天皇と葬儀  -日本人の死生観-

2014-02-25 16:24:49 | 日記

井上 亮著  新潮新書

ユニークな本である。天皇家の葬儀の通史というのは初めて読んだ。葬儀の歴史? と首を傾げる人も多いかと思うが、土葬で葬るか、火葬にするか、これ事態問題であるらしい。宮内庁から「今後の御陵と御葬儀のあり方」が発表されたが、そこにどんな問題があるのかを正確に理解した人は多くなかった筈だ。本書はそれを古代から現代まで、通史で述べられている。
もうひとつ、葬儀に仏教僧が関わった時代が何時だったかも教えてくれる。我々には至極当たり前なことなのだが(神式の家もあるが)。この経過も読んでいて、なるほどと思った。
天皇家という一見遠い存在の葬儀が、実は我々庶民の問題であることがよくわかる。ご一読を。