Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

相手の積極性を利用できた(2/28なでしこ対北朝鮮)

2024-02-28 22:10:28 | レディース
今日のパリ五輪予選の第2戦、なでしこジャパン対北朝鮮は、2-1で日本が勝利しトータルスコアで上回り五輪出場を決めました。第1戦が0-0の引き分けだったので、両チームともに五輪出場への条件はこの試合の勝利でしたが、この試合は北朝鮮の試合運びが第1戦と違いました。第1戦では5-4-1で自陣に引いて、カウンターからの少ないチャンスを狙ってきた北朝鮮ですが、この日は前から日本のDFラインに取りに来ました。

もっとも、この日の日本は、第1戦ではボランチで出場したキャプテンの熊谷をDFラインの中央で起用する3バックで入ってきました。初戦の4バックとは違って、CBの南と高橋が、思い切って取りに行っても後ろに2枚がいるという安心感もあって、確実に北朝鮮FWからボールを取っていました。また、熊谷がラインコントロールを見せて、北朝鮮の攻めをオフサイドに掛ける戦いもできていました。

また、北朝鮮の積極性は、逆に日本にとってはチャンスが増えることも意味しました。布陣的には第1戦と同じ5-4-1の北朝鮮でしたが、後ろのDFラインの前のMFのラインが上がりすぎて間が空き、DFラインの前で日本がキープしやすいデメリットがありました。ここでボールを取れば日本にとってはビッグチャンスで、直接ゴールにはつながらなくても、日本の優位は明らかな試合になってきます。

こうなれば日本の先制点は必然でした。北川が入れた長い距離のFKから、上野が頭で折り返し、田中美南のヘディングシュートはクロスバーを叩いたものの、跳ね返りを高橋(写真)が押し込んで、前半24分で日本がリードを奪いました。前半終了間際に右クロスからの北朝鮮12番のシュートがあわやゴールという当たりでしたが、GK山下がラインぎりぎりでかき出してノーゴールとなり、1-0で日本リードで折り返します。

後半、北朝鮮はさらに攻めに出てきました。それでも、熊谷がラインコントロールを見せてオフサイドを取るなど北朝鮮の攻めは空回りしていました。押され気味だった日本ですが、ロングフィードで抜け出した清水が上手いトラップを見せて北朝鮮左MFを抜き、上げたクロスを藤野が頭で合わせて、2-0と大きなリードを奪うことができました。

最後、北朝鮮が22番のゴールで1点を返し、ロングフィードで攻めてきたものの、クリアで逃げるところとつなぐところを使い分けられた日本の守備が勝り、2-1でこの熱戦を逃げ切りました。女子の場合は五輪出場だけでなく、もう一度世界一を狙いたい場にもなるでしょう。五輪本番でも、日本のテクニカルなサッカーがどこまで発揮できるか、楽しみです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

封じられたウイングサッカー(2/24北朝鮮対なでしこ)

2024-02-25 16:16:28 | レディース
昨日の日本時間夜に行われた、なでしこジャパン対北朝鮮の五輪予選のアウェイ戦は、0-0の引き分けに終わりました。この試合はホームアンドアウエー方式の2試合合計で決まる初戦なので、アウェイでの引き分けは悪い結果ではないものの、なでしこジャパンにとっては課題が残った試合だったように振り返ります。

日本は4-3-3の布陣で、女子W杯得点王の宮沢を負傷で欠いていたものの、両ウイングの藤野と植木を生かして、サイドからのボールで点を取りたいというゲームプランのようでした。また、本来DFの熊谷をアンカーで起用して落ち着かせて、ゲームメーカーの長谷川唯(写真)にはインサイドハーフから長めのパスでウイングを生かそうとしてきました。

確かに、ボール保持率では日本が前半は6割を超えるなど上回りました。しかし、この日ゲームを思い通りに運んだのは北朝鮮の方でした。北朝鮮はとにかく勝負を後半戦に持ち込むと前半は耐えるプランで、5-4-1の守備的布陣でカウンター狙いでした。CB高橋が相手ドリブルに抜かれて決定機につながったあたりは、GK山下が止めたとはいえ日本にとっては課題になりました。

