「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

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「梟雄」の正体!「道三」「久秀」「直家」から、考える!

2014年10月23日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「戦国武将考察編」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・前回は「茶人とは何か?」をテーマに見たけど今回は「梟雄」について見てみよう・・・」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「まあ、梟雄と言うと「斎藤道三」「松永久秀」「宇喜多直家」が戦国三梟雄なんて言われているけど、それこそ、毛利元就だって」

「織田信長さんだって・・・信長さんは「魔王」のレベルだけどね・・・まあ、謀略を使った人は皆、梟雄なんじゃねーの、と思っていたりするわけだけど」

「ま、とりあえず、この3人は信長さんとも繋がっているし、この3人を持って「梟雄」と言うモノについて考えてみたいと思います」

と、タケルは言葉にする。

「まず、斎藤道三ですが、蝮の道三と呼ばれ、最近の研究では親子二代で国盗りを実現させた下剋上大名の一人とされています」

「いわゆる「血」ではなく「知」による支配を実施した武将で、若い時代の織田信長に大きな影響を与えたひとりとみなされています」

「その信長と実際に会見し「うちの息子達は信長の軍門に下るだろう」と斉藤家の行く末をズバリ予言したのは有名な話です」

と、レイカ。

「人と言うのは、同じ匂いのする他者を好きになるんだよね。この信長と道三の関係なんてまさにそれで、相思相愛の仲だったりするわけよ」

「信長は道三を実力により下剋上を実現させた「知恵者」としての「先輩」として、非常に尊敬しているし、愛してもいるんだよね」

「その気持ちを道三も敏感に感じ取っているわけで、道三がその子斎藤龍興相手に戦して敗死する際に、美濃譲り状を信長に宛てて書いた事は有名だよね」

と、タケル。

「道三は、信長が美濃を取りに来る事も、それを実現させる事もすでに見抜いていた・・・と言う事ですか?」

と、レイカ。

「ああ・・・だからこそ、最初の「うちの息子達は信長の・・・」という道三の感想に直接つながっているじゃないか・・・」

と、タケル。

「戦国大名で最も大事な能力は人の能力を見抜く目だ・・・道三はそれに長けていたからこそ、人を意のままに動かし、それが国盗りにつながったんだ」

「その道三の目は的確だよ。その道三の的確な能力も信長だって見抜いていたはずだ。信長にすれば、自分の目指すべき人間がそこにいた・・・そういう話さ」

と、タケル。

「なるほど・・・だから、信長と道三は惹かれ合ったんですね・・・同じ匂いを感じた二人は、歴史に対する同じ感性を持っていたと言う事ですね」

と、レイカ。

「だから、信長からすれば、道三の施策は取り入れやすいんだよ。やりたい事が手に取るようにわかっていたから・・・」

「信長の専売特許みたいに言われている「楽市楽座」も、創始者は道三と言われているだろ?」

と、タケル。

「はい、そうです」

と、レイカ。

「信長は道三の気持ちがわかっていたのさ・・・」

と、タケル。

「そういう意味では、道三にとっての、国盗り、下剋上とは何だと信長は感じていたんでしょうか?」

と、レイカ。

「・・・となるとこれは完全に信長さんと同じ人間と言う事になって道三の「サービス精神旺盛」が」

「「よし、ひとつここは俺の知略でこの美濃を富ませてやろうじゃないか!いい国にしてやろうじゃないか!」ってな方向に行ったと言うことになるね」

と、タケル。

「それを実現するために、道三の謀略があったと?」

と、レイカ。

「ああ、そうさ。糞真面目道三のやり方を糞真面目信長さんも感じたからこそ、お互い惹かれ合ったのさ」

と、タケル。

「次・・・松永久秀、行こうか・・・」

と、タケル。

「彼は以前見た通り、主家である三好家の執事として、足利将軍家との間を取り持つ皆から愛されるオトコでした。彼がやったと言われる」

「「主家乗っ取り」「大仏延焼」「将軍暗殺」もすべて冤罪で彼は、大きな人間性と強い精神力を兼ね備え「純思考者」であり「知恵者」であることから」

「将軍義輝を始め、多くの幕府関係者からも愛されていた事がわかりました。その彼は戦上手でもあった事から、いつしか梟雄と言われるようになったようです」

と、レイカ。

「松永久秀・・・彼も道三と同じように「知恵者」なんだよね。だからこそ、彼は三好家に重用され、主、三好長慶の晩年には、一緒に住む間柄にまで」

「なっている・・・そこまで重用された松永久秀は、やはり、人間的にも大きく、精神的にもタフで強かったからこそ、よく主家に仕え、長慶からも愛されたんだろう」

と、タケル。

「精神的に弱かったり、人間性が小さいと、こうも愛されませんよね・・・」

と、レイカ。

「そうだ。彼は元々三好家の右筆だからね。それだけ主家に絶対の信頼のあったオトコなんだよ・・・」

と、タケル。

「彼はいろいろ調べてみると、梟雄と言うイメージより、周囲の男性や女性により愛されたオトコと言うイメージがあります」

「それが後世の人間の嫉妬を買い、「主家乗っ取り」「大仏延焼」「将軍暗殺」などの人間にされてしまったんでしょうか?」

と、レイカ。

「嫉妬と言うより、彼が何故それだけのチカラを扶育出来たか理解出来なかったんだろう。だから、梟雄にすれば」

「そのチカラの源泉がわかりやすくなるから・・・水は低いところに流れたんだ」

と、タケル。

「その彼は、信長に当てつけるように死んでいますね。名物平蜘蛛の茶釜を粉々にするために・・・そして、自身の遺体も粉々にするために爆死を選択しています」

「これは・・・久秀の意図からすれば、完全に信長に対するツンデレじゃないですか?やってる事は信長の完全な拒絶ですけど、全力でアイラブユーを唱えている」

と、レイカ。

「久秀も道三と同じように、信長の中に同じ匂いを感じていたんだよ・・・信長が浅井・朝倉軍に挟み撃ちに遭い、京に逃げ帰った事があったけど」

「あの時、朽木氏に味方になるように説得したのが松永久秀だった。松永久秀は、信長の中に「純思考者」にして「知恵者」であった若いころの自分を見たに違いない」

「だから、同じ匂いを感じる人間に・・・最後に最大のアイラブユーを伝えたツンデレ行為を行ったのが松永久秀だったんだよ」

「それがあの爆死の意味さ・・・」

と、タケル。

「次、宇喜多直家、行こうか・・・」

と、タケル。

「彼の資料を読んでいると、この3人の中でも最も謀略の多い人間で「ザ・梟雄」と言う名が最も相応しいような気がします」

と、レイカ。

「だが、そのキモを見ておこう・・・彼は、敵と見た勢力を葬り去るのを得意としているが、部下は徹底的に守っているんじゃないかい?」

と、タケル。

「はい・・・彼は毒殺、闇討ち、寝首をかくなど多種多様な謀略を実施していますが、家臣を粛清した事は一切無く、譜代の家臣達は終生直家を支え続け」

「結果、直家は畳の上での死となっています。道三、久秀が戦の上で死したのとは対照的です」

と、レイカ。

「さらに、直家は、謀略の対象として殺した武将などは手厚く葬り、暗殺を実行させた人間も使い捨てせずに厚遇するなど、情に熱い人間だったようです」

と、レイカ。

「なるほど・・・そっちの方に彼が畳の上で死ねた理由が多く関わっているような気がするね・・・結局、彼は皆の代わりに謀略やってる、やさしい人間なんだよ・・・」

と、タケル。

「彼もまた、信長に臣従しますが、その後、数年で病死しています。宇喜多直家も、また、信長の知恵者ぶりには、多くの理解を示したと言う事でしょう」

と、レイカ。

「なるほどね・・・これでだいたい「梟雄」の本質が見えた。まず、梟雄の本質は「サービス精神旺盛」な、やさしい「知恵者」・・・これに尽きる」

と、タケル。

「道三も、直家も、なぜ、下剋上を実施したかと言えば「サービス精神旺盛」だから、「自分が上に立てば、もっといい政治が出来るから庶民はいい目見るぜ」って」

「言う確信があるんだよね。だから、そっちの方が彼らの正義になってるんだよ。つまり、毒殺、闇討ち、寝首をかく、などの謀略はこれは方法論に過ぎないんだよ」

「彼らにしてみれば、自分が上に立った方がいい政治が出来るし、庶民にとっても楽が出来るんだから・・・そっちに彼らの正義があるわけ」

と、タケル。

「なるほど・・・道三なら、自分が美濃の国主になって政治をすれば、「楽市楽座」などの新しいアイデアを実現出来、庶民の暮らしは楽になるのだから」

「その過程である、謀略・・・毒殺も、闇討ちも、寝首をかくも・・・必要悪な方法論として仕方ないと道三も直家も考えたと言うんですね、ゆるちょさんは」

と、レイカ。

「久秀はちょっとカタチが違うよね。彼は右筆や奉行から身を起こしているから、下剋上の戦国大名と言うよりは、室町幕府の役人系の人間なんだよね」

「当時、京を実力で治めていた三好長慶のお気に入りの人間として、足利将軍家や室町幕府側の人間とのパイプ役をやっていたのが久秀で」

「その過程で、大和一国を切り取っているイメージだよね。道三や直家などの戦国大名イメージとは少しかけ離れている」

と、タケル。

「まあ、武将として合戦には出ているから、武将ではあるんだけど、あまり謀略のイメージはない。むしろ、交渉者だ。頭の切れる・・・」

と、タケル。

「後年の関ヶ原の戦いの時に、石田三成の謀将・松永久秀の宿敵・筒井氏の元家老だった島左近が「最近の武将は松永久秀のような果断に欠けている」と言ったそうで」

「・・・松永久秀の戦上手ぶりを島左近が敵だからこそ、評価していると言うのが面白いですね」

と、レイカ。

「それだけ、久秀には、煮え湯を飲まされたんだろう、島左近は・・・」

と、タケル。

「でも、この3人に共通する点は、サービス精神旺盛な「純思考者」であり「知恵者」・・・だからこそ、果断に動けるし、正義は別なところにあったから」

「方法論としての毒殺、闇討ち、寝首をかく・・・などの謀略を取り入れていたに過ぎない」

「・・・守るべき人間達の為に新たな時代を開こうとした、やさしい「先覚者」・・・それがこの3人の例から言える「梟雄」の正しい正体だと思います」

と、レイカ。

「あともう一つ・・・「糞真面目」っていう要素も入っていると思うよ・・・」

と、タケル。

「ふ。そうですね・・・「糞真面目」だからこそ、毒殺も闇討ちも、寝首をかくも、出来るんですね・・・」

と、レイカ。

「それが結論かな・・・ま、「知恵者」じゃなきゃ、時代の脇役にすら、なれないのがこの「知恵者」の王国、日本のお約束さ」

と、タケルは言葉にした。


「わかりました。タケルさん・・・その続きは、お酒を飲みながらにしませんか?」

と、レイカは赤縁のメガネを外し、髪を解いた。

「レイカちゃん、本気だね。じゃ、気合いれて飲もうか!」

と、笑顔のタケルは机を片付けだすのでした。


(おしまい)


結局、歴史に名を残せるのは、「知恵者」のみなんですねー。

「知恵」があるからこそ、人も付いてくるってもんです。

人を率いるには知恵が重要だもんねー。

その中でも糞真面目にがんばったのが、「梟雄」と言われた人々・・・と言うことかもしれませんね。


さあ、今日も飲んじゃお!


ではでは。

第一回源氏物語鑑賞 「桐壷」

2014年10月22日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「源氏物語特別考察編」・・・お願いします。今日は54帖どのお話について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・今日はまずは第一帖「桐壺」から語っていこう」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「えーと、この「夜の日本学」はタブー無く、日本の文化を貪欲に摂取していこうと言うのが、基本的な目的になっています」

