ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

この人はどこまで「権力快感おじさん」なのか

2020-11-06 11:43:09 | 日記
「日本学術会議・6人外し」の問題がいよいよ佳境に入ってきた。きのう11月4日の衆院予算委員会で、スガ首相が日本学術会議の任命拒否に際し、決裁前に杉田和博官房副長官から報告を受けていたことを明らかにしたからである。杉田氏の名前は、「6人外し」の黒幕としてメディアではすでに取り沙汰されていたが、この人物の関与が国会の場で、スガ首相自身の口から明らかにされたことになる。

これで「杉田副長官を国会に招致せよ」の声が強まるだろうから、ここから先が見どころである。杉田副長官は国会で何を喋るのか。何を喋らされるのか。

だれもが予想するのは、彼が「全ては私がやったことだ。首相には責任はない」として、自ら詰腹を切ることだろう。いわゆるトカゲのしっぽ切り。杉田副長官は自ら進んでトカゲのしっぽになろうとするのではないか、という予想である。

だが、スガ首相は(権力側の常道ともいえる)そういうありきたりの決着を受け入れたがらないのではないか。私がそう思うのは、スガ首相が「やったのはオレだ。このオレ様がやったのだ」と言って、むしろ自分の積極的・主導的な関与を主張したがっているからである。きょう次のような記事を読んだ。

「首相は、学術会議の人事について、『懸念』を安倍政権の官房長官時代から杉田氏に伝えていたと説明。『9月16日の首相就任後に、官房長官と杉田副長官に改めて懸念を伝え、杉田副長官からその後相談があり、99人任命の判断をした』と述べた。」
(朝日新聞DIGITAL11月6日配信)

スガ首相のいう「懸念」とは、「政権に弓を引く学者を学術会議のメンバーにするのは、ちょっとなあ・・・」ということだろう。これこれしかじかの人物を新メンバーにすることへの、スガ首相の「懸念」の表明がまず先にあり、杉田副長官はこれを受けて具体的な人選を行ったのだ、と、そうスガ首相自身が国会の場で暴露しているのである。

信じがたいことだが、自ら墓穴を掘るようなことを、スガ首相は平然と公言している。これは一体なぜなのか。人事権の鉈(なた)を振い、権力を行使する自分の「勇姿」を世に見せびらかしたい、という欲望に、彼は逆らえなかったのではないか。
やはりこの人は、どこまでも、徹頭徹尾、骨の髄まで「権力快感おじさん」なのである。
コメント
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