また、後半は日本のウイングサッカーが相手に封じられるようになってきました。北朝鮮は日本のMF長野と長谷川のところに速い寄せでパスを出しにくくしており、左SBの古賀が18歳で不慣れな左SB起用ということもあってサイドでのパスミスが目立つようになってきました。ウイングまでボールが入れられなくなった日本の苦戦は明らかで、北朝鮮が後半からMFを1枚増やして支配率を上げに行った狙い通りになってきました。

北朝鮮のCFの17番に合わせたクロスが、クロスバーをヒットしてノーゴールになった、日本にとっては肝を冷やす場面も作られます。内容が悪いと見た日本は左ウイングを植木から中島に交代させて打開を狙いますが、中島のことはアジア大会で対戦して知っていた北朝鮮にとってはよく警戒しており、常に2枚が応対するようにしてクロスを消しました。

結果的に、0-0の引き分けは悪い結果ではないでしょう。それでも、日本にとっては主導権を取れなかった引き分けです。何か、第2戦の国立競技場で違った形を見せないと、五輪出場には黄信号がともるのではと危惧しています。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

圧倒された前半(8/11なでしこ対スウェーデン)

2023-08-11 22:53:47 | レディース
今日のなでしこジャパンの女子W杯準々決勝スウェーデン戦は、1-2で敗れ、なでしこジャパンの挑戦は準々決勝で終わることになりました。この結果はやはり前半戦の内容がすべてでした。スウェーデンは強い相手で、日本のパス回しを高い位置でカットして連続攻撃を仕掛けてきました。日本はサイドチェンジに活路を見出そうとしましたが、スウェーデンは「そのボールに届くのか」と驚くような身体能力を見せます。

スウェーデンが、ロングフィードでシンプルにDFラインの裏を狙うと、日本は対応が遅れてピンチを招く場面もありました。60%近くボールを支配された状態で、点を取るのはさすがに難しいタスクで、先制点はスウェーデンの長い距離のFKから、連続攻撃を受けて最後はセットプレーで上がっていたCBの13番が混戦の中蹴り込んだものでした。

日本はこの準々決勝まで日程的には中5日空いており、コンディション的には回復する時間はありましたが、決勝トーナメントに入ってからスタメンが固定されており、そのスタメン組が疲労気味だった印象は否めません。何とか0-1で前半を折り返したものの、苦戦は明らかでした。早めに選手を替えて対応するしかなさそうに思えました。

ハーフタイムで交代させたのは、左アウトサイドの杉田を遠藤と交代させただけでした。遠藤は比較的効いており、ボールを持てるところは見せましたが、相手CKの流れでボランチの長野にハンドがあったとしてPKを取られ、これを蹴り込まれて0-2と絶望的なビハインドを負うことになります。思い切って行くしかなくなった日本は、写真の長谷川唯を軸に次第にボールを持つサッカーを思い出し始めます。

チャンスはありました。途中出場の植木が相手DFに仕掛けて取ったPKでした。結果的には、このPKを植木自身に蹴らせたのは判断ミスで、上を狙った植木のキックはクロスバーをヒットしてノーゴールに終わりました。最後はスウェーデンの運動量が落ちて日本がボールを支配できましたが、残り3分で清家が仕掛けたプレーから途中出場の林が押し込んで1-2としましたが、反撃が遅かった印象はあります。

それでも、5ゴールで話題になった宮沢ひなた選手などのヒロインも出ました。久しぶりに日本の女子サッカーが盛り上がったことは確かで、彼女たちのベスト8には意義がありました。その先を目指すには、欧州強豪チームに所属する選手が増えて、世界相手に場数を踏むしかないのかもしれません。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DFラインの裏狙い(8/5なでしこ対ノルウェー)

2023-08-05 22:32:59 | レディース
今日のなでしこジャパン決勝トーナメント1回戦、ノルウェー戦は3-1で日本の勝利に終わりました。ここからは負けると終わりの決勝トーナメントということで、ノルウェーは日本をかなり警戒しており、自陣に5バックと4枚のMFを下げて、日本の自陣でのパス回しは放置してきました。スペイン戦で威力を発揮した、日本のカウンターを出させない狙いでしょう。

