ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

キックバックは「文化」なのか

2023-12-16 10:51:27 | 日記
キックバック(還流)は「文化」?!


けさ朝日新聞の第1面にこの見出しを見たとき、私は唖然として、「『文化』って、どういうことだ?」と独りごちた。そして、「不倫は文化だ」という石田純一の、あの有名なフレーズを思い起こした。


思うに、ここでいう「文化」とは、「表向きには悪とされているが、裏側では誰もがこっそりやっている広範な慣習的行為」といったほどの意味なのだろう。


慣習は字面が習慣と似ている。この「習慣」という言葉から、私はさらに古代ギリシアの哲学者・アリストテレスの言葉を思い起こした。


幼いときから或る仕方に習慣づけられるか、あるいは他の仕方に習慣づけられるかの相違はわずかではなく、絶大であり、むしろそれがすべてである。
(『ニコマコス倫理学』第2巻第1章1103b21)


つまり、立派な人間になるためには、立派な人がやるような行動を習慣化して、それを積み重ねることだ。アリストテレスは、そう言っているのである。


これを「キックバック問題」の文脈に引き戻せば、次のように言うことができるだろう。


「政治家になるためには、政治家がやるような行動(裏金作り)を習慣化して、それを積み重ねることだ」。


悪人が悪事を重ねることによって優秀な悪人(?)になるように、政治家志願者は裏金作りを積み重ねることによって、当選回数を伸ばし、優秀な政治家になる。


言うまでもなく、これは、あの安倍派を席巻している思想的な「文化」そのものである。
この文化に決定的に欠けているのは、「優秀な政治家」とは何か、という問い直しである。
当選回数の多い政治家が「優秀な政治家」ではないことは、言うまでもない。

コメント
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