「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

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第二十二回 ドラゴン通信 「龍という女」

2010年05月31日 | ゆるちょ!のドラマ・レビュー!
<戦場認定記事(炎上事前想定)>「ここは、斬り合いの場です!さあ、素直に斬り合いましょう!」

「「男性大河ファン」の直感的で素直な感想」

今週の一言:好いた女の泣きながらのごめんなさい攻撃に、男は心で泣いて顔で笑う。それが男の生きる道だ!以蔵よかったぞ!

●以蔵を心配して、探して、戦って泣くだけでした!それしかやることないの!ないんだな、これが!今回、あんまりやることなかった龍馬さんです!!
さて、今回も以蔵を心配するだけの龍馬でした。まあ、探してたけどね。しかし、あの近藤勇対龍馬のシーン!あれだけは、良かったね!
なんつーか、それこそ、龍馬VS新選組なんて、史実が盛り上げてくれる!というか、一応千葉道場塾頭VS天然理心流宗家なわけだから、燃えるっちゃ燃えるよね!
あの瞬間だけ、そこは大河ファンなわけだから、「おおっ」という感じでしたね。まあ、事実を引き寄せればいい論考者(史実では)龍馬なわけで、近藤らを動かさなければ
いいということで、決して剣の戦いに固執しない、というわけで、あんな感じになったのだと思いますけど、まあ、あの瞬間は楽しかったですね。
ちょっと男性大河していた、感じがありました。しかし、そのシーン以外は、なんだかなあ、以蔵探し回っているポーズのようで、説得力がなかったねー。
なんか、冒頭の勝塾土佐のお役人乱入のシーンもさ、あれ、学園モノじゃん(笑)。なんか、僕らを守ってくれて皆ありがとう、おう俺たちは皆仲間だ!みたいな。
なんつーか、あさーい感じで、背中に寒気が走りましたね。まあ、だから、説得力が回復せずに、以蔵を見つけようとする龍馬の行動もカッコつけポーズなイメージで、
だいたい、子供向けすぎない?あの描写!最初は名前聞くだけで、次は似顔絵出してって、ちょっと進化したような感じにしてたけど、そもそも、京で名高い人斬り以蔵
を探すなんて、やばい奴だって、皆引くだろうにさ。ま、子供向けすぎだから、そこらへん、無視するけど、なんか浅いつくり。
さらに最後以蔵が捕まったということで、泣いたりするわけですけど、そんなもんだから、素直にその涙を評価できないんですね。
もう、全然こころに響いてこないわけですよ。これ、僕が「ドラゴン通信」初期に書いていたことと、ほとんど、同じですよ!
笑っちゃいますよ。ずーーーーっと同じテイスト。
第一話で絶望して以来たまにいい!っていうことがちょっとあったくらいなもので、ずーーーーっとハリボテ龍馬(笑)。
まあ、最後、お龍さんが、泣く龍馬に感情を動かされていたようですけど、まったくそんなことは、僕には起こりませんでした。
なんつーの、ポーズで泣いているのかなあ、と素直に思ってしまいました。まあ、やることがないんで、以蔵探す以蔵守る戦う泣くで終わった龍馬さんでした。
なんか、5両の話もさ、とってつけた感があったね。まあ、お龍さんが、妹を取り返すエピって「竜馬がゆく」にもあった有名なエピだけどね。
そこらへん、ちょっと浅かったというか、第一部の最初の頃のような感じに戻っちゃったまた説得力皆無モードの今回の「龍馬」でした。

●容堂の心を見抜く鋭い脳!自分の居場所を見つけちゃったもんね!俺は天才だ、と思っているはずの、またまた動き始めた弥太郎です!
「容堂公は、武市のことを嫌っているぞね」と事実を喝破した弥太郎です。まあ、このひとは、自分の才覚を生かす場所を見つけちゃったからね。
もう、てこでも自分のことしか、考えませんよ。まあ、武市さんとは、前回仲直りしたし、お互いを認め合って終わっているからね。
もう、自分のストーリーに武市さんの存在はいらない、終わったことだ!としているんでしょう。
こういう関係性って、現実にもありますよね。もう、あいつとは、関係がない、という関係性。終わっていくストーリーというのは、よくある話です。
それがあの二人に見られたということなんでしょうね。まあ、次回子供できちゃうみたいだし、前回、武市さんに子供つくれよって言われたからがんばったのかな?
そういう意味じゃ、武市さんの言葉に素直に従った弥太郎です。よかったね、弥太郎!

●無言で走り回る白い新選組!あれが土方か、あれが沖田か、そして近藤に見えちゃうからあら不思議の原田泰造くんです!
というわけで、無言で不気味テイストがお約束の白い新選組です。首元にスカーフがアクセントのちょっとおしゃれさんな新選組の一行なわけですけど、やはり大河に
華を添えますね。こう原田泰造氏って、なんつーか、役になりきるねー。まあ、ネプは各所で見かけるわけですけど、なぜか大河に出るとあのお馬鹿オーラが消え去り、
その役になりきっちゃうという素晴らしい役者さんですよねー。ちょっと大久保スメルが僕的に残っているか?と心配しましたが、なんのなんの!
すっかり近藤らしさを身につけての登場で、男性大河ファンをうならせました。もう、あの龍馬VS近藤あたりは、久方ぶりに男的に燃え上がりましたねー。
こういうのが見れるのが、大河ドラマなわけですよ!やっぱりあの目つきとか、表情のつくりかたなんか、良かったですねー。この大河は精神のビジュアル化を
モットーとしていますからね。もう、近藤イメージありましたねー。
と、まあ、僕自身、新選組が好きなんで5割増くらいのほめ方ですけどね。ま、出るだけで満足で、不気味テイストづけがよかった。
今後も楽しみな新選組です。それに、こういう感じで、突然出てきた謎の団体みたいな見方って新鮮でしたね。
以蔵が言っていたわけですけど、そうか、以蔵あたりから言わせれば突然出てきた三人一組で追ってくる謎の部隊なわけだねーと、妙に納得、おもしろかったです。
っていうか、まだ、近藤さんと土方、沖田が一組になって出張っているので、まーだ、京に登って間もない頃のなのかな、とか想像できておもしろいですね。
いやあ、原田氏の近藤さん、思ったより、よくてよかったねー。
ただ、最後に「お前はXXだ」と言った近藤さんのセリフがよく聞き取れませんでした。あれ、なんて言ったの?

●泣きながらのごめんなさい!男性は心が痛い!しかし、言っている女性のこころもまた、痛いのよ!なつさんです!
まあ、このなつさんに、ごめんなさい!と断られる感じ!いやあ、僕も青春の頃、よく出会った光景です。もう、ほんとにあの頃はあんぽんたんなクソガキでしたから、
よーく告白して断られたもんです。いやあ、クソガキの頃なんて、あれで絶望するでしょう。心が痛いでしょう。もうね、あの頃を思い出しましたよ。
まあね、今は「由美ちゃん物語」なり、「お昼間カフェ」なりを書いているんで、女性の側に立ってモノを考えるようになりましたから、
そのこころも理解できるわけですけれど、もう若い頃なんて、「よくもそんなに残酷な生物になれるものだなあ」などと考えておりましたよ。
それだけ、自分をかけて告白したりしているわけですけどね。まあ、あの以蔵の風景はねー。まあ、以蔵の項で書きますけど、ちょっと心が痛かったです。
でも、なつさんもこころが痛いんだよね。断る方も心が痛い。だから、泣いちゃう。女性の弱さは時に残酷なストーリーを演出する、という典型例でしたね!

●入ります!と片肌ぬぎで、言っちゃいそうな雰囲気です!しかし、あの気の強そうな目と迫力の声が妙に気に入った、やる気のお龍さんです!
なんというか、姐さん、姉御という言葉がぴったりあいそうな、なんか片肌ぬぎで、サイコロふりそうな迫力を持つお龍姐さんです。なんかこう声の感じがやたら
その気の強さを現していて、女優さん本人も姉御的なんだなーと感心しながら見てました。まあ、僕は地上波をほとんど見ないので、このひと、知らないんですけど、
そういう感じな女優さんなの?なんか、化粧品のCMで見かけたことがある感じだけどねー。
しかしこう現代的な美人で迫力があってっていうお龍さんの典型的な感じで、なんかよかったですね。声も迫力があるし、この最初は拒否していて怖い感じだけど、
だんだん龍馬にやられていき、最後はメロメロっていうドラマを彼女で見れると思うとその役者能力的なところにも興味がわきます。
うまく僕らを騙してほしいですね。まあ、今後はそこらへんもポイントとして見ていくつもりですが、龍馬が泣いたくらいで、心を動かしてちゃまだまだだよ!

●もう、どうにでもしてくれ状態!あー、俺の何が悪いんだ!龍馬!武市先生ー!うわーん!ともうずだぼろの以蔵です!
無言で白い新選組に取り囲まれ斬りつけられるも、なんとか逃げた以蔵です。それで、這々の体で、なっちゃんところに来るんだけど・・・。
泣きのごめんなさいに会って、「そうだよな。お前には迷惑はかけられん」と出て行く以蔵の後ろ姿に、涙しました。
いやあ、あの時の以蔵の気持ちが泣きたい程によくわかる・・・と自分の過去と重ねあわせて涙してしまいました。男ならあの気持ちわかるよねー。
信じていたものに拒否されたあの絶望感悲しみ苦しみ、それでもそんなこと相手に悟らせないようにと、必死に自分をつくろう男のつらさ・・・。
すがりたいけどすがれない、それが男の道なのさ・・・と孤独に耐える、そんなこころの痛みが思い切り伝わってきて思わず涙・・・。
まあ、誰にでも青春の蹉跌というものは、ひとつやふたつやみっつや・・・たくさんありますねー(笑)。だから、余計、その気持ちがわかったんでしょう。
まあ、以蔵を通してアンポンタンな頃の自分を見つめていたということなんでしょうね。ま、人間、人生経験を積めばそこから抜けられるから若い諸君は安心するように!
さて、以蔵は逃げ回るけど、結局捕まってしまうわけですけれど、最後もしぶとかったですね。まあ、このひとは、こうなることはわかっていたんですが、
いざ捕まると、うーん、かわいそーに、ということになりますなあ。なんつーか、この役者さんがうまいんだよね。要は。
だから、説得されている、そのせつなさを最大に表現できているんですよねー。さすがライダー役者!というのが褒め言葉なのかな?
しかし、まあ、来週からさらにひどいことになるわけですからねー。せつな系芝居のうまい以蔵と攻め芝居の得意な象二郎とは、
ベストな組み合わせなんじゃないでしょうか!(笑)
ま、今回は、とにかく、あの泣きのゴメンナサイのあとの以蔵の芝居がめっちゃよかった、そんな自分を重ねあわせた僕でした。なんだ俺のことか(笑)。

●「もう一本追加しろ」と、攻めに攻めるザ・サディスト、後藤象二郎さんです!
もう、攻めるの大好き草々さんです。なんつーか、このうれしさ加減が漂う辺りもう、ザ・サディストって感じで、口からこぼれる歯の加減までがいいですねー。
吉田東洋暗殺がここまで、引っ張られるわけですから、もう、草々さんの感情がわかるわかる。
「もう一本追加しろ」
あたりなんて、もう最高潮でしたね。いやあ、ああいう感じだせる草々さんも、なかなかです。いやあ、ちょっとした狂気な感じがスパイスになっていて
いいですね。まあ、半分ヤンキー映画みたいになってますけど、それがおもしろくっていいですね。
ここに、以蔵がねー、入っていくわけですかー、ちょっと残酷な感じが、さらに草々さんをサディスティックにするでしょうね。
ますます楽しみな草々さんです!

