「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

「ラブ・クリスマス!」(ボクとワタシのイブまでの一週間戦争!)(14)

2013年12月11日 | 過去の物語
クリスマス・イブを4日後に控えた火曜日の午後6時頃。イズミと田中美緒(22)は、中王大学近くの大衆居酒屋「上州屋」で、

楽しく飲んでいた。

店内は、学生やサラリーマンで溢れ、まだ、6時だというのに、盛り上がりを見せていた。

「まさか、今晩、イズミさんと飲めるなんて、思いませんでした。わたし」

と、美緒は嬉しそうな顔をしている。

「うん。俺もたまたま、本社での会議が早く終わって・・・まあ、今日は直帰出来る日だったから・・・でも、美緒が部屋に5時過ぎに戻っていたから、連絡がついたんだよ」

と、イズミは、偶然の奇跡を素直に喜んでいた。

「美緒も、4月から社会人だろ・・・社会人になったら、携帯持ってくれると嬉しいな」

と、イズミが言うと、

「うん。イズミさんがそう言うなら・・・わたし、携帯持ちます。4月から給料も貰えるし、初任給で買おうかな」

と、嬉しそうにする美緒だった。

「うん、そうしてくれると、嬉しいな」

と、イズミは笑顔だ。

「そういえば、今日、雑誌の取材があったんだろ?」

と、イズミが聞く。

「ええ。バッチリでした。記者さんが女性だったんで、一緒にロールケーキ作りもやって・・・」

と、美緒は、うれしそうにひと通りのことを、ひとつずつ楽しそうに話していった。

「女性の記者さんに、「プライベートで何かいいことあった?」って聞かれちゃって・・・わたし、かなり上機嫌で、コロコロ笑ってたから、見破られちゃったんです」

と、美緒はうれしそうに話す。

「美緒は、明るくなったよ。最初に出会った時とは、全然表情が違うもの・・・」

と、イズミは、素直にそう言う。

「だって・・・イズミさんみたいなイケメンの男性に恋出来るなんて、わたし・・・嬉しいを通りこして、はしゃいじゃうんです。毎日」

と、美緒は、はしゃいでいる。

「それ、他人にもわかっちゃうんだなって、ちょっと今日はおもしろかったです」

と、美緒はうれしそうにしゃべっている。

「そうだ。その記者さんが、「すごく記事として、印象に残ったから、彼氏の作戦は成功した」って言ってって、言ってました」

と、美緒は、笑顔でしゃべっている。

「そうなんだ。それは、嬉しいな。美緒もよかったじゃん。記者のひとに、気にいられたみたいだし。ケーキ」

と、イズミが言うと、美緒は全開の笑顔になる。

とても嬉しくなった美緒は、イズミの傍によると、

「ね、この続きは・・・私の部屋で、飲まない?もっと、イズミさんの近くで飲みたいけど・・・ここだと・・・」

と、美緒は言う。

「ん、そうだな・・・じゃあ、美緒の部屋に案内してもらおう・・・どんな部屋なのか、ワクワクするな」

と、イズミは、嬉しそうな表情をする。

「一応、片付けはしてきたけど・・・ちょっと恥ずかしいな・・・」

と、美緒は嬉しそう。

「じゃ、出るか・・・」

と、イズミは、会計を支払って、美緒を先にだし、後から、美緒についていく。


そこから、十数分程歩いた場所に、美緒のアパートがあった。

女性向けの白い高級アパートといった作りで、2階にある美緒の部屋に、二人揃って入る。

「へー、綺麗にしてるじゃん」

と、イズミは部屋を見回しながら、そう言葉にする。

「へへー。ちょっと恥ずかしいかな」

部屋は8畳程で、3畳程のキッチンと、トイレと風呂がついていた。まだ、アパート自体出来たばかりのような美しさだった。

イズミは、来る途中で買った白ワインを早速開けていた。

美緒は、ワイングラスを2つ持ってきて、デザイン・テーブルの上に置く。

