ブータン、これでいいのだ

2012-03-08 14:48:13 | 日記

御手洗端子著  新潮社刊

実は今、無茶苦茶腹の立つ本を読んでいる(著者にではない)。本書は気分転換のために買った本だが(本当に、4~5ページ読むと本を伏せたくなるのだ)、読み易さに任せて先に読了してしまった。
著者は2010年9月から一年間ブータン政府のGNHコミッションに初代首相フェローとして勤めた人。つまりお役人だった人。さすが、見るべきものを見、聞くべきことを聞いている。無論、私もブータンが「幸せの国」だと鵜呑みにはしていなかった。標高2500メートルのヒマラヤの麓にある国。面積は九州と同じくらい、人口68万人(東京の練馬区か大田区ぐらい)、この国にある資源は限られたものに違いないから、経済の飛躍的な発展など望むべきもない(念のため、世界地図で確かめてみてください)。
しかし、である。著者によれば、やっぱりブータンは幸せの国なのである。ただ、幸せを測るスケールの質と尺度が違うのである。詳しいことは本書に譲る。正に「百聞は一見に如かず」を地で行った本。著者は、もう一度ブータンに行くのではないだろうか。そんな予感がした。