これに対する日本の策は、サイドに出してから逆サイドに振るという手でした。特にこの日は左アウトサイドの遠藤がクロスを上げる側になっており、逆サイドの写真の清水梨紗選手が受けることでチャンスをうかがいました。その形が先制点となった相手7番のオウンゴールで、足でクリアしようとしたボールがシュートのようになってしまったノルウェーのミスでした。

それでも、ノルウェーは高さとパワーのサッカーで、1995年女子W杯を優勝した強豪です。少し攻勢の時間を作ってからのクロスを、11番が頭で合わせ、これが強烈なシュートとなって同点に追いつきます。この試合のノルウェーはこれが初のシュートで、こういう高さとパワーを前面に出される展開になると、高さで劣る日本は苦しくなる予感もしました。

日本の勝利を確信できたのは、後半頭にノルウェーのDFラインの裏を狙う攻めができたことです。ノルウェーDFがクリアしてもセカンドボールを拾えて連続攻撃ができたことが、長谷川のポストプレーを相手がクリアしたボールを清水が拾って決めた2点目につながりました。長谷川のフィジカルはノルウェー相手に脅威となっており、ここでボールを持てることで日本優位は確実なゲームになりました。

ノルウェーも思い切ってDFを下げてFWを投入し、前に人数をかける攻めで圧力を強めようとしましたが、その隙を突いて日本が得意とするカウンターが機能して、今大会絶好調のFW宮沢が3点目を決めたことで、この試合は決定的になりました。最後はノルウェーが、ロングボールを次々と日本ゴール前に入れてくるパワープレーを見せましたが、DF熊谷を中心に守り切った日本が3-1で勝利しました。

準々決勝の相手はアメリカ対スウェーデンの勝者と、次の相手はどちらが勝ち上がっても相当強い相手です。それでも、日本のサッカーは他の強豪とは少し毛色が違うので、それがうまく機能できれば期待できると思っています。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

堅守速攻が当たる(7/31なでしこ対スペイン)

2023-07-31 22:43:30 | レディース
今日のなでしこジャパンのW杯1次リーグ第3戦、スペイン戦は4-0で日本の勝利に終わりました。スペインは過去の大会ではあまり強豪というイメージはなかったですが、近年力を伸ばしているチームです。女子欧州CLのバルセロナのホームゲームに9万人が入るなど、人気も出てきており、日本にとっては過去の親善試合で1分け3敗と相性の悪い相手です。

スペインの戦い方は男子の代表に似ており、パスをつないで攻める「ティキ・タカ」でした。これに対し、日本は無理に高い位置からつなごうとせず、バイタルエリアに素早く帰陣して、そこから速攻で攻める手を選択してきました。今回はその手が的中しました。スペインは高いボール支配率で攻めるものの、日本の組織的な守備の前になかなかバイタルエリアから向こう側に行けなくなる展開になります。

また、今回の日本の守りは、「攻めにつながる守備」で、縦パス主体でサイドやトップ下が空くところを狙っていました。日本の先制点はそのパターンで、DF熊谷のロングフィードが左アウトサイドの遠藤に通り、遠藤がゴール前に巻くように入れたクロスが写真のMF宮沢ひなたに入り、これが決まって日本は初のシュートで1点を先制します。

このように、スペインが攻めに出たところを裏返す日本の攻めは効きました。2点目も縦パスから植木が相手DFに当てながらゴールの枠にねじ込むと、3点目は植木のアシストからまたも宮沢が決めて、日本は前半でほぼ勝負が決まる3点リードを奪うことができました。スペインは女子欧州CLでも強さを発揮するバルセロナの選手が6人いるメンバーでしたが、日本が素早く帰陣して5-4のブロックを引くとスペースがなく、パスの出し先がない展開でした。

もちろん、このゲームは日本もスペインも既に決勝トーナメント進出が決まっている消化試合で、自分たちのサッカーを崩してまで無理に勝ちにこだわる必要はない試合でした。そのため、スペインはメンバーを入れ替えながらパスサッカーを継続しましたが、日本のリズムは最後まで失われず、最後は田中美南がドリブルで敵陣に持ち込んで4点目を決めます。

