人類大移動 -アフリカからイースター島へ-

2013-01-22 08:39:52 | 日記

印東道子 編   朝日新聞出版刊

人類史は日々書き換えられている。様々な分析手法(人類学、考古学、遺伝学、地理学、言語学、気象学等々)から新しい知見が発表されているからだ。一年前の説が否定されたりして、油断できない。良い例が、ネアンデルタール人と新人は混血していなかったという説。数年前までは混血していなかったという説が主流だったが、今ではDNA分析で混血していたことが証明され、我々東ユーラシアに住む現代人にも彼等のゲノムが1%から4%(これって、現代人とチンパンジーのゲノムの違いではなかったけ?)ほど伝わっていることが分かった。
本書は編者の他に12人が各々のジャンルでの新しい知見を発表している。もちろん、これらも1、2年後には否定されるかもしないが。圧巻なのは編者の印東氏が担当した「海を越えてオセアニアへ(4章)」である。出アフリカした人類がなぜ、どうやってあの広い太平洋に拡散していったのかを豊富な図版で説明している。わずか250頁であるが図版が多く、分かりやすい。