ははあ、アレだな・・・。朝日新聞が行った直近の世論調査では、岸田内閣の支持率が25%まで落ちたという。「きっとアレが原因に違いない」。そう思いながら記事本文を読むと、記者の分析の一つ一つが私の見立てと符合する。
「支持の底が抜けたのか――。岸田文雄内閣の支持率が、2012年末に自民党が政権に返り咲いてから最低の25%にまで下落した。首相が繰り出す政権浮揚策は空回り」
(朝日新聞11月21日)
内閣支持率をキープするはずの「樽の栓」が抜けたという。この「栓」とは、一言でいえば「信頼」のことにほかならない。私はそう思ったのだ。政治がいったん信頼を失えば、朝日の見出しがいうように「首相離れ、何をやっても(無駄だ)」ということになる。
数字がこのことをはっきり示している。
「これまでの岸田首相の仕事ぶりを見て、首相を『信頼できる』と答えた人は26%(前回調査時は30%)にとどまり、『信頼できない』は67%(同62%)にのぼった。」
(同上)
仮に、である。もし仮に、岸田首相が国民のために良かれと思い、減税策なり、現金給付策なりを打ち出したとしよう。それでも(首相への信頼をなくした)国民は、「俺たち/あたしたちの生活が楽になるように、俺たち/あたしたちのためにやってくれたんだ」とは思わず、「どうせ自分たちの人気取りのためでしょ」、「どうせ政権浮揚のためでしょ」ということになる。
「政権浮揚策も空回りした。首相が切り札として打ち出した所得減税や現金給付を『評価しない』は68%で『評価する』(28%)を大きく上回った。減税などは国民の生活を考えたのか、それとも政権の人気取りかを問うと、人気取りとの答えが76%に達した。」
(同上)
こういう無様な状況を前にすれば、政権の側にしても、国民の側にしても、問わざるを得ないのは「岸田政権がかくも不人気なのはなぜか」、「岸田政権が国民の信頼を失ったのはなぜか」である。
だが、その答えが分かれば苦労はしない。不人気の原因、信頼喪失の原因が分かれば、その原因を取り除けばいい。しかしその原因は「積年の不徳の致すところ」としか言いようがない。「積年の不徳」は一朝一夕には取り除くことができないのだ。
こうした状況にもかかわらず、自民党内には「露骨な『岸田おろし』の動きはない」と記事はいう。「衆目が一致する『ポスト岸田』候補の不在も大きい」と見るのである。
かくなる上は、これまで長年政権与党だった自民党は、いったん野に下り、生まれ変わってもう一度、一から始めなければならないのではないか。
「信なくば立たず」。これは何も政治だけでなく、人間のあり方全般についても言えるのではないだろうか。
キシダくんよ、分かっちゃいるけどやめられない、ってか。
「支持の底が抜けたのか――。岸田文雄内閣の支持率が、2012年末に自民党が政権に返り咲いてから最低の25%にまで下落した。首相が繰り出す政権浮揚策は空回り」
(朝日新聞11月21日)
内閣支持率をキープするはずの「樽の栓」が抜けたという。この「栓」とは、一言でいえば「信頼」のことにほかならない。私はそう思ったのだ。政治がいったん信頼を失えば、朝日の見出しがいうように「首相離れ、何をやっても(無駄だ)」ということになる。
数字がこのことをはっきり示している。
「これまでの岸田首相の仕事ぶりを見て、首相を『信頼できる』と答えた人は26%(前回調査時は30%)にとどまり、『信頼できない』は67%(同62%)にのぼった。」
(同上)
仮に、である。もし仮に、岸田首相が国民のために良かれと思い、減税策なり、現金給付策なりを打ち出したとしよう。それでも(首相への信頼をなくした)国民は、「俺たち/あたしたちの生活が楽になるように、俺たち/あたしたちのためにやってくれたんだ」とは思わず、「どうせ自分たちの人気取りのためでしょ」、「どうせ政権浮揚のためでしょ」ということになる。
「政権浮揚策も空回りした。首相が切り札として打ち出した所得減税や現金給付を『評価しない』は68%で『評価する』(28%)を大きく上回った。減税などは国民の生活を考えたのか、それとも政権の人気取りかを問うと、人気取りとの答えが76%に達した。」
(同上)
こういう無様な状況を前にすれば、政権の側にしても、国民の側にしても、問わざるを得ないのは「岸田政権がかくも不人気なのはなぜか」、「岸田政権が国民の信頼を失ったのはなぜか」である。
だが、その答えが分かれば苦労はしない。不人気の原因、信頼喪失の原因が分かれば、その原因を取り除けばいい。しかしその原因は「積年の不徳の致すところ」としか言いようがない。「積年の不徳」は一朝一夕には取り除くことができないのだ。
こうした状況にもかかわらず、自民党内には「露骨な『岸田おろし』の動きはない」と記事はいう。「衆目が一致する『ポスト岸田』候補の不在も大きい」と見るのである。
かくなる上は、これまで長年政権与党だった自民党は、いったん野に下り、生まれ変わってもう一度、一から始めなければならないのではないか。
「信なくば立たず」。これは何も政治だけでなく、人間のあり方全般についても言えるのではないだろうか。
キシダくんよ、分かっちゃいるけどやめられない、ってか。