我に秘薬あり -家康の天下とりと正倉院の名薬「紫雪」-

2014-02-03 15:47:35 | 日記

山崎光夫著   講談社刊

徳川家康の医者嫌いと、自ら調薬したプロ顔負けの調剤師だったことは、史実にも詳しい。しかし、究極の解毒剤を求めていた家康の側面は、これまで知られていなかった。
本書は、そこに焦点を当てたもの。著者は漢方薬に詳しい人らしく、その秘薬に使われた薬剤を詳細に追求している。
本書の最大のポイントは正倉院にある。何故? 正倉院。ここが読みどころ。面白いですよ。同時に、戦国末期から徳川時代にかけての漢方医の系譜もわかる。私としては、この辺をもう少し詳しく知りたかったけれど。
もうひとつ。家康の側近・黒衣の宰相と言われた天海も、一枚噛んでいたのではないか? なにしろ108歳まで生きた坊さんだから、お裾分けでそれを飲んでいたではないか、と思うのだけれど、どうだろうか。