宿 神(しゅくじん)

2015-05-22 08:53:05 | 日記

夢枕 獏著  朝日文庫全四巻

西行(佐藤義清)と平清盛が主人公である。横糸が待賢門院たま子と西行の恋、そして、縦糸が宿神ということになる。西行と清盛という組み合わせも面白いし(同年で、同じ北面の武士だった)、西行の和歌が゛時系列で出てくるので、西行の和歌の変遷が分かるのもいい。
ただし、肝心の宿神との絡みがいつもの夢枕獏ワールドからすると物足りない、と私は思った。これも6年掛かったそうだ。私は最初から完結するまでじっと待っていて今回読了したというわけ。
それなりに面白かったけれど、正直言うと少々物足りなかった。多分、歌人としての西行はともかくとして、人間としての西行には好感を持っていない私の個人的な理由による。


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