「人でなし」の人権を守る？！

ずっと気になっていたことがある。というより、怒りがこみ上げたまま、いまだにおさまらないのだ。


次のニュースを聞いたときである。


「奈良市内の小学校に通う5年生の女子児童は、おととしから去年にかけて、同級生に蹴られてけがをするなどのいじめを受けていましたが、去年6月、『わたしは死ねばいいのに』などと書いて提出したノートに当時の担任の教諭が『花丸』を付け、『You can do it!!』＝『あなたはできる』などと書いて返していたことが明らかになっています。」
（NHK NEWS WEB 12月８日配信）


私が怒りに駆られたのは、言うまでもない。こんな教諭は言語道断、教諭失格どころか「人間失格」である。


それだけではない。このニュースでは、問題の「人でなし」教諭がどんな輩（やから）なのか、男なのか女なのか、歳はいくつなのか、ーーそのあたりの情報が一切示されていないのである。


この異様な不自然さは一体何なのだ！氏名はまだしも、性別や年齢ぐらいはだれもが知りたいと思うもの、それをわざわざ隠す意味がどこにあるのか！


怒りがおさまらないまま、あれこれ考えて、私は、この異様な不自然さの原因は「個人情報保護法」にあるにちがいない、と思い至った。


「個人情報保護法」とは、どんな法律なのか。「政府広報オンライン」には、こんな説明がある。


「仕事や学校、町内会・自治会や同窓会などの活動で、名簿を作成するために誰かの名前や連絡先などの『個人情報』を集めたことはありませんか。役所などの公的機関や企業はもちろん、皆さんも身近なところで個人情報を取り扱う機会があるかもしれません。個人情報の有用性に配慮しながら、個人の権利や利益を守ることを目的とした『個人情報保護法』は、国の行政機関や独立行政法人、地方公共団体などはもちろん、個人情報を取り扱う全ての事業者や組織が守らなければならない共通のルールです。」


個人情報とは、個人を特定できる情報のことだろうが、その種の情報の公表を禁止するのは、「個人の権利や利益を守る」ためだという。だが問題の「人でなし」教諭こそ、いたいけな女子児童の「権利や利益」を踏みにじった張本人なのではないか。


女児の人権を踏みにじった「人でなし」教諭の、その人権を保護することは許されること、すべきことなのか、それとも許されないこと、すべきでないことなのかどうか。


この「人でなし」教諭の個人情報を保護すべしというのなら、この人物の性別や年齢や容貌が一切分からないように、密室で裁判を行い、その顔に黒い覆面をかぶせたまま、さらし首にでも鞭打ちの刑にでも処するがいい！