Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

80年代のサッカー

2024-01-10 20:47:56 | 高校サッカー
ベテランサポ恒例の昔話は、自分の少年時代だった80年代のサッカーです。1968年メキシコ五輪にFW釜本を擁して銅メダルを得た日本サッカーですが、チャンスだった1970年メキシコW杯予選で肝炎で釜本を欠いたことが響いて予選敗退すると、その後はW杯も五輪も予選通過を果たせない大会が続きます。そのため、80年代のサッカーは、「日本代表が弱いから見ない」というのが一般的なイメージでした。

そのあおりを受けたのが、当時の日本のトップリーグだった日本リーグでした。日本サッカーの父と言われた元日本代表監督、クラマー氏の提言で、「日本代表を強くするにはリーグ戦で強化する必要がある」との掛け声で作られた日本リーグでしたが、80年代は人気がなく、ガラガラのスタンドで行われることが常でした。当時、「国立競技場のバックスタンドで待つ」と言って、待ち合わせができたほどと聞きます。

しかし、そんなサッカー冬の時代にも、人気があったサッカーイベントはあります。それは全国高校サッカー選手権とトヨタカップでした。トヨタカップは欧州王者と南米王者の「インターコンチネンタルカップ」を日本に呼んだもので、W杯予選を日本代表が勝ち抜いて世界の強豪と対戦するのが夢物語だった時代で、数少ない世界最高峰を見られる試合でした。

意外にも高校サッカーは当時の花形イベントでした。当時から日テレが放映権を持っていて、準決勝と決勝は全国放送だったこともあり、この高校サッカー選手権が当時の国立競技場を満員にできた数少ないイベントでした。当時の主題歌「ふり向くな君は美しい」も有名で、当時私が通っていた小学校で昼休みにこの曲がBGMでかかっていたほどでした。

もっとも、高校サッカーが一番人気があるというのは、日本サッカーにとっては複雑でした。当時、高校サッカーで注目された選手が、日本リーグに行くと途端に注目されなくなるので、「高校サッカー燃え尽き症候群」というモチベーションの維持が難しい状況になったからです。もっとも、当時の日本代表がW杯に王手をかけた、1985年の韓国戦だけは国立競技場が満員になりました。

今でも木村和司のFKで知られるこの試合ですが、ホームアンドアウエーの2試合に連敗した日本のW杯出場はなりませんでした。もっとも、これで日本代表を強化するにはプロ化をという風潮ができて、のちのJリーグにつながります。時代の進歩には常に下地がありますが、今思えばこの頃に浦和レッズがあったらもっとサッカーにはまっていたでしょうね。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高校サッカー決勝(青森山田対近江)

2024-01-08 16:43:53 | 高校サッカー
今日の高校サッカー決勝、青森山田対近江の記事です。力的には通算3度選手権優勝、今季プレミアリーグ(高校、ユースチームの全国リーグ)優勝と実績を誇る青森山田が上なので、近江としてはこの試合をとにかく接戦に持ち込もうと、時には自陣に5バックを引かせて5-4-1で我慢する戦いを選択しました。前半、長い時間を0-0で推移したので、ある程度近江の狙いは見えた前半でした。

もっとも、近江はなかなか1トップの小山にボールを入れることができず、攻め切って時間を使うことはできませんでした。そのため、運動量や球際の強さで上回る青森山田はゲームプランであるサイドからのクロスを徹底させ、近江DFが必死で守って対応していたものの青森山田も狙い通りの前半でした。それは結果にも表れ、右からのクロスに、DFの間でうまく待った福島がワントラップしてシュートを決めて青森山田が1点を先制します。

1点ビハインドで後半を迎えた近江は、1トップを小山から山本に交代させます。また、左DFに入っていたキャプテン金山を左アウトサイドに1列上げており、布陣を変えずに少し攻めに出ます。この手は当たり、シャドーの浅井が見せたドリブルで青森山田DFが2枚置き去りにされ、金山のクロスを投入されたばかりの山本が押し込んで同点にすることができました。

前半はよく青森山田の攻撃に食らいついていた印象があった近江ですが、一つのスーパープレーが状況を一変させます。GKのロングフィードを福島が頭で落とし、杉本が近江の3バックの裏へパスを出すと、これにスピードのある1トップの米谷が追いつき、相手GKをもかわすプレーが出て、青森山田に勝ち越し点が生まれます。

