のことはプレビュー記事である程度書いたので、今さら役に立たないですがイラン中心に書きます。イランは1993年のアメリカW杯予選から2006年のドイツW杯までの長い間、アリ・ダエイという長身FWが1トップに入っていました。

ダエイはベテランになってからも持ち味のキープ力でゲームメーカー的に働き存在感を見せましたが、裏を返せば後継者が育っていないという意味でもありました。ダエイが引退して5年も経つ今大会は、きっと後継者が育っていると思って今回のイラン代表を見ました。

確かに、右ウイングのレザエイや左ウイングのハラトバリのようなスピード型は出てきています。しかし、ダエイが余りにもいい選手だったこともあるでしょうが、1トップのファラドはボールタッチ数の少ないワンタッチプレーヤーで、しっかりポストに入ってキープしてくれるダエイの力強さはありません。

イランは比較的、強力なFWを多く生んできた国ですが、どうやら今回はポストプレーヤーがいないようです。その結論が4-1-4-1で、中盤を厚くしてフォローを増やし、ファラドは単に触るだけに絞らせるのがゲームプランだったようです。

1次リーグ3連勝、得点6失点1と、完璧に1次リーグを勝ち切ったように見えたイランですが、映像でみた共和国戦を見る限り、内容で圧倒したわけではありません。中東のチームが伝統的に持っている、球際の強さと抜け目のなさでうまく出し抜いて勝ってきたというのが真実でしょう。

それは、韓国が誇るワールドクラスの選手、朴智星と対戦したときに現れました。朴智星はマンチェスターU(以下マンU)でレギュラーの超大物ですが、香川と違って点を取ってレギュラーになったわけではありません。むしろ、マンUがリードしたときに、その運動量の多さと守備力で相手にプレスを掛けてパスミスを誘う、守備的なオプションの途中出場から台頭した選手です。

その朴智星とイランのMFが対戦すると、朴智星が攻める側のときはイラン守備陣も頑張りを見せました。しかし、朴智星が守備に回ったときは、カウンターになりそうなチャンスをことごとく摘まれました。まだイランは世界レベルの守備を相手にしているわけではなかったということで、日本も朴智星が守りに回ったときは要注意でしょう。
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急造3-5-2(ウズベキスタン対ヨルダン)

2011-01-24 19:09:38 | ワールドサッカー
決勝まで日本とは当たりませんが、A組を1位で通過したウズベキスタンがどんなサッカーをやっているか見たくて、準々決勝のヨルダン戦をビデオで確認しました。ウズベキスタンはオーソドックスな4-4-2で戦うことの多い、欧州スタイルのサッカーを普段はやっています。

しかし、この試合のウズベキスタンは最終ラインを3バックにした、急造3-5-2できました。おそらく守備的な布陣が予想されたヨルダン相手に、攻撃の枚数を1枚増やそうというゲームプランだったと思います。

ヨルダンも勝ち点1でも十分と割り切って4-5-0-1という極端に引いてきた日本戦とは違い、このウズベキスタン戦は勝てば4強という決勝トーナメントですから、トップの位置に10番と18番(アブドゥルファッター)の2枚を残して点を取りにきました。

それでも、GKシャフィーを中心に堅い守備を誇る、ヨルダンの持ち味は出してきました。相手のアウトサイドに、サイドハーフとSBの2枚で挟む、ヨルダンらしい堅実な策も見られました。

ウズベキスタンは前半、ボランチのカパーゼのキープ力を生かして中央から攻めようとしてきました。エースストライカーのシャツキフをベンチに置いてまでスタメン起用されたFWバカーエフのスピードを使おうとしましたが、ヨルダンもカパーゼからの攻撃パターンは読んでいて、バカーエフが裏のスペースへ出る場面はほとんどありませんでした。

バカーエフは正選手にけが人が出たための追加招集で、背番号もFWらしくない2番です。最初はウズベキスタンも、この選手をどう使うか思案に暮れていたのかもしれません。しかし、瞬間的に速いという持ち味を出せと監督から指示が出たのか、後半ウズベキスタンは一気にたたみかけます。

後半2分、バカーエフはジェパロフのFKにオフサイドラインを巧みに抜け出し、頭で先制点を入れると、4分には左アウトサイドに回っていた本来MFのハサノフからの速いクロスに左足で合わせて2点目を決めます。このクロスこそウズベキスタンが意図した形で、アーリークロスでもいいから左右からクロスを上げて、ヨルダンのDF陣の集中が切れた瞬間を狙うゲームプランだったように思えます。

ヨルダンもFKから1点は返しましたが、やはり本来守備的なチームがリードを許しては苦しく、試合は2-1でウズベキスタンの勝利に終わります。ウズベキスタンは冬の間試合ができない国なので、コンディション的に不利と思っていましたが、この試合を見る限り動けています。温暖な地方で長期合宿を組んだのかもしれません。
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韓国戦プレビュー

2011-01-23 15:24:31 | ワールドサッカー
あさって夜遅くのアジアカップ準決勝、日本対韓国戦のプレビュー記事です。韓国は準々決勝の相手がイランで、延長戦で競り勝って準決勝に上がってきました。伝統の日韓戦がアジアカップの準決勝で実現するのは嬉しいですが、日本との親善試合を昨年10月という直前の時期にあえて組んだ韓国の事前分析がはまる可能性もあります。

韓国は南アフリカW杯で活躍した朴智星(マンチェスターU)、李青龍(ボルトン)というプレミアリーグ勢が健在ですが、今大会はトップ下に入っているク・ジャチョルが好調です。アーリークロスを入れてこぼれたボールにトップ下がミドルシュートで突き刺す形は韓国らしい必勝パターンです。

しかし、今回の韓国代表は必ずしも万全ではありません。理由は1トップのフランスリーグ、モナコで活躍する朴主永の負傷欠場です。代わりにチ・ドンウォンという選手が入っていますが、チ・ドンウォンは真ん中で待っている1トップではなく、サイドに流れてスペースを作るFWで、得点力という意味では不安もあります。

もちろん、韓国サイドから見れば、日本の1トップ前田も今大会はいい出来ではないので、日本のサポーターにはそのことは言われたくはないでしょうが。日本の方が試合の間隔が1日長いですが、数的不利の試合を戦った日本と、延長戦を戦った韓国のどちらが疲れているかは微妙です。

韓国のシステムは昔は3バックマンツーマンでしたが、今は4-2-3-1と普通です。FKキッカーのボランチ、キ・ソンヨンは意外にも守備的なボランチです。日本で言えば阿部勇樹のようなタイプです。

日本は出場停止でカタール戦を欠場した内田が復帰するのが濃厚です。香川に当たりが出てきたのが好材料で、香川と本田圭佑のラインが何度もつながるようだと面白い展開になります。もちろん、相手が韓国なので、ヨルダン戦やシリア戦のように高い位置で人数を掛けてキープするのは難しいでしょうが、それでも内田や長友の攻撃参加は勝つためには必要なので、どれだけリスクマネージメントを徹底できるか次第でしょう。
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