●土佐の尊王攘夷運動は、実は上士下士平等化運動だった!それが理念だった!上士に追い込まれた武市さんです!
自分は間違っていなかった!と自分を勇気づける武市さんですが、それだけ、こころが痛くなっている弱っているということなんでしょうか。
まあ、苛んでいるシーンは少なめで、武市さんの表情の変化を多くだしているのは、女性への配慮としても、だんだん気持ち的に弱くなっている
武市さんが表されていましたね。まあ、精神的に酷いよね。痛みには勝てても精神的な攻撃には、弱いものですからね。
痛みは我慢できても、精神的な部分はきつい、ということもありますからね。まあ、それをうれしがっている後藤象二郎の姿がまた、
おもしろいんですけど、対照的に武市さんはきつい表情です。
すべては東洋殺しからつながっているんですね。だから、山内家上層部は、下士憎しで、武市らを見ている。
結局、上士VS下士の構図が始めからなにも変わっていないんですね。
あの第一話で、結婚式帰りに土下座させられた、あの時から、なんら変わっていない。
つまり、武市さんが夢見た一藩勤王化とは、上士下士平等化と同じ理念だったわけです。
でも、上士に拒否され、今、その最後の時を迎えようとしている。
武市さんの目指した尊王攘夷運動とは、形を変えた平等化だったんですね。だからこそ、上士に足を掬われ追い込みをかけられている。
結局、土佐で行われたことは、上士と下士の国内戦争だったと、言えるのではないでしょうか。

今週の愚痴
以蔵の捕縛と、お龍登場、という二大話だったのが、今回でしたね。
そういう意味じゃ、またも、主役でなく、脇役待遇だったのが、今回の龍馬さんだったわけです。
しかし、あの以蔵の「お前に迷惑はかけられんき」のシーンは、ちょっとやられちゃいましたね。なっちゃんのごめんなさい泣きでやられて、
それで、あの以蔵の芝居、こころで泣きそうになっていても、そんなの表情に出すわけにいかん、それが男だ、とばかりに、
表情が凍りつくわけですよ。そして、言うべき言葉を吐き、黙々と去っていく、悲しい男の背中が、涙を誘いましたねー。
「そうなんだよ、それが男なんだよ!」
と僕は言いながら涙しました。うーん、今回の名シーンと言えるシーンでしたね。
つーか、この役者さん、やっぱりうまいんだよね。男心を目で表現できているものねー。
「坂の上の雲」の菅野美穂さんクラス!ですね。これ僕としては最上の表現なんですけど(笑)。うん、以蔵今回もよかった。
まあ、あとは、龍馬VS近藤といったあたりでしたか。あのシーンだけ、こう「ぐわん!」と心の中で燃え上がりましたからね。
こう史実によって、補正されて見えちゃうんでしょうね。あのあたり、それまで、龍馬に説得力がなかったのに、剣を構え合った瞬間、
こころの中の男大河指数計が、マックスまで跳ね上がりましたからね。瞬間的に。
なんていうか、受けの芝居の原田泰造氏がいいんだなあ、これが。こう、近藤のイメージをしっかりと出しているんだよね。
もう、なんかあのシーンだけ、タイムスリップして現場を見ているような興奮がありましたね。
まあ、できれば、もう少し長く戦闘シーンが見たかったけど、まあ、見れただけ興奮できてよかった、というところかな。
やあ、このドラマで久しく感じなかった興奮でしたね。もう、毎週のように、やって欲しいですねー。
お龍さんは、僕が史実のお龍にもっているのと、そうイメージが遠くなくてよかったです。
姉御的な感じがよかったですね。いやあ、しかし、このドラマ、キャスティングだけは、ピカイチだよね。
もう、数々出てきたゲストと言い、新選組の近藤と言い、そして、このお龍でしょ。
そこらへんは安心して見れる感じですね。
春猪に至っても、春猪って感じだもんね。
まあ、とにかく、今回は、泣かされて男大河的に興奮までさせられて、なかなか楽しかった45分間でした。
龍馬以外は、良かったって、感じかな。
ほら、ここらへんも、第一部の最初あたりの感想に戻ってる!
来週は池田屋らしいですから、もう新選組ファン!としては、盛り上がります。スタイリッシュな新選組の残酷さというのを見てみたいですね!

今週の評価ポイント
以蔵&なつのシーンと、やはり龍馬VS近藤シーンでしょう。泣いたり、興奮したりでした!

お昼間カフェ!「ゆるちょTEA」(28)(ゆるちょの昼間向けゆるゆるトーク!(笑))

2010年05月31日 | お昼間カフェ
どうも!「由美ちゃん物語」の沢村です!まひるです!

今日もあのカフェに遊びに来てしまいました!

わたしも試験が終わったので、新しい気持ちで、さわさんに付いてきてしまいました!

初夏の季節に、この場所はぴったりですからね!

海風も気持ちいいし、なにより、このずーっと広がっていく海が気持ちいいよね!

さて、それじゃあ、この坂を登ってカフェまで、歩いていこうか!

もう、江ノ電、久しぶりだった!歩きなら、ゆっくり登れるね、さわさん!

うん。そのための歩きだもの。あ、いや。


あなたも、あのカフェに?

じゃ、ご一緒しましょう!



江ノ電の鎌倉高校駅前から続く一本の坂を、海を右に見ながら登って、ちょっと左に折れると、ほら、ありました。小さなカフェが。

海を見渡せるこのカフェは、昼下がりの気持ちのいい時間を過ごすのに、うってつけ。

さあ、ドアを開けますよ!

「カランコローン」

そして、もちろん、いつものように、奥のカウンターには、マスターのゆるちょさんが、立っています。

「いらっしゃいませ。いつものお席ですね!」

彼は、そう告げるとにこやかに、席を用意するのでした。



さて、今日は月曜日!週のはじめは、楽しく気持ちよく!

天気も絶好調だし、海風が気持ちいいです!

さあ、いつものように、テンション高目で、開店です!


さて、今日は沢村さんとまひるさんが来店のご様子です。

早速、おしゃべりしちゃいましょう!


沢村さん、まひるさん、お疲れ様です!


沢村:こんにちわ。いやあ、天気もよくて、気持ちいいね!


まひる:おはよう、マスター。今日は、ほんとに気持ちいいね!


気持ちのいい日ですね。もう、5月も終りですね。


沢村:そうだねー。いやあ、僕は5月は好きな季節なんだよね。初夏だし、連休もあるし。


まひる:私も5月って大好きだなあ。走っていても、さわやかだし、気持ちがいいもん!


そうですね。快適な季節であることは、確かですね。でも、もうすぐ6月です。


沢村:うーん、6月というと、梅雨の季節だからね。ちょっと苦手かなあ。


まひる:私もちょっとだめかな。サイクリストとしては、走れないし、蒸し蒸しするのも、いや。


でも、沢村さんは、ボーナスの季節でも、あるんじゃないですか?


沢村:はははは。まあ、ボーナスでもあるけど、僕のレベルじゃ、笑っちゃうくらい少ないからねー。


まひる:でも、あるだけ、いいわよ。私なんて、そんなのないから、6月は、ただじめじめしているイメージだけだもん。


まひるさんは、学生ですものね。まあ、就職した時のお楽しみというわけですかね。


沢村:まひるちゃんは、学生で、自由にやれているんだから、それでいいじゃないか。僕なんて薄給で縛り付けられて・・・。


まひる:そうお?なんか、かなり自由にやれているような気がするけど!女子学生とも、楽しそうに、話しているし・・・。


ほう。それは、興味深い発言ですねえ。


沢村:な、なにを言ってるんだ。あれは、指導が必要な学生だから、だな。


まひる:ふーん、そうかなあ。でも、皆、綺麗な学生ばかり、というのは、どういうこと!


ほう。そんなことになっているんですか!


沢村:いや、あれは、たまたまだな。そのう、そういう人間が集まっただけで・・・。


まひる:たまたまにしては、美人ばかり、だったけどな。


沢村さんも、人生楽しんでいるようで、うらやましいですね。


沢村:まあ、人生は、楽しんだもの勝ちだからね。何が一番楽しいかを、知っておかないとね。


まひる:ふーん、だから、美人ばかり集めたがるのね。まあ、どうでもいいけど。


まあまあ、まひるさん。まひるさんは、今、何が一番楽しいことなんですか?


まひる:うーん、そうだなあ。甘いもの食べることかな。


沢村:まひるちゃんは、これだからな。まあ、まだまだ、少女なんだから。


まひるさんは、恋愛とかは、どう考えていらっしゃるんですか?


まひる:私、尊敬できるひとがいいの。ずーっと尊敬できて、信頼できる、あったかいひと。


沢村:へえ。そんな話、初めて聞いた。


まひる:だって、最近、そう感じるようになったんだもん。以前はスポーツマンで、かっこいいひとが、良かったけど。考えが変わったの。


なるほど、それは、「龍馬伝」の影響ですか?


まひる:うーん、それもあるかもしれないな。でも、みんなといろいろ話しているうちに、そんな気持ちになったの。


沢村:なるほどね。「龍馬伝」の武市夫婦の影響かもね。


そういえば、昨日の「龍馬伝」は、見ましたか?


