ささやんの週刊X曜日ーー号外ーー

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

晩期合併症が・・・

2024-08-19 13:41:56 | 日記
きょうは新聞の休刊日。代わりにとNHKのニュースサイト「NHKニュース防災」を開いたら、気になる記事が目についた。

治療後に新たな苦しみと不安が
『晩期合併症』。放射線や抗がん剤などの厳しい治療が、新たな問題を引き起こしてしまうのです。その実態を明らかにすることで、小児がんを経験した子どもたちの治療後の人生を支えていこうという取り組みが今、始まっています。

(NHK NEWS WEB 8月2日配信)

「晩期合併症」ーー。初めて聞く言葉である。ネットで調べてみると、「晩期合併症」とは、「治療が終了して数カ月から数年後に、がん(腫瘍)そのものからの影響や、薬物療法、放射線治療など治療の影響によって生じる合併症」のことだという。

NHKの記事は次のように続く。

都内に住む会社員の水橋朱音さん(32)。中学3年生だった14歳の夏に、鼻の奥のがん『鼻咽頭がん』と診断されました。(中略)
すぐに入院し、抗がん剤や放射線による治療を受けました。副作用で強い吐き気に襲われ、ベッドから起き上がることもできない日々。
それでも『治療が終われば元の生活に戻れる』という思いが水橋さんを支えていました。
治療のかいあって、腫瘍そのものは徐々に小さくなっていきました。
しかし、予想していなかった新たな苦しみが待っていました。『晩期合併症』です。抗がん剤の影響で腎臓の機能が急激に低下。点滴や透析による治療を受けましたが回復せず、20歳の時、腎臓移植を余儀なくされました。

(同前)

この記事は「鼻咽頭がん」に罹った若い女の子に焦点を当てているが、この女の子が罹った「晩期合併症」は、がん罹患者ならだれでも罹る可能性のある深刻な合併症である。年寄りだって例外ではない。
がんの治療には多くの場合、抗がん剤や放射線が使われる。それによってがんが治ったとしても、今度はこの抗がん剤や放射線が悪さをして、後々その罹患者を苦しめるのである。

この記事が気になったのは、年寄りの私だって「晩期合併症」の病魔に取り憑かれる可能性がなくはないからである。私は74歳。13年前に脳卒中(脳出血)に罹り、その後遺症で半身の自由を失った。

そういう不幸に見舞われた私だから、慈悲深い「がん」の魔王様は私を見逃してくれるだろう、まさか不幸の追い打ちはしないだろう、と言うことはできない。
がんといえば、今や国民の2分の1が罹る国民病である。脳卒中の罹患者はがんに罹らない、夢も希望も生きる喜びも失った片麻痺ジジイの「余生」には、がんの魔王は近寄らないだろう、というのは、何の根拠もない一種の妄想に過ぎない。

そう、私はがんに罹る充分な可能性がある。治療のために抗がん剤や放射線を使えば、「晩期合併症」に罹る充分な可能性がある。

そうなのだ。若者でも年寄りでも、生きることは病魔との絶えざる戦いだと覚悟しなければならない。そう思い知らされたきょうの天邪鬼爺である。やれやれ。

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