こうなってくるとチームの地力の差が出始めてきました。近江は攻めに出ようと、CKのチャンスに人数をかけてきますが、そこからのカウンターで走れる枚数は青森山田の方が上で、何度もカウンターを仕掛けられて消耗した近江は、そのカウンターでのピンチからの杉本のシュートが近江DFに当たるオウンゴールで3-1とされ試合は決まります。

青森山田は雪国で冬場にグラウンドが使えないハンデを、徹底したフィジカルトレーニングでカバーする強化方針を取っています。そのため、1対1の強さやカウンターのときに走れる人数など、戦術とは関係ない個人の力が出る場面で力を発揮した印象が強いです。近江もよく食らいついた印象はありますが、やはり目下高校最強チームの青森山田は強かったと思います。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岡山学芸館対東山

2023-01-09 21:08:38 | 高校サッカー
今日は高校サッカー選手権の決勝戦、岡山学芸館対東山でした。岡山学芸館はパスサッカーの東山相手に、できるだけ長く0-0をキープする戦略だったようで、4バックの左SBと左MFを内側に寄せて、バイタルエリアの両側を6人で挟み込む慎重策で入ってきました。この岡山学芸館の守りに、東山は序盤からパスを回して対抗しますが、そのパスはなかなか岡山学芸館のブロックの内側に入れられていませんでした。

岡山学芸館の攻めは縦パス主体で、攻める回数も多くはなかったですが、そのワンチャンスに抜け出した今井のクロスから、東山DF4番の自陣に戻ってのクリアがミスになり、オウンゴールで岡山学芸館に先制点が入ります。押し気味に試合を運んでいた東山にとっては痛い誤算でしたが、それでも東山は右MFのC大阪内定の阪田に思い切ってドリブルで仕掛けるように指示を出し、膠着状態を打ち破ろうとしてきました。

そのサイドの仕掛けが当たりました。左MFの清水の仕掛けから、マイナスに出したクロスがボランチの真田のミドルシュートでクロスバーに当たってゴールの内側に跳ね、東山は同点ゴールを得てハーフタイムを折り返すことに成功します。この展開は、岡山学芸館にとっても、東山にとっても修正点ありというハーフタイムの指示で、岡山学芸館はサイドハーフを使って幅広く攻めるようにしました。

この修正が当たったのは岡山学芸館の方でした。前半は縦パスに今井を走らせる形に頼っていた岡山学芸館はサイドからクロスを上げられるようになり、そのクロスにボランチの木村がファーサイドで頭で合わせて、岡山学芸館は2-1とリードを奪うことに成功します。この展開を見た東山の福重監督は、布陣を4-3-3に変更する決断をし、思い切ってエースの阪田をベンチに下げてきました。

しかし、このゲームは予想外のところから動きました。岡山学芸館の右からのロングスローから、頭でつないだボールを木村が右足ボレーで合わせて、3-1としたことでこのゲームは決まりました。中学年代から一貫した指導をする岡山学芸館の地道な育成が、ここで明確に成果になりました。高校サッカーだと、中学時代に上手い選手を集めるよりは育成が重要と言われていますが、後に続く中学生にも希望を与えた優勝だったことでしょう。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

青森山田対大津(熊本)

2022-01-10 20:22:00 | 高校サッカー
今日の高校サッカーの決勝戦、テレビ観戦でした。風邪で国立競技場に出向くことは叶いませんでしたが、日本のユースレベルのサッカーでこんなに観客を呼べる大会はこれだけなので、毎年見ています。カードは青森山田対大津(熊本)です。青森山田は4年連続の決勝進出という、高校サッカーでは有数の強豪で、準決勝の高川学園(山口)相手に6-0と完勝しています。

これに対し、大津はサッカーの強豪校では珍しい公立高校です。過去には巻誠一郎(元千葉)、谷口彰悟(川崎)なども輩出している名門ですが、決勝進出は今回が初めてです。もっとも、準決勝の対戦相手だった関東一高(東京B)が新型コロナウイルスの影響で棄権したことで不戦勝となっての決勝進出で、青森山田の中1日に対し、大津は中4日空いているというスケジュールの優位性は持っていました。