沢村:うん。とうとう以蔵が捕まってしまったね。


まひる:なんだか、せつなかった。


そうですね。なかなか、大変な感じになってきましたね。


沢村:僕はあの、彼女が困っている顔を見た時の、以蔵のせつなさを、ものすごく感じたね。男だったら、あの時のせつなさって、共感するんじゃないかな。


まひる:でも、ああいう風になるのは、女性だったら、当然じゃないかな。だって、女性って弱いもの。


そうですね。ひと、それぞれの立場というものがあるから、ああいうストーリーになるのでしょうね。


沢村:僕は龍馬の言葉なんかより、あの以蔵のせつない表情が、もっとも説得力があったと思ったな。あのつらい感情は、僕も過去に何度ももったからね。胸が痛かったよ。


まひる:わたしもあんな状態になったら、男性に早く出て行ってって、言っちゃうかもしれないな。


男性も女性も感情移入してしまう、シーンだったというわけでしょうか。


沢村:あの以蔵があったから、それからの龍馬のシーンは感心できなかった。なんか、とってつけたようなシーンだったからね。


まひる:うーん、なんとなくカッコつけている感じかな。あの龍馬さんって。


龍馬さん、不人気みたいですね。


沢村:まあ、僕にはそう見えるだけで、不人気というほどのことじゃ・・・。


まひる:ああいうのが、好きなひともいるんでしょうね。


そういえば、新選組も登場していましたね。


沢村:ああ、なんというか不気味な団体と言う感じで、おもしろいテイストだね。


まひる:なかなか、良い感じだったわ。


こちらは、好評みたいですね。


沢村:うーん、でも、まだ、印象に過ぎないから、これから、見ていかないとまだ、わからないよ。


まひる:そうね。つかみはOK!という感じ?


なるほど、これから、ということですね。


沢村:ねえ、マスター、そういえば、ダイエットは、どんな感じになっているの?


まひる:私も聞きたーい!


ええ。昨日、ちょうど、1,5キロ減になりました。


沢村:だいたい、一ヶ月半くらい、かかった計算?


まひる:ゆるやかダイエットだね!


そうですね。まあ、でも、リバウンドもなさそうな、やさしいダイエットですね。


沢村:でも、1,5キロ減でも、顔が痩せたね。表情とか、全然違うような気がする。


まひる:うん。頬のあたりがシュッとしているし、精悍な感じになったよ。


まあ、日焼けしたのも、効いているんでしょう。外を走っていると、自然にそうなりますが。


沢村:やっぱり自転車は、ダイエットにシビアに効果的なんだね。


まひる:うん。だって、健康になるもん!


また、6月から、1ヶ月で、どれくらい脂肪を落とせるか、新しい気持ちで、がんばります。


沢村:そうだね。でも、筋肉もかなりついたみたいだから、次の一ヶ月は、割と順当にいくんじゃない?


まひる:スポーツマンの体型に近づいてきたね、マスター!


はい。そう言われるとうれしいですね。がんばりますよー!


沢村:そういえば、語学学習も順当なの?


まひる:フランス語とか、イタリア語だっけ?


ええ。こちらは、まあ、やっと5月に入った感じですから、少しずつゆっくりと進めている感じです。


沢村:なるほど、身の丈に合ったやり方だね。


まひる:なにより、続けることが大事よね!


そうですね。でも、楽しく進めているので、止めないで済みそうです。


沢村:僕も何かはじめてみようかな。日々進化することって、大切だものな。


まひる:毎日進化しているって、素敵なことだよね!


そうですね。いつでも進化していたいってのは、人間の素直な思いなんじゃないかなって、僕は思います。


沢村:さすが、マスター。前向きだね。


まひる:私も何か探さなきゃ。マスターを見習ってがんばってみようかな。


ええ、お奨めです。ほめて頂いたお礼に、こちらのティラミス、新しい商品なので、ぜひ、ご試食を。


まひる:うわーい。ありがとう、マスター。


沢村:うわ。いいなあ。


ご感想を頂ければ、幸いですから。


まひる:マスター、わたし、あっちでゆっくり味わってみるね。


沢村:そうだな。海側へ移動しようか。


はい。承知しました。


どうぞ、ごゆっくり。



さて、いい天気ですね。

今日も、いい一日になりそうです。


さて、長々としゃべってきましたが、

今日はこのくらいにしましょうか。

海も綺麗に見える時間に入ってきました。

みなさん、楽しんでいってくださいね!

ではでは。




そう言って、マスターは、カウンターの中へ、戻って行きました。

「それ、おいしそうだね!」

と、沢村さんは、楽しそうにしゃべっています。

まひるさんも、ティラミスを食べながら、うれしそうな表情です。

みなさん、楽しい時間を過ごされているようですね。

静かな時間が、波音と共に過ぎていきます。

太陽がさんさんと降り注ぎ、海はどこまでも、気持ちよく、広がっています。

海の見える静かな午後。ここでは、気持ちのいい時間だけが過ぎていきます。




松田聖子さんの「瑠璃色の地球」!(月曜日の歌詞論考!:日本人的美学からの論考)

2010年05月31日 | 日本人の秘密
おはようございます!

今日はなんだか、天気が良くなりそうですね!

いやあ、週末にこの天気だったら、良かったのに!

と、まあ、終わったことは仕方がないですね!

まあ、月曜日から、こういう天気はうれしいもので、

久しぶりに気持ちいい天気になりそうで、

前向きにとらえましょうかね!

さて、今日は月曜日!ということで、

週の始めは、ゆるゆるな感じで、

歌詞論考!ということで、

バヤリース・マンゴーをおいしく味わいながら、

週の始まり、楽しくいきましょう!


さて、先日、「HOLIDAY」というアルバムを借りて聞いていたのですが、

まあ、J-POPの気持ちいい楽曲のコンピレーションということで、

なんだか、いろいろな気持ちのいい曲を聞いたのですが、

久々にこの曲を聞いたのですが、まあ、けっこう昔の曲ですけど、今聞いても

「いいなあ」

と感じた、ということで、歌詞論考しちまおうか、というわけです。

えーと。松田聖子さんの「瑠璃色の地球」という楽曲ですね。

これ、僕が大学生くらいの頃の楽曲ですから、けっこう知らない方も多いんじゃないか、と思いますね。

じゃあ、歌詞論考、ゆるりと、始めていきますか!



夜明けの来ない夜はないさ

あなたがポツリ言う

灯台の立つ岬で

暗い海を見ていた


えー、作詞は、松本隆さん、ということで、松田聖子さんとは、黄金タッグと言われていましたね。

というわけで、出だしのところですが、まず、

「夜明けの来ない夜はない」

という自然現象の理を話すことで、どうも今は、暗い状況にあるようですね。

それを、元気づけるために、

「今は暗い状況かもしれないけれど、きっと、好転する時がくる!」

と励ましているわけですね。「灯台の立つ岬」というのは、それ自体、光を発しているわけですから、

これから、どこかへ向かおうか、それを決めようと、周りを見回しているということを現しているのでしょうか。

いずれにしろ、「暗い海をみていた」わけですから、まわりは、暗い状況につつまれている、というわけで、

今、僕は、周りが見えない状況にある、ということで、よくあるつらい状況にはまっている状況を暗示し、

聞いている僕らと、同じ状況なんだ、ということを暗示しています。

つまり、この曲は、自分がきつい状況、つらい状況にあるときに聞くと、同感することができる楽曲だ、ということが、

ここから、わかりますね。


悩んだ日もある 悲しみに

くじけそうな時も

あなたがそこにいたから

生きてこれた


この辺りで、その暗い状況の具体的内容が語られています。

「悩んだ日もある」

というわけで、これは視聴者だれにでもあることですからね、共感を呼びやすい言葉でしょう。

そして、

「悲しみにくじけそうな時も」

ということで、これこそ、誰にでもあることです。

特に若い頃、十代なんて、こんなことの連続じゃないでしょうか。

そして、それを癒すのは、それを我慢できるのは、

「あなたがそこにいたから 生きてこれた」

ということで、愛するひとの存在、ということになるわけです。

そうです。これは、愛するひとを称えるストーリーなんですね。


朝日が水平線から 

光の矢を放ち

二人を包んでゆくの

瑠璃色の地球


というわけで、愛する人と二人でいる、ということを

まず、前提にしているわけです。

二人で手をとりあって、抱き合っている、そんな二人を、

静かに見守っている地球という大きな存在。ガイアが、

僕らを見守っている。それは、とても大きな存在で、

それでいて、二人を包んでくれる。やさしい存在。

美しい光の矢を放つ、それは、瑠璃色に輝く地球なのだ、

と、この歌詞は言っています。

この歌詞は、愛する二人を包む存在としての、地球を最終的には、言っているんですね。

なんというか、今のエコブームには、最適な楽曲のような気がしますね。

親のように、二人を包んでくれる存在。そして、それは、僕らを守ってくれる。

まあ、今は僕らがそんなガイアを守ろうキャンペーンの最中ですけどね。

エコという言葉の走りに、この楽曲があったような、そんな気もしますね。


泣き顔が微笑に変わる

瞬間の涙を

世界中のひとたちに

そっと分けてあげたい


悲しい状況から、うれしい状況に変わることを暗示していますね。

そして、涙を流すほど、感動的な瞬間を、世界中のひとたちと、分けあいたい、

ということで、世界中のひとびとと、つながりたい、ということを

示しています。

地球を讃えたあとは、世界中のひとびとをもってきて、

ワールドワイドなひろがりを感じさせて

より感動的な形にしている、というわけなんですね。


争って傷つけあったり

人は弱いものね

だけど愛する形も

きっとあるはず


戦争はいやなものだ。でも、それを大きなこころで、「ひとは弱いものね」と言ってみる。

でも、人間は、そればかりじゃない、きっと愛する形をとれるはずだ、ということで、

これは、人間というものをアゲしているわけですね。

「戦争をしている、という側面もあるけど、人間だって、愛することができるはず」

と、これ、神の視点というか、ガイアの視点なんでしょうか。

とにかく、人間というものを、客観的な視点でみれる、視座にいて、これを話しているわけです。


ガラスの海の向こうには

広がりゆく銀河

地球という名の船の

だれもが旅人


ストーリーは大きくなるばかりです。

今度は、銀河をゆく地球という船という見立てで、

僕らはその船に乗る旅人だ、ということを指摘しているわけです。

ここは、要は壮大な感じというものを出しているわけですね。

そして、旅人ということを強調して、僕らは、実は楽しい時間を過ごしているんだ、

明日、何が起こるかわからないんだよ、

と、まあ、そういう感じで、楽しい感じを僕らに示しているわけですね。


ひとつしかない

私たちの星を守りたい


というわけで、まあ、この曲では、ここを最も言いたいわけなんですけど、

思い切り、エコですね!

