鳥頭なんて誰か言った? -動物の「知能」にかんする大いなる誤解-

2019-09-05 09:29:50 | 日記

エマニュエル・プイトバ著  早川書房刊

地球上で一番賢いのは? ヒトである。なぜか? 道具を使うからだ。つまり、知恵がある。では、道具を使えば、その生き物はねヒトと同じように知恵があるのか? ヒトとどちらが上なのか?
本書は、この疑問に真正面から取り組んだ本である。実は、我々はすでに多くの生き物が道具を使ってることを知っている。著者はさらに観察を重ねてたくさんの例を挙げている。その結果は……知恵とは何だ、というところに行き着く。道具を使う、というヒトの優位性は怪しくなってくる。
それどころか、著者は最後の章でラマルクの「(賢いヒトは)地球を住めなくした後に、自分自身を自らの手で絶滅させる運命にある」という一節を引用しているくらいだ。どうやら、地球上で一番賢いのはヒトではないようだ!
追記 ところで、本書に登場する生き物にはリンネの二名法によるラテン語が付されている。彼女(著者) のルールならばヒトはヒト属ヒトのラテン語が付される筈なのだが、そうはなっていない。ヒトも生き物の一種類なのに……。ここに、著者の主張が隠されていると思うのは考え過ぎだろうか?

 

 


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