おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

アバター

2023-07-21 07:13:03 | 映画
2019/1/1より始めておりますので10日ごとに記録を辿ってみます。
興味のある方はバックナンバーからご覧下さい。

2019/1/21は「インセプション」で、以下「インファナル・アフェア」「ウエスト・サイド物語」「浮雲」「雨月物語」「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」「うなぎ」「海よりもまだ深く」「海を飛ぶ夢」「裏切りのサーカス」「裏窓」と続きました。

「アバター」 2009年 アメリカ


監督 ジェームズ・キャメロン
出演 サム・ワーシントン ゾーイ・サルダナ
   シガーニー・ウィーヴァー スティーヴン・ラング
   ミシェル・ロドリゲス ジョヴァンニ・リビシ
   ジョエル・デヴィッド・ムーア CCH・パウンダー

ストーリー
22世紀。人類は地球から遠く離れた宇宙にまで進出していた。
そこで豊かな大自然と未知の動植物が生息する衛星パンドラに出会い、“アバター・プロジェクト”を開始する。
青い肌と人間よりも大きな体を持ち、原始的な生活を送る先住民族“ナヴィ”が暮らすこの星の大地には、莫大な利益をもたらす鉱物が眠っていた。
だが、大気は人間にとって有毒な性質で、鉱物採掘を実現するには大気の問題をクリアしなければならない。
これを解決するために、ナヴィと人間のDNAを組み合わせた肉体“アバター”を生み出し、自由に活動できるようにすること。
それがプロジェクトの目的だった。
戦争で負傷し下半身不随となり車いす生活を余儀なくされた元海兵隊員のジェイク。
ある時、彼は“アバター・プロジェクト”にスカウトされる。
車椅子の生活を送っていたジェイクは、体の自由を取り戻すために計画に参加、“アバター”を手に入れる。
そしてジェイクに課せられた任務は、そのアバターに意識をリンクさせ、遠隔操縦によりパンドラで生活し、ナヴィ族との交流を図ること。
アバターを介してついに身体の自由を得たジェイクは、さっそく神秘的なパンドラの森へと足を踏み入れ、やがてナヴィ族の美しい女性ネイティリと運命的な出会いを果たす。
次第にパンドラの生命を脅かす任務に疑問を抱くようになったジェイクは、やがてこの星の運命を決する選択を強いられていくのだった……。


寸評
環境問題なども読み取れるが中身はそんなに深いものではない。
話題は3D技術を駆使した初めての本格的作品ということで映画はヒットした。
数々の博覧会で体験していた映像が映画館では2時間半も楽しめた。
作品はそれを多分に意識したもので、それなりのストーリー展開を見せるが主眼はアッと驚かせる映像に置かれていることは間違いない。

惑星パンドラは楽園である。
それを思わせる森の映像は美しい。
架空の惑星の世界を描いているけれど、人間の発想の限界もあって出てくる生き物は地球上の動物の延長線上にあるものばかりだ。
逆に言えばそれらに違和感はない。
オオカミだったり、像かサイの化身の様な動物だったりするし、太古の翼竜のようなものも登場する。
光る植物などもたくさん描かれるが、これを見ていると人間の発想は危害を加えない植物の方が多彩なのではないかと思ったりした。

主人公のジェイクは戦争で下半身不随になっている。
かれはプロジェクトが成功した暁にはその下半身を手に入れることが約束されている。
そのことでジェイクが当初積極的にこのプロジェクトを推進する理由づけとしている。
この設定は物語上違和感がなく、むしろスムーズな入りをもたらしていたように思う。
かれはカプセルに入ることで分身のアバターに同化する。
パンドラの住人であるナヴィはこの種の映画のほとんどがそうであるように、武器は前近代的な弓矢である。
毒が塗られているとは言え、動物にまたがってそれで攻撃する様子は何回も見たような気がする。

クオリッチ大佐は典型的な軍人で、力でもって相手を屈服させようとしている。
最新の兵器を携えており軍事力は強大で、力による征服を疑っていない。
その姿は米軍そのものでもある。
それでもキャメロンがそんな中でも良識的な人間はいるのだと少し弁護しているようなものを感じる。
それはジェイクであり、科学者のグレースであり、ナヴィへの攻撃を途中でやめてジェイクたちに味方する女性兵士を登場させていることだ。

最後はクオリッチ大佐率いる地球軍と、ナヴィに同化したジェイクを含めたパンドラ住人達との大活劇が映像を駆使して展開される。
ハリウッドの人材と才能が爆発したようなシーンの連続で、このような映像展開にはアメリカ映画は一日の長があると感じさせる。
映画に資金を投入して力任せの作品を提供してくるのは、内容と同様にアメリカらしい。
映画は米国の一大産業なのだと感じさせた。