しかし、そんな予想はゲームを見ていればあっさり覆されます。ボールを支配するのは青森山田で、運動量もテクニックもスピードも青森山田の方が上という動きの差を見せ、大津がサイドの攻撃的MFに回すと強烈なプレスで2人がかりで潰し、苦しくなった大津は前にクリアするだけでした。こうなれば、青森山田が一方的に攻める前半になりました。

それでも、CKを8本取られながらもGK佐藤の好守で何とか跳ね返していた大津ですが、9本目のCKでFW名須川の動きでニアサイドにわずかにスペースを空けて、そこにCB丸山を走り込ませるサインプレーを成功させ、その丸山のヘディングシュートで先制します。こうなれば青森山田のゲームでした。さらに左SB小野の突破から、ニアサイドに飛び込んで名須川のゴールで2-0とリードして前半を折り返します。

大津にわずかながらチャンスがあったのは後半開始直後でした。思い切って攻めるしかないと割り切って人数をかけて、相手ファウルで2度のFKのチャンスを得ました。これを味方選手に合わせることができれば可能性も出ましたが、青森山田はセットプレーも強く、大津に先に触らせない守備を見えました。この大津の攻勢をしのいだ青森山田は、CKからキャプテン松木が飛び込んでゴールを決めて3-0としてゲームを決めました。

終わってみれば大津のシュートは0本と、青森山田の圧勝に終わったゲームでした。上手さだけでなく、走れてフィジカルが強いという、総合的なレベルの高さを持っているチームが青森山田でした。昨年も最強チームを作りながらPK戦で山梨学院にまさかの敗戦を喫したので、リベンジの気持ちもあったでしょうが、実力をそのまま発揮できれば高校年代ではトップのチームでした。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高校サッカー選手権決勝(山梨学院対青森山田)

2021-01-11 19:40:32 | 高校サッカー
今日の高校サッカー選手権決勝は、山梨学院対青森山田のカードになり、2-2のまま延長戦でも決着が着かず、PK戦の末に山梨学院の優勝に終わりました。昨日、私の書いた予想が外れ、申し訳ございません。

戦前、青森山田の圧倒的な優位を予想していましたが、山梨学院が対抗できるとすれば得意とする縦パスを正確に通し、少ないチャンスで点を取れた場合だけだろうと思っていました。試合はまさにそんな展開になります。青森山田の攻勢をGK熊倉の好守で防ぎながらも、山梨学院も押されっぱなしにならず、縦パスを通していました。

これなら、準決勝で青森山田に圧倒された矢板中央よりは良い戦いができそうでしたが、山梨学院は右サイドを抜け出したチャンスに左MFの広澤が追い付き、前半11分といういい時間で先制することができました。これで、青森山田はサイドを何度も突破してクロスの嵐を浴びせますが、山梨学院が自陣に引いた分厚い守りの前になかなか得点が奪えない前半になります。

山梨学院はこのまま、1点を守り切るつもりのようにも見えましたが、前半の最後の15分に一方的に押し込まれたことで、GK熊倉は「このままでは持たないぞ」と警告を発していました。青森山田の、SBも含めて最大6枚で攻撃する圧力は、それほど脅威でした。

試合は本当にそうなります。青森山田の得点パターンの一つである内田のロングスローから、松木のシュートがGKに当たったところを藤原が押し込んで同点にすると、右サイドを突破した途中出場の藤森のクロスを、準決勝でハットトリックと勢いに乗る安斎がダイレクトで合わせて勝ち越しに成功します。

これで試合は終わったと思いました。しかし、山梨学院は2トップを交代させ、行くべきところと守るべきところの使い分けが上手いチームでした。誰もが不可能に思っていた同点ゴールが、競り合いのこぼれ球がFW野田のところに来たことで実現しました。

山梨学院はこれでPK戦も視野に入れながら、青森山田の得点を抑えに行くことが可能になりました。PK戦にはしたくない青森山田は猛攻を見せますが、延長戦を戦ってもゴールは生まれず、勝負はPK戦になりました。山梨学院はPK戦を2度勝っている落ち着きがあり、GK熊倉が一人を止め、青森山田の4人目が外したことでこの熱戦は決着が着きました。

山梨学院の監督は、「10回戦ったら9回負ける相手だが、その残り1回を今回にする準備はしてきた」と試合前にコメントしていました。大会最強チームの青森山田に対して、最後まで粘り抜いての勝利、見事でした。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大会最強チーム(青森山田高校)

