②アストロバイオロジー 宇宙が語る<生命の起源>

2011-11-25 15:33:25 | 日記
小林憲正著  岩波科学ライブラリー147

生命のコンセンサスを急速に進めたのは、他ならぬ地球の極限環境生物学だった。
地球の生物圏は太陽エネルギーに依存している、というのが常識だった。しかし、太陽光の届かない環境にも未知の生物圏が存在することが明らかになってきた。ひとつは地下、もうひとつは深海。ここに生息する生物は太陽光の代わりに、地球の持つ化学エネルギー(メタン・硫化水素・アンモニア・鉄イオン)を餌にしていたのだ。
こうなると、酸素・水素・窒素・(つまりは大気と水・海水)が存在する惑星を探すのが生命探査の唯一の手段ではなくなってくる。かくしてアストロバイオロジー(直訳すると宇宙生物学)が登場したと言う次第。
ただ、この方法が有効なのは探査機が及ぶ太陽系内だろうから、対象は微生物になるだろう。太陽系外となると電波による探査だから、電波を受信・送信できる知的生命体が相手ということになる(=SEТI・地球外知的生命探査)。結果は? 途方もない時が必要だ。
地球上の知的生命体が核戦争など起こさず、かつ環境問題をクリアし、高度な文明を1000万年維持できれば!? 宇宙の何処からかの返信を手にすることができるかもしれない。

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