「今までいろいろな展開をしてきたのですが、やはり、日本文化と言えばこの「源氏物語」を美学の中心に置いている表現も多々あるので」

「早めに摂取したいと考えていたのですが、ようやく、その時間に入ってきたようなので、今回より、この枠で・・・源氏物語をエピ単位に見ていこうと思います」

と、タケルは言葉にする。

「やはり、この枠は女性向けと捉えて、女性読者と共に「源氏物語」を摂取していこうとそういうお考えなんですね?ゆるちょさんは」

と、レイカ。

「まあね・・・ここは以前「建礼門院右京大夫集」の鑑賞もやっているから、この枠が一番いいと思ったかな」

と、タケル。

「ま、レイカちゃんは、源氏物語には詳しいらしいから、とりあえずこの枠ではレイカ先生と言う事で、僕は弟子と言う立場でがんばりたいので」

「・・・よろしくお願いします」

と、タケル。

「じゃ、一緒にがんばっていきましょう、ゆるちょさん」

と、レイカは目の笑ういい笑顔で言葉にした。


「えー、今日は第一帖「桐壷」と言う事で、あらすじを資料にしてきました」

と、レイカは資料をタケルに手渡した。


「さて、ある時、帝の寵愛を一身に受ける美しい更衣がいました。彼女の名こそ、桐壷更衣・・・身分も無く、すでに後ろ盾も失っていたので」

「帝の寵愛だけが便りの心細い身なれど、それでも彼女の輝く美しさは宮中一の呼び声も高く、桐壷更衣は帝の寵愛に身を委ねていました」

「そんな中、彼女は美しいオトコの子を生みました。とても美しい子でしたが、その子の誕生が桐壷更衣の運命を変えました。帝の長男を生んでいた」

「弘徽殿女御(こきでんのにょうご)がその子が東宮になってしまうのではと嫉妬し出したからです。それを境に他の女性達も桐壷更衣に嫉妬するようになり」

「・・・あはれ、体調を崩した桐壷更衣はあっという間に亡くなってしまいました。あとには美しいオトコの赤ちゃんが残され・・・」

「それが後の光源氏だったのです」


「まあ、これは、「桐壷」の巻の前半ですけど、どうでしょう?ゆるちょさん」

と、レイカ先生。

「そうですね。宮中は嫉妬地獄だったんですね・・・桐壷更衣さんは、産後の肥立ちも、悪かったんでしょうね。つーか、怖いところだな」

と、タケル。

「当時の宮中はいろいろな思惑の人間達の欲望の巣みたいな場所でしたから、それこそ、性格の強い女性達の神経戦の場所でもあったんです」

と、レイカ。

「まあ、でも、物語の冒頭と言う事もあり、わかりやすい配置説明かと思いますよ。主人公光源氏の悲劇的過去と敵役としての弘徽殿女御の登場」

「父、桐壷帝のまあ、コンプレックスの提示もありますし、人間の運命や業など、仏教的思想すら表現されていますから、かなり、文化的に深い作品になっています」

と、レイカ。

「オトコにとって、母が死んでいると言うコンプレックスは相当な心の傷になるからね・・・それがその後の光源氏の異常とも言えるオンナ漁りの物語の」

「原動力にしているんだね。つまり、ストーリーとしての源氏のオンナ漁りは紫式部としては、すでに着想していただろうから・・・それを実現するために」

「この様な悲劇的な設定が作られた・・・と言う事になるんだね?」

と、タケル。

「読者、もちろん、女性が光源氏の行動に納得出来るように源氏廻りに悲劇を出来るだけ集めるんですね・・・」

と、レイカ。

「では、「桐壷」後半、行ってみましょうか」

と、レイカは資料を差し出す。


「桐壺帝は翌年、弘徽殿女御の子を東宮としました。この事もあって、桐壷更衣の若君の将来を案じた桐壺帝は若君をある人相見に見せた所」

「・・・「彼は天子になる相を持っておいでですが、そうなると国が乱れます。彼は地上にて、国家の柱石として政治の補佐をする事こそ肝要」・・・と言われます」

「その言葉の後押しもあり、桐壺帝は、確かな後ろ盾も無い若君に源氏の名を与え、臣籍降下することにしました」

「さて、桐壺帝は、それでも亡き桐壷更衣を忘れられず、彼女に面影が似ていると言う藤壺の宮を後宮に迎えていました」

「もちろん桐壺帝は、桐壷更衣の忘れ形見、源氏の若君を手元から離しませんでしたから、藤壺の宮と若君は自然と仲良くなっていきました」

「若君も「あの方は、あなたの母親君と面差しが似ていますよ」などといわれていましたから」

「「ふーん、そうなんだ。母さまはこのようにお美しい方だったんだ。ふーん・・・」などとつぶやきながら・・・彼女をつぶらな瞳で見ていると」

「彼女もかわいい源氏の様子につい笑顔になり・・・お互い目と目を合わせ、時の流れるのを忘れる、いつの間にか、そんな、しあわせな時間を楽しんでいたのでした」

「この頃、源氏の若君は大層美しかった為に宮中では「光るの君」と呼ばれ、藤壺の宮もまた、その美しさから「輝く日の宮」と呼ばれていました」

「そんな甘い二人の時間も長くは続かず・・・源氏12歳の時、源氏は元服し、4歳上の正妻葵の上と結婚します。もちろん、元服した源氏を」

「藤壺の宮もまた、一人前のオトコとして扱いますから・・・源氏は藤壺の宮の美しい笑顔が見れなくなって・・・目と目を合わせる機会が持てなくなり」

「少々不満を抱いていました・・・」


「なるほど・・・源氏は「光るの君の目」と「光るの姫の目」で持って目と目を合わせる恍惚な時間をすでに知ってしまっていたんだ」

「・・・これは、ほんと、最高な時間だよ。もう、女性とか、恍惚としちゃうくらい本能から、気持ちのいい時間だからね・・・経験した事の無い人間にはわからない」

と、タケル。

「確かにそうですね。あの気持ちよさは・・・ちょっと言葉に出来ないくらい・・・なんて言うのかな、お互いがお互いを受け入れて」

「信じあっている事になるんですよね、お互いの気持ちを・・・」

と、レイカ。

「そう。それでいて、本能的な気持ちよさを感じているわけだから・・・代え難い気持ちよさだからね・・・まあ、もちろん、そこの細かい描写はないから」

「・・・紫式部がそれを経験上知っていたかどうかわからないけどね・・・」

と、タケル。

「でも、源氏を「光るの君」と書いているのは全女性納得ですよ?」

と、レイカ。

「そりゃそうだよ。女性は男性の「光るの君の目」こそが女性を恋に落とす事を経験上知ってるもの・・・女性がキラキラを好きな理由もそこにあるし」

「自分の目を少しでも大きくしたい理由の第一は、自分の目を「光るの姫の目」にしたいからでしょ?それはさすがに紫式部だって理解してたんじゃない?」

と、タケル。

「むしろ、男性の方が理解出来ていないと思うよ。だから大人の男性の8割が「死んだ魚の目」と言う現実になるんだろ?女性に比べ男性の認識不足は」

「どんだけ現実が理解出来ていないんだって話になるけどね・・・」

と、タケル。

「わたしは恋についての認識不足は男性の方が恐ろしい程だと思っていますよ」

「だいたい「源氏物語」を読んだ事のある男性だって・・・全体の20%も居ないんじゃないかしら・・・」

と、レイカ。

「悲しい現実だね」

と、タケル。

「でもさ・・・この「桐壷」の最後の所を読むとさ・・・最初に誘ったのは、藤壺の宮なんだぜ・・・それ男性にとっては、とっても大事なところだよ」

と、タケル。

「え?ただ、目を合わせてあげただけで?」

と、レイカ。

「だって、目を合わせると言う事は・・・藤壺と目を合わせたい源氏の意思に同意した、受け入れたって事になるじゃん」

と、タケル。

「それは、そうですが・・・」

と、レイカ。

「オトコはいつも自分の意思を受け入れてくれる女性の存在を見つけようとしているものさ・・・それは男性にとってしあわせの始まりでもあるからね」

と、タケル。

「それを最初にしてしまった藤壺の宮・・・これは源氏からすれば「したいのなら・・・いいわよ」って言われたに近いアピールだと僕は思うね」

と、タケル。

「女性はそこまでは・・・多分、藤壺の宮もまだ、若かっただろうし」

と、レイカ。

「藤壺の宮はこの時、何歳?」

と、タケル。

「光源氏12歳の時、藤壺の宮17歳です」

と、レイカ。

「17歳か・・・確かにまだ、幼いな・・・精神的には・・・」

と、タケル。

「だけど源氏にはそのメッセージが届いているはずだし、なによりも源氏は桐壺帝の子なんだ。桐壺帝の愛するモノ美しいと感じるモノは」

「もちろん、源氏も美しいと感じるんだ・・・だから、その思いは一層・・・桐壺帝の血にその容姿の似ている桐壷更衣の血すらブレンドされてるんだから」

「自分を好きになるのは、女性として当たり前・・・そんな思いも血に絡み・・・源氏の思いはより一層燃え上がるんだよ・・・」

と、タケル

「女性も本能の生き物だけど、少年も本能の生き物なんだ。愛に生き、愛の為に行動するのが、少年なのさ」

と、タケルは言葉にした。

「それが今回の結論になりますね・・・ゆるちょさん」

と、レイカは言った。


「ま、とにかく、どうなるかわからなかったけれど・・・第一回目、なんとなく、出来たね」

と、タケル。

「本稿では、源氏物語の「夜の日本学)的解釈と現代語訳が売りになっていきますかね。この感じだと・・・」

と、レイカ。

「いずれにしろ、他の作品と同じように、生で鑑賞していこう・・・鑑賞して初めていろいろな思いが出来る。言葉も出てくる」

「あれこれ言うより、鑑賞して考察だ・・・その姿勢はどこまで行っても変わらないよ」

と、タケル。

「そうですね。とにかく、当たって考えろ・・・そんな感じですね、ゆるちょさん!」

と、レイカは言葉にした。


「さ、仕事はこれくらいにして、飲み行こうか、「知恵者」のレイカちゃん」

と、笑顔で立ち上がるタケルでした。

「はい。もちろん、お供しますわ」

とレイカは立ち上がり、赤縁のメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)


さて、とうとう源氏物語にも手を出してしまいました。

まあ、毎日勉強勉強ですよ。

とにかく、ガンガンに日本文化を咀嚼し、再解釈し、摂取していきましょう。

また、新たな考えが浮かぶやもしれません。


さ、楽しい水曜日、飲み行っちゃいますか!


ではでは。

日本における出世の仕方の品質!(日本における「場の構造」!)

2014年10月21日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い、背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「対決、山本七平編」・・・お願いします。今日はどんな内容について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・」

と、タケルはテキストとしている「谷沢永一著 山本七平の知恵」という本をパラパラとめくります。

この本自体は、1996年12月に出版されています。

ただし、正しい「知恵」は時代を越えると僕は考えているので、その時代性の評価も一緒に話していくことになりそうです。

「んじゃ、この内容について話すか・・・「外国とは仲良く・・・アメリカは別」だそうだ。ま、相変わらず笑かしてくれそうだ」

と、タケルは笑顔になりながら、話し始めます。


今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「まずは、山本七平氏の主張するところを抜書きしてみようか。それが無いとちょっと説明が出来ないからね」