「この黒いテーブル、スタイリッシュだなあ。ちょうどいい高さだし」

と、イズミは家具にも、詳しいところを見せる。

「じゃ、飲もうか、乾杯」

と、イズミが美緒のグラスにぶつけると、美緒は、ワインを飲みながら、イズミのすぐ左側に移動する。

イズミはその美緒の肩を左腕で抱いてあげる。

美緒も、ワインを飲みながら、イズミの胸に頭を載せるようにしている。

「美緒って、やわらかいな・・・って、スポーツとか、やってた感じだな。この筋肉の加減・・・」

と、言わずもがなな感想を漏らすイズミ。

「だから・・・テニスサークルに一年生の時から・・・」

と、言って顔を赤らめる美緒。

「あ、そうだったな」

と、笑うイズミ。

「もう、そのあたりの記憶、飛んじゃったんだ。美緒のことしか、見えないから」

と、笑うイズミ。


美緒はその言葉に胸がキュンとなって、イズミの胸に顔を埋めていく。


美緒はイズミの胸に完全に抱きつき・・・イズミがワイングラスを置くと・・・美緒は下からイズミを覗く。

せつなそうな表情の美緒は、そのまま、イズミの唇を奪う・・・イズミは、唇を奪いに来た美緒の身体を抱きしめ・・・長い長いキスをする。

二人は身体を密着させ・・・美緒のCカップの胸が、イズミの胸を刺激していた。

イズミの筋肉質の胸は、美緒の乳首を刺激し、美緒はいつしか、息を速めていた。


美緒の胸は、一杯になり、さらにキスは長くなった。


美緒は、イズミの口に、舌を入れ・・・イズミの舌を味わう。

刺激しあう美緒の舌とイズミの舌。

からみつき、甘美な刺激を与え合う二人は、その作業に没頭している。


美緒の乳首が勃起し、イズミの胸を刺激すると、イズミのモノが硬くなり、美緒の身体を刺激する。

美緒は、やわらかな笑顔で、イズミのワイシャツのボタンを外し始める。

イズミも、美緒のブラウスのボタンを外し、ブラウスを脱がせると、ブラを外してあげる。


白い肌が露出し、美緒のCカップのボリュームのある胸が丸見えになる。


美緒は笑顔になると、イズミのワイシャツを脱がし、その下のTシャツも脱がせると、裸の胸に顔を埋める。

イズミが、その美緒を抱くと・・・美緒のボリュームのある胸がイズミの肌を刺激する。

イズミは、手を伸ばし、スカートの脇のチャックを開け、そろそろと美緒のスカートを脱がし始める。

と、同時に、自分も立って、スーツのパンツを脱ぎ、さらに、さらさらと、青いボクサーパンツも脱ぐ。


イズミの屹立したモノを美緒が見て、小さな声を立てる。


イズミは手を伸ばして、美緒のパンツをするすると脱がせると、美緒の少し濃いあたりの毛を見て、

笑顔になる。


イズミは、美緒を仰向けに倒して・・・抱き合って長いキス・・・美緒の局部にイズミのモノが触れ合い・・・お互い恍惚な表情だ。

イズミはそのまま、美緒の乳房を揉みしだきながら、乳首をやさしく吸ってあげる。左の乳首を、舌でやわらかく刺激しながら、右の乳首を左手でやさしく刺激してあげる。


美緒は、恍惚とした表情で、全開の笑顔。


イズミは、右の手で、美緒の局部を刺激し、勃起してきたクリトリスをやさしくいじってあげる。局部がたくさん濡れてくる。


美緒は、思わず、その気持ち良さに、腰を少しだけ、前後に動かしてしまう。

その度に、甘やかな快感が、美緒の身体を貫き、久々の快感にすべてを委ねる美緒・・・。


美緒はその甘美な快感に完全に酔っていた。


と、そこへ・・・携帯の呼び出し音・・・。

二人は、同時にその音の正体に気づいた。

「あちゃー・・・会社からか」

と、イズミは、すぐに正気に戻り、携帯を、スーツ上着のポッケから出し、

「もしもし、沢村です。はい。えー・・・マジすか、それ・・・わかりました。1時間以内で、戻ります。はい。それじゃ」

