ジグザグ山歩き

山歩き、散歩、映画など日々、見たこと、聴いたこと、感じたことなどつれづれに。

ボルベール

2007-06-30 16:43:37 | Weblog
本日から公開となった「ボルベール」を見た。
今年のカンヌ映画祭で、脚本賞を授賞し、ペネロペ・クルスらが主演女優賞を獲得して話題になったペドロ・アルモドバル監督の作品である。
ボルベールとは、スペイン語で、「帰郷」「帰還」などの意味を持ち、監督自身の帰郷がいくつか含まれているという。文字通り、彼の故郷のラ・マンチャへの帰郷、コメティへの回帰、女性社会を正面から描くことの回帰、女優カルメン・マウラとの19年ぶりの仕事などがあげられるとのこと。そして、作品のもっとも重要な帰郷は、母親である。ライムンダ(ペネロペ・クルス)は母が教えてくれた「ボルベール」を歌いながら生前、分かり合うことのなかった母との関係に思いをはせたが、タンゴの名曲も楽しめ、 哀しくも可笑しい、祖母・母・娘三世代の人生を綴ったドラマになっている。
つまり、この映画では、危うさもありながら、たくましく生きる女達を中心に過去の秘密や親子の愛情などが描かれていて、男は出てきても、ひどい男だったり、登場もしない情けないろくな男でなかったりする。それでも男に対する憎しみと同時に温かい眼も描かれている。いずれにしても女性賛歌の映画である。やはり、女は強しである。監督が男であることも考えさせられる。

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