シュート数で日本6本、スペイン9本、ボール支配率はスペインが6割以上という試合でしたが、それほど苦しんだ印象はなく、むしろ相手に「回させている」ほどの余裕も感じました。決勝トーナメント1回戦の相手はノルウェーです。かつて世界を席巻したパワーサッカーのチームですが、日本の堅守速攻が当たる可能性もある相手と思います。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どこかぎこちない相手(7/26なでしこ対コスタリカ)

2023-07-27 22:11:15 | レディース
昨日の女子W杯、なでしこジャパン対コスタリカ戦は、2-0で日本の勝利に終わりました。対戦相手のコスタリカは女子代表を見るのは初めてでしたが、長身の体に、日本DFに積極的にプレスに行く動きを見せ、序盤はちょっと驚きました。しかし、しばらく見ているとコスタリカの弱点も見えてきました。それはプレスに行くものの動きが連動しておらず、そのプレスは日本に外されることがほとんどでした。

また、技術でも日本が上の力関係でした。コスタリカFWが持って仕掛けようとしても、足元のテクニックが日本DFの方が上なので、奪われることが目につきました。そのため、コスタリカはなかなか日本のDFラインの向こう側に攻め込むことができず、そこから日本に逆襲を食らい、自陣に2ラインを引いて我慢する時間が長くなりました。

こうなれば、日本はじっくりと、コスタリカの4バックのDFラインのどちらかに空くスペースを利用して攻めることができます。この試合で初先発だった写真のMF猶本光が立ち上がりに積極的にシュートを狙うと、相手右SB3番がクリアミスをした一瞬の隙を突いて攻め込み、利き足とは逆の左足のシュートながらゴールを正確に捕らえて日本に先制点が入ります。

シュート数でも日本の方が圧倒的だった試合は、日本ボールのCKが逆に流れたところから藤野がドリブルで仕掛け、角度のないところから相手GKの狭いニアサイドを正確に射貫いた2点目でほぼ決まりでした。これで余裕ができた日本は出場時間のマネジメントの交代で、田中美南と藤野を下げて、宮沢と植木を投入してアタッカーを入れ替えてきました。

後半、あれだけチャンスがありながら決められなかったという課題は残ったものの、この試合の勝利で2位以内が決まり決勝トーナメント進出を決めることができました。これで、最終戦のスペイン戦は無理に勝ちに行かなくてもよくなり、サブメンバーにチャンスを与えることも可能です。試合間隔が短く多くの試合をこなすW杯のような長期戦は、そういう消化試合を作っておくことも、勝ち抜くには一つの有利になる要素でしょう。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

被シュート0本の完勝(7/22なでしこ対ザンビア)

2023-07-24 21:42:55 | レディース
今、なでしこジャパンは女子W杯を戦うために、ニュージーランドにいます。グループリーグの初戦の相手はザンビアでした。ザンビアは男女を通じてW杯初出場というチームですが、スピードを誇るFWバンダを走らせることで、東京五輪でも健闘を見せたチームです。余談ですが、五輪が無観客にならなければ、私はブラジル対ザンビアの女子代表戦を見ていた予定でした。

このザンビアに対する日本の守り方が良かったというのが第一印象です。日本は大会前に導入した3バックで、守るときは最終ラインを5枚にしてでもタッチラインの幅を均等に守るやり方でした。日本はバンダに対し正確に1対1の形を作り、バンダがあまり得意でないヘディングでクリアしてスピードを出させないことができていました。

この日本の守備で、ザンビアはロングボールを蹴るしか攻め手がなくなり、それは容易に日本が回収できました。こうなれば日本に点が入るのは時間の問題という展開でしたが、右サイドを清水と藤野の連携で崩すところまでは計算通りだった日本も、最後の田中美南のところがオフサイドとなってゴールが取り消され、0-0が前半40分過ぎまで続く展開になります。

