脳の中の身体地図

2012-05-22 15:05:29 | 日記

サンドラ・ブレイクスリー・マシュー・ブレイクスリー著  ㈱インターシフト刊

本書は、前回読んだ『脳はすすんでだまされたがる』の著者あとがきに「ライターのサンドラは脳内の運動制御にかかわる神経科学を大学院レベルで容易に教えられるだろう」と紹介されていたので、買った次第。
ところで、共著者は姓から分かるように彼女の息子さん。驚いたことに、彼はサイエンスライターの四代目だそうだ。曽祖父はアメリカのサイエンスライターの草分け、祖父はAP通信の科学編集者、そして母は脳科学専門のサイエンスライター、そして子へと続く。あるのですねぇ。氏より育ちか、どちらか分からないけれど、きっと子供の頃から、科学用語は耳に馴染んだ言葉だったのでしょう。
さて、本書。サブタイトルは「ボディ・マップのおかげで、たいていのことがうまくいくわけ」。読んでみる価値は十分ある。まず思い当たることが、四つか五つはあるはず。例えば「減量しても太っていると思う」、「拒食症」、「うまいゴルファーがだめになるとき」、「幻肢の謎」、「心霊治療はなぜ効くか」、「痛みを鎮める最新治療」。
これらは脳の中にある身体マップの誤作動・混乱・障害・誤認に起因しているそうだ。本書はこれらに対する最新知識・治療法・予防法が紹介されている。あなた自身だけではない。家族にこうした障害を持った人がいるのならば、それがどぅいう状況なのかを、偏見なく正しく理解する手助けにもなる。難しい文章ではない。平易で、誰もが肯ける例をあげて解説してあるので、構えて読む必要はない。