きのうからデイサの空き時間に、『ラ・ロシュフコー箴言集』(岩波文庫)を読みはじめた。面白いかどうかはまだ判らないが、さっそくこんな箴言が目にとまった。
「2 自己愛(アムール・プロプル)こそはあらゆる阿諛追従(あゆついしょう)の徒の中の最たるものである。」
この言葉を目にしたとき、私が思い浮かべたのは、かの岸田首相の政権運営である。親分のバイデン米大統領におだてられ、口車に乗せられたのか、それともよく考えず、ただ「へい、へい」と付き従っただけなのか、そのあたりは判然としないが、この男の対米追従の姿勢には、「政権維持のため」という、自己愛からくる動機が透けて見える。
「対中包囲網を築くため、軍事能力を増強すべし」という親分の要請(命令)も、この男には都合がよかったに違いない。軍拡路線を推進するために対外的な危機感を煽れば、独善的な(夜郎自大的な)政権運営に対する国内の批判の矢は、国の外側へと向けられることになる。
きのうのブログでは書き忘れたが、国際的な一大事によって国内的な政権批判の声が弱まり、その結果、一時的に政権への支持率がアップすることを、「旗下結集効果」(rally 'round the flag effect)と言うらしい。聞き慣れない言葉だが、興味深いので、紹介がてらちょっと補足しておこう。
この効果は「政府の政策に対する批判を減らすことができるため、陽動外交政策の一因と見なすことができる」とウィキペディアは書き、それを示す端的な例として、「9・11同時多発テロ」をあげている。
「2001年9月11日の同時多発テロ以降、ジョージ・W・ブッシュ大統領の支持率は前代未聞の上昇を見せた。9月10日のギャラップ調査では51%であった。9月15日には34ポイントも上昇し、85%になった。その1週間後には90%となり、大統領の支持率としては過去最高となった。テロ発生から1年以上経っても、ブッシュの支持率は9・11以前(2002年11月68%)より高い。」
9・11同時多発テロはともかく、対中包囲網の重大さ・意義深さを強調するため、岸田政権は、無法者・中国の傍若無人ぶりを喧伝するが、「旗下結集効果」を利用する点では、中国側も引けをとらない。習近平政権は、日本が海洋放出する「フクシマ汚染水」の危険性をしきりに言いふらしているが、これも目的は自己の政権維持のため。まあ、どっちもどっちである。
「2 自己愛(アムール・プロプル)こそはあらゆる阿諛追従(あゆついしょう)の徒の中の最たるものである。」
この言葉を目にしたとき、私が思い浮かべたのは、かの岸田首相の政権運営である。親分のバイデン米大統領におだてられ、口車に乗せられたのか、それともよく考えず、ただ「へい、へい」と付き従っただけなのか、そのあたりは判然としないが、この男の対米追従の姿勢には、「政権維持のため」という、自己愛からくる動機が透けて見える。
「対中包囲網を築くため、軍事能力を増強すべし」という親分の要請(命令)も、この男には都合がよかったに違いない。軍拡路線を推進するために対外的な危機感を煽れば、独善的な(夜郎自大的な)政権運営に対する国内の批判の矢は、国の外側へと向けられることになる。
きのうのブログでは書き忘れたが、国際的な一大事によって国内的な政権批判の声が弱まり、その結果、一時的に政権への支持率がアップすることを、「旗下結集効果」(rally 'round the flag effect)と言うらしい。聞き慣れない言葉だが、興味深いので、紹介がてらちょっと補足しておこう。
この効果は「政府の政策に対する批判を減らすことができるため、陽動外交政策の一因と見なすことができる」とウィキペディアは書き、それを示す端的な例として、「9・11同時多発テロ」をあげている。
「2001年9月11日の同時多発テロ以降、ジョージ・W・ブッシュ大統領の支持率は前代未聞の上昇を見せた。9月10日のギャラップ調査では51%であった。9月15日には34ポイントも上昇し、85%になった。その1週間後には90%となり、大統領の支持率としては過去最高となった。テロ発生から1年以上経っても、ブッシュの支持率は9・11以前(2002年11月68%)より高い。」
9・11同時多発テロはともかく、対中包囲網の重大さ・意義深さを強調するため、岸田政権は、無法者・中国の傍若無人ぶりを喧伝するが、「旗下結集効果」を利用する点では、中国側も引けをとらない。習近平政権は、日本が海洋放出する「フクシマ汚染水」の危険性をしきりに言いふらしているが、これも目的は自己の政権維持のため。まあ、どっちもどっちである。