いずれにしろ、地球を守りたい!というのは、人類共通の願いですからね。

共感を狙ったということなんでしょうね。ここで。


朝陽が水平線から

光の矢を放ち

二人を包んでゆくの

瑠璃色の地球

瑠璃色の地球


というわけで、二人で朝陽を見ているというのも、暗示的なんですけど、

美しい朝の太陽を見ながら、地球を思っている僕ら、ということなんでしょうね。

そして、そういう美しい地球を守りたい、ということで、

ほんと昔の曲なんですけど、今のエコブームに、ぴったりな曲だなあ、という感じです。

どこか、テーマ曲に使えばいいのに!っていう感じですかね。


これ、やっぱり、自然との共生という、人類の共通の感覚を歌っているんで、

自然に自分の中で、いい曲指定をしていた、ということなんでしょうね。

地球を守りたい、

このことが、今のエコブームを呼んでいるということもありますし、

人類の共感を最大に与える思想なんですね。

そりゃ、地球がだめになったら、困りますからね。

つまり、この曲がなぜ感動を呼ぶか、なぜ共感を呼ぶか、というと、地球を守りたいという、言葉が、人類共通の願いだったから、

ということなんですね。


僕らの素直な願いを、そのまま歌詞にしたから、それが、共感を呼んでいるという図式なんですね。

そして、この曲が感動を呼ぶ事実が、今のエコブームにもつながっている、ということなんでしょうね。

なるほどね。


それに、お約束になっていますが、まず、ダメな状況、悪い状況から、はじまるんですね。

真っ暗な闇夜。悩んだり、苦しんだりしていた。

でも、あなたがいた。

そして、二人で見守る朝陽。そして、見守る地球。


すばらしいストーリーじゃないですか。

愛するひとと迎える朝。

その素晴らしさは、誰でもが認めるものです。

そう。やはり、ここでも、つらさから、立ち上がる自分、というヒットの方程式的ストーリーが奏でられていたんですね。

そして、愛するひとが、自分を助けてくれる。

ここらへんが、ヒットの方程式になっているような気がしますね。

うーん、やっぱり、いい曲には、いい曲である理由があるんですね。


まあ、でも、ここで、付け加えておく必要があるのは、やっぱり、松田聖子さんの声、ということなんですね。

聞いていて説得力がある声なんですよね。純粋さ、というのが、あの声にはあるんですね。

だから、この歌が、すっとこころに響く。

だから、いい曲、というだけでは、だめで、歌い手も選ぶということになるんでしょうね。


「瑠璃色の地球」。


朝から聞いていて、これだけ、気持ちのいい曲もなかなか、ないかもしれません。


気持ちいい朝を迎えて、今日の活力をもらう、そんな楽曲です。


気持ちのいい朝を演出するために、気持ちのいい曲をセレクトする!


そういうことも、必要な時代になってきたような気がしますね。


さて、今日も楽しく、いい一日を、迎えると、しましょうか!


ではでは。





「剣三郎物語-星の未来の物語-」(1)

