Kobby loves 埼玉&レッズ

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劣勢を跳ね返す(広島対マゼンベ)

2015-12-13 22:15:24 | 他チーム
クラブW杯準々決勝は、広島対マゼンベ(コンゴ民主共和国)も見ていました。序盤はマゼンベが圧倒した試合になりました。広島の誇る、佐藤寿人へのスルーパスやミキッチの1対1の突破、セカンドボールの処理などの長所がことごとくマゼンベの身体能力に潰されていました。マゼンベのような、サハラ砂漠以南の国がアフリカCLを制することはこれまで珍しかったですが、コンゴ民主共和国といえばレアメタルの国で、その景気がチームに反映したのでしょう。

序盤で広島が失点すれば、勝負は早々と決まってしまうだろうと、広島のサポにとっては絶望的な展開に見えました。前半のCKが、広島1本に対しマゼンベ8本と圧倒され、そのCKが決まれば終わりだったでしょう。それでも、広島は粘りを見せました。DF陣は上背で劣っても体をつけて相手のバランスを崩し、相手のミドルシュートには体を投げ出してブロックしました。これだけの身体能力を相手にするのはおそらく初めてだったでしょうが、基本を徹底する強さが広島にはありました。

その広島の1本のCKが試合を分けました。おそらく練習でやっていた形でしょう。茶島のクロスは一見ミスキックで、ゴール前に届かないボールに見えました。しかし、それをニアに走り込んだ佐々木が後ろへ流し、そこをドウグラスと塩谷が詰めて、塩谷が触ってゴールになりました。CKは、直接届けば対応が効きますが、ニアサイドで触られてしまうとGKやDFはどうしようもないと聞きます。マゼンベがミスキックだろうと思って、一瞬集中が切れたタイミングがゴールにつながりました。

その後、広島はまたもCKから千葉のゴールで追加点を入れます。2-0の展開で、マゼンベは攻撃的な選手を次々と投入せざるを得なくなり、前半あれだけ機能していたシングルマ(10番)、アサーレ(7番)、トラオレ(11番)の攻撃を放棄することになります。最後の交代枠では、左SBボアテング(27番)を下げて攻撃的MFを入れて、トラオレを急造DFに下げる交代に出ましたが、その急造DFトラオレのところをミキッチに狙われて失点と、マゼンベは全ての手が裏目に出ました。

もちろん、広島の次の相手、南米代表のリバープレートには苦戦は免れないでしょう。しかし、劣勢を耐えて跳ね返した強さは何かを広島にもたらしたはずです。また、広島の試合を見てみようという気持ちになりました。
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中国人で組織したオプション(広州対クラブアメリカ)

2015-12-13 21:49:43 | ワールドサッカー
クラブW杯準々決勝、広州(中国)対クラブアメリカ(メキシコ:以下アメリカと書きます)を見ていました。こういう、異なる大陸のチームの対戦では事前の視察が難しく、予想と違うフォーメーションが十分あり得ます。広州が、予想フォーメーションの4-2-3-1を手直しして、右MFの16番をボランチ気味に下げてきたので、アメリカ側がうまく対応できず、序盤は広州がボールを回していました。

しかし、回されながらも、アメリカはカウンターを常に狙っていました。アメリカのロングボールの精度は高く、31番のキンテロが空くことが何度かありました。アメリカはメキシコのチームですが、実態は「南米選抜」ともいえる南米各国の選手を集めており、メキシコ人はスタメンに2,3人です。そのメンバーの連携は熟成されており、広州の攻めをうまくいなすダイレクトプレーが冴えていました。

アメリカの2トップが機能して、ベネデット(9番)のドリブルからクロスを頭でペラルタ(24番)が押し込んだ時点で、アメリカの勝利は確実と考えていました。広州のルイス・フェリペ監督は追い込まれて次々と交代カードを切らざるを得ず、早い時間で交代枠を使い果たし、しかも売り物のブラジル人はロビーニョ(56番)が守備に難ありという理由で後半頭で交代、ポストプレーヤーのエウケソン(9番)もボールに絡むことができず交代と、広州としてはある程度負けも覚悟したでしょう。

しかし、苦し紛れに打った、1トップ告林(29番)のオプションが意外にも当たりました。告林はエウケソンより運動量が多いポストプレーヤーで、前線でボールを落ち着かせて流れを呼び戻しました。右MFに27番(ジョン・ロン)、左MFに20番(ユー・ハンチャオ)と中国人で組織した攻撃もパスが回り始めました。

また、ブラジルW杯にも出場した超大物である元トットナムのボランチ、パウリーニョ(8番)が意地を見せました。同点ゴールの場面ではパウリーニョが自陣から長いドリブルで攻めあがったところを、告林がポストプレーで戻し、27番がミドルを突き刺したものです。しかし、それでも交代枠の関係で延長になれば広州不利です。

もう延長戦は間違いないと感じたロスタイム、CKをパウリーニョが押し込んで広州が勝利し、悲願であったバルセロナとの対戦を実現しました。ブラジル人が機能しなかったときに備えて、中国人で組織するオプションを用意した、フェリペ監督の育成が成果を出した試合でした。
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