ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

上川外相のイスラエル訪問 再び日本の外交姿勢を問う

2023-11-04 11:03:27 | 日記
またしてもの「恥の上塗り」である。こんなニュースを聞いた。


イスラエルのテルアビブを訪れている上川外務大臣は日本時間の午後4時ごろからおよそ40分間、コーヘン外相と会談しました。
冒頭、上川大臣は『イスラエルの方々との連帯の意を伝えるために訪問した。ハマスの攻撃はテロであり、赤ちゃんから子ども、女性や高齢者も含めて、一般の市民に対する攻撃と誘拐はどのような理由であれ正当化できず、断固非難する。犠牲者に心から哀悼の意を表するとともにハマスによって誘拐された人たちの一刻も早い解放を心から祈っている』と述べました。
コーヘン外相は『10月7日はユダヤ人にとってホロコースト以来の最悪の日だった。日本のイスラエルに対する支援と連帯に感謝する』と述べました。

(NHK NEWS WEB 11月3日配信)


上川外相は「イスラエルの方々との連帯の意」を表明したという。これは(親分である)アメリカの意向でもあるから、(アメリカ追従の姿勢を強める)日本の外相としては、まあ、当然のことと言えるだろう。


しかしまた上川外相は、「赤ちゃんから子ども、女性や高齢者も含めて、一般の市民に対する攻撃」は「どのような理由であれ正当化できず、断固非難する」と述べている。
そういう非人道的な攻撃を行っているのは、では、一体どこの国なのか。
それは(ガザ地区に侵攻中の)イスラエルだ、というのが、圧倒的な国際世論だろう。


上川外相は知ってか知らずか、これをハマスの振る舞いだと決めつけているが、少しでも実情を知っている人が聞けば、この発言はイスラエルに対するきつ〜い皮肉のカウンターパンチに聞こえるはずだ。


イスラエルに対して、きつ〜い一発を食らわせておいて、いけしゃあしゃあと「(自分は)イスラエルの方々との連帯の意を伝えるために訪問した」などとおっしゃるのだから、この人の半可通ぶりも相当なものだ。


ところで、アメリカに追従し、イスラエルと連帯することは、アラブ諸国を敵に回すことを意味する。だから(これも知ってか知らずか)上川外相は、パレスチナ暫定自治政府のマリキ外相と会談し、「およそ6500万ドル規模の人道支援」を行うと表明したのである。


要するに、イスラエル側にもアラブ側にも好い顔を見せようとする「八方美人」の作戦である。けれどもイスラエルとアラブとは所詮、水と油、「あちら立てればこちらは立たぬ」の関係にある。


そういう関係にある両者に好い顔を見せようとすれば、どちらからもそっぽを向かれ、「虻蜂取らず」の結果になるのは目に見えている。


それだけではない。寄らば大樹の陰。親分のアメリカさんに付き従っていれば大丈夫、というのが日本政府の腹だろうが、次のような見方もある。


安保理決議に従わず占領続けるイスラエルが全力でガザに地上侵攻したら、アメリカは孤立する。」


これは「日刊ゲンダイDIGITAL」に掲載された田岡俊次氏の見解(11月3日配信)である。
イスラエル軍が全力でガザ地区に地上侵攻し、さらに多数の犠牲者が出れば、米国は世界のイスラム教徒16億人を敵に回し、親米だった諸国にも見限られて孤立することになりそうだ。


田岡氏はこう述べるが、この見方にもそれなりの説得力がある。日本の外務省はこの見解にどう答えるのだろうか。

コメント
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