2010年05月30日 | 過去の物語
14歳の剣士、千々石剣三郎は、焦っていた。

彼は父親の仇、鬼塚三左を追って、この江戸まで来たのだった。

この江戸までの道中、彼は何度も三左を襲おうとしたのだが、その度に何を嗅ぎつけるのか、

三左は、忽然と消えていた。

その度に彼は焦り、三左の足跡を必死で追いながら江戸まで来てしまったのである。


剣三郎は、元々宇和島藩の藩士の子として生まれた。父薄田公三郎は、藩の会計役として、実直に働いていたが、

先々月の十八日に、鬼塚三左に斬り捨られたのだった。

剣三郎は、十歳の時に、その剣の師匠千々石宗心のたっての願いで、千々和家に養子に入っており名前こそ千々和姓を

名乗っていはいるが、こころはまだ、実の父親の元にあった。

「父親の仇を討たせてください」

と宗心に願い出た剣三郎であったが、宗心は、なかなか認めようとはしなかった。

薄田家本家には、長男で、これも剣に秀でた公一郎がいたからである。

「公一郎殿が、仇討ちに出られるそうだ。お前の出番はない」

と宗心は剣三郎に、伝えた。このとき、剣三郎は、悔しそうに、言葉を吐いた。

「兄の腕を僕は知ってる。兄の剣には、重大な癖がある。もし、それを見破られれば、兄は、死ぬ!」

それを聞いた宗心は、驚いた。

確かに、公一郎の剣には、癖があった。しかし、それはささいなもので、宗心の弟子達とでも、互角に戦える程の腕はあるだろうと

思っていたからだった。

「僕には、わかるんだ。兄の悲しみのこころが。兄が泣いている様子が僕には見えるんだ!」

そう叫んだ剣三郎は、拳を土間に叩きつけるのであった。

「剣三郎・・・」

宗心は、無言でそれを見続けるのであった。


剣三郎は、江戸の街に入ると、初めての江戸の大きさに圧巻の気持ちで、周りを見回していた。

「これが江戸かあ。すげえなあ・・」

と剣三郎は漏らすと、ひとの多さに圧倒されていた。

いろいろなモノを売っている人間がたくさんいる。そのひとつひとつが、何やら珍しくて、ついついのぞきこんでしまう。

「あ、これ焼き芋?」

と見たことのある食べ物を見つけて、ついつい聞いてしまう剣三郎である。

「おう、にいちゃん、食うかね。5文だ」

と、店番の親父が言う。

「うん。じゃあ、ひとつ」

と、お金と交換で、焼き芋にありつく剣三郎である。

「甘くてうめえや」

とそこはまだ子供の剣三郎。買い食いの大好きな年代でもある。

「それにしても、江戸は広そうだ・・・。あいつ、どこへ、行ったんだろうなあ・・・」

と剣三郎は、現実を思うとたまらなく不安になり、かじっている焼き芋の味もわからなくなる。

「これから、どうすれば、いいんだろう。俺、わからなくなっちゃったよ・・・」

彼は、橋を渡る途中、思わず欄干によりかかって思案にくれる。

「母さん、俺、どうしたら、いいのかなあ。これから・・・」

と母親の顔を思い出そうとする剣三郎である。

しかし、遠い日になくした母親の姿は、現れず、現れたのは、公一郎の笑顔だった。

「兄者・・・」


「公一郎殿が、殺されたそうじゃ」

宗心がその便りを剣三郎に見せたのは、公一郎が仇討ちの旅に出て、ひと月にもならない先月の十日でした。

一刀の元に切り下げられたその死体からは、相手が相当の手練であった様子がありありとわかりました。

「兄者・・・」

剣三郎は、あまりのことに、泣くことができませんでした。

心がその事実を受けとめきれなかったのです。

ポカンとした剣三郎は、兄の葬式の間中、魂が抜けた腑抜けの状態でした。

剣三郎は、兄弟の中でこの兄と一番気の合う仲だったのです。

小さな頃から遊び合った仲で、次の兄の君二郎とそりが合わなかった分、余計、公一郎への親愛の情が深かったのです。

彼は葬式が終り千々石の家に帰ると、すぐに宗心の元へ行き、仇討の件を再度願い出ます。

「・・・」

と宗心は、考え込みます。

宗心の見る所、剣三郎は、千々石流をさらに磨きあげることのできる豊かな才能を備えた若者でした。

ただ、まだ、人生経験も少なく、人間的にも幼稚なところがある剣三郎を仇討ちなどという危険極まりない旅に出すことは

極力避けたいところだったのです。

しかも、まだ、14歳。

宗心は、手元に置いて少しずつ自分の持つ全てを彼に教え込み、ひとつの傑出した作品を創り上げようとしていたのです。

「しかし、今度こそ、承服しまいな」

宗心は、前回、公一郎の仇討ち旅が決まった時の、剣三郎の反対の様子を思い出しながら、そのような結論を出します。

「樹一郎をつけるか」

見間(みるま)樹一郎。28歳独身の千々石四剣士のひとりであり、千々石の小天狗と呼ばれる快活な若者です。

他人と如才なく話せるかと思えば、深沈と物事を考えることもできる、万能型の人物です。

「あやつなら、物事にも慣れておるわ。奴をつけよう」

宗心はそう決めると、目の前で頭を下げている剣三郎に、声をかけます。

「よかろう。この度のこと、わしに一任されておる。樹一郎と共に、必ず仇をうってこい。そして必ずここに戻るのじゃ。良いな」

と宗心は、続けると、一息置いて、

「おまえはこの千々石流を継ぐという大事な仕事を請け負っていることを忘れるなよ。そちの体はそちのものであって、そちのものではない」

と言い切ります。そして、

「そちの体は、この千々石流のものなのじゃ!しっかりと仇討を果たし、必ず帰るように!」

と、宗心は、剣三郎の目をしっかりと見つめて、そのこころに諭すように話します。

剣三郎も、その師匠の熱い心をしっかりと受け止め、大きくうなずきます。

そして、次の日、剣三郎は、樹一郎と共に、仇討の旅に出たのでした。


「おい、あんた、川の方にそんなに身を乗り出すなんて、危ないじゃないか!」

と、声をかけられ、剣三郎がふと振り返ると、30代前半と思われる色白の女性が、今にも抱きつきそうな感じで、

剣三郎をおろおろ見守っています。

「え?」

と気を抜いた途端、剣三郎は、そのまま、真っ逆さまに、川に落ちます。

「落ちたぞ!」

と声が上がると、それを追ってドボンと川に飛び込んだ人間がいます。

剣三郎は、何がなんだか、わからないまま、川の水をしこたま飲み、浮き上がろうと必死にもがきます。

そのうち、なぜか、体が浮き、やっと息を吸うことができます。

「ふう・・・」

と安心すると、剣三郎は意識を失ってしまいます。


気がつくと剣三郎は、多くの人間に囲まれた状態で、川岸に寝かされていることに気づきます。

「おお。やっと気がついたぞ!」

と群集がうねるように反応します。

「ど、どういう、こと?」

と、剣三郎は、自分がどのような事態に置かれているのか、全く理解していません。

「おい、にいちゃん、このお方が助けてくれなかったら、あんたは、土左衛門だったんだぜ」

と、先程、焼き芋を売ってくれた、親父さんが、説明してくれます。

「だ、誰?」

と剣三郎は、朦朧とした意識で、助けてくれた恩人という人間を見ます。

そこには、褌姿で、体を拭いている、いなせな感じの青年が立っています。

「気がついたか。俺は、火消し「め組」の銀次ってんだ。俺は泳ぐのと、人助けが得意だからな。まあ、気がつきゃあ、もう、大丈夫だろ!」

と、銀次は爽やかな江戸弁で、さらりと言ってのけます。

「まったく、もう、危ないって、言ったのに。あんた、どこの人間なんだい?」

と先程、橋の上で声をかけた色白の女性も、気遣わしげに、剣三郎の体に傷がないか、調べています。

「拙者、宇和島藩藩士、千々石剣三郎です。父の仇を討つため、伊予宇和島より、江戸にまかり越しました」

と、剣三郎は、それだけ言うと、また、気を失ってしまいました。


「若、敵は、相当の手練と見受けますな」

と樹一郎は、言葉とはうらはらに呑気そうな感じで、話しています。

「俺もそう思う。公一郎兄上に、いくら癖があったとしても、あれだけの技量だ。あんな簡単にやられるとは、相手の技量が相当優っていたということだろう」

と、こと剣のことに関しては、家中の誰よりも詳しい剣三郎でした。

「まあ、こう言うとあれですが、ある程度相手の剣を見てから、仇討ちということに、しなければ、なりませんな」

と、樹一郎は、先程とった、木の葉をいじりながら、しゃべっています。

二人は、宇和島から船で、岡山に渡り、陸路、大阪を目指していました。

鬼塚三左が、岡山行きの便船に乗ったのを見たという人間が複数おり、岡山の宿場では、三左が大阪へ行く旨の話をしていたことを聞き及んだからで、

二人の足は、知らず知らず、早足になっているようでした。

「暗くなってしまいましたな。そろそろ宿場についても良さそうなところだが」

と、樹一郎がつぶやくと、剣三郎は、何かに気づき、その樹一郎に体当たりして、その場に伏せます。

「ズバッ」

と飛苦無が、先程まで樹一郎がいた辺りに、刺さっています。

「何奴!」

と樹一郎は、闇夜に目を凝らします。

「鬼塚様を追うとは、不届きな奴。二人ともこの場で、死んでもらう!」

そういう声が響くと、闇夜になにかが、うごめくようです。

「女!」

そう、樹一郎が叫ぶと、その刹那、樹一郎に、三つの飛苦無が殺到します。

「むん!」

と、飛び退いてかわす樹一郎の動いた先に、さらに三つの飛苦無が殺到しています。

「くっ!」

と、その痛みに耐えようと樹一郎があきらめた瞬間、剣三郎が、代わりにその飛苦無を三つとも剣で打ち据えます!

「若!」

と樹一郎が感嘆する間もなく、さらなる飛苦無が殺到します。

「くっ」

と左腕と右腿に飛苦無が刺さった剣三郎は血を流しながら、闇を凝視します。

「さあ、二人とも死ぬがいい」

冷たい言葉が、闇夜に響きます。

剣三郎は、見えない敵を求めて、闇夜を凝視するだけでした。

(つづく)

たまーの、政治ばなし!

2010年05月30日 | アホな自分
おはようございます!

いやあ、今日も不安定な天候になりそうで、残念ですねー。

まあ、週末の仕事をずんどこ終わらせて午後から走りにいけるかな?という感じですが、

みなさんはどんな週末をお過ごしでしょうか!

夕方からいとこ夫婦も遊びに来るし、その準備もあるので、あんまり乗れないかな、今日は(笑)。

まあ、それにしても、週末はやはり楽しいですね。サゲ要素がまったくありません。

まあ、しあわせな時間というところでしょうか!


ジロ・デ・イタリアも、今日のラストステージを残すのみとなりましたが、

今年のジロ・デ・イタリアは、ものすごく面白かったです。

まあ、新城幸也が出ていて、いい仕事もしたし、人気選手になりましたからね。

それも面白かったんですが、レース展開の彩がとにかく毎日いろいろあって、おもしろかったですよー。

え、まさか、そんな、え、そうくるの?と思ったらこう来たりして、みたいな感じで、

毎日、想像を絶する展開がありましたー。いやいや、高度な物語性があって、おもしろかったです。

まあ、今晩もどうなるか、楽しみですねー。


さて、新聞なんか、読んでいると、まあ、なんだか、政治の方は日本憲政史上最低の人間達のおかげで、

相当ひどいことになっているみたいですね。

まあ、基本、地上波を見ない人間なので、ネットなり新聞でフォローしているくらいですけど、

やっぱり、顔が駄目な人間は、所詮ダメね。

もう、とりあたまなんて、さ、勉強もしてないで、適当なこと言って、これまで、やってきたんだぜ!

その場しのぎの言葉しゃべってりゃ、務まる仕事なんだから、野党の政治家って、楽な仕事だよね。

それで、いざ仕事まかせたら、ほんとに仕事できないんだから、笑っちゃうよね。

しかし、あの国家公安委員長も、ひどいよね。でろでろで、ぶさいくな顔して、女遊びしてんだろ!

それで、SPつけないで、国家危機だとか、ほざかれて、ださいよねえ。

口蹄疫騒ぎもその初動段階が最も大切なのに、自身の政治活動のために、国政をおざなりにしているんだから、なんなのあの農業大臣?

自民党が与党時代だったら、あんなの罷免レベルだろ。

とにかく、仕事できない、責任とれない、社会人として失格レベルの人間の集まりなんだから、

民主党って、最低だよねー。

とにかく、民主党って、立候補候補については、金の話から始まるらしいからさ、前田くんが書いていたけど、そもそも、いやしい人間の集まりなんだろうね。

だって、あの石川議員だって、辞めてないんだぜ。っていうか、責任とって辞めるとか、そういうのが、ないじゃん。

もう、権力握ったらそれにしがみついてるんだから、どこまで、いやしいんだてめえら!って感じだよね。

まあ、時代の膿だからな、あいつらは。

だって、ダサイ顔ばっかじゃん。

それに、社民党なんてさ、もう脳みそお花畑人間しか、いないんだから、そもそも、与党側にいることが、おかしいんだよ。

今回、政権離脱って、遠からずそうなることは、与党に参加した時点でわかっていることでしょ?

はっきりいって、実現できないことを実現できるとか、民衆を騙している段階で、終わっているんだよ。

政治家なんて詐欺師なんだから、さ。

基本、政治家なんてあてにする意味がないんだから、信じられる政治家を見つけて応援する以外ないんだよね。

まあ、そんな奇特な政治家がいるのか、どうか、わからないけれどね。


そういえば、この夏の参議院選挙に、民主党から立候補する顔ぶれをみたけど、何あれ?

スポーツ選手って、基本バカが多いけど、中畑とか、低脳糞馬鹿だぜー。

プロ野球の解説なんて超適当だし、言ったことと逆になることばかり。

あんな奴に政治なんか任せられるかっての!

まあ、金に動かされたのが見え見えで、あの顔ぶれ、ほんと時代も読めないお馬鹿ばっかりで、笑っちゃったよ。

田村亮子なんて、何考えてんだあいつ?政治を馬鹿にしているとしか、思えない言動だよね。

まあ、馬鹿女って奴なんだろうね。

まあ、いずれにしろ、馬鹿女とクソガキだまして、票をとろうという馬鹿小沢の戦略なんだろうけどさ。

それに踊らされる馬鹿女がいるんだろうけど、今度は、そうそううまくいかないんじゃないのかね。

日本人を馬鹿にしすぎだよ、あのうんこ小沢ってダサイ顔したおっさんはよ!

あと、亀が特定郵便局長会だけに特化した政治をやっているけど、

そのうち、時代的に抹殺されるだろうね、亀も特定郵便局長会も。

不幸になるだけだよ、あんたら。日本人全体から、不興を買っているからね。

そういうこともわからないんだから、哀れなもんだね。


あー、なんか政治の話をすると、胸くそ悪くなるね。

やーめた。とりあえず、フランス語の勉強しなくちゃ、昨日できなかったからね(笑)。

さあ、楽しい週末!気持ちよく過ごしましょう!


ではでは。



サイクリストの週末!と来週土曜日からのお楽しみ!(告知)

2010年05月29日 | アホな自分
えー、これ↑が、僕の赤いフェラーリ!じゃなくて、トレックです。

「Cometa di rosso」

と書き込みをいれた、まあ、イタリア語で赤い彗星というわけですが、

なかなか、おしゃれさんな自転車でしょう?

色もフェラーリレッドを指定して塗ってもらっているんですねー。

まあ、こんなデザインも楽しめる!ということで、サイクルスポーツ最高ですねー!

まあ、しかし、こういう凝り方をしちゃうあたり、美しいもの大好きの美術部の血ですね。

まあ、女性なんかに

「これ、なかなかオシャレでしょ!」

なんつって、話の種にもなるしね。まあ、美しいもの大好きなんでね!

まあ、サイクリストでこういうところに凝る人はあまり見かけないんで、

まあ、僕的!ということでしょうか!(笑)


さて、今日も自転車トレーニングに、行ってきました!

いやあ、なんつーか、気持ちいいよね。

もう、すっかりさわやかさんです。やっぱ、週末はこうでなくっちゃね!

まあ、今日は天気もあまり良くなくて、けっこう涼しかったですけど、

ずんどこ汗も書いて、新陳代謝能力も、まあ、同世代よりも高いでしょうね。

あれ、最初にちょっとぬるっとした汗が出るんですけど、

その後は、もう、さらさらな汗にチェンジ!

血管の発育もいい感じで、全身を覆っていますから、

普段が非常に過ごしやすいんですね。

汗もさらさらだし、匂いも、それほどでもない。

やはり、スポーツは大事です。

自分の体型メイクにも必要なことですよね。

まあ、でも、今はまだ、足の方が戻ってきてないので、一日60キロ程度で止めています。

それ以上あげようとして、膝の爆弾が破裂したばかりですからね。

少しずつ上げて、一日、160キロくらいは、軽くこなせるようになりたいですね。

その距離は、ハワイで毎年、行われるセンチュリーライドの距離ですからね。

うーん、来年あたり、できればチャレンジしたいですね。

ハワイで、自転車走ったら、そりゃ、気持ちいいでしょうね!

まあ、人生のいくつかの目標的にとらえておきましょうかね!

ま、いずれ、実現させるつもりですけどね(笑)。


さて、明日から「剣三郎物語-星の未来の物語-」を開始すると、告知しましたが、

それを書いているうちに、いろいろな発想がわきまして、ゆるちょ的江戸時代ワールドということで、

さらにもうひとつの物語を書き始めてしまいました(笑)。まあ、まだ、題名その他は内緒!

ということにしておきますが、来週の土曜日から、毎週土曜日に投稿しようと考えています。

まあ、これで、「ドラゴン通信」以外の日は、ゆるちょ的ストーリーを楽しんでもらえるようになるわけですが、

まあ、どんなことになるか、ご期待ください!


いやあ、しかし、ほんとにさわやかで気持ちがいいです。

ジロ・デ・イタリアも、最終週の最後になってきていますから、ものすごく盛り上がっていますし、

いい5月になりました!


さ、楽しい週末、まだまだ、楽しみますかね!

ではでは。


毎週、日曜日の夜お届けのストーリー「剣三郎物語-星の未来の物語-」告知!

2010年05月29日 | 投稿について
おはようございます!