と、イズミは社会人として、普通に行動していた。


二人とも全裸だった。


イズミは、美緒と目を合わせると、

「社会人は、これだから」ポーズをとった。

そのイズミを見て、笑顔になる美緒。

「すまん、美緒。そういうことだ。楽しみは、お預けだな」

と、イズミが観念したように言うと、

「じらされた方が、いざと言う時、たくさん感じるかも」

と、コロコロ笑っている。

「そうだな・・・せっかく、あそこも濡れてくれて・・・準備オッケーって感じだったのに」

と、イズミは、美緒のぬれた、あそこを、指で触っている。

「いやん・・・イズミさん、また、感じちゃうわ・・・」

と、美緒は、笑顔になりながらも、甘美な疼きに、負けてしまう。

「しょうがないから、ここは、拭いておこう」

と、イズミは、ティッシュで、そこを完全に綺麗にしてあげる。


「男って、こういう時、後ろ髪を超引かれるんだ」


と、言いながら、イズミは立ち上がると、美緒の全裸姿を目に焼き付けてから、気持ちを切り替え、スーツをサクサク着ていった。

美緒も、パンツを穿いて、ブラを付け、下は黒いレギンス、上は、黄色のチェニック姿になった。

「じゃ、また。明日はどうなるか、わからないから、朝の電話はなしにしてくれ。じゃ!」

と、イズミはそれだけ言うと、美緒にさよならのキスをして、出ていった。


その時、イズミは、美緒の豊かな胸を掴んでいた。


「イズミさん、それだけ、今日のわたしが、欲しかったんだわ・・・」

と、静寂が蘇った自分の部屋で、美緒は言葉にしていた。


クリスマス・イブを4日後に控えた火曜日の夜、午後8時頃。東堂エイイチは、自宅マンションで、シーバス・リーガルを飲みながら、考えていた。


彼は、貰ったメモを見ていた。

そのメモには、合コンパーティーで知り合った、美田園美奈(27)の名前と電話番号が書かれていた。

「連絡先を貰ったんだが・・・考えてみれば、あの時の彼女、相当酔ってた・・・」

と、エイイチは考えていた。


アイリに完全にフラレて以来・・・エイイチは自分に対する絶対の自信を失っていた。


目の前の女性に、絶対の自信でぶつかっていけなくなっていた・・・それが女性の眉をひそめさせる結果につながっていることに、エイイチ自身気がついていなかった。

「俺、完全に、モテないからな・・・女性に・・・」

と、エイイチは、この間の合コンパーティーで、失敗続きだった結果に、さらに落ち込んでいた。

「アイリくんへの愛を失って以来、俺は・・・魅力というものを失ってしまったのかもしれない・・・」

そう考えるエイイチだった。

「俺が女性に声をかけることが・・・相手の迷惑になっている・・・現実的に・・・」

と、エイイチは考えていた。


何杯めかのシーバス・リーガルを喉の奥に放り込む。


BOSEのスピーカーからは、エルビス・プレスリーの「ブルー・クリスマス」が流れていた。


「あの時の彼女は・・・自分と同じで、異性にうまく声をかけられない俺に・・・自分と同じモノを感じただけかもしれない・・・」

と、エイイチは考えていた。

「だとすれば、あの瞬間だけ、彼女は盛り上がっただけで・・・家に変えれば、俺のことなど、忘れていることになる・・・」

と、エイイチは悪い方悪い方へ考えていた。

「だって、俺から男性の魅力がなくなっているのだったら・・・彼女は俺の魅力に引かれたわけじゃないんだからな・・・」

と、エイイチは、そう考えていく。

「電話をしても・・・その瞬間、彼女は連絡先を僕に渡したことを後悔し・・・口重く、断る・・・その流れが見えるじゃないか・・・」

と、エイイチは自嘲的に笑う。

「読めちゃうよ。読みきれてしまう・・・だったら、このまま、電話しない方が、俺も彼女も傷つかずに済む・・・なにより、彼女を傷つけないで済む・・・」