と、タケルは笑うと彼の用意した紙の資料をレイカに渡す。

「えーと、これね。僕が相当意訳してるけど・・・」

と、タケルが説明すると、レイカはタケルの資料をゆっくり読み始める。


「なぜ、こうなるのであろうか?現在アラブ研究の最も進んだ国は、そのアラブに敵対しているイスラエルである事は言うを待たない。それは当然であって」

「敵を最も研究しなければ、自らの生存に関わるからである。従ってイスラエルの大学の大学教授の公開講義には、世界各国のジャーナリストを始めとした」

「アラブに興味ある人々が集うのだが・・・日本人だけが来ないのだそうである」

「当時、中国偏重・・・つまり、中国はいかに良い国になったかと言う、ある意味捏造に近い報道を左翼系・・・朝日新聞系や毎日新聞系の報道各社が行い」

「キャンペーンを張る中、識者から「あまりの偏向報道だ」と指摘された、その左翼系の新聞社の重役は」

「「これから中国と仲良くしようと言う矢先に・・・空気を読めよ、まったく・・・」と言ったそうである」

「つまり、日本人のアラブに対する心情も全く同じで「親アラブを標榜しながら、アラブの敵国であるイスラエルの大学に行き、講義を受けるなんて」」

「「これからアラブの国々と仲良くしようと言う矢先に・・・空気読めよ、まったく・・・」と言う所なのである」

「これが日本文化であって、敵の事なんか知るより、知らない事の方が大事なのである。敵の事なんて一切興味ありませんと言う態度を取ることの方が大事だし」

「それが日本的ムラ的な、つきあいだと言う事をよく知る日本人の重要なパフォーマンスになるのである」

「つまり、日本人は見せたいパフォーマンスを相手に見せ、見せたくないパフォーマンス・・・例えば、敵の事を知ると言うパフォーマンスはしたくても」

「絶対に相手に見せないのである。さらに言えば、それは新聞の論説にも出ていて、イスラエル指導者の過去のテロの履歴は書けても、アラブ側の指導者のそれは」

「見過ごすなどしている・・・要は日本人は仲良くする相手におもねり、敵の正体は冷徹にバラしていい・・・そう考えているようである」

「もっともこれはすべて日本文化なので、他国には理解出来ないと思われるが・・・」


「随分長く意訳しちゃったけど、まあ、こういう内容だよ。結局、新聞も、ムラの奥さん達が取る態度と変わらないと言う事を示しているね」

と、タケルは説明する。

「ほんと、日本文化ですよね・・・確かに敵の事なんて一切興味ありません・・・と言う態度になっちゃいますもの」

「でも、それって、日本の礼儀として、否定における、最高の態度こそ、相手に対する徹底無視だと言う事を証明していますね」

と、レイカ。

「ゆるちょさんがいつも言ってる・・・「俺偉い病」患者や「逃げ込み者」に対する対策は「関係性を切るのがベター」と言うこと、そのものですものね」

と、レイカ。

「ああ、そういう事になるね・・・であるなら、上の山本七平の文章は理解出来たと言う事になるね。また、確かに日本文化そのものだよね・・・」

「それなら、今回は、さらに理解を深くするために、解説の谷沢永一氏の解説も載せてしまおう」

と、タケル。


「これは日本人の他人との付き合い方の基礎となる文化なのであるが、外国との付き合い方に日本文化を持ち込んでも、果たして効果があるのか疑問なのだが」

「どうも日本人はこれらしい・・・日本人において仲良くする・・・と言う事は「相手の気を悪くしないこと」なのである」

「とにかく、日本人は誰かと会う時にまず、考える事は「言ってはいけない事は何か」なのである。少しふくよかな女の子とデートする時」

「もちろん、その子もその事を気にしていたら・・・「君最近太った?」などと絶対に口が裂けても言ってはいけないし、そう思わせる事すら、タブーである」

「「そっか、○○くんって、やっぱり、わたしの事、太ってるって思ってたんだ」などと言わせようものなら、最悪である」

「まず、そうならないようなストーリー作りが大切なのだから、若いうちのデートと言うのは、気苦労が大変だと言う事である」

「まあ、同性同士だとしても、相手がお偉いさんなら「酔っ払ってもこれだけは言うまい」と言う事はひとつや二つではないから、これまた気苦労と言う事になり」

「しかも、相手が人間性の小さいオトコだったりすると、最悪な結果を招いたりして、日本人の社会はなかなか生きていくのも大変な場所と言う事になる」

「さて、そういう中で、新聞の論評を見ていて面白いのは、日本は世界のいろいろな国を「日本の味方、日本の敵」と言う見方で色分けしているのだが」

「(もちろん、その新聞社のイデオロギー的にではある)唯一、アメリカについてだけは、悪い事もいい事もネタにする」

「イスラエル、アラブへの気の使いようとはまた別にすべてのネタを情報ソースとして利用し報道している。これは何故か?」

「要は日本はアメリカにだけは甘えたいのである。どうも日本はそういう国を一国だけ持っていたい・・・そんな国のようである。その理由は謎だ」


「それは何故なんですか?ゆるちょさん」

と、レイカが質問している。

「まあ、答えは簡単だ。・・・というか、僕は今、「日本の場とは?場の空気とは?」と言う事を考えていて、まとまってきた「日本の場の理論」と言うのが」

「言葉に出来つつあるから、それを言葉にしてみようと思う・・・」

と、タケルは説明する。

「「日本の場の理論」・・・それって面白そうですね。ゆるちょさん独自の思考の結果だと言う事もあるし・・・」

と、レイカ。

「日本における「場の構造」・・・それは日本各所に現れるが、具体的に言えば、それは「さんま御殿」に端的に現れていると言えるだろう」

と、タケル。

「「さんま御殿」と言えば、明石家さんまさんがまず「場」の中心にいて、仕切り役・・・周囲にいる「ひな壇芸人」に話を振り」

「おもしろい話をさせ、落とした所で強烈なツッコミを入れ、笑いに変える・・・それを高所から見守り笑い声をあげるお客さん達」

「・・・そういう「場の構造」をしていますよね?」

と、レイカ。

「そう・・・これこそ、日本における「場の構造」の端的な例だ。日本人は「明石家さんまさん」に代表される「場のムードメーカーにして仕切り」役か」

「そのムードメーカーを愛するからこそ、そこで輝ける「ひな壇芸人」役か、それを高所から見守り笑い声をあげる「お客さん」役か」

「・・・あともう一つ、元々の話を振る日テレアナウンサーによる「議事進行」役か」

「最後にもうひとつ・・・その場の構造も含めて「明石家さんまさん」を高く買い、起用し続ける「日テレ」=「明石家さんま師匠」の「後見人」役に」

「・・・役割が分かれるんだ・・・日本人は必ずそのどれかの役割を果たしている事になる」

と、タケル。

「日本の「場の構造」は「場のムードメーカーにして仕切り」役、「ひな壇芸人」役、「お客さん」役、「議事進行」役、「後見人」役によって構成されていると」

「言う事ですね。・・・となった場合、谷沢永一氏の文章におけるアメリカの役割は?」

と、レイカ。

「これは面白くてね・・・日本が「ひな壇芸人」の役割だとした場合は、アメリカは「明石家さんまさん」役になるんだ」

「だけど、日本が「明石家さんまさん」役になると、アメリカはその後見人役である「日テレ」役になるんだ・・・」

と、タケル。

「まあ、後見人と言うのは、あくまで個人だから「日テレ」と言う組織ではない。まあ、有り体に日テレのお偉いさんの誰かが「明石家さんまさん」の後見人になっている」

「・・・そう見るべきだろうね」

と、タケル。

「つまり、日本社会においては・・・皆に愛される「明石家さんまさん」と言う社会の主人公が現れて、その仕切り役の元、「ひな壇芸人」が自由に才能を輝かせ」

「仕事をすると、ムードメーカーにして司会役の「明石家さんまさん」のツッコミで持って、仕事を最もいいカタチで仕上げる事が出来る・・・と言う構造ですよね」

「つまり、ひな壇芸人達は、明石家さんまさんの作る場・・・ここに参加させて貰って仕事をさせて貰うからこそ、自分の実力以上の仕事が出来ると言う事で」

「・・・日本の仕事とは、すべて上位の人の引き立てによる、才能のある下位の人間とその才能を見つけ出した上位の人間との合作である」

「・・・これが常と言う事になりますか?」

と、レイカ。

「そういう事になる・・・だから、日本における仕事では、その人間の才能を評価し、見つけ出した、言わば将来の後見人とも言うべき存在が大事になるんだ」

「つまり、若手芸人は、皆、まず、明石家さんま師匠に見いだされる事を目標にするんだ。そして、さんま御殿に出れればそこで、師匠との合作として」

「仕事をすることが出来る・・・師匠にキレのいいパスを出された時に、見事ファンタジスタ的にゴールを決められれば、皆気持ちいいし」

「視聴率も上がるし「自分、師匠、後見人、世間」すべてが笑顔になる・・・これが日本の仕事としては、もっとも大事な事になるんだな」

と、タケル。

「なるほど・・・と言う事は逆もまた真なりで・・・明石家さんま師匠もひな壇芸人のチカラを使って仕事をしていると言う事になるから」

「芸能界においては、先輩が若手の食事代を全額払うルールになっているんですね。納得が行きました」

と、レイカ。

「・・・と言う事は、日本人は社会にその後見人役を持った時、初めて、素直に言いたい事が言えて、その場を自分の輝ける場にする事が出来ると・・・」

「そういう事ですね?」

と、レイカ。

「そういう事になる。だから、谷沢永一氏の指摘したアメリカの存在は、まさに日本人が後見人的な立場をアメリカに見ていると言っていいんだよ」

「自分の才能や能力を信じて見出してくれたからこそ、ひな壇芸人と場の司会役芸人との関係性があるように」

「その司会役芸人を抜擢している日テレのお偉いさんも司会役芸人の後見人となる構図だからね・・・それを日本におけるアメリカと日本人は」

「みなしていると言う事さ・・・」

と、タケル。

「だから、日本人はまず、自分の才能を見抜き評価してくれる、場のムードメーカー的な司会役として評価される事が大事と言う事になる」

「それがなければ出世出来ない・・・日本における出世の本質とは、そういうところにあるんだよ。成績がよければたーだ出世出来る日本以外の国の文化とは」

「全く違うんだ・・・なにより、先輩が見て「こいつは使える!」と言わせる事が出来なければ!ダメさ」

と、タケル。

「そうですか・・・日本における出世の本質ってそこにあったんですか!」

と、レイカ。

「だからこそ、「人事のメインストリーム」と言うモノが現れる。よく流れに乗る・・・なんて言われるけどね。さっきの例で言えば」

「明石家さんまさんの才能を若い頃見つけたディレクターが彼の後見人にその才能を見出され、日テレの人事のメインストリームに乗った」

「それが明石家さんまさんを重用することにつながる・・・だって、「さんま御殿」って97年からやってるから、20年近くやってるわけだからね・・・」

「もちろん「さんま御殿」でさんま師匠が見出した若い才能はそれこそ、何千人以上だろう。出世した人間もいれば、消えた人間もいるだろう」

「いずれにしろ、日本の出世の構造は、才能を見出す能力のある上位の人間の引きに依るモノ・・・なんだよ・・・」

と、タケル。

「だから、流れが出来るのね・・・よーくわかりました・・・と言うか、出世とは、こうしてやるものって言うのが具体的に示されて」

「なんか、さらにやる気が出てきたみたいです」

と、レイカ。

「ま、それが今日の結論なんじゃない?いつも誰かが自分を見ている」

「だからこそ、毎秒、才能は出し尽くせ・・・それが自身の出生につながっている・・・そういうことだよ」

と、タケル。

「ほんと、そうですね。おっしゃる通りです・・・」

と、レイカも言葉にした。


「・・・今日はすごくいい記事になったと思うし、勉強になりましたけど・・・この結論に全然たどり着いていないのか、山本七平氏と谷沢永一氏ですね」

「山本七平氏も谷沢永一氏も、日本を否定しようとしているかのようですよね。まあ、バカだから、いろいろわかっていないっていうか、バカはしょうがないなって感じです」

と、レイカ。

「しかし、まあ・・・どうして「知識者」って、こんなにアホなんだろうねー。軽く言い負かせちゃうじゃーん。っていうか、何もわかっていないよ、こいつら」

と、タケルは言う。

「ま、こんな感じで、今後もやっていこう。言ったろ、全勝で勝つって」

と、タケルは笑う。

「まあ、とにかく、頭の悪い、ださいオヤジは見たものの事しかしゃべれないけど、「知恵者」は現象の元になった「原因」をしっかりと説明出来るのさ」

と、タケルは笑った。

「さ、飲みにでも行こうや、レイカちゃん」

と、机の上を片付けだすタケルでした。


(おしまい)


という感じになりました。

山本七平氏も谷沢永一氏も、何もわかっていませんね。

これが日本学の祖?最強の評論家?

笑っちゃいますねー。


やはり、「知識者」は頭が悪くて、だっさいよねー。


それが結論です。


ではでは。

涙したり、おしゃべり好きだったり、割りと普通な親切な女性歌人!「赤染衛門さん!」

2014年10月17日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「歌入門編」・・・お願いします。ええと、歌入門編の日は、割りと楽しくやっていこうということでしたよね?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「そうそう。日本においては「歌の前の平等」という事が言われているから、まずは入門して、あれこれ語りながら、理解を深める感じかな」

と、タケルは話します。

「ということなら、私も楽しく参加させて頂きますわ。じゃあ、ミルクティーなど飲みながら、のんびり始めていきましょう」

と、レイカはミルクティーを用意しています。

「ま、金曜日だし、のんびり行きたいね」

と、タケルは笑顔になりながら、言葉にするのでした。


今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「さて、早速、赤染衛門さんの歌を鑑賞していこうか」

と、タケルは言葉にする。

「はい。女性の歌はやっぱりいいですね・・・」

と、レイカ。


詞書「梅の花もさきにけり、桜の花みなさくけしきになりにたりと人のいふをききて」


「君とこそ春来ることも待たれしか梅も桜もたれとかは見む」

(あなたと一緒だからこそ春の訪れも待たれたのだ。梅も桜も、誰と共に見ればよいのか)


「えーと、これは赤染衛門さんの旦那さんが亡くなった次の年の春に詠まれた歌なんだそうだ」

と、タケル。

「なるほど・・・赤染衛門さんのこころの震えが伝わりますね・・・」

と、レイカ。


詞書「さみだれ空晴れて月あかく侍りけるに」


「五月雨の空だにすめる月影に涙の雨ははるるまもなし」

(五月雨の降り続いていた空に、珍しく顔を出し澄み渡る月――その光のもとでさえ、私の涙の雨は晴れる間もない)


「日本人の女性は特に月を見て涙しますね。あまりの美しさに亡き人の面影を思い出すのでしょうね」

と、レイカ。

「毎日、泣きながら暮らしているんだろうね。それだけ深く愛していたんだろうね、旦那さんを・・・」

と、タケル。


「やすらはで寝なましものをさ夜更けてかたぶくまでの月を見しかな」

(迷ったりせず、さっさと寝てしまえばよかったものを、あなたが来るかも知れないからと、夜が更けて沈もうとするまで、月を見ていました)


「同じ女性としてわかります、この気持ち・・・好きな人が来るかもしれない・・・そう思えば、寝てなんていられませんからね・・・」

と、レイカ。

「女性は月を見ながら・・・美しいものを眺めながら、自身に素敵なストーリーがやってくるのを待っているんだね・・・」

と、タケル。

「夜は・・・そして、月は女性をロマンティックに誘うモノですから・・・」

と、レイカ。

「そして、オトコも夜には、ロマンティックを夢見るからね・・・」

と、タケル。

「はい・・・」

と、レイカ。


「恨むとも今は見えじと思ふこそせめて辛さのあまりなりけれ」

(恨んでいると今は見られたくないのです――そう思うのは、あなたの態度がひどくつれなかったからだわ・・・あなたのせいなの・・・)


「こころとは裏腹の態度に出ちゃうのも、弱い存在の女性だから・・・そういう歌みたいだね・・・ちょっとかわいいな」

と、タケル。

「同じ女性として、よくわかる感情です。ほんとは好きなのに・・・あまりにつれない態度だから、思わず、そんな態度をとってしまったの・・・そんな感情なんでしょうね」

と、レイカ。

「じゃあ、実際は、恨んでいるって事?相手の男性を・・・」

と、タケル。

「恨んでいると言うより、好きなんでしょうね、その相手の男性が・・・とても愛おしい存在・・・だからこそ、言い訳もしたくなる・・・」

と、レイカ。

「なるほどね・・・奥が深いや・・・」

と、タケル。


「いかに寝て見えしなるらむうたたねの夢より後は物をこそ思へ」

(どんな寝方をして、あの人が夢に見えたのだろうか。うたたねの夢から覚めたあとは、物思いばかりしているのだ)


「好きなオトコの事を思うと夢で逢える・・・と、よく小野小町さんが歌っていたけど・・・文脈的には、そういう歌だね」

と、タケル。

「また、逢いたいから、どんな寝方をしていたか、考えている・・・そういう歌ですね・・・」

と、レイカ。

「なんでも、枕の置き方などで、夢をコントロール出来ると言う話が広がっていたみたいだ。この時代」

と、タケル。

「それだけ、相手のオトコに逢いたいと言う事でしょうね」

と、レイカ。


「越えはてば都も遠くなりぬべし関の夕風しばしすずまむ」

(ここをすっかり越えたら、都も遠くなってしまうに違いない。関山に吹く夕風にしばらく涼んでゆこう)


「これは夫の任地、尾張の国に下向途中に逢坂の関で詠んだ歌だそうだ。逢坂の関は、よく歌の世界に出てくる場所だしね・・・」

と、タケル。

「女性にとっては、都がやはり、好きな場所なんですね・・・」

と、レイカ。

「もっとも、最初に夫を亡くして泣いてる歌があったから・・・その夫との二人での旅行も実は楽しかったんじゃないのかな、彼女にとっては・・・」

と、タケル。

「そうですね・・・夫婦水入らずですものね・・・」

と、レイカ。


「思ふことなくてぞ見まし与謝(よさ)の海の天の橋だて都なりせば」

(物思いもなくて、存分に眺めを楽しんだろうに――与謝の海の天橋立よ、ここが遠い異国でなく都であったなら)


「今度も旦那に従って、丹後の国に行った時に詠んだ歌だね。天の橋立も都には敵わないと言うところかな」

と、タケル。

「都での恋物語がやっぱり、女性には一番だと言う事でしょうね。そのことにかなり固執してそうな赤染衛門さんです・・・」

と、レイカ。

「ま、宮中にいた方が楽しそうだしね。才能綺羅びやかな歌人の女性も何人もいることだし、自分と話の合う女性も多かっただろう」

と、タケル。

「そうですね。やっぱり、女性同士のおしゃべりは、女性の大好物ですもの・・・」

と、レイカ。


「神な月ありあけの空のしぐるるをまた我ならぬ人や見るらむ」

(神無月、有明の空に時雨が降るのを、私以外の人もまた寝られずに見ているのだろうか)


「また、誰かオトコの人を思い出している・・・そういう歌だね」

と、タケル。

「同じ月をあのひともみてるのかしら・・・そうあって欲しい・・・そういう歌ですね。ある意味、ロマンティック」

と、レイカ。


詞書「和泉式部、道貞に忘られて後、ほどなく敦道親王にかよふと聞きて、つかはしける」


「うつろはでしばし信太(しのだ)の森を見よかへりもぞする葛のうら風」

(心移りせずに、しばらく和泉国の信田の森を見守りなさい。葛に吹く風で葉がひるがえるように、あの人がひょっとしたきっかけで帰って来ることもあるのですよ)


「出ました!恋にオトコマエな女性、和泉式部さん・・・友人の彼女に贈った歌なんだね。その和泉式部さんを振るオトコもいるとは思わなかったけど」

「傷心の和泉式部さんを慰める歌なんだね、これ・・・」

と、タケル。


返し。


「秋風はすごく吹くとも葛の葉のうらみがほには見えじとぞ思ふ」


「和泉式部さんは、恨んでは、いないと返しているんですね・・・でも、女心は複雑・・・やっぱり、こころを残しているんでしょうね」

と、レイカ。


「やへむぐらたえぬる道と見えしかど忘れぬ人は猶たづねけり」

(和歌の道は葎(むぐら)が幾重にも繁茂して途絶えてしまった道と見えましたけれど、忘れない人はやはり訪ねてくれたのですね)


「これはあるオトコが赤染衛門さんの家を訪ねた事に対する「ありがとう」の気持ちの歌なんだね・・・忘れない人もまた、いてくれる事に感謝って感じかな」

と、タケル。

「平安時代も離合集散の時代だったんでしょうね。特に女性からすれば、訪ねてくれる男性がいるだけでもありがたい・・・そういう気持ちが伝わりますね」

と、レイカ。


「今日は坦々と赤染衛門さんの歌を鑑賞したけど・・・人のこころは移ろいやすく、また、忘れない人もいてくれる・・・そんな事を思ったね・・・」

と、タケル。

「情熱の歌人と言う感じではないですけれど・・・和泉式部さんに歌を贈ったり、割りと親切な女性のイメージがありますね、赤染衛門さんは・・・」

と、レイカ。

「でも、やっぱり、都が好き。宮中のサロンが好き・・・そういう女性なんだろうね」

と、タケル。

「女性はどの時代でも、同じ女性とのおしゃべりを楽しむ存在ですからね・・・その気持ちはわかります」

と、レイカも言葉にした。


「ま、勉強は始まったばかり・・・焦らずのんびり、言葉にしていこう」

と、タケルは言うと、

「さ、レイカちゃん、飲みに行こうか」

と、タケルは机の上を片付け始める。

「はい。お伴します」

と、レイカはメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)


金曜日の夜・・・まあ、こういう日は楽しく飲むに限りますね。

焼き肉なんかやりながら、ビール。

ま、レイカちゃんと楽しく飲んじゃお!ってなところで、

週末に繰り込んでいく感じですかねー。


ではでは。

「茶人」は、人間性の大きい、精神的にタフで強い、場のムードメーカーになれる人間だ!「細川父子」!