というわけで、週末は思い切りリアルライフ重視で、

思い切りブログの手を抜いちゃうわけなんですけどね。

やっぱり、ネットはリアルライフの充実のために、あるものですからね。

まあ、そこらへん、カン違いしないで、生きていきたいものですね(笑)。


さて、ちょっと今、新しいことを考えていて・・・というのも、

明日、日曜日の夜から、また、新しいストーリー好きの方向けの方策を打とうかなあ、

ということで、「剣三郎物語-星の未来の物語-」を始めようとしています。

まあ、ジャンル的には、歴史ファンタジーということで、

まあ、ライトノベル的な感じになるのかなあ、と思っています。

というのも、ちょっと歴史物語を書いてみたいなあ、と思っていたんですね、この頃(笑)。

ただ、司馬遼太郎を批判している身としては、単なる歴史物は、

「それは、単に歴史がおもしろいだけであって、あんたがおもしろいわけじゃない!」

と公然と司馬遼太郎を批判しているわけですから、ちょっと偉人物語を書くのもねー、というわけで、

まあ、全編創作にしちゃお、という感じになっているわけです。

まあ、将来的には僕なりの「信長」だったり、「西郷」だったり、書いてみたい気持ちもあるんですけど、

こういう習作をある程度、経験して、勉強してからかなあ、と思っているわけです。

歴史モノのおもしろさってのは、やはり歴史そのものをどのように表現するか、ですからね。

そういう意味では、別に司馬遼太郎を全否定しているわけでは、ないんですよ。

「国盗り物語」あたりの創作は、確かに成功していると思うしね。

まあ、資料を元になにがしかの物語を作るのが、全然できていない!と否定しているだけですからね。

司馬遼太郎は、ほんとに人生経験浅いし、モノが見えないのに、偉ぶる最低の人物ですけど、

こと、創作に関する限りは、おもしろい、と評価しています。

まあ、これも、思い込みかもしれませんけどね(笑)。

「国盗り物語」、論考しなくちゃ、だめかなあ(笑)。


さて、というわけで、明日の夜から、「剣三郎物語」を始めようというわけですが、

これは、人類の未来、というテーマを設定しています。

まあ、これから、どういう感じになっていくか、わかりませんが、

やっぱり単なる歴史モノ創作では、おもしろくありませんからね。

まあ、自分が十代の頃に楽しんだ、朝日ソノラマ文庫あたりと、歴史物をコラボレートした感じに

なるかなあ、と思っていますが、まあ、そこらへん、どんな感じになるか、自分でも楽しみです。


まあ、毎週日曜日の夜のお楽しみ、という感じで書けたらなあ、という気持ちで、今は一杯です!


「剣三郎物語-星の未来の物語-」

どういうことになるか。まあ、ご期待ください!


さて、週末の仕事を早くかたづけて、自転車トレーニング、いけるかなあ?

楽しい週末!リアルライフ充実で、いきましょう!


「由美ちゃん物語」(53)

2010年05月28日 | 過去の物語
「このビルの2階に、例の便利屋の事務所があります」

と、御幸記者は、車をあるビルの前に止めると説明します。

そのビルは、下から見あげる限りでは、なんとなく古びて老朽化した建物のように見えます。

「皆さん、ここで、降りて待っていてください。駐車場に停めてきますから」

と御幸記者は、皆を促し、皆が降りると、走り去ります。

「なんだか、ドキドキしてきたわ」

と少々はしゃぎ気味なのは、佳乃さんです。

「ちょっと緊張してきちゃった」

と、緊張気味なのは、由美ちゃんです。

「ふーん」

と、事務所を静かに見上げているのは、僕です。

そんなところへ元気に走ってくる御幸記者です。

「アポイントは取ってあるので、早速、行ってみましょう」

とそこは、手際のよい御幸記者です。なんだかんだ言ってプロの仕事です。

階段を登ると、少しみすぼらしい感じのドアが見えます。

「うわー、ドキドキ最高潮!」

と佳乃さんは、顔を紅潮させています。

由美ちゃんは、静かに緊張感をたたえています。

僕は、鷹揚に構えています。

御幸記者が静かにドアに近づき、

「トントン」

と二度、ドアをノックします。

すると、

「はーい」

という声がし、ひとりの人物が顔を出します。

よれよれの白衣を着、べっ甲のメガネをかけたその人物は大きな目でギョロリとこちらを見ます。

その顔を見た僕は思わず、声をあげます!

「あれ?おまえ!」

その人物はその声に反応し、僕を見ると、

「げっ」

と、顔を伏せます。

「おまえ、こんなところで、何やってんだ!」

と僕はすかさず猛追します。

「○○、お前こそ、なぜ、ここに」

と相手は、こちらに向き直るとそう反応しています。

由美ちゃんも佳乃さんも、そして御幸記者も、その二人の反応にポカンとしています。

「二人ともお知り合い同士ですか」

と、かろうじて御幸記者が二人に訪ねます。

「ああ。こいつ、俺の大学時代の友人だ。吉野という奴です」

と僕が告げると、吉野がばつの悪そうな表情をしています。

「ところで、お前、なんで白衣なんて着ているんだ?」

と、僕が聞くと、

「いやあ、これ、汚してもいいしさ。楽なんだよね」

と、普通に話す吉野です。

「それに、おまえ、横山電機に勤務しているはずじゃ、なかったか?」

と、僕が質問すると、

「ん。ああ、あれね。いやあ、こっちのほうが楽だし稼ぎもいいことに気がついてね」

と、口をもごもごさせながら、しゃべる吉野です。

「まあ、立ち話もなんだから、事務所の方へ」

と、吉野は、僕らを事務所内に誘います。

「○○さんの大学時代のご友人?」

と由美ちゃんが不審そうに僕に聞いています。

「この方、大学時代は、どんな方だったの?」

と佳乃さんが、興味深げに、僕に聞いています。

「まあ、大学ではめちゃくちゃ優秀なコンピューター技術者でしたよ・・・でも、どういうことなんだろ?」

と、僕もわけがわからない感じです。

事務所に入ってみると、事務所内は、きれいに改装されていて、まったく外観からは想像出来ないスタイリッシュな空間が広がっています。

「なんだか、カフェみたいな空間ね」

と、顔を紅潮させながら、ドキドキしている佳乃さんです。

「センスはいいみたいね」

と、安堵しているのは、由美ちゃんです。

僕らはカフェスタイルの空間にそれぞれ座ると、吉野の説明を待ちます。

「え。ここで、便利屋を開業している吉野です」

と彼は名刺を僕ら一人一人に渡すと、満足そうにします。

「まあ、いろいろ聞きたいことはあるが、今日は、この御幸記者のお供ということだから、先にそっちを済ましてしまおう」

と、僕が言うと、御幸記者も改めて気づいたように、メモとペンを取り出し、取材態勢に入ります。

「えーと、吉野さん、水島という人物を知っておられますか?」

と御幸記者は素直に質問しています。

「ええ、知っていますよ。我が社を援助してくれているサポーターのひとりです」

と吉野は素直に答えています。

「水島氏はどのような経緯で、サポーターになられたんですか?」

と御幸記者が聞くと、

「えーと、確かどこかの飲み屋でたまたまご一緒になり、話しているうちに、意気投合して、それで、だったかな」

と吉野は、水島社長が話したのと同じ内容の説明をしています。

「不躾な質問ですが、だいたい、一ヶ月にどれくらいサポートしてもらっているんですか?」

と御幸記者は、必要十分な内容の質問をしています。

「うーん、それは、企業秘密にさせてください。ちょっと他のサポーターとの関係もありますんで」

と、うまくかわす吉野です。

「うーん、そうですか。それは、仕方ないか。ところで、業務はどのようなことをなされているんですか?」

と、食い下がる御幸記者です。

「ええ。何でも、それこそ溝掃除からネズミ退治まで。蜂の撃退もやりますね。もっともひとりで対応できる程度のことに限られますが」

と涼しそうな顔で、話す吉野です。

「そんなんで、横山電機以上のサラリーが確保できるのか?」

と、僕が素直に質問すると、

「ああ。何でもやるからね。だからこそ、ある程度まとまった額を確保できるんだ」

と吉野は、涼しい顔で答えています。

「でも、おかしいですね。僕が見る所、あなたの会社は、ほとんど仕事がないように思えるのですが」

と御幸記者は疑問を呈しています。

「ああ。それは、僕があまり外に出て行かないから、そう見えるんでしょう。電話一本で事足りる仕事が多いですからね」

と、吉野は、ニヤリとしながら、会話を楽しんでいるようです。

「電話一本って、どういう内容のお仕事なんですか?それ」

と御幸記者が素直に疑問を口にすると、

「それこそ企業秘密です。内容は話せませんね。ただし、悪事に手を染めているわけでは、絶対ありませんから、ご心配なく」

と、吉野は、けろりとしながら、話しています。

「○○さん、このひと、信用できるの?」

と由美ちゃんが素直に僕に聞いています。

佳乃さんも同じ思いなのか、僕の返答を待つような表情です。

「まあ、信じられるとは思うが、確かに怪しいな」

と僕が言うと、吉野は、

「うん。まあ、怪しく感じられるだろうねえ」

と、涼しげに笑っています。

と、そこへ「ぶるぶるぶる」と御幸記者のマナーモードの携帯電話に連絡が入ります。

「失礼!」

とその場を離れて、携帯電話に出ると、御幸記者は、なにやら、やりとりをしています。

「お前、何を隠しているんだ?」

と、僕が吉野に、にじり寄ると、

「うーん、○○には、どうも弱いなあ」

と、吉野は苦笑しています。

「すいません、今日のところは、これで。急に現場に向かわなくてはいけなくなりました。殺人事件です!」

と、少し青い顔をしている御幸記者です。

「すいません。帰りはタクシーで帰ってくれますか?これ、タクシー代です。僕はこのまま、現場へ向かいますので!」

と、御幸記者は、律儀にタクシー代を渡そうとします。

「いいんですのよ。連れてきて頂いただけで、十分。これは、自分のために、とっておいて」

と、佳乃さんは、例の感じで、うまく御幸記者を操っています。

「そ、そうですか。あなたが、そうおっしゃるなら・・・。また、お会いできる日を楽しみにしています。では」

と、ドアの向こうに走って消える御幸記者です。

「ふー、邪魔者は消えたか。さて、ゆっくりと吉野の謎を解かせてもらおうか」

と、僕が言うと、吉野はちょっと顔をひきつらせて、

「うーん、仕方ないか。やっぱり、○○には、勝てないな」

と吉野は白旗をあげたようです。

「まあ、これから、起こることをじっくり見ていれば、僕がどうやって、お金を確保しているか、すぐにわかるよ」

と、吉野は言うと、涼しい顔をして、なにかを待っています。

僕らも、それに合わせて、静かに時を待ちます。

「何なのかしら?」

と佳乃さんは興味深そうに僕に聞きます。

「さあー、なんとなくわかってきたような気がするけど」

と僕が言うと、

「え。答えがわかったの?○○さん!」

と由美ちゃんも反応しています。

そこへ、「リーン!」と事務所の古い黒電話が鳴ります。

「ガチャ!」

と吉野は受話器をとり、電話に出ると、

「はい。ええ。被害者は30代の男性。それで、状況は。はい。浅い刺し傷が多数。致命傷は?そのひとつが心臓に達した。なるほど」

とやりとりをすると、彼は一瞬目をつむると、すぐに答えを弾きだします。

「女ですね。怨恨です。被害者の交友関係を洗ってください。嫉妬による殺傷事件でしょう。ええ。わかりました。また、報告をお願いします」

と、吉野は言うと、「ガチャリ」と受話器を置きます。

「一丁あがり!」

と吉野は僕らを見るとにやりとします。

「おまえ、これで、金稼いでいたのか!」

と僕が言うと、

「バレた?」

と吉野は、笑っています。

白衣の便利屋探偵!の、登場です。


(つづく)

お昼間カフェ!「ゆるちょTEA」(27)(ゆるちょの昼間向けゆるゆるトーク!(笑))

2010年05月28日 | お昼間カフェ
どうも!「由美ちゃん物語」の由美です!佳乃です!

