FBI美術捜査官 ー 奪われた名画を追えー

2011-09-29 14:46:31 | 日記
ロバート・K・ウィとマン ジョン・シフマン著  柏書房刊

「事実は小説より奇なり」を地で行く本。タイトルから予想が付くと思うので、内容については書かない。気がついたことが2点。
ひとつは、美術品泥棒は意外と頭が悪いというか、計画性がない。素人考えだと、先ず買い手の目星を付けて(と言うよりも、買い取りの内約を取って)犯行に及ぶものだと考える。買い手は何処にでも居るものではない。極端なことを言えばピカソの絵が欲しい人は万金を積んでも欲しい物だが、関心のない人にはどうでもいいものだ。
ところが、美術品泥棒は意外にも買い手の目論見を持たないまま犯行に及ぶ。結果として、自ら買値をダンピングするらしい。そして、その辺が逮捕に繋がるポイントらしい。
もうひとつは、盗難美術品の捜査・回収はFBIでは花形部署ではないらしく、彼が指導した部下たちも脚光を浴びる部署に移って行ってしまうそうだ(一部の国を除くと、他の国でも事情は同じらしい)。
著者が強調しているように、美術品や歴史的な遺物を盗まれると言うことは「その国の人々の歴史・文化が盗まれた」ということなのだ。