2014年10月16日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「戦国武将考察編」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・昨日、細川ガラシャさんを見たから、「茶人とは何か?」をテーマに「細川忠興、細川幽斎さん」を見ていこうよ」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「細川幽斎さんって、調べていてわかったんですけど、元は幕臣の三淵 晴員の子供だったんですね・・・知らなかったな」

と、レイカは言葉にする。

「その三淵 晴員も、元は、和泉守護細川元有の子なんだから・・・なんだか、行ったり来たりの感じだねー」

と、タケル。

「いずれにしろ、幕臣として重要な血筋だったと言う事ですね」

と、レイカ。

「そういう事だろうね」

と、タケル。

「細川藤孝と言えば・・・なんと言っても、足利義昭を将軍にしようと奔走した人物として有名ですよね」

と、レイカ。

「そうだね。明智光秀らと共に奔走し、足利義輝が暗殺された時に、足利義昭を助けだしたエピは有名な話だね」

と、タケル。

「しかし・・・わたし、思うんですけど、足利義昭の人間性って軽いって言うか、小さいし、深みが無いじゃないですか・・・こんな人物に将軍職を渡しても」

「世の乱れの元にはなっても、乱世を纏められるはずがないんですけど・・・藤孝は、それに気づいていなかったんでしょうか?」

と、レイカ。

「いや、気づいていただろう。むしろ、気づいていたからこそ、その軽い性格を利用しようとしたんじゃないのかな?」

と、タケル。

「・・・と言いますと?」

と、レイカ。

「藤孝は、六角義賢、武田義統、朝倉義景に将軍任官の協力を求めている。だが、この3人共、人間的に大きくなかった。決断力にも乏しく、精神的にも弱かった」

「その3人を知った後、織田信長に出会えば・・・人間性はデカく、度量海の如し、さらに果断に決断出来る織田信長を藤孝が見た時」

「「時代はこのオトコの元にまとめられるだろう。足利義昭には、その織田信長様の天下をまとめるための道具となってもらおう」と即決断出来たはずだ」

と、タケル。

「なるほど・・・人間を直接見てきた藤孝だからこそ、信長の価値をいち早く知り、足利義昭の利用の仕方も見えた・・・と言う事ですか?」

と、レイカ。

「僕は細川藤孝を通して、茶人と言うモノを考えた時・・・茶と言うのは、四畳半の小さなスペースで顔を突き合わせ、それこそ腹を割って話す場だろ?」

「要はそこは、相手の人間性の大きさ、小ささ、相手の精神力の強さ、弱さ、すべてが露呈する場所だよ・・・つまり、茶人とは一言で言うと」

「他人の人間性と精神力をすべて見通す人間達・・・であり、当人の人間性がデカく、精神的に強い為に、他人が同じ場所にいたいと望む人間たち・・・」

「少なくとも場の空気をリードするムードメーカー的な人間である事が求められると見ているんだ」

と、タケル。

「それって「将軍の性格ポテンシャル」ですね。場を仕切る能力とでもいいましょうか・・・」

と、レイカ。

「人の上に立てる基本的な能力だよ・・・人間性がデカく、精神的に強い・・・だからこそ、皆に愛される・・・それが人の上に立てる、日本文化的条件さ」

と、タケル。

「細川藤孝は、三条西実枝に古今伝授を受け、二条派正統を一時期継承していますが、もちろん、教養人として一流の才能を見せた事が古今伝授を受けた」

「直接の理由でしょうけど、その根本として、皆に愛される人間性だった事も挙げられますよね?」

と、レイカ。

「ああ。日本人は人物に対しては好き・嫌いで評価するからね・・・つまり、好ましい人間性を持つ藤孝だったからこそ、多くの情報が集まったと考えるべきだね」

「実際、古今伝授なんて・・・自分が大切に守ってきたモノを他人に譲り渡すのは、それこそ、「このオトコなら」と思える好きになれるオトコでなければ」

「「嫌いだけど実力抜群だから、渋々・・・」なんて事はあり得ないだろ」

と、タケル。

「そうですね。細川藤孝も、人間性の大きな、精神的に強いオトコだったんですね。細川忠興も、昨日、考察した時に、2000通以上の書簡を出していると」

「言う事から、多くの人間から信頼を受けていた人物と言う事で、人間性が大きく、精神的に強いオトコだった事がわかっています」

と、レイカ。

「それは藤孝の血を細川忠興が継いでいると言う事が原因なんだろうね。その人間性の大きさと精神的な強さは・・・」

と、タケル。

「茶室に入ると・・・そこには何の虚飾もなく、正対する人間同士があるだけで、人間性の小ささや、精神的な弱さが露わになる場所だ・・・と」

「多くの戦国武将が言葉にしていますね・・・」

と、レイカ。

「だから、多くの戦国武将が茶を怖がったんだよ。自分のすべてが顕になっちゃうんだから」

「だから、千利休と言う人は余程、人間性が大きく、精神力の強いオトコだったんだろうね・・・茶を主催出来るとは、そういう事だからね・・・」

と、タケル。

「その利休の高弟のひとりに細川忠興がなっていますから・・・余程、人間性が大きい、精神的に強い人物だったんでしょうね、細川藤孝、細川忠興父子は」

と、レイカ。

「細川父子と言えば、本能寺の変後、親戚でもあった明智光秀の誘いを断り、細川藤孝は隠居し、幽斎と名を改め、親子で髻を取り、謹慎したエピが有名ですね」

と、レイカ。

「茶人と言うのは、他人の中身を見抜ける人間だから、高度な政治家でもあるんだ。だから、明智光秀が敗北する事は当然、見抜いていただろう」

「だいたい、筒井順慶あたりでも、それを見抜いているんだから、茶人である細川父子なら、当然見抜くさ・・・」

と、タケル。

「織田信長の気宇壮大な人間性の大きさと精神力の強さを見抜き時代を託した細川藤孝・・・明智光秀も当然、同じ思いだったと思うんですが」

「その明智光秀は、信長を殺してしまった・・・細川藤孝は、本能寺の変の時、どんな思いだったんでしょうか」

と、レイカ。

「細川藤孝は、明智光秀の人間的な弱さ、精神的なタフさに欠けるところがあるのを日頃から見抜いていただろう」

「僕は、本能寺の変こそ、信長は天皇家を危うくする存在と見誤った明智光秀による一人芝居だったと思っているけど、彼に決定的に欠けているのは」

「場の主役になれないと言う、その性格だ」

と、タケル。

「信長の集めた茶器の名物をその価値のわからぬ部下に分け与えたエピを見ても・・・そうでもしなければ、彼は場の主役になれない人間だったんだよ・・・」

「そんなんじゃ、天下どころか・・・そのコミュニティの主役にすら、なれないよ。そんな人間が天下を保てるわけが無い・・・」

「細川藤孝は、そこまで、しれっと見切っていたんだろう。とにかく、彼らとすれば、謹慎を世に示す事が重要な政治だったんだ・・・」

と、タケル。

「・・・と言う事は、明智光秀は、途中から「知識者」の「俺偉い病」にして「思考停止者」になっていたと言う事ですか?」

「細川父子が、二人共「知恵者」にして「純思考者」だったのに、比べて・・・」

と、レイカ。

「まさにそういう事だよ。信長にしては珍しく、人間を見る目を誤ったのがまさしく「思考停止者」になっていた明智光秀と言う事になる」

と、タケル。

「「知識者」の「俺偉い病」の「思考停止者」って「自分はたくさん知識を持っているから、偉いのだ」と「思考停止者」と化しているから」

「「知恵者」がどれだけ考えて、決断を下しているか、理解出来ないんだよ。だから、「絶対の知恵者」である織田信長をしたり顔で諌めちゃったりするわけ」

「ま、そういう明智光秀は、本格的なバカだけどね・・・」

と、タケル。

「わたしも「思考停止者」は本格的なバカだと思いますけど・・・それを見抜いていたのが、細川父子と言う事になりますね・・・」

と、レイカ。

「それにしても、細川藤孝ってすごいんですね。調べれば調べるほど、すごい・・・武芸百般に通じ、剣は、あの剣聖、塚原卜伝に習っているんですね」

「弓術も印可を得ているし、和歌・茶道・連歌・蹴鞠に通じていて、さらには囲碁・料理・猿楽などにも造詣が深い・・・ある意味、オールマイティーなんですね」

と、レイカ。

「なるほど・・・彼はオトコマエ3要素「好奇心旺盛」「チャレンジング・スピリッツ旺盛」「サービス精神旺盛」で人間性を大きくしたタイプだな」

「そして、もちろん、失敗の経験も豊富・・・だから、精神的にもタフだし、強かった・・・そういうわけだったんだ・・・」

と、タケル。

「そして、その血・・・DNAは細川忠興にも受け継がれた・・・そういう事ですね」

と、レイカ。

「そういう事だ。なんだ、割りと簡単に解けちゃったな・・・細川父子が茶人としても大成出来た理由が・・・」

と、タケル。

「結局、オトコマエ3要素で生きてくれば、人間性が大きく、精神的にも強くなり、皆に愛されるようになるから、場を絶対的にコントロールするムードメーカーになれる」

「・・・それが茶人であり、高度な政治家になれる条件でもある・・・そういう結論ですね?ゆるちょさん」

と、レイカ。

「そういう事だ。日本人はすべからく、そういう生き方が求められるのさ」

と、タケルが言うと、レイカは目の笑ういい笑顔でコクリと頷いた。


「さ、ゆるちょさん、結論も出たことだし、今日は存分に飲みましょう!」

と、レイカは赤縁のメガネを外し、髪を解いた。

「レイカちゃん、本気だね。じゃ、気合いれて飲もうか!」

と、笑顔のタケルは机を片付けだすのでした。


(おしまい)


結局、この日本では、人間性が大きく、精神的にタフで力強いオトコが、皆に愛され、大成していくと言う事です。

場のムードメーカーになれるということが、その証左になりますからね。

ま、そういう男性が女性に愛されるわけですから、

人生愛された者勝ち!と言うことにもなりますねー。


さあ、楽しく飲みましょう!


ではでは。

珠は永遠の命を与えられた素敵な「知恵者」の女性だった!「細川ガラシャ」さん!

2014年10月15日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「先人考察(女性編)」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・今日はひとりの女性として、この人はどうなのか・・・「細川ガラシャ」さんを見ていこう」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「まあ、ある意味、悲劇的な女性として、扱われている・・・伝説の多い女性でもあるけれど」