また、今日も、このカフェに来てしまいました。

もう、最近、毎日ですね!でも、気持ちのいい場所だから、来たくなっちゃうの!

私もこのところ、毎日ですわ。由美さんの言う通り、気持ちのいい場所ですもの。

毎日、来たくなるのは、当たり前かも、しれませんね!

この海風の気持ちよさ!そして、遠くまで広がる、碧い海。ああ、なんて気持ちがいいのかしら!

佳乃さんも気持ちよさそうで、良かった!


あなたもあのカフェに?

じゃ、ご一緒しましょう!



江ノ電の鎌倉高校駅前から続く一本の坂を、海を右に見ながら登って、ちょっと左に折れると、ほら、ありました。小さなカフェが。

海を見渡せるこのカフェは、昼下がりの気持ちのいい時間を過ごすのに、うってつけ。

さあ、ドアを開けますよ!

「カランコローン」

そして、もちろん、いつものように、奥のカウンターには、マスターのゆるちょさんが、立っています。

「いらっしゃいませ。いつものお席ですね!」

彼は、そう告げるとにこやかに、席を用意するのでした。



さて、今日は金曜日!明日から楽しい週末ですね!

まあ、今日は仕事もしっかりとやり遂げて、こころおきなく週末に突入したいですね!

さあ、今日もテンション高めで、開店です!


さて、今日は由美さんと佳乃さんが来られているようですね。

早速、おしゃべりしちゃいましょう!


由美さん、佳乃さん、お疲れ様です!


由美:このところ、毎日来ちゃって・・・。でも、もう癖になっているみたい(笑)。


佳乃:そうね。私もついつい由美さんに誘われると、来てしまうわ(笑)。


わたしとしては、うれしい限りです。こんな美しい方々に、毎日のように、来て頂けると!


由美:もう、マスター口がうまいんだから!


佳乃:ほんと、マスターは、商売上手ね。


いえいえ。素直な気持ちをそのまま、お伝えしただけですよ。


由美:まあ、いいわ。でも、そう言われると、うれしく感じます。


佳乃:私もうれしいわ。やっぱり、女性は、そういう風に言われるのが一番好きなのね。


お二人が美しくされているコツみたいなものは、何かあるのですか?


由美:うーん、何かしら。毎日、謙虚で、素直に、いることかしら?


佳乃:そうね。私も、謙虚に、お客様のことを考えていることぐらいかしら、ね。


なるほど、お二人とも、謙虚でいられることが、その美しさを呼んでいるということなのでしょうね。


由美:私は謙虚でいないと、物事がしっかりと見れないと思うから、そうしている、ということもあるのよね。


佳乃:謙虚にお客様に接しないと、お客様は離れていってしまうと、私は思っているわ。


なるほど、それぞれ、別のお立場、別の考え方なんですね。


由美:そうね。私も○○さんみたいに、物事の本質をしっかりとつかみたいの。


佳乃:私は紅鹿流というものを守らないといけない立場にありますので。謙虚であることは、大切なことだと思っているわ。


謙虚であることは、大切なことなんですね。


由美:マスターも、いつも謙虚じゃない。


佳乃:そうね。私もそう思います。


いやあ、やはり客商売は、謙虚でないと、やっていけませんからね。佳乃さんの考えと同じ、ということでしょう。


そういえば、「龍馬伝」の富さんも謙虚で、美しい方でしたね。


由美:ああ、そう言えば、そうね。あのひと、佇まいまで、美しかった。


佳乃:私もああいう美しさが欲しいな。


いやあ、佳乃さんは、今のままで、十分美しいと思いますよ。


佳乃:そうかしら。まだまだ、人間的には修行が必要だわ。


由美:佳乃さんは、目指す場所が、相当な高みですからね。


なるほど、高みを目指す方は、自分に厳しくなるんですね。


佳乃:お茶の方も、まだまだ、だし。もっと、進化しなければ、ならないの。


由美:えー。あれで、まだまだだったら、私なんて、お点前披露するのが恥ずかしくなっちゃう!


佳乃:ううん。由美さんは、十分、お点前を披露するに値する実力よ。ただ、わたしは、まだ、目指しているものがあるから、そう言っているだけなのよ。


由美:ふーん、佳乃さんって、やっぱりすごいひとだわ。尊敬しちゃうな。


佳乃:もう。お茶の道は、奥が深いから。私は、それにかけているの。


さすが、茶道の家元となると、心意気が違いますね。


佳乃:ありがとうございます。マスターも、一度、茶席にどうですか?


そうですね。カフェのマスターとしては、そういうのも、経験しておく必要があるかもしれませんね。


由美:今度、ご一緒しましょうよ!マスター。なんだったら、私がお点前を披露してもいいわよ!


佳乃:そうね。そういう趣向も、楽しいわね。


わかりました。楽しみにしております。


佳乃:そういえば、マスター、ダイエットの方は、どうなりました?


はい。1,4キロ減というところです。


まあ、1ヶ月半かかりましたが、まあ、当初の目標をやっとクリアできそうです。


デニムのサイズもダウンしたし、素直に脂肪が燃えたんでしょうね。


由美:やったじゃない、マスター!


佳乃:おめでとうございます!


ありがとうございます!まあ、秋の同窓会には、少しは、ましな体型で、出席できそうです。


由美:同窓会は、いつの時代の同窓会なの?


大学時代の学科の同窓会です。まあ、今、いろいろ実行委員会の皆と考えているところで。


佳乃:それは、楽しそうね。


ええ。来月、実行委員会の皆が、集まるので、その席も楽しみです。


由美:私なんて大学が女子大だから、同窓会とか、やらなさそうなのよね。


佳乃:そうね。私も女子大だったけど、一度もそういうお声はかからなかったわ。


そうですか。そういうもんなんですか?


由美:やっぱりそういうのを企画してくれる男性の存在がないと、女性は日々忙しいからね。


佳乃:異性に会う楽しさがないと、やはり、モチベーションがあがらないのかしら。


なるほど、そういうもんですか。まあ、確かに女性に会うのも楽しみのひとつになりますからね。


由美:同窓会って、ひとがどう変わっているかを見るのも、楽しいわよね。


佳乃:それに、昔の自分を思って初心を思い出すこともできるし、今の自分が初心通りに進化しているのかも、わかるわね。


そうですね。今回は大学のキャンパスも巡ろうと企画しているので、なかなか楽しくなりそうです。


由美:へえー。それいい企画ね。昔を思い出して、仲間と話すなんて、楽しそう!


佳乃:そうね。大変だったけど、楽しかった日々を仲間と思い出すのは、楽しそうだわ。


ええ。まあ、他にもいろいろ企画を考えて、楽しくする予定なんですよ。


由美:マスターの考える企画は、楽しそうね。


佳乃:マスターの企画する同窓会、なんだか、うらやましいわ。


まあ、ずんどこ楽しくする気、満々です(笑)。


と、そこへ「カランコローン」と、沢村さんとまひるさんがお越しです。


沢村:佳乃さんがいらっしゃるって聞いて、急いで来ちゃいましたよ(笑)。


まひる:由美さーん、おはよう!


由美:佳乃さん目当てなのね!沢村さんは!


沢村:いや、まずいことを言っちゃったかな。はははは。


まひる:もう、今日は自転車のスピードが速くて大変だったんですよ!


佳乃:沢村さん、こんにちわ。


沢村:いやあ、今日は一段とお美しい。大輪の薔薇が咲いているようですね。


まひる:ああ、また、さわさん、いつものモードに入っちゃった。


佳乃:沢村さん、なんだか、大げさすぎます。


由美:ま、いつものことね!それじゃあ、マスター、私たち海側に移動します!



はい。ごゆっくり。


さて、いい天気ですね。

今日も、いい一日になりそうです。


さて、長々としゃべってきましたが、

今日はこのくらいにしましょうか。

海も綺麗に見える時間に入ってきました。

みなさん、楽しんでいってくださいね!

ではでは。




そう言って、マスターは、カウンターの中へ、戻って行きました。

「しかし、佳乃さんは、お美しいですね!」

と、沢村さんは、楽しそうにしゃべっています。

佳乃さんも、にこやかな笑顔で、談笑しています。

由美さんも、まひるさんも、うれしそうな表情です。

みなさん、楽しい時間を過ごされているようですね。

静かな時間が、波音と共に過ぎていきます。

太陽がさんさんと降り注ぎ、海はどこまでも、気持ちよく、広がっています。

海の見える静かな午後。ここでは、気持ちのいい時間だけが、過ぎていきます。

北の将軍と秀吉の類似性!(後継者問題が哨戒艇撃沈を呼んだ!:日本人的美学からの論考)

2010年05月28日 | 日本人の秘密
おはようございます!


いやあ、今週末も含めて、あまり天気がよくなさそうで、

ちょっと寂しいですね!

まあ、サイクリストとしては、ジロ・デ・イタリアも終盤で盛り上がっているし、

楽しい時間を過ごしているのですが、やはり週末、気持ち良くトレーニングしたいですしね!

まあ、自然が相手なので、鷹揚に構えていますが、逆にジロが盛り上がっているので、

「ああ、自転車乗りたい!」

と、思っちゃうわけで、いやいや、自然は残酷です(笑)!