2021-01-10 09:21:31 | 高校サッカー
準決勝のもう一試合、青森山田対矢板中央は、病院の都合で途中20分ほど見ていない時間があるので、ゲームレポートは書けません。それでも、この映像を見て、青森山田がこの大会の最強チームだということは伝わってきました。青森山田は一昨年優勝、去年準優勝と安定して上位につける、高校サッカー界トップのチームです。

もっとも、青森山田を大会最強チームと呼ぶのはそれが理由ではありません。青森山田の今年のチームの戦い方に理由があります。去年準優勝のチームは、強かったものの、攻撃力にそれほどの自信がなかったようで、守備を固めてからのカウンター攻撃を見せていました。

しかし、今年のチームは戦術を4-1-4-1に変え、アンカーに宇野を残して残り5枚は思い切って前に仕掛けます。しかも、それでも攻めきれないと見ると、右SBの内田をウイング的に上げ、6枚攻撃を見せることもあります。これで、対戦相手の矢板中央はFW一人を残して全員で守備をせざるを得なくなります。

もっとも、守る側の矢板中央が、守りながらカウンター攻撃で少ないチャンスを機能させていれば、この試合はわかりません。青森山田の強さはぎりぎりのボールをマイボールにできる能力の高さで、この能力の前に矢板中央はまったくカウンターを出すことができず、一方的に押し込まれてしまうことになりました。

これで、勝負のポイントは青森山田にいつ先制点が入るかに絞られました。先制点がなかなか入らないと、青森山田がおかしくなってくる可能性もあるからですが、その先制点は前半の早い時間に、左ウイングの安斎がGK藤井の手を弾く強烈なシュートを決めて青森山田に入りました。これで、あとは青森山田に何点入るかとなり、事実この試合は5-0の大差で青森山田の勝利に終わりました。

決勝戦の相手、山梨学院も矢板中央と同じ堅守のチームで、またこの日と同じような展開になる可能性もあります。しかし、あまのじゃくは私は山梨学院が勝つとすればどういう展開かを、山梨学院の監督になったつもりで考えてみました。まず、山梨学院が得意とする、FW目掛けて蹴るロングボールを確実に通すことです。また、青森山田はSBを上げている時間は後ろに四人しかいないので、アンカーの宇野を個人技で抜くことができればビッグチャンスになります。山梨学院が勝つとすれば1-0しかないでしょうが、その番狂わせを狙って、山梨学院サイドは入念に策を練っているはずです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山梨学院対帝京長岡

2021-01-09 17:18:18 | 高校サッカー
テレビが見られるようになったので、高校サッカー選手権の準決勝、山梨学院対帝京長岡を見ていました。こういう、どういうチームかがわからない試合を見るときは序盤に注目しますが、いきなり山梨学院がミドルシュートのこぼれ球を押し込んで1点を先制する、波乱含みのスタートでした。

山梨学院は、どちらかと言えば堅守速攻タイプですが、攻撃できる状況になったときの集中力が優れています。たとえ、攻撃を完結できなくても前からプレッシャーに行って奪い返して、2次攻撃、3次攻撃をすることができます。そうやって、相手にカウンター攻撃を許さなかったので、準決勝までの4試合を4得点と少ない点を守り切って勝てたのでしょう。

そのまま、山梨学院が攻め続ければ大差になる試合かと思われましたが、次第に帝京長岡の良さも見えてきました。帝京長岡の良さは、グラウンドの幅を最大限に生かしたパスサッカーです。これで帝京長岡の方にボールが回るようになり、山梨学院は自陣に2ラインを引いて我慢する展開になります。

それでも、帝京長岡は最後のシュートをなかなか枠に飛ばすことができず、攻めてはいるもののゴールが遠い内容でした。こうなってくると、山梨学院の持っている粘り強さが効いてきて、ロングスローをDFの3番が頭で合わせるシュートで2-0とします。しかし、これで勝負は着きませんでした。帝京長岡がCBを下げて攻撃的MFを入れるギャンブルを打ったことで流れが出て、ゴール前でフリーになったキャプテンの14番のゴールで1点を返します。