「「果たして細川ガラシャさんを妻に持った細川忠興さんはしあわせだったのか?」と言う視点で、細川ガラシャさんの人生を見てみたいんだ」

と、タケルは言葉にする。

「女性の間では、細川ガラシャさんは、やはり人気ですよね・・・信仰を守り、信仰に死んだ、聖少女的なストーリーですからね・・・」

と、レイカ。

「まあ、もちろん、わたしは宗教を否定しています。昨日も言葉にしましたが、ニケーア公会議が開かられた時点で、唯一神ゴッドの存在は否定されています」

「神とキリストと精霊という三位一体のカタチで存在すると言うのも、後からとってつけた説明で・・・だから、わかりにくい」

「・・・と言うより、二律背反のストーリーは、世界を分裂主義者の世界へ導く、間違ったストーリーそのものです」

と、レイカ。

「その考えを前提にした時、ガラシャさん・・・もう少し言えば、ラテン語的発音で言えば、グラッツィアさん・・・グラッチェの元になる言葉ですけど」

「そのグラッチェさんは、強い女性と言われていますが、現世から逃げようとしていた女性とも言えるんですよね・・・」

と、レイカ。

「僕は彼女が洗礼を受けた時期を問題にしたいね・・・それは秀吉がバテレン追放令を発した直後なんだ・・・」

と、タケル。

「夫の細川忠興が豊臣政権下で、羽柴姓を受け、七将のひとりとまで言われているのに・・・その秀吉に背くカタチをグラッチェさんは取っている」

「この女性、旦那の事を全く考えていませんね・・・」

と、レイカ。

「そういう事なんだ。バテレン追放令と言うのは、秀吉がスペインのフィリピン植民地化のプロセスの戦術を詳細に知り・・・植民地化の先兵として」

「いわゆる植民地の民をキリスト教で洗脳する事が植民地化の初期段階と見抜いたからの日本防衛の為の高等政策なんだよ」

と、タケル。

「その事すら、理解せず、自己の救済のみを考えて洗礼を受けるなど・・・言語道断と言う事になりますね。グラッチェさんがキリスト教の洗礼を受けたのが」

「1587年、珠24歳、細川忠興24歳の時です。そして、その洗礼を受けた事を忠興に話すのが1595年・・・細川忠興が豊臣秀次に借金があり」

「秀吉に睨まれ、切腹さえ取り沙汰された年です・・・」

と、レイカ。

「8年も内緒にしていたと言う事か・・・それぞれ31歳・・・いい大人になった年だね・・・」

と、タケル。

「細川忠興と言う人は当時の武将の中でもとびきりの「超短期」と言われていた人ですけど、わたしはオトコを見る場合、「短期なオトコ」には2種類の人間が」

「いると思っているんです。一方を「けつの穴の小さい、勉強しか出来ないサラリーマンオヤジ型」としましょう。このオヤジは要は人間性が小さいから」

「ちょっとした事もストレスになって怒り出すタイプ。「専業主婦型俺偉い病」と同じ種類ですね」

「ま、こういう「サラリーマン型俺偉い病」の男性は・・・女性が絶対に愛しちゃいけないタイプの男性ですね」

と、レイカ。

「もっとも、そういう人間性の小さいオトコは、女性に蛇蝎の如く嫌われますけどね・・・もう一方が「人間性がデカイけど、美学の発達した信長タイプ」です」

「このタイプの男性は「美学」が発達しているから、許せない事は絶対に許せないタイプ・・・そのようにわたしは分けて考えています」

と、レイカ。

「そういう目でこの細川忠興を評価した場合・・・わたしは細川忠興が「戦上手」にして「政治的に立ち回りが上手い」と言う事」

「・・・利休七哲の一人でもあり、利休居士に非常に愛されていたこと・・・つまり、文化人として特に優れていたため、多くの文化人や大名、公家との」

「交流が盛んだった事・・・そして、徳川時代、土井利勝や春日局から多くの情報を得ていた事・・・なにより、細川忠興が生涯2000通以上の文を書いていた事」

「などから・・・彼がまさしく「人間性がデカイけど、美学の発達した信長タイプ」の短気と見ます」

と、レイカ。

「珠と細川忠興は、織田信長の推挙によって、結婚しているんだよね。織田信長と言えば、女性の中身も男性の中身も見ぬく、言わば「人見のオトコ」だ」

「だから、まず、珠の性格を勘案しただろうね。彼女は当時の修道士に「これ程、明晰かつ果断な女性は見たことがない」と言われているから・・・」

と、タケル。

「明晰かつ果断と言うことは、多くの経験をしてきた上での「経験知」をその女性が持っていると言う事になります。その経験知があるからこそ」

「果断に物事を判断出来る・・・つまり経験知が多いと言う事は人間的にも大きな女性だったと言う事でしょう。しかも、明晰であると言う事は」

「新規な物事に対する理解力が高いと言う事になりますから、それも、これまで、多くの新規な事に出会い、理解する訓練がされている証左にもなりますから」

「好奇心旺盛な女性だった事がわかります・・・」

と、レイカ。

「なるほど・・・となると珠ちゃんは、人間性も大きく、経験知も豊富な果断な女性であり、好奇心旺盛で明晰な女性だった・・・と言うことになるね」

と、タケル。

「その彼女が洗礼した時に修道士に告げた内容こそ「細川忠興と離婚したい」と言うものだったんです」

と、レイカ。

「珠は、1578年15歳の時に細川忠興と同い年で結婚している。彼女が洗礼を受けたのが24歳だから、その間に忠興との間に決定的な何かがあったと言う事になるね」

と、タケル。

「まずは、細川忠興の偏愛と言うことが基本的にあったでしょうね。唐入りの最中、細川忠興が珠に当てた手紙に「秀吉の誘惑に乗るな」と言う文章がありますから」

と、レイカ。

「当初は頭の回転の早い、美学の発達した細川忠興を珠は愛していただろうね。だからこそ、珠の美女ぶりも他人以上に理解出来る細川忠興だったから」

「彼自身も、自身を美しく保つ努力はしていただろう。彼は武具も工夫を取り入れていたから、珠の美女ぶりに似合う自分を作り上げる事にも長けていただろう」

と、タケル。

「外見的には問題ない・・・とすれば、細川忠興の内面的なモノに珠は嫌気が差した?」

と、レイカ。

「そう考えるのが自然だろうね。・・・もちろん、珠の15歳から、24歳の間にあった最大の出来事と言えば、本能寺の変後の父の敗死だろうね」

と、タケル。

「この時、珠は隔離され、幽閉されますが・・・これは政治上、ぜひ必要な処置ですから、聡明な珠はそれは理解出来たと思うし」

「受け入れたはずですけど・・・それでも、彼女のプライドは大きく傷ついたでしょうね。自分を愛している細川忠興が自分を裏切ったと感じられたでしょうから」

と、レイカ。

「・・・それは珠本人が、深く細川忠興を愛していたから?」

と、タケル。

「そうですよ・・・多分、彼女の方が細川忠興よりも、深く深く、細川忠興を愛していたんですよ。子供だって、3男2女も生まれていますから」

「珠は深く細川忠興を愛していたからこそ、その裏切り行為に深く傷ついたんです」

と、レイカ。

「愛すればこそ、憎しみも深く刻まれた・・・そういう事か・・・」

と、タケル。

「珠のキリシタン入信だって、どう考えたって秀吉への背信でしょう?つまり、珠は細川忠興に甘えているんです。父が信長を殺した時・・・これも背信ですよね」

「その時、細川忠興は、珠を裏切った。「じゃあ、今度はどう出る?あなた」と珠は細川忠興に迫ったんですよ」

と、レイカ。

「最初は珠は細川忠興にプライドを傷つけられ、でも子どもたちの母親でもあるから、母として生きていたんでしょう」

「それでも愛情は深かったと思いますよ。そうでなければ、唐入りの時に細川忠興が「秀吉の誘惑に乗るな」とは書き送らないでしょう」

「政治の上手かった細川忠興は、珠の心を読めたと思いますから・・・」

と、レイカ。

「でも、キリシタン入信は気づかなかった細川忠興・・・ここはどう見る?」

と、タケル。

「同じ女性として考えれば、簡単です。彼女は夫に秘密を持つ事でそのプライドを満足させていたんですよ。現代の主婦だって同じでしょう」

「へそくりの額が大きくなればなるほど、主婦はニンマリとします・・・この意識と珠の意識は同じです」

「しかも、政治を得意中の得意としていて情報戦に長けていると自認すらしている、政治の天才、細川忠興を騙しているんですよ?こんなに笑顔になれる事」

「珠にとっては、他にはありませんよ・・・」

と、レイカ。

「それに秀吉はバテレン追放令は出したけど、個人的な入信は禁じていません。つまり、ギリギリのところで、背信行為にはなっていないんです」

と、レイカ。

「なるほど、聡明な珠のしそうな事だね・・・」

と、タケル。

「それに珠は離婚が出来ないキリスト教の教義すら、知っていたでしょう」

「であれば、「離婚したい」と言う珠の表明は本意ではなく、洗礼までの手順をスムーズにする為の策・・・細川忠興並の政治手腕を珠もまた持っていた証左です」

と、レイカ。

「なるほど・・・珠の本質がようやくわかってきたようだね。珠はそれこそ、強烈に細川忠興を愛していたからこそ、一連の行動になったんだね」

と、タケル。

「ええ。人間は言葉の裏にある本意を見なければいけません。でないと、勘違いに終わってしまいますからね」

「日本人は嘘をも、結果を導く為にうまく使う民族ですから・・・」

と、レイカ。

「・・・となると、彼女の壮烈な最後は、細川忠興を愛しているが故、敵の手に落ちるのを強烈に拒んだ珠の強い意思と見ればいいんだね」

「最後の瞬間、彼女の心の中にはキリストの姿は無く、夫、細川忠興の笑顔があった・・・そういう事になるんだね?レイカちゃん」

と、タケル。

「ええ・・・彼女は殉教したんじゃない・・・夫、細川忠興だけの珠でいたいから、夫の身と夫の将来を守る為に死んだのです」

と、レイカは結論を言い抜いた。

「彼女の辞世の句に「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」と言う歌があるけど・・・この人も人なれ・・・の相手こそ、細川忠興だったんだね」

と、タケル。

「ええ。だって、珠にすれば、やはり得難い夫だったと思いますよ。政治の得意なオトコは、女性を愛するのも上手いですから」

「彼女の心根をいちいち見抜いて、なにくれとなく、よくしてくれたのが、細川忠興だったでしょうからね」

と、レイカ。

「珠は自分の死こそ、徳川家康率いる東軍への最大のエールになることをわかり抜いていました」

「そして自分の死こそ、夫細川忠興を評判を東軍内で最大に高める効果があることも・・・だからこそ、珠は愛する夫の為に死んだのです」

「その証拠に辞世の句にあるじゃないですか・・・「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ」・・・彼女の死こそ、自分を花にする」

「・・・後の世にすら、喧伝される美談になることを彼女は知っていたんです。彼女は永遠の命をそこで貰ったんです・・・」

と、レイカ。

「・・・とすれば、彼女は笑顔で死んでいったろうね」

と、タケル。

「ええ、そうなんです。彼女は永遠の命を約束された自分の今後に思いを馳せながら、笑顔で死んでいったんです」

と、レイカ。

「って事は夫婦の鏡だったって事だ。この二人は・・・」

と、タケル。

「それが結論です。珠もまた「知恵者」の女性だったし、細川忠興も、また「知恵者」のオトコだったんです・・・」

と、レイカは言い抜いた。


「さ、結論も出たし、仕事はこれくらいにして、飲み行こうか、「知恵者」のレイカちゃん」

と、笑顔で立ち上がるタケルでした。

「はい。もちろん、お供しますわ」

とレイカは立ち上がり、赤縁のメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)

結局、「知恵者」の男女が夫婦になると夫婦の鏡になるんですよねー。

ま、そういう女性を見つけて、夫婦の鏡になっていきたいもんです。

やはり偉人を勉強すると、いろいろ教えられますね。


ではでは。

春はイケメンの季節です。これだから辞められないわ!うーん、じゅるる!「赤染衛門さん!」

2014年10月10日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「歌入門編」・・・お願いします。ええと、歌入門編の日は、割りと楽しくやっていこうということでしたよね?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「そうそう。日本においては「歌の前の平等」という事が言われているから、まずは入門して、あれこれ語りながら、理解を深める感じかな」

と、タケルは話します。

「ということなら、私も楽しく参加させて頂きますわ。じゃあ、ミルクティーなど飲みながら、のんびり始めていきましょう」

と、レイカはミルクティーを用意しています。

「ま、金曜日だし、のんびり行きたいね」

と、タケルは笑顔になりながら、言葉にするのでした。


今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「さて、前回はあの紫式部さんの娘「大弐三位」さんの歌を見たけど、今日もその続きから入っていこう」

と、タケルは言葉にする。

「なんとなく、涸れ枯れになる男性が多かった印象・・・逃げるオトコを追う印象のある大弐三位さんでしたね・・・」

と、レイカ。

「さ、今回はどうかな?」

と、タケルは言葉にした。


詞書「かたらひける人の久しくおとづれざりければ、つかはしける」


「うたがひし命ばかりはありながら契りし中のたえぬべきかな」

(このうえ生き長らえるかと疑った命は未だ残っているのに、約束し合った仲は絶えてしまったのですね)


「うーん、これも涸れ枯れになった男性に送った歌だね・・・女性としてどういう心境なんだろう・・・」

と、タケル。

「焼き木杭に火をつけたいイメージなんでしょうか。男性の方から切った恋愛は、復活しずらいイメージがありますけどね」

「女性としてのプライドとしては、好きな男性なら、ずっと追いかけるけど・・・中途半端な男性は追わないものですけどね・・・」

と、レイカ。

「なんだか、こういうパターンが多いところを見ると・・・女性としての魅力にちょっと欠けるところのある女性だったのかな?」

と、タケル。

「確かに・・・なんとなく、自分をうまく出せない女性のイメージがありますね。好きだけどそれを表情や態度に出せない・・・だから、飽きられる女性のイメージ」

と、レイカ。

「うーん、そういう女性だったようにも思えるね」

と、タケル。


詞書「堀川右大臣のもとにつかはしける」


「恋しさの憂きにまぎるる物ならばまたふたたびと君を見ましや」

(恋しさが、煩しい些事に気が散って紛れるものなら、もう二度とあなたにお逢いしましょうか。紛れなどしないから、またお逢いしたいのです)


「これは直接的なズバッとした物言いの告白だね・・・」

と、タケル。

「今まで中途半端なイメージとは違いますね。女性の側から、「逢いたい」と告白していますから・・・堀川の右大臣もちょっとびっくりしたのでは?」

と、レイカ。

「でも、多分、彼女の本命がこの右大臣だったんでしょうね。だから、ズバッと言い抜いた。ここまで言われたら男性冥利に尽きるでしょうね」

と、レイカ。

「ああ、そうだろうね。「んじゃ、ちょっと行ってくるか」とかいいながら、つい頬がゆるんじゃう、男性の姿が目に浮かぶよ・・・」

と、タケル。


詞書「秋の頃、をさなき子におくれたる人に」


「わかれけむなごりの露もかわかぬに置きやそふらむ秋の夕露」

(別れを悲しむ名残の涙もかわかないのに、あなたの袖にはさらに秋の夕露が置き添っているでしょうか)


「これは幼子を病気で亡くした女性に送った歌なんだね。袖に涙は付き物だから・・・それを秋の夕露といい表しているんだね」

と、タケル。

「この時代は、病気で亡くす幼子も多かったんでしょうね。大弐三位さんのやさしいこころが察せられます」

と、レイカ。


詞書「上東門院、世をそむき給ひにける春、庭の紅梅を見侍りて」


「梅の花なににほふらむ見る人の色をも香をも忘れぬる世に」

(梅の花よ、なぜそんなに美しく咲き匂っているのか。おまえを見て賞美すべき人が、すでに出家して、色も香も忘れてしまった世であるというのに)


「梅の花は、賞美すべき人がいてこその梅の花・・・そういう思いなんだね、大弐三位さんの思いは・・・」

と、タケル。

「上東門院さんが出家したことが、それだけ寂しいと言う事なんでしょうね、大弐三位さんにとって・・・」

と、レイカ。


「うーん、大弐三位さんは、なんとなく普通の女性に感じたかな・・・情熱的と言うより、あまり恋が上手じゃないような」

「・・・ズバッと告白するのも一瞬情熱的にも思えたけど、人間性の大きくない女性が思い余って言ってしまったように思えたね・・・」

と、タケル。

「確かに人間性はあまり大きくないかもしれませんね・・・オトコマエな女性の代表、小野小町さんの歌と比べても、歌がどれも小粒だし」

「あまり、いいエピに囲まれていません。どちらかと言うと中途半端な感じの女性と言う印象がありますね・・・」

と、レイカ。

「じゃ、次、赤染衛門さん、行こうか・・・」

と、タケルは言葉にする。


「消えはてぬ雪かとぞみる谷川の岩間をわくる水の白浪」

(消えきらずに残っている雪かと見える――谷川の岩の間を分けてゆく水流の白波)


「春の情景を詠み込んだ歌だね・・・水の流れと雪・・・いい取り合わせだね。美しい情景が目に浮かぶよ」

と、タケル。

「美しい風景を切り取るのが上手い女性ですね」

と、レイカ。


詞書「鷹司殿の七十賀の月次(つきなみ)の屏風に、臨時客のところをよめる」


「紫の袖をつらねてきたるかな春立つことはこれぞうれしき」

(公卿の皆さんが紫の袖を列ねてやって来ましたねえ。春になることはこれだから嬉しいのです)


「なかなか、心情が伝わって面白いよね。ま、赤染衛門さんにすれば、公家のイケメンが打ち揃って登場したから、ちょーっと嬉しくなっちゃったって感じ?」

と、タケル。

「ほんと、生唾ゴクリな感じの赤染衛門さんの表情まで見えるようですね。余程のイケメン好きだったんでしょう、赤染衛門さんは・・・」

と、レイカ。


「かへる雁雲ゐはるかになりぬなりまた来む秋も遠しと思ふに」

(北へ帰って行く雁たちよ――その声からすると、遥か雲の彼方に去ってしまったようだ。再びやって来る秋は遠いと思うのに)


「急に叙情的な歌になったけど・・・次の秋はまだまだ遠いと言う意味もかかっているんだね」

と、タケル。

「なんとなく風景が目に浮かぶようで・・・この赤染衛門さんは風景を切り取るのが上手いですね」

と、レイカ。


「踏めば惜し踏まではゆかむ方もなし心づくしの山桜かな」

(踏んでは勿体ない。踏まなければ行きようもない。心をすり減らせる山桜の散り花であるよ)


「その気持ちよくわかるね。赤染衛門さんも美しいモノの好きな素敵な女性だったんだろうね。散ったサクラのピンクの絨毯を踏みしめるのが勿体ない気持ちなんだね」

と、タケル。

「美しいモノが朽ちていく姿も見たくない心地だったんでしょうね。赤染衛門さんの繊細さを感じさせる歌です」

と、レイカ。


詞書「ひさしくわづらひけるころ、雁の鳴きけるを聞きてよめる」


「起きもゐぬ我がとこよこそ悲しけれ春かへりにし雁も鳴くなり」

(雁の帰るところは常世と聞くが、ずっと起きもせずにいる私の寝床――その「とこ」世こそ悲しいことだ)

(春に帰ってしまった雁が、秋になって帰って来て、啼いてている。それを私は相変わらず寝床にいて聞くのだ)


「これは前に掲げた雁の歌を意識して詠んだ歌なんだね。次の秋は遠いと詠んだのに、その秋まで患ってしまった。それが悲しい・・・と情感がこもるね」

と、タケル。

「この時代、雁は季節を呼ぶ存在だったんですね。そして、そんな遠いと感じた秋にまで患った自分・・・ちょっと自分に自信を無くしている感じですね」

と、レイカ。


詞書「上東門院にまゐりて侍りけるに、一条院の御事など思し出でたる御気色なりけるあしたに、たてまつりける」


「つねよりもまたぬれそひし袂かな昔をかけておちし涙に」

(常にもまして濡れまさった袂ですことよ。ご存命中の昔に思いをかけて溢れ落ちました涙に)


「この赤染衛門さんもまた、紫式部が「源氏物語」を与えた彰子のサロンの女性だから、もちろん、上東門院=彰子さんで、一乗院はその夫の一条天皇の事なんだね」

「一条天皇は譲位直後に亡くなっているから、その事を話していて悲しくなったんだろうね」

と、タケル。

「袂を涙で濡らす・・・彰子さんは余程、一条天皇の事を愛していたんでしょうね・・・」

と、レイカ。


「しかし、彰子さんのサロンには文芸に秀でた女性が多数いたんですね。大弐三位さんより、赤染衛門さんの方が歌は上手いように感じられますね」

「それとイケメン好きを公言していて・・・オトコマエな女性の匂いがぷんぷんしています。好感が持てますね」

と、レイカ。

「うん。ここのサロンは歌が上手い女性が揃っているから・・・歌の勉強にはちょうどいいね。藤原道長さんがもちろん集めたんだろうから」

「時代を越えて、藤原道長さんに歌の勉強をさせて貰っているような感じで、ちょっと歴史好きには、楽しい事だよ」

と、タケル。


「ま、勉強は始まったばかり・・・焦らずのんびり、言葉にしていこう」

と、タケルは言うと、

「さ、レイカちゃん、飲みに行こうか」

と、タケルは机の上を片付け始める。

「はい。お伴します」

と、レイカはメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)