さて、今日は金曜日!ということで、自由な感じで、論考をかけてみましょうか!

というわけで、たまには、現実問題という奴にも論考をかけてみましょう!

そうですね。最近急激に何事かが起こりつつある北朝鮮問題について、へろへろーっと論考をかけてみましょう。

最近、現実問題の論考をやってなかったから、

ちょっとそれを思い出す上でも、練習台になってもらいましょうかね!


さて、まず、韓国の哨戒艇を魚雷で沈没させ、何十人もの尊い命を奪ったという事件ですが、

これは、結局、韓国側を硬化させ、援助の中止を始めとした、対北朝鮮政策の北風化への転換という事実を引き寄せました。

これ、どういうこと?なんでしょうかね。

つまり、北の将軍が狙ったのは、なんだったのだろう?と非常に疑問になるわけです。

メリットに対するデメリットのバランスがあまりにも悪すぎるわけです。

北の将軍というひとを僕は非常に賢い人物として評価してきました。

ああいうシステムのああいう国を引っ張っていくには、もうああいう絶対的独立手法しかない!と僕は見ているし、

貧乏でだめだめな国をそのカリスマ性と賢い頭で率いてきたその手腕は、世界的政治家として認めるところなわけです。

まあ、今のこの国のだめ首相やそれをとりまくだめ人間とは、月とスッポン程の差があると考えています。

もちろん、北の将軍は月ですけどね。

そのおっさんが、今回の措置には、精細を欠いているように感じられるわけです。

北朝鮮にとれば、韓国に甘言をささやき、援助してもらうことが、ある意味、生命線でもあるのです。

確かに後ろ盾となっている中国からの援助もあるでしょうが、援助先が多いほうが、何かと良いことは、自明ですからね。

今までうまく手のひらの上で転がしてきた韓国を決定的に怒らせる意味がどこにあったのかが、謎なんです。


北の将軍の跡継ぎの成功ストーリーをつむぐために、やったという観測が一部で出ているようですが、

そのために、韓国を敵側に回すことは、少しリスクが大きすぎやしないでしょうか。

あるいは、もし、跡継ぎの成功ストーリーをつむぐためのものだったとしたら、どういうストーリーとしてつむぐ気なのでしょう。


それについてまず、考えてみましょうか。


よくあるパターンとすれば、北朝鮮の危機をその跡継ぎが救ったという英雄譚でしょうね。

例えば、韓国が北朝鮮への侵入の意志を示していることが、スパイの手によってわかった。

そして、その侵入路を偵察するために、例の哨戒艇が秘密裏に北朝鮮領海内に侵入しようとする形跡を認めた。

だから、北朝鮮軍は、祖国防衛のために、立ち上がり、跡継ぎの指示で、魚雷発射を実施した。

跡継ぎは、祖国防衛の英雄であり、祖国を侵略しようとした、南朝鮮は、やっぱり敵だったのだ!

皆、祖国防衛に立ち上がろう!おー!


という感じですかね。

そういう形で、跡継ぎを盛り上げていき、北の将軍の後継者をうまく次の将軍にするストーリーの一部である、と考えると

見えてくるものがあります。


つまり、韓国を敵に回し、援助先を無くすというリスクを負うことまでしなければ、ならない理由が確実にあったのだ、ということです。


それは、これまで、非常に先を読みながら、事実を引き寄せてきた論考者とも言える北の将軍が、焦るほどの事実が彼につきつけられている、ということでしょう。


それは、彼の健康問題が相当やばいことになっている、ということなのでは、ないでしょうか。


というのも、今まで北朝鮮が仕掛けた、南朝鮮に対する暴挙の中でも今回の暴挙は最大級なんですよね。

それだけ、北の将軍のタイムリミットが近づいている、ということだと、論考できるんですよね!


さて、ここで、比較する対象として、歴史上の偉人、秀吉を持ってきてみましょう。

彼は後継者への権力の移譲に失敗した人物です。物理的に子供が長らく授からなかったということもありました。

しかし、ようやく、その最晩年とも言える時期に、鶴松(幼い時に死去)及び秀頼という子供を授かりました。

しかし、それが、逆にそれまで、ひとたらしと言われ望みの事実を引き寄せてきた人間を迷わせたのです。

当時、関白となり実質的な秀吉の後継者の位置にいた豊臣秀次を殺し、家康の孫を秀頼の妻とすることで、安全保障を図り、

すべては秀頼のため、ということで、国政なども乱れて行く。先の見込みの亡くなった外征を長く続け、豊臣家への怨念がつのる結果を招いた。

若い頃の秀吉ならば、周りの雰囲気というのを的確に嗅ぎとり、うまく事実を引き寄せていったであろう秀吉も天下人となり、後継者問題につまづくと、

盲目になってしまった。

こうやって、秀吉の状況を仔細に眺めてみると、今の北の将軍と非常に酷似していることがわかってきます。

北朝鮮で、天下人となり、後継者問題につまづいている。それが、今の北の将軍の正体なのでは、ないでしょうか。


僕は、この日本人的美学からの論考シリーズで、多くの偉人を論考してきましたが、そこで、現れてくる理というのは、やはり、

「歴史はくりかえす」

ということなんです。国内での平定戦が終わると武人の職がなくなるので、朝鮮半島への攻撃を考えた秀吉と西郷。

これを始めとして、いろいろな例がありました。これは、

「同じ条件になると、賢い人間は、同じことを考える」

ということを示しているんですね。

だから、あるストーリーを見るとき、同じ条件の過去の歴史的偉人のストーリーを比較してみる手法が非常に有効なんです。

そういう意味では、この北の将軍の状況が、非常に秀吉ストーリーに似ているので、おもしろく感じるわけです。


北の将軍は、後継者を決めた。そこまでは、よかった。

しかし、その後継者が北の将軍になるには、様々なステップが必要なのでしょう。

それは、北の将軍としてのカリスマ性が絶対的に必要だからです。国民を騙す必要があるからです。

だから、北の将軍作成ステップのひとつとして、今回の哨戒艇撃沈がどうしても必要だったのでは、ないでしょうか。

もし、そうなら、北の将軍は、非常に焦っている。彼の命のリミットが切られてしまった、ということを現しているのでは、ないでしょうか。

後継者への権力移譲ステップを短くするために、大きな成功ストーリーがぜひとも必要だった。

だからこそ、南朝鮮を硬化させてまで、哨戒艇撃沈をやってのけたのでは、と僕は思います。


北の将軍の喫緊の課題は、権力移譲問題ですからね。

それは、論考者である彼にとって、最もうまくやらなければならない、引き寄せるべき事実ですから、だから、彼は決断したのでしょう。

そういう意味では、哨戒艇の兵士達は、北の将軍の後継者作成のために、犠牲になったと言えるのです。

そして、

「それについて、不平を言ってくる南朝鮮を中心とした各国なぞ、うまくあしらえる!」

と北の将軍が考えている!ということがだだわかりです。

というよりも、彼の死という現実が迫っており、

「そんなこと、どうでもよい!あとでどうにか対応可能!」

というあたりかもしれません。

少なくとも各国は、北の将軍には、その程度に見られていることは、確かでしょう。


つまり、北の将軍の権力移譲が行われる際には、絶対にこういう犠牲が必要だ、ということがわかります。

ということは、北が繰り返してきた韓国に対するこれまでの暴挙は、

「南憎しの国民を盛り上げるのと同時に、権力移譲のためのストーリーとしても使われたのだ」

ということが、だだわかりになってくるんですね。

結局、それらは、

「すべて国内向けのデモンストレーションに過ぎず、彼らは戦争の意志など全く持っていないのだ」

ということもだだわかりになるのです。

彼らは核を持とうとしていますが、それすら、アメリカをだまらせるためのツールにしか過ぎないんです。

核を撃てば、自らが滅びることを知っているからです。

だから、彼らは各国の援助を引き出し、定期的に国内の権力移譲を繰り返しながら生きてきただけなのです。

まあ、彼らは、偉大なる怖がり屋と言っていいでしょう。

だから、キャンキャン吠えているんです。そして、国内権力の継承の時に南朝鮮相手に暴挙に出るんです。

彼らは日本に核を撃てませんよ。

怒った日本人がいかに恐ろしいか彼らは肌で知っていますからね。


さて、結論的にいえば、北朝鮮内に、権力移譲の時が近づいている、ということでしょうか。

しかし、後継者は若すぎますね。あまりに若すぎる。

なんとなく秀吉の例が頭に浮かびます。

秀吉は、権力移譲に失敗し、豊臣家は滅びました。

さて、北の将軍家が、今後、どうなっていくか、我々は静かに楽しむことにしましょう。


まあ、そういうわけですから、北は別に戦争なんてする気はありません。

今は権力継承のためのいくつかの後継者成功ストーリーをつむいでくるだけでしょう。

だから、北の将軍様の残された時間の度合いにより、今後起こるストーリーの大きさが決まると思います。

もし、あと数カ月の命なんてことになっていたら、後継者の成功ストーリーをより大きいものにする必要があります。

だから、もしかすると、より大きなストーリーがまだ、つむがれるかもしれませんね。


我々は静かに見守っていけばいいだけです。

なーんも心配なんて、いらんのですよ。

ま、つきあうだけ、アホということになります。

ま、僕らは自分たちのしあわせだけを引き寄せる現実として、論考していけばいいのです。


さて、結論のようなものが出ましたね。秀吉との類似性なんて、なかなか楽しいと思いますね。

まさか、北の将軍と秀吉に類似性があるなんて、考えてもいなかったから、なかなか、おもしろい論考でした。

まあ、実際どうなるか、わかりませんけど、こうやって、論考の素材になるんだから、現実というのは、楽しいですね。

まあ、韓国のひとは、怒りに震えているでしょうから、楽しいなんて、不謹慎かもしれませんが。


でも、韓国人って一旦怒るとずーーーーっと怒っているイメージがあるからなあ。

まあ、韓国側がどういうストーリーをつむいでくるか、今度は、そちらが見ものですね。

それによって、韓国という国家も論考の素材になってきますからね。

それを楽しみに、今日は終わりたいと思います。


しかし、ロシアって国は、どこまで、偉そうなんだろうね?

韓国の自作自演を疑っていて、専門のチームを派遣するってんだから、

内政干渉を当然としているんだから、

昔からなーんも変わっていない糞みたいな国だね。

ま、どういう審査結果を出すのか興味深いけどね。

そのロシアが今回の事件を本物としたら、北朝鮮の立場は、ないわけだけどね。

まあ、そこらへん、楽しみでも、あるけれどね(笑)。


今日もここまで、読んで頂いたみなさん、ありがとうございました!

また、次回、月曜日の歌詞論考で、お会いしましょう!


ではでは。