その後の試合は、帝京長岡がパスを回し、山梨学院はロングボールを前線に収めてから反撃の機会をうかがうという展開でした。山梨学院のロングボールは、見た目は美しくないものの勝つためには一つの手段で、かつて高校サッカーを席巻した国見高校を思わせる手堅い策でした。逃げ切りが見えてきそうな終盤、帝京長岡が右サイドからクロスを入れると、山梨学院14番がゴール前でファウルしてPKになります。

このPKは帝京長岡キャプテンが真ん中に蹴る大胆なキックで同点となり、この好勝負は90分で決着が着かずPK戦にもつれ込みます。そのPK戦も波乱含みでした。ゲーム中にPKを決めて精神的に優位かと思われた帝京長岡キャプテンが、一人目で山梨学院GKに止められます。二度は真ん中に蹴っては来ないだろうという読みもあったのでしょう。

帝京長岡は二人目がまさかのキックミスで外し、帝京長岡のGKが1年生という経験の差が出るかと思っていました。しかし、この1年生GKが山梨学院のPKを二度止め、帝京長岡の4人目が成功すれば同点というところまでもつれ込みます。

結果的には、この4人目を山梨学院GKが止めたことでこの勝負は終わりました。しかし、好対照だった両チームのサッカーが、最後までぶつかり合ったこの試合は名勝負でした。山梨学院は決勝に進出します。青森山田は今大会最強チームですが、その粘りがどこまで通用するか楽しみです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

青森山田対静岡学園

2020-01-13 22:16:03 | 高校サッカー
今日は大相撲初場所を見に両国国技館に出かけていたので、ビデオ観戦ですが高校サッカーの決勝戦、青森山田対静岡学園を見ていました。チームカラーが全く違うこの両者の対戦で、静岡学園がボールをキープして攻め、青森山田が自陣に2ラインを引いてカウンター狙いという予想通りの展開になりました。

もっとも、準決勝で静岡学園が苦戦した矢板中央より、青森山田は明確に上回る点がありました。それはセットプレーの強さです。最初にセットプレーからDFの5番のヘディングシュートで先制するのは青森山田の狙い通りで、これまでもそうやってリードを守り切ってここまで勝ち上がってきたのでしょう。さらに、青森山田はDFライン裏に出たボールを追った武田が、相手GKに倒されてPKを得ます。

そのPKを武田自身が決めて2-0になれば、あとは青森山田の得意な逃げ切りのサッカーに持ち込んだという印象も受けます。もっとも、前半終了間際で、CKの守備から、相手DFのトラップミスが中谷のところにこぼれてきたチャンスを落ち着いた決め、静岡学園が1点を返したところにこの試合の伏線がありました。

後半、試合の様相は変わりました。前半はブロックの外で回していた印象もあった静岡学園が、青森山田のブロックの中にボールを入れられるようになってきました。ブロックの中は本来プレッシャーがきついので、これまでの相手は常に2枚がつき苦しみましたが、静岡学園の個人のテクニックが、そのプレッシャーに勝てるようになってきました。

また、青森山田のカウンターが後半、つながらなくなってきたのも試合の流れが変わった理由でした。エース武田は前で孤立するようになり、縦へのボールは容易に静岡学園に回収されたことで、静岡学園の一方的なペースになりました。こうなれば次第に青森山田の運動量が落ち始め、静岡学園のFW加納が相手DFを個人技でかわすシュートが出て同点としたことで、試合の勢いは変わりました。

最後は静岡学園ボールのFKからの中谷のヘディングで、0-2から逆転という劇的な展開で静岡学園が24年ぶりの優勝を果たしました。あの王者青森山田の、これほど苦しむ展開は驚きました。それを可能にした、個人技主体の静岡学園の指導が、この展開を生んだのでしょう。こちらを生で見ていればまた違った感想を持ったかもしれないですね。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

静岡学園対矢板中央

2020-01-11 22:00:22 | 高校サッカー
高校サッカーの準決勝、静岡学園対矢板中央(栃木)の映像を見ていました。こういう、どういうチームがわからない試合を見るときは、最初にどちらがボールを持つか、誰にボールを集めるかを見ます。試合の見どころはすぐにわかりました。静岡学園がボールを持って4-3-3のサイドを仕掛け、矢板中央は4-4-2の後ろ2ラインを自陣に引いて守る展開です。