金曜日の夜・・・まあ、こういう日は楽しく飲むに限りますね。

焼き肉なんかやりながら、ビール。

ま、レイカちゃんと楽しく飲んじゃお!ってなところで、

週末に繰り込んでいく感じですかねー。


ではでは。

明るい笑顔で飲みの場を盛り上げる「知恵者」にしてムードメーカーなダンディーオトコ!「松永久秀さん!」

2014年10月09日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「戦国武将考察編」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・今回は戦国時代の梟雄として名高い「松永久秀さん」を見てみよう」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「織田信長さんは、この松永久秀さんを徳川家康さんに紹介する時に」

「「この爺さん。なかなかセクシーな顔してるし、女性にモテそうな、やさしそうな顔してるけど、実はなかなかのオトコでさ」」

「「普通の人間の成し得ない事を3つもやってるんだ。ひとつ・・・主家を乗っ取り、二つ・・・将軍を殺し、三つ・・・奈良の大仏を焼いた・・・」」

「「これだけの事を豪胆にやりぬき、普段は、春のサクラでも見るような典雅な雰囲気を持てる、人間性の大きくて強いオトコはなかなかいるもんじゃない」」

「「そういう素敵なオトコなのが、この松永久秀と言うスンバラシイオトコよ・・・」

「・・・みたいな事を言ったらしいんだよね。僕もそれは同感で、要は非常な「知恵者」だ。それに対して「知識者バカ」の学者は」

「「こういう事を信長が言ったから松永久秀は気を悪くして後年謀反に及んだ」とか言ってるわけ・・・本当にバカ。「知識者バカ」って要は勉強しか出来ない」

「バカだから、人間間の事が理解出来ないのよ。そういうバカは「金輪際この世で一切口を聞くな!」って言いたくなるよ、まったく・・・」

と、タケルは言葉にする。

「でも、本当に「知識者バカ」っていますね・・・わたし、思うんですけど、学校で勉強しか出来ない人間って、気が弱くて、他人に声をかけられない」

「弱い人間ばかりですよね。サラリーマンで言えば、酒もやらず、タバコもやらず、普段は会社との行き帰りだけしかしない・・・人間の中身が空っぽのオトコ」

「・・・で、奥さんも中身からっぽのおばさんで・・・中身のない一生を送る・・・「仕事への逃げ込み者」「真面目と言う言い訳への逃げ込み者」と化すオトコ」

「・・・要はつまらないオトコの事ですよ・・・そういう学者に、人間の事がわかるわけが無いわ・・・「知識者バカ」は、ほんと、いらないわ、この日本に・・・」

と、レイカも言葉にする。

「まあ、いい、話を戻そう。松永久秀は、イケメンな右筆だったらしいんだ。三好長慶に最初仕えるんだけど、彼に従いながら、自分を鍛えていったところは」

「織田信長に仕えた木下藤吉郎が「知恵者」に仕える事で自らを「知恵者」に鍛えていったあり方と相似形と言ってもいいね」

と、タケル。

「三好長慶は、当時の管領、細川晴元と13代将軍、足利義輝を京から追放していますね。それくらいの実力者だったんですよね」

と、レイカ。

「この実力者として京を占領し、幕政にも関与すると言うあり方はその後の信長も自身の政策のモデルにしているくらいだから」

「・・・実力者としての政治のあり方を知っていた三好長慶と言う事が出来るだろうね」

と、タケル。

「その長慶の名代として、松永久秀は頭角を現していくんですね。他家との交渉役を久秀が務めていたと言う事は彼の実力が三好家筆頭だった」

「つまり、エースとして抜きん出ていたと言う事でしょうか」

と、レイカ。

「そういう事になるね。人間と言うのは・・・特に出世する人間と言うのはこの日本においては、まず、信頼出来て誰よりも状況を的確に分析でき」

「状況を常に良化する政策を打てる知恵の深い、経験の濃い人間が求められる。さらに言えば部下の能力を見極める能力があり、それこそ適材適所を」

「実現出来、自分の部下のエースが誰かを的確に判断出来る「人間通」の人間であることが重視されるんだね・・・」

と、タケル。

「なるほど・・・だから、日本人は経験を通して状況がどう動くかを毎秒観察しながら、自分だったら、どんな手を打つか想定しながら、日々勉強して」

「その能力を身につけていくんですね。その為には確かに他人の能力を見極めるチカラが必須となりますね・・・」

「そうか。それと逆のあり方が「知識者バカ」なんですよ、ゆるちょさん!・・・ああ、いや、タケルさん!」

と、レイカ。

「まあ、呼び名はどちらでも、いい。僕は他にリアルライフネームもあるからね・・・まあ、それはいい」

「で、「知識者バカ」は何故出来るの?レイカちゃん」

と、タケル。

「日本人は、社会に出たら、他人の能力を見極めるチカラをまず身につける修行をします。それが日本人にとって最も重要なチカラ、コミニュケーション能力に」

「なるからですけど、学者・・・特に大学に行ってそのまま、博士課程に残り、大学教授になった・・・言わばアカデミズム・バカは、そういう他人の能力を見極める」

「勉強を一切していないんですよ。単に自分の専門分野の研究のみをしてきた人生だから、日本人の集団の中で生きた経験が無いに等しい」

と、レイカ。

「なるほど・・・確かにそれは言えるねー」

と、タケル。

「だから、他人の中身を見極める訓練をしていないんです。だから、そういう人間の中にあるのは、ただの「知識」のみ」

「・・・そういう人間は思考が浅く極端に走る傾向にあるから」

「「自分は知識をたくさん持っている=自分は偉いのだ=松永久秀は信長にこう言われたから激怒し、謀反をしたに違いない」・・・と、知識を組み合わせただけの」

「思考しか出来ない「知識者バカ」=「知識者」の「俺偉い病」が出来上がるんですよ・・・」

と、レイカ。

「「知識」を組み合わせただけの思考しか出来ない・・・「知識者バカ」か・・・よく覚えておこう。ちなみに、松永久秀は、信長が松永久秀を珍重して」

「面白がっている事をちゃんと見抜いていたよ・・・それくらいの「知恵者」でなければ、三好家の交渉人代表にはなれないさ・・・」

と、タケル。

「ゆるちょさんも、三菱電機時代、部長さんにその「知恵者ぶり」を愛され、東大女子の教育担当をやらされたり、商売の本場、大阪の営業所に部のエースとして」

「送り込まれ、その営業部の部長すら、籠絡し、「もし、お前が本気で営業をやる気なら、俺が一から鍛えてやるぞ、どうだ?大阪で一緒に営業やらないか」とまで」

「大阪の営業部長に言わせた経験があるんですよね?もちろん、その時、たった3ヶ月で、3000万円の商談を取って」

「それは部から全国に派遣されたシステムエンジニアの中で唯一と言う価値ある手柄だった・・・そのおかげで、ゆるちょさんは、本社から高額のボーナスを貰い」

「・・・それがゆるちょさんの部長さんの本社栄転につながった・・・確かにそれだけの営業の才能があったら、大阪の営業部長さんも誘いたくなりますよね・・・」

と、レイカ。

「あの時、うちの部長が「ゆるちょって使えるだろー」と誇らしげに大阪の営業部長に言っていてさ・・・大阪の営業部長も「こいつは大した珠だよ」って」

「言ってたのを目撃したけど・・・当時は、何を言ってるのか、さっぱり、わかってなかったからなー。ぼんくらだったし、僕・・・」

と、タケル。

「結局、プロの目は誤魔化せないって事ですよね・・・才能のある人間は見ぬくし、育てたくなる・・・この日本では・・・」

「もちろん、逆もまたしかりで・・・才能の無い人間もまた、見ぬくし、そういう人間に声は絶対にかけない・・・そこはシビアになるんですよね・・・」

と、レイカ。

「要は松永久秀もまた、三好家のエースだったんだよ。だから、三好長慶も随分いい目を見たと思うよ」

「上司と部下の関係と言うのは、そういうもんさ。完全に鎌倉時代の武家の論理である「御恩と奉公」そのもの」

「日本文化は現代にも、色濃く残っているって、そういうことさ・・・」

と、タケル。

「そして、そういうエースを張れる「知恵者」はもちろん、ある時点を過ぎれば「独立者」に成長するって言うことですよね」

「実際、ゆるちょさんが三菱電機から「独立」して、プロの物書きになったように・・・」

と、レイカは言葉にする。

「実際、物書きは「知恵者」じゃなきゃ、務まらないからね・・・」

と、タケル。

「話を戻しますね・・・松永久秀は三好長慶に任命されて三好家の家宰になっています。これは家長の代わりに家の宰領を任されるわけですから」

「三好家の重臣筆頭とも言える立場になります。その後、1556年ともいいますから、久秀46歳・・・脂の乗り切った頃ですね・・・奉行にも任命され」

「その頃から、弾正忠・・・唐名で言う「霜台」を称したようです」

と、レイカ。

「松永久秀は梟雄と言われるけど、三好長慶には、ちゃんと仕えているんだよね」

と、タケル。

「ええ。その証拠に、三好長慶は、その娘を久秀に嫁がせています。ある意味、三好長慶の嫡男、三好義興を守る為の高等政策でもあったでしょう」

と、レイカ。

「その後、久秀は武将としても畿内を転戦して結果を残していくんですが、面白いのは1559年頃と言われますから久秀49歳の頃、主君長慶と「相住」の関係」

「だったと言う事で、長慶は「使える」久秀を肌身離さず使っていたんですね。彼は、多くの女性を侍らせてエッチをしたとも言われていますから」

「余程の「知恵者」で多くの女性にも愛されていた・・・って、ある意味、ゆるちょさん、そっくりですね」

と、レイカ。

「そっか・・・それで僕は松永久秀が好きなんだ。この松永久秀には、織田信長と同じ匂いがするからね・・・」

と、タケル。

「そっか・・・だから、松永久秀は、自爆死したんですね。わたし、ずーーーっとこの自爆死の意味を考えていたんですけど」

「彼は自分をこの日本最高の「知恵者」だとずーーっと考えてたに違いないんです。でも、信長はスケール的にも、目指す目標的にも、上を行っている事に気づき」

「どうしても越せない壁だと自覚したからこそ「この「平蜘蛛の茶釜」はお前にだけは絶対にやらん。お前にも手に入らないモノがあるんだ」」

「「平蜘蛛の茶釜は俺が地獄へ持っていくんだ!」と信長への当て付けとして、平蜘蛛の茶釜を破壊する意味と自分の遺体を信長に見せない為に・・・」

「彼の美学がそれを許さなかった・・・それだけ久秀は、信長を愛していたんです、一方では・・・」

と、レイカ。

「だって、久秀も、また、信長の中に自分と同じ匂いを濃厚に感じていましたからね・・・自分を強烈に愛している松永久秀が同じ匂いの織田信長を愛さないはず」

「ないじゃないですか・・・だから、あの爆死は、信長への強烈な愛情の吐露なんですよ・・・それが今、ハッキリわかりました」

と、レイカ。

「なるほど・・・松永久秀もまた、織田信長と同じように「知恵者」の「愛され者」だったんだねー」

と、タケル。

「彼は1560年、50歳の時に従四位下、弾正少弼の位に登っています。そして、翌年、将軍足利義輝から、桐の紋と塗輿の使用を許されています」

「これは長慶父子と同等の待遇なので、幕府及び将軍などから、久秀は、主人と同格の人物と評価されていたんでしょうね・・・」

と、レイカ。

「このあたりは、まさに久秀のコミュニケーション能力を含めた「人間力」が半端ないって言う証左だろうね」

「結局、日本人って、その「人間力」が優秀であればあるほど、その人物の地位や財産を作るもんだし、その「人間力」が「求心力」を生んで」

「多くの男女に慕われる結果を生むからね・・・」

と、タケル。

「だって、慕ってくれる部下の男女こそ、立派な第一等の「財産」ですもんね。ゆるちょさんも、それはたくさん持っているはずですよね?」

と、レイカ。

「有り難い事にね・・・」

と、タケル。

「久秀は、この頃、将軍義輝の御供衆にも就任しています。つまり、幕臣として、将軍義輝を補佐する仕事もしているんですね」

「三好義興の家にて将軍義輝を歓待する宴が催された時は三好家の執事として、義輝歓待の食事の宰領もしながら」

「将軍御供衆として、義輝に酒を注ぐ仕事もし、とにかく「出来る人間に仕事が集中する」の日本のお約束を実現している「知恵者」としての」

「久秀がここに見られるんですね・・・」

と、レイカ。

「皆に愛されているから、久秀が場を仕切る必要があったんだよ。もちろん、久秀もそういう仕事が大好きだったはずだ」

「ある意味、場のムードメーカーだったんだろう、久秀は・・・」

と、タケル。

「あの・・・ますますゆるちょさんにそっくりに見えてきましたけど・・・もしかして、ゆるちょさんって、久秀の生まれ変わりじゃありません?」

と、レイカ。

「確かに飲み会の席じゃ、八面六臂の活躍をする僕だからね・・・他人事には思えなくなってきたね・・・」

と、タケル。

「この義輝御供衆就任以来、久秀は義輝とも入魂になり、お互いお気に入りな関係になっていたようですね・・・」

と、レイカ。

「なるほど・・・それで理解出来るのは、将軍義輝を襲撃し、殺したのは久秀の子久通であって、久秀ではない説だね」

と、タケル。

「当時、久秀は、大和にいましたし、実行犯は三好三人衆と久通、三好義継ですからね・・・ま、久通にしろ、義輝暗殺の件は久秀に通していたろうと」

「思いますが・・・その先の政治は息子に任せたんでしょうね・・・「将軍様も運命じゃ、仕方なかろう」くらいの事を述べた程度だったのではないでしょうか」

と、レイカ。

「久秀は義輝暗殺直後、1565年にキリシタンを追放しているんだよね・・・これは非常に早い処置で、秀吉のそれ(1587年)より、22年も早い処置で」

「やはり、久秀が「知恵者」であることの証左になるね・・・」

と、タケル。

「久秀はこの後、畿内の覇権を巡って、三好三人衆と敵対し・・・孤立したり、窮地に陥ったりするんですが、1567年、三好義継が三好三人衆から出奔し」

「久秀を頼ると勢力を盛り返しています。この時、東大寺に布陣する三好三人衆に奇襲をかけた久秀は勝ちを納め、畿内の主導権を握っています」

「ちなみにこの東大寺大仏殿の戦いの時、大仏殿が炎上しますが、これは三好方に参加していた、久秀の敵、キリシタンが火をつけ、大仏を焼き払ったようですから」

「久秀は、大仏を焼いていないんです・・・」

と、レイカ。

「主家を結果的に凌いだのは、久秀に実力があったから。将軍義輝は彼が暗殺の首謀者ではなく消極的に同意したに過ぎなかった」

「そして、大仏を焼いたのも・・・キリシタンが大仏を敵視していたから・・・すべては運命・・・久秀はそういう結論に達していたかもしれないね」

と、タケル。

「久秀は梟雄と言うより、皆に愛された「知恵者」にして、サービス精神旺盛な人間性のデカくて強い「愛され者」だったんですね・・・」

「それが彼が多くの女性に愛され・・・エッチしているところをサービスで部下に見せようとする人間性の大きなオトコ・・・そういう表現につながっていたんですね」

と、レイカ。

「彼はこれ以後、三好長慶の嫡男、三好義継の忠実な部下として、振舞っているね・・・」

「彼は梟雄と言うより、ちゃんと筋を通し生きたオトコだったんだよ・・・」

と、タケル。

「そして、最後には、自分と同じ匂いのする信長を愛した「知恵者」は平蜘蛛の茶釜を手土産に地獄に旅立ったんですね」

「彼は死に顔を絶対に信長には見せたくなかった・・・それが彼の美学だし、爆死の理由だったんですね・・・」

と、レイカ。

「彼はずーっと自分を愛してきたんだよ。そして、皆も彼を愛してきた。だから、久秀は笑顔の多い一生だったんだよ」

「ただ、最後の瞬間に自分よりも魅力的なオトコに出会い、それを愛してしまった。その自分を戒めるためにも、爆死したのかもしれないね・・・」

と、タケル。

「いずれにしても、「へへ。信長。これでお前は俺の事を忘れる事が出来なくなるだろう。俺は知ってる。お前もまた、俺を愛していたことを」」

「「だが、わりいな。先に地獄へ行って、お前の来る前に話を盛り上げて置くぜ。あーばよ!のぶながー!」ってからからと笑って死んで入ったに違いない。久秀は」

と、タケル。

「なんだか、今日の話で松永久秀に対する見方が180度変わったような気がします。なんだか、松永久秀のドラマが見たくなりました、ゆるちょさん」

と、レイカは言った。

「それが結論だな、今日の」

と、タケルは笑顔で言った。


「さ、結論も出たし、今日も飲みに行きましょうか、ゆるちょさん!」

と、レイカは赤縁のメガネを外し、髪を解いた。

「レイカちゃん、本気だね。じゃ、気合いれて飲もうか!」

と、笑顔のタケルは机を片付けだすのでした。


(おしまい)

松永久秀・・・よーく眺めてみると、明るい笑顔で飲みの場を明るくする素敵でダンディーなオトコだったようですね。

ちょっと見方が変わりましたね。

ステレオタイプで見ると歴史は危険です。

そんな事がわかった、今日になりました。


さあ、今日も、楽しく飲みましょう!