もっとも、ザンビアは守備でもバランスが悪いところを見せます。それはSBのポジショニングで、日本がサイドハーフのところで持つと必要以上に取りに行ってしまい、後ろのスペースを空けるという問題点がありました。そのため、日本はサイド攻撃を点が入るまで続ければよく、藤野のクロスを宮沢がうまく相手CBの間にポジションを取って出し抜いたゴールで均衡は破れました。

写真の田中美南は2度もVARからのオフサイドでゴールを取り消される不運でしたが、3度目の正直でゴールも決め、そこからは後半怒涛のゴールラッシュを見せた日本は、5-0という完勝を収めることができました。勝利が確実になると交代枠を使ってサブメンバーを試す余裕もできた日本は、ザンビアにシュートを1本も打たせない完勝でした。

次のコスタリカ戦までは中3日の強行日程なので、メンバーは何人か入れ替えてくるでしょう。このザンビア戦で途中出場した選手が場慣れして力を出して欲しいところで、W杯のような長期戦はチーム全体で勝ち進むつもりでいて欲しいものです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女版三笘薫降臨(1/28皇后杯日テレ対INAC)

2023-01-28 21:48:28 | レディース
今日は昭和記念公園から帰ってきて、女子サッカーの皇后杯決勝、日テレ対INACを見ていました。力関係では日テレが少し上だったようで、INACは女子サッカーでは珍しい3バックで守りを固めながら、速い攻めで日テレDFラインの裏を狙う戦術でした。愛川が放ったロングシュートが、クロスバーをヒットしたように、惜しい場面も作れていました。

しかし、日テレには新世代の「女版三笘薫」ともいうべき、ドリブラーが出現していました。日テレは3トップで、その右ウイングで出場していた19歳、藤野あおば選手です。INACも藤野の脅威はわかっている様子で、左ストッパーの竹重が藤野を主に見る役割になっていましたが、その警戒を打ち破ってボールが持てる、テクニシャンタイプのウイングでした。

この藤野からの展開が先制点につながりました。藤野が直接クロスを狙っていた場面はINACのDFが間に合っていましたが、それまであまり上がって来なかった右SBの宮川が上がってきたことでINAC守備陣はタイミングがずれ、中央にいたCFの植木がうまく相手DFのバランスが崩れたところに陣取っていました。その植木のダイレクトシュートで、日テレが1点をリードして前半を折り返します。

サイドで持って、CFの植木に合わせたい日テレの狙い通り、セットプレーで植木が空いたことで2点目が入り、日テレ優位は動かせないゲーム展開になります。INACはロングボールを入れてでも前に人数をかけたいところでしたが、どうしても自陣でボールをつなぐところでミスが出て、思うようにボールを前に運べない苦戦を強いられます。

そのため、INACは「無理はさせたくない(朴監督)」という回復途上のエースストライカーの田中美南を、高瀬と交代させて愛川と2トップを組ませてきます。しかし、INACは前に人数をかけることができないため、パスコースが1か所しかなく、容易に日テレ守備陣にパスコースを読まれてしまいました。トップ下の成宮に前を向いてボールを持たせることができなかったのも苦しい要因でした。

その後はINAC守備陣のミスを突いて2点を追加した日テレが、4-0でこの決勝戦を圧勝しました。ジュニアユースから一貫して若手を育てている日テレは選手の個人技のレベルが高く、ただパスを出すだけでなく相手をフェイントで釣ってから出すなど、日テレの強さだけが印象的だったこの試合でした。WEリーグでは日テレは4位で、この両者にはそれほどの差はないはずですが、勝負はわからないものです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

皇后杯準決勝浦和対C大阪

2022-01-06 22:15:51 | レディース
昨日は、風邪で会社を休んだので、皇后杯の準決勝、浦和レッズレディース対セレッソ大阪レディースの試合をテレビで見ていました。C大阪は昨年までなでしこリーグ所属でしたが、今年から新しく立ち上げたプロリーグ「WEリーグ」に参加しなかったので、主力選手の大半を他チームに引き抜かれ、大学生と高校生の混成チームで平均年齢19歳台という若いチームです。