と、エイイチは思う。

「あの場で、一瞬だけでも、心が通いあった、彼女・・・彼女がいなければ、それこそ、僕は、完全に自信を失ってた・・・だから・・・」

と、エイイチは考えている。

「彼女を傷つけないためにも・・・電話するのは、よそう・・・」

と、エイイチはメモをゴミ箱に捨てた。


エイイチは、シーバス・リーガルをさらに飲む。


「アイリくんへの愛を失って以来・・・俺は坂道を転がり落ちるように人生が堕ちていく・・・彼女だけが、長年の俺の希望だったからな・・・」

と、エイイチはピスタチオを食べながら、さらにシーバス・リーガルを口にする。

「人と言うものは、脆いものだ・・・今、俺は誰も見えなくなっている。女性というものが・・・まるで、俺のことを嫌うだけの存在になっちまってる・・・」

と、エイイチは、現実を直視しようと考えている。

「俺は、俺を好きでいてくれる女性の為に生きたい・・・だが、今や、俺は女性から嫌われる一方だ・・・やりたい状況とは、逆の世界だ・・・」

と、エイイチは、現実を分析する。

「俺はセミになればいいのか?暗い地中でひっそり生きる・・・誰とも会話する事無く、ひとり静かに生きる、セミ的人生・・・」

と、エイイチは思う。

「ひとり、ひっそり、生きていくのが、俺の人生なのか・・・」

と、エイイチは思う。さらにシーバス・リーガルを口にする。考えたくもない現実を直視したくなかった。


「いやだ・・・俺はそんな人生だけは、御免だ!」


と、エイイチは言葉にすると、捨てたはずのメモを見返し、突発的に電話をかける。

るるるるるる、がちゃ。

「もしもし・・・どちら様ですか?」

と、女性の声がする。

「あ、もしもし、夜分すいません、わたし、先日の合コンパーティーで、連絡先を頂いた、東堂エイイチという弁護士ですが・・・」

と、エイイチは素早く声にする。

「あ、どうも、あの時の弁護士さん・・・東堂さんでしたね。美田園です。電話待ってたんですよ!」

と、その美奈の言葉に有頂天になったエイイチは、イブの夜のデートを申し出て、見事快諾してもらった。


エイイチは自信を取り戻し、うれしそうに美奈と話していた。


クリスマス・イブを4日後に控えた火曜日の夜、9時頃。リョウコは、公安の「攻性コンピューター」室で、リサの情報を集めていた。

リョウコは、すべての情報を引き出せる権限を有していた。

それこそ、街中の監視カメラの映像情報から、貯金の残高情報まで、彼女がアクセスできない情報は皆無に等しかった。この日本においては。

その彼女が本気で、リサに関する情報を集めていたのだった。

「絶対に彼女、おかしい・・・これだけやっても彼女の過去を示す情報がほとんど見つからない。むしろ、情報はすべて消去済み・・・本当だったのね、あの噂」

と、リョウコは端末を操りながら、さらなる情報を欲した。

「リサさん・・・ガオ先輩を弄んでいるわ・・・セクシーな会話で、男性を興奮させる手法・・・情報機関で教育される洗脳の基礎の手法をガオ先輩に使ってる」

と、リョウコは、リサの電話記録を調べながら、そんなことを思っていた。

「それ以降の会話の記録はなし・・・まあ、リサさんは今とても忙しいから、それどころじゃないけれど・・・」

と、リョウコは、思っていた。

「リサさん、今日もチーム涼に同行か・・・何か、きな臭い匂いがするわ」

先日、リサに恐怖を感じて以来、リョウコの中の何かが、

「急げ!早くしないと手遅れになるわ!」

と、リョウコに発破をかけていた。


と、リョウコの指が止まる。

「何・・・これ、どういうこと!」

リョウコの表情に戦慄が走った。


つづく

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