ではでは。

日本文化的女性の管理職就任方法!「卑弥呼さん」「天照大御神さん」をモチーフに!

2014年10月08日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「先人考察(女性編)」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・今回は「天照大御神」さんや「卑弥呼」さんをモチーフにしながら」

「「日本人は女性を上に置く事でまとまれる」と言う知恵について考えてみようか」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「昨今、安倍政権でも、その中心政策のひとつとして「女性の職場進出」を大々的にバックアップして、新しい経営環境を作って行こうと言う」

「試みが始められていますね」

と、レイカ。

「女性の管理職就任の割合を数値目標化するなど・・・欧米並みにする努力も続けられているようですが・・・この試みについては、タケルさんは」

「あまりいい印象をお持ちでないんですよね?」

と、レイカ。

「欧米並みにするとか、バカじゃないの?その考えの裏側には、日本人は欧米人に比べて劣っていると考えている、バカなクズオヤジがいる」

「どうしてこう言う低能バカオヤジは、そういう低能な考え方をするかね。ま、自分の頭で一切考えない「思考停止者」だから、仕方ないんだろうけどさ」

と、タケル。

「まず、欧米と日本では文化が真逆と言っていい程、違う。欧米人は神に頼る事しか出来ない弱い依存者だ。その文化も人間の理性に依存する「理性依存主義者」」

「その個体の理性に期待する事しか出来ない。しかし、日本の文化は、神になど頼らない。神に頼る人間など弱い人間だと規定している」

「だから、責任を取る場合は自裁すればいいだけだ。さらに言えば、その文化は人間の本能を気持ちよくすることを求めるところまで進んでいる」

「だから、日本人は他人を好き嫌いで評価出来るんだ。理性があるのは当たり前・・・その先の本能すら、気持ちよくしてしまう、魅了してしまうのが日本人であり」

「そこまで求めるのが日本文化だ」

と、タケル。

「・・・となると、タケルさんはなぜ日本では、女性の管理職就任が進んでいないと見ていますか?」

と、レイカ。

「よく言われるのが、環境が整備されていないと言うことだね。さらに言えば、先日安部首相の奥さんが国連で演説していたけど」

「「男性は女性の職場進出を快く思っていない」とか「女性を蔑ろにしてきた」とか言ってるけど、それは一方的な物言いで」

「だったら、言うけど、仕事の話は神聖だし、ガチンコな場だよ?それに耐えられるのか?って話になって、そうなると、女性の方から、必ず出てくるのが」

「「女性はそもそも弱いんだから特別待遇を」って言う話になって・・・それじゃあ、ガチンコじゃないじゃんって話になる・・・堂々巡りだよ」

と、タケル。

「結局、日本の価値の根源こそ「仕事が出来る/出来ない」の評価ですからね・・・わたしは、男性が女性を蔑ろにしていると言うより、男性も女性も得意な仕事を」

「自ら選択して住み分けてきたと考えているんです。例えば看護婦さんを看護師と呼ぶことがそもそも男女平等なのかとわたしは思うし」

「欧米の男女差別はそもそもレディ・ファーストの考えの裏側にあるはずですよね?女性は弱いから、男性が助けてあげるのが筋・・・みたいな事でしょ、それ?」

「それって明らかな女性蔑視だと、わたしは思いますけど・・・」

と、レイカ。

「わたしは、欧米の文化を唯々諾々と日本に流入させるバカオヤジが大嫌いなんです。今こそ、日本文化を守れといいたい」

「特に「知識人」と言ったバカオヤジは傲岸不遜な糞オヤジです。奴らはすごく憎い・・・だって、日本文化の破壊者ですから・・・」

と、レイカ。

「ほう、レイカちゃん今日は感情的に、飛ばしてるね・・・僕が冷静になろう。まず、日本文化と欧米文化は真逆と言うくらい価値観に相違があるのだから」

「欧米文化を日本に流入させる場合は、その文化の良いところ、悪いところを冷静に分析し、換骨奪胎して、良い所を日本文化に吸収していく必要があるんだね」

と、タケル。

「・・・少し冷静になります。わたしは看護師やスタイリストさんや、ビューティーケアーな仕事、モデルさんや、ファッション関係などに女性が多いことこそ」

「皆、女性が好きな仕事及び、女性が活躍しやすい環境をちゃんと選択している証左だと思っているんです」

と、レイカ。

「わたし的には、サラリーマンなんて仕事は考えになかったけど、プロになる前のモラトリアム期間の修行の場として意識しているに過ぎません」

「この仕事が一段落したら、プロのクリエイターとして、独立する予定ですし・・・」

と、レイカ。

「だから、サラリーマンの管理職など、初めから興味などないし、女性にとって見れば、活躍しづらい事がわかっている、サラリーマンの管理職など、さらに魅力がない」

「・・・なんでそんな魅力の無い仕事を好き好んでやっているのか、欧米人の女性に聞きたいくらいだわ・・・」

と、レイカ。

「うーん、それで結論が出ちゃっているな・・・日本の女性は好き嫌いで、日本人の価値の源泉、仕事を選んでいるから、魅力の無いサラリーマンの管理職など」

「やりたい人間は皆無・・・それが結論になっちゃうね・・・女性の管理職就任が少ない理由・・・」

と、タケル。

「欧米人の女性は頭が相当悪いのかしら?それとも「思考停止者」だから、お金の為だけに、そんな下らないサラリーマンの管理職なんて仕事をしているのではなくて?」

「日本人の独立したプロの女性はお金の為だけには働かないわ・・・その仕事に魅力がなければ・・・その仕事が出来る事に魅了されなければ」

「その仕事を好きになれなければ・・・そんな仕事しないわ・・・」

と、レイカ。

「そっちの立論の方が本筋だね・・・安部首相の奥さんの立論は、この立論と比較すると、少々おかしいよ、単に欧米の女性におもねった発言だし」

「そういう見方を首相夫人が国連で発言するから、さらに日本人が誤解を受けると言うのに・・・彼女も朝日新聞的価値観のダメオヤジらしい」

「僕は「オヤジ的思考停止者」が大嫌いだ・・・女性と言えどもオヤジ化したオヤジは嫌い。被害者意識でモノを言葉にしている・・・」

と、タケル。

「安部首相夫人もダメオヤジ的「思考停止者」なんでしょ。くだらない女性だわ。会話を交わす理由すら見つからない」

と、レイカ。

「今日のレイカちゃんは、同じ女性もバッサリか。にしても、被害者意識で言葉にばかりする女性は好きになれないな・・・」

と、タケル。

「そうですね。この日本を男性社会と言う女性ほど、モノを考えていない。じゃあ、ファッション業界は女性社会じゃないの?って反論したくなるもの」

「でも、わたしが言えるのは、サラリーマンの社会は男性社会ではなく「思考停止者」の社会だわ・・・そこには「思考停止者」しかいないもの」

「マンションの25年ローンや、家族扶養と言う鎖につながれた24時間拘束の「思考停止者」の奴隷・・・がそこにはいるだけだもの・・・」

と、レイカ。

「そういう「思考停止者」の女性の主張って、要は、サラリーマンの「思考停止者」のダメオヤジが「上司が女性だったら、嫌だ」と言うような」

「そういう卑近な例をあげるのよね。こっちだって「思考停止者」の管理なんてまっぴらごめんだわ。それこそ「思考停止者」は「思考停止者」同士で管理すればいいのよ」

「「純思考者」の女性はそんな場所になんか、行くわけ無いじゃない・・・」

と、レイカ。

「日本はサラリーマンの数、割合を絶対的に減らす方向で進化すべきよ・・・「独立者」言わば「プロの職人」が日本のGNPの八割を稼ぎだす社会にしてしまえば」

「いいんだわ・・・そういう方向で日本を進化させるべきよ・・・その為には「純思考者」をもっともっと増やすべきね」

と、レイカ。

「確かにそれはいえる。「思考停止者」など増やしても意味がない。「純思考者」を増やす方向にフォーカスすべきだ」

と、タケル。

「だから、女性は「思考停止者」を管理する仕事などに就く必要など一切ないわ」

「そんな事より「純思考者」の女性は、好きな仕事で自分をより磨いて、「プロの職人」と化し」

「GDPやGNPを引き上げる方向へ行けばいいのよ・・・それが日本文化における本筋と言うことになるわね」

と、レイカ。

「なるほど・・・確かにその方向こそ、「純思考者」の日本人女性が最も行きやすい将来の方向性になるね・・・」

と、タケル。

「・・・となった時、男性と女性の混在する社会では、卑弥呼さんや、天照大御神さんのように、女性を中心にした方が日本人はまとまるのか?」

「・・・その疑問に答え始めようか・・・レイカちゃん・・・どう思う?」

と、タケル。

「わたしは、日本人女性をコミュニティの中心に据える方がうまく行くのが日本文化だと思います」

「もちろん、その為には各メンバーに求められる資質も大事です。まず、そのコミュニティの中心に据えられる女性は」

「夢があって、その夢の実現力のある、人間性の大きな、そして、強い男性に恋をします。その男性を旦那にし、自分は妻となる。そこから話は始まるんです」

と、レイカ。

「妻は、その男性の夢の実現の為に同じ方向を向いて、その人生をサポートする事に命を賭ける事が出来ます。男性がそういう資質を持ち、もちろん、男性も女性も」

「「純思考者」であることが必須の条件となります。その場合、その男性が他のメンバーを実質的に率いますが、その男性がその妻をそのコミュニティの太陽と規定し」

「その笑顔の為に、常に働けばそのコミュニティのメンバー男女の精神的拠り所として、その女王が機能するので・・・太陽神としての女王がそのコミュニティにおいて」

「最大限機能するし、そのコミュニティも「ハッピーエナジー」で溢れかえり、しあわせコミュニティとして、機能するのです」

と、レイカ。

「なるほど・・・だから、天照大御神は太陽神なのか・・・簡単に解説、出来ちゃったじゃん、レイカちゃん。すげー」

と、タケル。

「わたしたち「純思考者」の女性の大先輩、平塚らいてう女史も「原始、女性は太陽だった」と言ってくれていますもの」

と、レイカちゃんは笑顔。

「それに・・・これもそれも「純思考者」「思考停止者」「ハッピーエナジー」と言う知恵を作ってくれたタケルさんのおかげですよ」

「特に「思考停止者」は「ハッピーエナジー」を作れないのに対し、「純思考者」は「ハッピーエナジー」を上手く集められるし、他に照射出来る存在ですからね」

と、レイカ

「そっか・・・だから、「思考停止者」の集団「サラリーマンの世界」はふしあわせな風景なんだ・・・それも気づいちゃった」

と、タケル。

「しかし、なるほどねえ・・・女性は好きな職業に就いているから「ハッピーエナジー」を生む事も出来るし」

「「光るの姫の目」を備えた個体は「ハッピーエナジー」を照射することも出来るから」

「・・・「ハッピーエナジー」の溢れた職場になるから、皆生き生きと笑顔で仕事が出来るし、「純思考者」の職場は「ハッピーエナジー」が溢れる事になるんだ・・・」

と、タケル。

「つまり、日本のコミュニティの中心になり得るのは、「純思考者」にして「光るの姫の目」を持つ女性の太陽神だし、その女王がコミュニティメンバーの」

「精神的拠り所になるから、メンバーのやる気を起こさせる機能を持ちます」

と、レイカ。

「それに対して「光るの君の目」を持った「純思考者」の男性がその巨大な人間性と超強い人間性、及び超強い「サル山のボス力」で、実質的にその集団を」

「本能的に圧伏するから、メンバーは動物として、本能から、そのボスに従います。そのボスが女王を精神的拠り所として扱うから、そのコミュニティは機能するんです」

と、レイカ。

「さらに言えば、女王も、サル山のボスもそれぞれ超強いキラキラお目目の「光るの姫の目」「光るの君の目」を持っているので、常に「ハッピーエナジー」を」

「コミュニティ内に照射し続けるので、コミュニティ内は「ハッピーエナジー」に溢れ・・・「純思考者」の男女にサポートされた女王及びボスは」

「コミュニティ内のメンバをしあわせに導く事が出来るんです」

と、レイカ。

「なるほど・・・日本文化的に見れば、その女王が権威であり、ボスが権力者と言う構図になるね。日本においては権力者は必ず神聖にして犯すべからずの権威を」

「上位に置きたがる・・・というか、そのカタチが最も、日本文化的に日本人が納得する権威&権力者のカタチになるからね・・・」

「・・・それが日本的、女性の職場進出&管理職就任のカタチになるんじゃないの?そのひな形が今、レイカちゃんによって、言葉にされたって事じゃない?」

と、タケル。

「「純思考者」中心のコミュニティこそ、女性の管理職就任の鍵があると言う事になりますねー」

と、レイカ。

「でも、ファッション業界って、そういう女王的管理職な女性って多いんじゃないの?」

と、タケル。

「そうかもしれません。でも、このひな形さえ守れば、日本人女性の管理職進出も可能になると・・・そういう事ですね」

と、レイカ。

「うん。なんか、すごーくいい事しちゃったような気がするけどねー。日本文化的にも」

と、タケル。

「というか、女性管理職就任の為の換骨奪胎を我々がしたって事ですよ!それが結論です!」

と、レイカ。

「ま、結果オーライだな、それ」

と、タケルは言葉にし、お互い笑顔になった。


「さ、仕事はこれくらいにして、飲み行こうか、「知恵者」のレイカちゃん」

と、笑顔で立ち上がるタケルでした。

「はい。もちろん、お供しますわ」

とレイカは立ち上がり、赤縁のメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)


結局、欧米の女性の職場進出のカタチだけ真似しても上手く機能しないって事ですよね。

だから、数値目標など、意味がないと言ってるんです。

まず、こういう換骨奪胎をしてから、日本の職場の現状を改良しながら、女性の職場進出及び管理職就任を後押しすべきだと思いますね。


ではでは。

「思考停止者」は単なるアホ・・・「思考極端化」病は単なる一方的思い込みで、愚行を呼ぶ!

