ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

バイデン政権と尖閣防衛問題

2020-11-14 11:25:54 | 日記
本ブログでのことである。4年ほど前、『老子』の言説を解読しようとしたことがある。『老子』の言説は謎に充ち、私には魅力的に見えた。中国思想は私にとって未踏の分野だったということもある。自分なりに『老子』を読み解いたら、どんな風景が見えてくるだろう。そんな興味から始めた企てだった。

このたび久しぶりに『老子』を取り上げる気になったのは、4年前の私の解釈を、今現在の私の目で捉えなおしたら、そこに何が見えるのか。そう思ってのことである。きのうアップした本ブログの記事は、その第1弾のつもりだった。

同様にして、これからしばらくは『老子』への言及を続けていこうと思っていた。その間は当然、時事問題への言及は休止することになる。・・・その予定だった。

ところがである。きのうネットの森を散策していたら、秀逸な記事に出会った。この記事に触発されて、時事問題への私の関心が俄然よみがえった。目覚めたからには、この問題への言及を避けて通るわけにはいかない。『老子』シリーズの再開は、当然、一時休止である。

私が出会ったブログ記事、それは、「草莽隊日記」の《バイデンが尖閣諸島の防衛義務に言及したという報道は眉唾だ!》と題された記事(11月13日配信)である。このブログ記事が取り上げるのは、次のような報道記事である。

「菅義偉首相は12日午前、米大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領と初の電話会談を行った。首相は祝意を直接伝え、新政権下でも日米同盟の強化に取り組む方針を確認した。バイデン氏は、対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条について、沖縄県・尖閣諸島も適用対象となると表明した。」
(JIJI.COM 11月12日配信)

ああ、バイデン政権は日本の尖閣諸島を中国の攻撃から護ってくれるのだ。この報道を見てそう思い、胸をなでおろした人も多いだろう。

ところが、サイト「zakzak」が掲載した記事《バイデン氏“口先外交”か 公表文書に「尖閣」明記なし 菅首相と電話会談で明言も…中国配慮か》でも述べられているように、どういうわけか「政権移行チームのホームページ(HP)に掲載された発表文には『尖閣諸島』の文字がない」のである。

この事実をどう解釈したら良いのか。「zakzak」の記事は、バイデンの「口先外交」の表れだから、油断してはならない、と警告している。

注目すべきは、「草莽隊日記」のブログ記事である。このブログ記事は次のように述べている。たしかに日米安保条約第5条には、防衛義務に関して、次のように書かれている。
「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」

「草莽隊日記」が注目するのは、この文言のどこにも「尖閣諸島」の文字が見られないことである。アメリカはーーしたがってバイデンもーー尖閣諸島を「日本国の施政の下にある領域」とはみなしていないのだ。

いずれにしても、日本の防衛をアメリカに頼ることはできない。「日本の平和と安全を守れるかどうかは、日本人自身の覚悟にかかっている」と、このブログ記事は警鐘を鳴らしている。

正直に言うと、私はこの「草莽隊日記」のブログと基本的なスタンスを異にしている。このブログは極右のスタンスで書かれているが、私はこれに与する気にはなれない。けれども、個別的な事象の認識では瞠目すべき着眼を示すことがあり、この点では私は「いいね!」の拍手を惜しまない。

このブログの主は三島由紀夫のファンとお見受けしたが、私もその昔、三島由紀夫のファンだった時期がある。
コメント
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