ご先祖様はどちら様

2011-09-24 15:11:24 | 日記
高橋秀実著  新潮社刊

私も家系図作りに挑戦したことがある(必要に迫られたからだが)。
祖父母・両親・私の世代・子・孫の五世代で手を挙げた。なにしろ時代が違うのである。祖父達の世代では妾は当たり前だった。この段階で母不明の大叔父・大叔母がいたし、父母の世代にも母不明の叔父・叔母が居ると言う状態で、この時点でルーツ探しは止めた。但し、苗字からくる歴史とルーツは文献で調べたが、その結果ルーツの先祖の母上は女性だったが、父上は蛇だった。あぁ~。
著者は自分のルーツを探るために、実にタフに行動する。戸籍を調べるだけで、かなりの時間と費用が必要なのだが、彼は敢えて挑戦している。とくに傑作なのはルーツを辿っているうちに、祖先が源氏と平氏のどちらの系譜も出てきてしまうところだ(私の場合は南朝方と北朝方の両方のデータが出てきてしまった)。
しかし、最後に祖父母の墓参りをし、「祖先が居た」ではなく「祖先は居る」という感想を持つ所が良い。結局、ルーツを探るということは、今、自分が存在しているのは、沢山の先祖が居た結果なのだ。多分、彼の感想は正しいと思う。
文章は、洒脱でユーモアがあり読みやすい。時間があるときに読んでみたらいかが。

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