2014年10月07日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い、背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「対決、山本七平編」・・・お願いします。今日はどんな内容について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・」

と、タケルはテキストとしている「谷沢永一著 山本七平の知恵」という本をパラパラとめくります。

この本自体は、1996年12月に出版されています。

ただし、正しい「知恵」は時代を越えると僕は考えているので、その時代性の評価も一緒に話していくことになりそうです。

「んじゃ、この内容について話すか・・・「現代最高の新聞記者論」だそうだ。ま、相変わらず笑かしてくれそうだ」

と、タケルは笑顔になりながら、話し始めます。


今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「まずは、山本七平氏の主張するところを抜書きしてみようか。それが無いとちょっと説明が出来ないからね」

と、タケルは笑うと彼の用意した紙の資料をレイカに渡す。

「えーと、これね。僕が相当意訳してるけど・・・」

と、タケルが説明すると、レイカはタケルの資料をゆっくり読み始める。


「新聞記者には、こういうタイプが多い。とにかく、新聞記者はこの世の事をすべてわかっていると自負している人間ばかりなのである」

「従って、何か自分の理解出来ない事を口にされると、その鋭敏なプライドが傷つくようで、瞬時に相手の口を封じ、一方的に怒鳴りはじめるのだ」

「そして、ひと度、怒鳴り始めれば、自分の言葉にさらに興奮し、喚き散らす結果となる。まあ、議論も何もあったもんじゃない」

「新聞記者の自己規定は、いわば、自分はこの世のすべてを知り、かつ何もかも理解していると言う前提に立つので、自分の知らない事や理解出来ない事があると」

「それはすべて嘘か間違いで、それらはすべて、何もかもなかった事にしてしまう、と言うやっかいな人間達である」

「なにしろ、「自分達は政府の暴走をチェックする、高等裁判所の裁判官のような存在だ、だから、とっても偉いのだ」と自己規定しているので」

「まるで、自分を神か何かと勘違いしているのが、新聞記者の本質なのである。そんな人間がどれほど傲慢で人間離れしているか、おおよそ見当がつくと言うものであろう」

「従って、自分に理解出来ない事があると、それを理解しようとする為の質問を一切、しようとはせず、反射的に「それはおかしいですね」」

「「そんな事はないでしょう」と言い、あげくの果てに、滔々と自説を一方的にまくし立て「要はそういう事ですよね?」と勝手に決めて帰ってしまい」

「こちらを唖然とさせるタイプである」


「ま、そういう事らしい。これ、わかりやすくするために、解説の谷沢永一氏の文章も併せて載せてしまおう」

と、タケルは言葉にする。


「とにかく、新聞記者は、そういう存在なのである。わたしもいろいろなところで、新聞記者とやりあったが、その中で最もネコなのは文化部の新聞記者である」

「それに対して、トラは社会部の連中だ。とにかく、彼らは自分たちが全知全能の神だと勘違いしているから、常に上から目線で喧嘩腰でくる」

「とにかく、人間と言うのはポジションによって、変わってしまう。普段はやさしい紳士然として暮らしているオトコも、社会部の記者として、現場に来た瞬間に」

「全知全能の神に変身してしまい、上から目線で喧嘩をふっかけてくるのだから、それはもう話など出来るわけがないのである」

「とにかく、自分の基準を絶対化する。これは日本人の場合、新聞記者に限らないであろう。それはひとつの誘惑でもある」


「これって結局、「俺偉い病」の人間達の話って感じですね。新聞記者風情で何を勘違いしているんでしょうね。単なるサラリーマンの癖に」

と、レイカ。シビアで辛辣だ。

「新聞記者なんて、ただあったことを言葉にして、伝えるだけの脳みそ無くても出来る程度のクズな仕事でしょう?創造性の欠片すらない」

「わたし的にこの世の仕事を規定するなら、個人の創造性に拠らない仕事には価値は少ないと見ています。結局、新聞記者なんて、「知識」があれば、誰にだって」

「それこそ、小学生新聞だってあるんだから、小学生並みの知識があれば、誰にだって出来る最低の仕事なんですよ。小学校にすら、壁新聞はあるでしょう?」

と、レイカ。

「そんな低能クズの仕事にいかほどの価値があるんですか?だいたいこの世に新聞なんて無くともやっていけるんですよ。今日新聞を読まなくても、一日生きていけるように」

と、レイカ。

「それより、米作り農家の方が仕事としては価値が上です。仕事をざっくりわけるとすれば、最も上位にあるのが「職人」です」

「自分の知恵を使って、毎秒仕事をしている人達。その頂点は米作り農家の方達ですけどね」

「次がフリーのクリエイター、職人の方達で、皆、自分の創造性と言う「知恵」に拠る人達です。これを第一階層としましょう」

と、レイカ。

「次に上位に来るのが、存在が他人を癒やす人達でしょう。言わばアイドルや俳優、女優さん達です。もちろん、彼らの映画やドラマを作るのは、その上位にいる」

「フリーのクリエイター達です。だから、クリエイターの方がアイドル、女優さんや俳優達、癒やしの存在より上位に来ると言う事ですけどね」

「とにかく、彼女ら彼らが第二階層です」

と、レイカ。

「で、その下に来るのが、政府、裁判所、国会、警察、消防、自衛官、その他、国家に奉職している人達でしょう。第三階層」

「その下に、医者や弁護士、CA、工事関係者、ま、言わば、サラリーマンもここに入ります。社会で雇われて、働いている人達ですね。これが第四階層ですね」

「ま、この下には、パートさんや、バイトがいて・・・これが第五階層で、無職が最低階層の第六階層ですから、新聞記者なんて」

「サラリーマンですから、下から3番目の第四階層ですよ。まあ、谷沢永一や山本七平は、作家ですから」

「第一階層に入るんですけど、この人達は、「知識者」ですから・・・「知識者」の「俺偉い病」ですからね。第一階層ではあるけれど、人間としては第七階層の」

「超底辺にいると言う規定になりますけどね、わたし的には・・・」

と、レイカ。

「なるほど・・・それは面白い分け方だね。職業的には第一階層だけど、人間のあり方としては、超底辺か」

「・・・となると、「絶対しあわせ者」「逃げ込み者」「俺偉い病」は、どういう階層分けにしているわけ?」

と、タケル。

「それはもちろん、「人間のあり方」の「階層分け」としては、第一階層が「絶対しあわせ者」で、本来であれば最低階層になる第六階層が「逃げ込み者」になります」

「・・・と言うのも、「逃げ込み者」はまだ、帰ってこれると言うか、「絶対しあわせ者」への復帰も不可能ではないから・・・だから人間界においてあげてるんです」

「でも、「俺偉い病」になると復帰は不可能だから、狐狸の類界、あるいは畜生界である「第七階層」の超底辺に「俺偉い病」は位置することになるんです」

と、レイカ。

「ほう・・・となると、言うまでもなく、「新聞記者」は職業界では、第四階層だけど、人間としては「俺偉い病」だから畜生界に堕していると言うことになるね?」

と、タケル。

「そういうことになります。だいたい新聞記者なんて、単なるサラリーマンですよ。しかも、あった事を言葉に変換する職業に過ぎない」

「ある程度生きてれば、馬鹿にだって、出来る、下らない職業ですよ。それがなんで、神の意識すら持つ人間になってしまうんでしょう?」

「これは日本文化的な問題なんでしょうか?タケルさん・・・」

と、レイカ。

「以前、室町幕府、第六代将軍、足利義教を論考した時、彼は神の子意識があったから、暗殺されたと言う結論に至りましたけど」

「この「俺偉い病」と言う病は日本文化なのでしょうか?」

と、レイカ。

「何もそんな偉人を持ってこなくても、夕方からの新橋の飲み屋に行けば、「俺偉い病」のおっさんはたくさん散見されるよ」

「結局、それって「自意識過剰」が原因になるんだな・・・」

と、タケル。

「「自意識過剰」?・・・自分は他人とは違う意識ですか?」

と、レイカ。

「よく女性が蛇蝎の如く嫌う、サラリーマンのおっさんの行為に、「酒に酔って、上から目線で「いいか、人生と言うのは、だな」と人生論を語りだす」という」

「おっさんの愚行があるだろ?」

と、タケル

「はい。それ、すっごく、嫌いです。だいたいなんで上から目線なのか、さっぱりわからない。だいたい、そういう飲み会だって、職場の和を考えるから出席している」

「だけなのに、なんで・・・特におっさんってああいう愚行を繰り返すんですか?しかも、状況的に席を立てない状況を作り上げて、逃げられない状況を」

「女性に押し付けて・・・すっごく嫌、ああいうの」

と、レイカ。

「その状況を分析するとすれば、おっさんはまず、若い女性と飲み慣れていないから、何を話したらいいかわからない」

「でも、何か女性と話したい・・・結局、そこで行き着くのが「自分はいかに素晴らしい人間かを女性にプレゼンすればいいのだろう」と言うアホな結論」

「・・・で、一番の誤解が「女性と言うのは、男性の部下と同じ思考をするだろう」と言う考え・・・これが決定的に間違っている」

と、タケル。

「男性の部下なら、上から目線で言葉を出しても問題はない。なにしろ、男性の部下は理性的に男性の上司を見るから」

「「このオトコは上司だし、適当におべんちゃらを言えば気分をよくするだろう」と考えるから、上から目線も当然の事として受け入れるし」

「オトコとしての人生論はとりあえず、その男性にとっては「経験からの知恵」にあたるから、ある意味ありがたい、ある意味、意味のある話になるんだな」

と、タケル。

「でも、同じ話も女性にとっては?」

と、タケル。

「はっきり言って、上から目線の単なる自慢?女性にとっては不快な話に過ぎませんよ。そんな話聞きたくないし、「何勘違いしてんだ、このタコオヤジ!」って感じです」

と、レイカ。

「結局、日本人の男性は誰でも自分は偉いと思い込みたいアホな生き物なんだよ。その中でも、特に「知識者」と言うのは、ここで何度も谷沢永一と山本七平の」

「愚劣さ加減は見てきたけど「知識があることが自分は偉いと感じる理由」になってるわけ。でも「知識」なんてネット時代のこの時代・・・ちょっとしたキーワードを」

「パソコンやスマホに打ち込めばすぐに出てくる程度の「簡単アクセス情報」に堕したんだ。「知識なんてあって当然。だからこそ、知恵が重宝される時代」になったわけ」

と、タケル。

「それで面白いのが、要は誰にも褒められない人間程、自分は偉いと勘違いする傾向にあることだよ。女性にモテない人間程、自分は偉いと勘違いする傾向にあるし」

「「だから、自分は女性にモテるはずだ」と悲しい勘違いをする傾向にあるんだね・・・」

と、タケル。

「それ、面白い指摘ですね・・・確かに、モテないサラリーマンオヤジ程、たまたま、わたしが出た飲み会で、意識してくるし・・・」

「何なんですか?あれ」

と、レイカ。

「普段から、女性とおしゃべりするのに、慣れている男性は、その女性の個性を見極める・・・と言うか、「この女性なら、こう言えば、こう考えるだろうな」とわかる」

「・・・だから、相手を気持ちよくさせる話が出来るし、だからこそ、その女性を笑顔に出来るし、その女性も楽しさを感じる事が出来る」

「そこまで出来ないと女性と話す権利は男性にはない・・・と言う事になる」

と、タケル。

「はい・・・わたしもそう思います。でも、それがまったくわかっていない男性が多いですよね。特にサラリーマンオヤジに・・・」

と、レイカ。

「しかし、普段、女性と話した事が無い男性は、その女性の個性なんか、わからないし、もう、それは女性と言う記号にしか過ぎない。だから、極端な事しか考えられない」

「つまり、有り体に言えば「このオンナは俺と飲みたくてこの飲み会に出席したんだ、きっと」と言う確信になっちゃうわけ」

と、タケル。

「は?馬鹿じゃないですか?そのオトコ・・・・うーん、でも、それって当たってる・・・わたしが職場の飲み会とかに出席すると」

「オヤジ達に、よく、そういう対応をされますもの・・・なんか、どうでもいいオトコに限って、そういう思い込みしてる感じあるしー」

と、レイカ。

「要は思考停止しているから、考えが極端になるだけなんだよ・・・「女性と言う記号=俺を好きなはずだ」・・・という一方的思い込み・・・という構図」

「これって、「思考停止」している人間の特徴で、そういう意味では「俺偉い病」も「思考停止者」だから」

「「オトコである俺=誰よりも偉いはずだ」と言う一方的思い込み・・・という構図だよ。まったく同じ構図だ」

と、タケル。

「タケルさん、それ、すごい・・・ということは「知恵者」以外が「俺偉い病」になる原理が解けたじゃないですか・・・」

「「知恵者」以外は、「思考停止者」だからこそ、「女性=俺を好きなはず」「オトコである俺=偉いはずだ」・・・となる・・・これ他でも使えますね」

「「俺が好きなアイドル=俺を好きなはずだ」とか「勉強する学生である俺=偉いはずだ=女性にモテるはずだ」・・・これがネットに逃げ込んでいるオトコの論理だし」

「「仕事で頑張ってる俺=偉いはずだ=女性にモテるはずだ」がサラリーマンの肥大化した意識ですね」

と、レイカ。

「そっか・・・だから、わたしが職場の飲み会に出ただけで、サラリーマンのオヤジ達が勘違いして色目を使ってくるんだ・・・すごくわかった・・・その理由」

「タケルさんって、ほんと、なんでも解いてくれますね・・・ちょっとその知恵のすごさに脱帽しますよ・・・女性にモテるはずです・・・」

と、レイカ。

「これで、結論も出たね・・・新聞記者は、「思考停止者」だからこそ」

「「新聞記者である俺=知識をたくさん持っている=知らない事、わからない事はないはずだ=偉いのだ」と言う一方的思い込みを持っているに過ぎない」

「単なるアホ・・・と言うことさ」

と、タケル。

「「思考停止者」は、考えが極端になるだけ・・・それって結局、単なるアホって事じゃない」

「・・・それは「逃げ込み者」と「俺偉い病」の「思考極端化病」とでも言える状況ね・・・くだらないわ、まったく」

と、レイカは、吐き捨てた。

「改めてわかったのは、この世の男性で価値があるのは、「思考停止者」以外の「知恵者」のみ・・・そういう事ですね!「知恵者」のタケルさん!」

「ふふ・・・いい結論!」

と、レイカはタケルに飛びついた。


「しかし、まあ・・・どうして「知識者」って、こんなにアホなんだろうねー。軽く言い負かせちゃうじゃーん。っていうか、何もわかっていないよ、こいつら」

と、タケルは言う。

「ま、こんな感じで、今後もやっていこう。言ったろ、全勝で勝つって」

と、タケルは笑う。

「まあ、とにかく、頭の悪い、ださいオヤジは見たものの事しかしゃべれないけど、「知恵者」は現象の元になった「原因」をしっかりと説明出来るのさ」

と、タケルは笑った。

「さ、飲みにでも行こうや、レイカちゃん」

と、机の上を片付けだすタケルでした。


(おしまい)


という感じになりました。

山本七平氏も谷沢永一氏も、何もわかっていませんね。

これが日本学の祖?最強の評論家?

笑っちゃいますねー。


やはり、「知識者」は頭が悪くて、だっさいよねー。


それが結論です。


ではでは。