書体は本の「声」である(2)

2014-10-05 16:19:16 | 日記

稲泉連著  ちくま 10 2014 筑摩書房のPR誌である。

面白い記事を読んだ。国 東 愛 永 袋 霊 酬 今 力 鷹 三 鬱。この12字が基本なのだが、何故か? ヒントは「永字八法」。感のよい人ならばタイトルとヒントで分かるかもしれない。これは活字を作る時の試作の基本となる文字だそう。この12文字には点、横画、縦画、ハネ、右払い、左払い……といった漢字の基本パーツが含まれている。
本文は大日本印刷の秀英体の大改刻の話である(2006年)。
本文用の明朝が一つのフォントにつき約23000字、秀永体のラインアップでは12万字。これ全てデザインしたそうだ。なんと7年かかった。あまり自分には関係ないと思ったひとも多いと思うが、デジタルフォントとして我々にはお馴染みの文字なのだ。その苦労と根気は如何ばかりだったかと思う。
いや、本当に知らなかった……。


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