若手主体のチームということで、元気に仕掛けてくるだろうなと予想はできましたが、39歳の安藤梢もいる浦和にとって、自陣までプレスに来るC大阪は嫌な相手でした。こんな位置までプレスに来るのかと、CBの南や高橋にとっては驚く相手だったことでしょう。いきなり、ミスからカウンターを食らった浦和は、2対1という不利な形を作られましたが、岩本のパスを受けたFW小山のシュートミスに救われます。

これで、少し浦和に気持ちが入ったようです。それからは、C大阪が攻め込んできたら、浦和が人数をかけて奪う、技術の差を見せる守り方ができるようになってきました。それ以降、C大阪のシュートはなく、美人という理由で映し出されるC大阪のFW岩本まりの選手などの画像はあったものの、浦和がボールを回してチャンスをうかがう展開に持ち込みます。

もっとも、浦和は攻め込む割になかなか攻撃を完結できませんでした。前半だけでシュート10本をC大阪ゴールに浴びせましたが、相手GK山下の好セーブもあってゴールは遠く、前半を0-0で折り返します。猶本がスルーパスに抜け出して、彼女のシュートを山下が足で止め、さらに塩越(写真)のシュートも止めるなどのスーパーセーブもありました。

そんな展開が動いたのはPKでした。試合を通して浦和に押し込まれたC大阪は、柴田のドリブルを相手DFがファウルしてPKを得ます。このPKは菅澤が蹴ったものの、相手GK山下が読みを当てて止めます。それでも、仕掛け続けた浦和は、塩越の至近距離のシュートに対し、DF筒井がハンドしたという判定で2度目のPKになり、これは菅澤が落ち着いて決めます。

結果的に、PKの1点だけの1-0ですから、浦和としては組織が機能しての勝利ではありません。それでも、2部リーグ相当のC大阪相手に力の差は見せた内容です。決勝戦は千葉が相手ですが、悲願の皇后杯優勝まであと一つまで来ました。男女両方でカップ戦優勝、是非とも見たいですね。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

皇后杯準々決勝浦和対広島

2022-01-04 14:38:39 | レディース
今更ですが、皇后杯準々決勝の浦和レディース対広島レディースの映像を見ました。広島は昨年までは存在せず、男子のサンフレッチェ広島の下部組織としてまったくのゼロからスタートし、他チームから集めてきた選手で構成したチームです。これに対し、浦和は2005年からある、女子サッカーでは老舗に入る部類のチームで、チームとしての完成度には差があるのではと思って、このゲームを見ていました。

広島には、元W杯優勝メンバーのMF近賀ゆかり、代表歴のあるFW上野真実ら、軸になる選手はいます。その選手を生かすための戦略は練られており、サイドのMF橘と中島に回して、ドリブルでサイドを崩すプレーで反撃を狙ってきました。ボール支配率では浦和の方が上だったゲームですが、浦和のボールの失い方が悪いと、広島のカウンターが飛んでくるゲームでした。

後半、浦和がトップ下の猶本光、左MFの塩越らを軸に組み立て、ボール支配率を上げに行きます。広島は右SBとFWが前半で負傷交代して交代枠を予想外の形で使っていたのも痛く、広島のシュートチャンスはなかなかできないゲームになります。浦和は猶本が蹴ったCKに、広島GKが頭上を抜かれる大きなミスをしながら、高橋はながこのヘディングシュートを外すという、こちらも痛いミスをしています。

それでも、ゲームを優位に運んでいた浦和に、後半36分にようやくゴールが生まれます。FW菅澤のポストプレーから、猶本にボールが戻り、左足のダイレクトボレーで放ったシュートがうまく決まって、浦和がリードを奪いました。ビハインドになった広島はロングボールを前線にどんどん放り込んで最後の勝負を賭けますが、カウンターで菅澤が抜け出して2点目を決めてゲームは決着しました。

今年が1年目の急造チームの広島ですが、実績のある選手を集めて、どうやって個性を発揮させるかは整理されていた印象は受けます。それでも、組織力はやはり老舗の浦和の方が上で、なでしこリーグ時代からほとんど変わらないメンバーで戦っていた浦和のパスはよくつながっていました。広島はFWにいい形でボールが入っておらず、そのあたりは組織力の差かもと思っていました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする