祈りよ力となれーリーマ・ボウイー自伝ー

2013-01-14 15:35:08 | 日記

リーマ・ボウイー著   英治出版刊

本書は14年間にも亘る内戦が激化するリベリアにおいて、<女性達による平和への大衆行動>を立ち上げ、停戦実現に大きな役割を果たした著者の自伝である。身を捨てたガンジー振りの行動に対して、2011年ノーベル平和賞を受賞した人と言えば記憶にある人もいるにいるにちがいない。その奮闘と苦労、そのために払った犠牲に関しては本書を読んで欲しい。というか、とてもではないが書けない。
ここで言いたいのは、タイトルである。確かに著者は悩んだり、苦しんだりした時、聖書を開き、その度に立ち直っている。それも、何度も……。しかしだ。原題は「Mighty Be Our Powers -How Sisterhood、Prayer、and Sex Changed a Nation at Warー」だ。どこにも「祈りよ力となれ」なんて出てこない。
原題を無視し過ぎている。彼女がしたことは原題そのもので、ノーベル平和賞もそれに対して与えられた筈なのに……。どこでとっ違えたのか分からないけれど、意訳すぎる。本書の主題を伝えるには、タイトルとして失格だ。
ただし、それを無視すればぜひ読んだ方がいい。そして、自分には出来るだろうか、と内省してみることも。

 


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