矢板中央はもともとが堅守速攻を旗印にしているチームですが、この日は静岡学園に徹底的に押し込まれてしまいました。それでも、矢板中央はFWの2枚にまで守備をさせて自陣にブロックを作り、ひたすらクリアで耐える展開を続けます。矢板中央のカウンターはほとんどつながらず、前半は矢板中央のシュートは0本に抑えられます。

静岡学園はJ1鹿島内定の右FW松村が中心のチームです。彼を中心にサイドを何度も仕掛け、クロスを次々と送りますが、最後のシュートだけが遠い展開でした。静岡学園はセットプレーにも強さを持っており、CB阿部の頭を何度も狙ってきますが、矢板中央のDFも強くシュートは枠内に飛びませんでした。

最終的には、シュート数は静岡学園26本、矢板中央1本と大きな差がつく試合になりますが、スコアだけは終盤まで0-0が続きます。矢板中央サイドとしては「狙い通り」とPK戦決着も視野に入れていたようです。この試合は45分ハーフと、高校サッカーの準々決勝までの40分ハーフから10分長くなっていました。その長くなった分がどう出るかというのもポイントでした。

このような一方的な展開だと、後半が5分長くなると攻める静岡学園に有利になるだろうと思われます。結果的に、最後のロスタイム、静岡学園の突破を矢板中央6番がファウルしてPKになり、このPKを松村が決めてこれが決勝点となり1-0で静岡学園の勝利に終わりました。40分ハーフだったらPK戦だった、ルールの綾です。

これで決勝戦のカードは青森山田対静岡学園に決まりました。これまでの戦いを見ていると静岡学園が攻めて、青森山田がカウンターを繰り出すという構図になりそうです。もっとも、青森山田の守備はこの日の矢板中央より体力レベルが上という印象もあり、終盤までもつれる面白い攻防が見られるのではと思っています。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昌平対青森山田

2020-01-05 16:49:31 | 高校サッカー
高校サッカーの準々決勝、昌平対青森山田をテレビ観戦しました。埼玉で一番のパスサッカーを見せると高い理想を追って作られた昌平のサッカーは、2回戦の興国戦、3回戦の国学院久我山戦を通じて相手のシュートをわずか5本に抑える完成度を見せます。もっとも、この日の相手、青森山田はこの年代での最強チームで、ユース年代の最高峰の高円宮杯プレミアリーグで優勝の実績を誇ります。

青森山田の強さはすぐに伝わってきました。決して無理に前からは行かない堅実なサッカーですが、後ろの2ラインの連動性が取れており、昌平が前にパスをつなごうとすると常に2枚がマークについてきました。そこからのカウンターの精度が非常に高く、10分にバイタルエリアで浦川がフリーになり、一旦は相手GKに止められたものの跳ね返りを落ち着いてゴールに流し込み先制します。

2点目も19分に後藤に取られた昌平としては、非常に難しい試合になってしまいました。パスは回せても人数をかけて上げると相手のカウンターが怖いという理由もあって、サイドに1トップの小見を走らせても後が続かない苦しい展開になります。それでも、前半を0-2でしのげば可能性も残りましたが、前半終了間際にクロスを武田に合わされた3点目で、相当の苦境に立たされることになります。

しかし、高校サッカーは6日間で3試合もしくは4試合を行う過酷なスケジュールなので、チームコンディションを維持するのが難しい大会です。その難しさは、後半9分に青森山田のバックパスがミスになるという、信じられないようなプレーに現れることになります。これを拾った小見が出したスルーパスに、トップ下の須藤が追いついてゴールを決めて、昌平が追い上げを開始します。

このゴールで流れは完全に変わりました。青森山田の後ろ2ラインの動きが明らかに落ちてきたからです。昌平のパスに対して、青森山田のMFがチェックに行けなくなったことで昌平のパスが回るようになってきます。こうなれば昌平にもチャンスが生まれ、途中出場のFW山内のゴールであと1点までたどり着きます。

そこからは昌平が押し、青森山田はしのぐのがやっとという終盤になりますが、何とか青森山田が逃げ切りに成功して4強進出を決めました。2ラインを自陣に引くサッカーで完封を狙った青森山田のサッカーが、最後にほころびを見せたのですから高校年代のサッカーはわからないものです。準決勝まで1週間空くので調整が可能で、そこで立て直してくる可能性もありますが、優勝候補が見せたもたつきに、選手権の難しさを感じました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする