さて、その時、僕らは御島さん(31)を囲んでお酒を飲んでいました。
イケメン貴島くん(29)、辛辣姫ユキちゃん(28)、若いミユウちゃん(25)、若い池澤くん(24)と、僕でした。
「御島さん、わたし、女性として、究極的な質問をしていいですか?」
と、ミユウちゃんが真面目な顔で、御島さんに聞いています。
「いいわよ。わたしに答えられる事なら、なんでも聞いて!」
と、やさしい笑顔の御島さんは、鷹揚な表情で頷きます。
「御島さんは今まで社会で、いろいろな男性を見てきたと思うんです。それこそ、人生に失敗して消えて行った男性から」
「ドンドン出世する男性まで・・・社長業って、その中でも、社会で出世する人間を探してプロデュースする事だと思うし・・・」
と、ミユウちゃん。
「まあ、それはそういう事よね」
と、御島さん。
「そこで、ズバリ、社会で出世する男性の条件を聞いてみたいんです、わたし」
と、ミユウちゃんは真面目な顔して、言葉にした。
「そういうオトコをゲット出来れば、女性としても、しあわせになれる・・・そういう話ですか?」
と、池澤くん。
「まあ、いいじゃない。・・・と言うか、社長業って、どういう目が必要なのか、それもわかるし」
と、辛辣姫。
「興味深いですね。御島さんが、どんな目で男性を見ているのか」
と、貴島くんは笑顔で言った。
「そうね。まず、ミユウちゃんに、聞いてみたいけど、普通に考えて、どんな男性が出世しそうかしら?」
「その条件みたいなモノ、挙げられる?」
と、御島さん。
「そうですね。仕事がバリバリ出来る、切れ味鋭いオトコ?上司の懐刀になれるような?」
「そんなイメージがありますね」
と、ミユウちゃん。
「じゃあ、逆に出世しないオトコの典型はどんな感じ?これはユキちゃんに聞こうかしら?」
と、御島さん。
「うーん、真面目に仕事はするけど、それだけの人って感じですかね?家でも家族に馬鹿にされていて」
「飼い猫くらいにしか相手にしてもらえず、家での居場所が無いオトコ・・・そんなイメージですけど」
と、ユキちゃん。
「なるほど・・・と言う事は、ここで言う出世するオトコって、サラリーマンの間で、っていうお約束の質問に」
「なっているのかしらね。まあ、まず、その質問に答えていきましょうか」
と、御島さん。
「それはサラリーマンで出世するオトコとサラリーマン以外・・・自営業の独立派のオトコでは」
「出世の条件が違うと言う事ですか?」
と、ミユウちゃん。
「そういう事になるわね。イメージ的に言うと、サラリーマンで出世するオトコの条件にプラスαが必要なのが」
「独立派の男性って事になるわね。まあ、そのあたりは、おいおいやっていきましょう」
と、御島さん。
「じゃあ、まず、日本の文化と言う側面でサラリーマンと言う職業を見ていくわね。一般に日本人のサラリーマンが」
「大事にしなきゃいけないものは何かしら?池澤くん、答えてくれる?」
と、御島さん。
「それは・・・サラリーマンと言う大きな枠で考えたら、「顧客からの信頼」と言う事でしょうね」
「会社員と言う事で考えれば、「上司の信頼」や、「仕事仲間の信頼」と言う事になるでしょうけど・・・いずれにしろ、信頼ですよ」
と、池澤くん。
「うん。そうね。信頼が最も大事ね。でも、この日本ではそれ以上に大事なモノがあるの・・・」
「それは日本文化が「相手を本能的に気持ちよくする事」と言う、基本的お約束から出来ているからなの」
と、御島さん。
「相手を本能的に気持ちよくする事?それが出来ないと日本人は社会人として失格って言う事ですか?」
と、池澤くん。
「そうなの。これは日本文化が、欧米文化のような「理性的に納得出来ればいい」と言う文化ではなく」
「それ以上に、「本能的に気持ちよくなる事」を求められている文化だからなの」
と、御島さん。
「うーん、話が、突然、難しくなりましたね」
と、池澤くん。
「日本以外では社会的なお約束の根拠は、聖書だったり、コーランだったり、仏典だったり、そういうテキストで書かれた」
「「守るべき条項集」を守る事でしょ?それは理性的に納得出来ればお互いがお互いを評価するし、そういう社会であるのが」
「日本以外の国々でしょ?まあ、例外はあるとしても、ざっくり言うと、わたしにはそう見えているわ」
と、御島さん。
「確かに、それはそのようですね。僕にもその理解は納得出来ます」
と、貴島くん。
「だけど、日本は違うわ。日本文化は過去の経験から経験知を作ってきた日本人の祖先たちが作り出してきた文化だから」
「それは経験知に拠った文化で・・・日本の最高正義は、「和を以て貴しとなす」だから、「社会皆でしあわせになっていこう」」
「と言うスローガンが日本文化の底流に流れているのね」
と、御島さん。
「それはわかります。日本人は「和」こそ、最高正義だし、その為に「情けは人の為ならず」・・・他人を笑顔にすることで」
「その他人が自分を笑顔にしてくれる。つまり、他人をしあわせにする事で、その他人が自分をしあわせにしてくれる」
「・・・そういう社会って事ですよね」
と、ミユウちゃん。
「そういう事。だから、日本文化は、「他人を本能的に笑顔に出来て、なんぼ」と言うお約束になっているのよ」
「それが日本社会で生きていける能力の基本中の基本なのね」
と、御島さん。
「なるほど・・・だから、日本文化は、「他人を本能的に気持ちよくする事」「相手を本能的に気持ちよくする事」が」
「シンプルに求められるし、それが日本人の最低限守らなければいけない、お約束と言う事になるんですね」
と、貴島くん。
「そういう事。それが最低限、守れないと日本人として、しあわせにはなれないの」
と、御島さん。
「そっか。だから、「情けは人の為ならず」の逆である「他人を腐して悦に入る」をやっている人間は永久にしあわせになれない」
「そういう法則になっているんですね」
と、池澤くん。
「そういう事ね。パワーハラスメントにしろ、セクシャル・ハラスメントにしろ、その本質は「他人を腐して悦に入る」だから」
「皆、結果的に不幸になっているでしょ?それはそういう理由があるのよ」
と、御島さん。
「なるほど・・・そういう構造になっていたんですか・・・」
と、池澤くん。
「そして、この日本で「他人を腐して悦に入る」行為をやると、どうなるかしら?」
「この場合、その人間は日本社会全体に「負のエネルギー」をまき散らす事になるから、日本社会全体から、「負のエネルギー」が」
「自身に集中して返ってくる事になるから・・・ふしあわせになるの」
と、御島さん。
「・・・と言う事は、パワハラで有名になったジョージさんや、大塚家具問題の創業者夫婦にも、周囲からの「負のエネルギー」が」
「集中して、ふしあわせになっていく・・・そういう事ですか?」
と、ミユウちゃん。
「ま、カタチとしては、そうなるんじゃないのかしら。「負のエネルギー」がどういうカタチを取るかは知らないけどね」
「所詮、他人事だわ・・・」
と、御島さん。
「日本人はそういう所は冷たいの。つまり、ここからわかるのは、日本人は「情」こそが大事って事よね?」
「相手への「情」が無くなったら、日本人はすべて「他人事」で済ませちゃうし、逆に「情」を自分に集める事が出来たら」
「たくさんの日本人の支援を受ける事が出来るわ」
と、御島さん。
「この間の「大塚家具問題」で創業者社長夫婦は、浪花節で、「情」を集めようとしていましたね」
「最も、妻にしろ、夫にしろ、三文芝居の上、「嘘つき」だったから、大いに「情」を失ってましたけど」
と、辛辣姫。
「だから、日本人は「嘘つき」に最大に厳しいのよ。普段、「傲岸不遜」だった勝久会長が一転して「平身低頭」になったって」
「それは自分だけを守る為だけの「嘘」だって日本国民すべてに見抜かれたから・・・「嘘つき」「ワガママ」「傲岸不遜」を」
「最大に嫌う日本人全員から当然のように、そっぽを向かれた・・・それがあの創業者社長夫婦の現状と言う事になるの」
と、御島さん。
「「嘘つき」「ワガママ」「傲岸不遜」・・・これを日本人が嫌う理由を教えてください」
と、貴島くん。
「それはすべて日本社会の「和を以て貴しとなす」を破壊するからよ。日本の正義を破壊する人間を日本人は許さないし」
「・・・だから、皆から放たれた「負のエネルギー」がその人間に集中するから、ふしあわせになるのよね」
と、御島さん。
「「嘘つき」は人をたぶらかして、自分を優位な位置に置こうとする行いだから・・・確かに「和」を乱しますね」
「「ワガママ」も・・・結局、周囲の事など考えず、自我を押し通そうする行為だから・・・皆に嫌われ、「和」を乱しますね」
「「傲岸不遜」も・・・これは完全に周囲に「負のエネルギー」を押し付ける行為だから・・・皆に嫌われ、「和」を乱しますね」
と、池澤くん。
「だから、簡単に言うと、日本社会では、国民皆に嫌われたら、終わってしまうのよ」
「・・・と言って、嫌われないように、嫌われないように生きている人間も、相手にされなくなるけどね」
と、御島さん。
「そこって、何か、難しそうですね」
と、池澤くん。
「具体的に思い浮かべてごらんなさい。小学生の頃でも、中学、高校、大学生の頃でも、嫌われないように嫌われないように」
「する余り、常に他人の顔色を伺い、チカラのある人間に媚ばかり売る・・・そういう人間は社会にもいるわね」
「・・・そういう人間って、「腰巾着」と言われて、周囲から嫌われていなかった?」
と、御島さん。
「ああ。いましたね・・・わたし、そういう人間、一番嫌いですけどね」
「男性にもいるけど、女性にも、いますよ、そういう人間って」
と、ミユウちゃん。
「そういう人間って、人間的にも弱いし、人間性の小さい、けつの穴の小さい男女って感じですよね」
と、辛辣姫。
「そ。要は弱いし、人間性が小さいから、誰も味方になってくれないばかりか、むしろ、周囲から嫌わているから」
「自分を守るために腰巾着にならざるを得ない人間たちなのよね、そういう男女って」
と、御島さん。
「そうなると・・・やっぱり、自分を守る為の行為ばかりするから・・・自分勝手な人間と言う事になり、「和」を乱すから」
「皆から嫌われ、ふしあわせになる・・・そういう構図ですか?」
と、池澤くん。
「そういう事。この日本ではどこまでも、「和」を乱す人間は周囲から嫌われ・・・ふしあわせになっていくの」、、
と、御島さん。
「でも、腰巾着って、テレビドラマなんかだと上からの引きで、出世していたりしますよね?」
と、池澤くん。
「あれは作り物だから・・・作劇上、日本社会のお約束を無視しているに過ぎないわ」
「あのね。日本って・・・高度な相互監視社会なの。だから、滅多な事は出来ないようになっているのよ・・・」
と、御島さん。
「それって、具体的に言うと、どういう事になります?」
と、貴島くん。
「つまり、さっきの例で言うと、腰巾着が可愛いから、上からの引きと言う事で、出世させたりしたとするじゃない?」
と、御島さん。
「はい」
と、貴島くん。
「そしたら、能力も無い人間・・・性格も弱いし、人間性も小さいオトコを出世させたら・・・その人間を出世させた人間は」
「人を見る目がないと判断されて・・・その本人諸共腰巾着も否定され・・・出世させた本人は降格処分を受けるし」
「腰巾着は、左遷されたりするの・・・人事と言うのは、そのコミュニティが成長する上で最も大事な行為だから」
「それに失敗すると、それこそ、コミュニティ全体の信用に関わるから、コミュニティ全体から、その上司と腰巾着が否定される」
「そういう羽目になるの・・・怖いでしょ?日本はコミュニティ全体が個人個人を見張っているのよ」
と、御島さん。
「だからこそ、小学生低学年の女の子が一人で電車通学とか出来るんですね。それは皆がその少女を見守っているから」
「そういう社会なのが、健全な日本社会の姿なんですね」
と、辛辣姫。
「そうなの。最近は、それの出来なくなった、自分に逃げこんでしまう「逃げ込み者」が増えたから、「相互監視社会」が壊れ」
「それを狙った、不埒者が増えている・・・そういう話なの」
と、御島さん。
「ここで、わかりやくすまとめたいんですけど・・・大塚勝久会長のような「負のエネルギー」をまき散らして」
「他者との関係性を壊すあり方こそ・・・「俺偉い病」と言う事で、ふしあわせスパイラル一直線の日本人のあり方としていますよね」
と、ユキちゃん。
「そうよ。もっともこのあたりは、ゆるちょくんの完全なる受け売りだけどね」
と、御島さん。
「そして、今、話した「腰巾着」・・・性格的に弱くて、人間性も小さいから、自分の事しか考えなくなる」
「・・・こういうあり方は「逃げ込み者」と言うあり方で・・・他者との関係性を切り、自分に逃げこむあり方だから」
「これも、ふしあわせスパイラル一直線のあり方としていますね」
と、ユキちゃん。
「なるほど・・・そうやって見ていくと、他人と言うか、社会と自分との関係において、他を攻撃しちゃうあり方である「俺偉い病」」
「になると、逆に他から自分への攻撃が集中して、不幸になっていくんですね」
と、池澤くん。
「さらに・・・社会と自分との関係を切って、自分だけに逃げこむと・・・皆、その人間の事を「他人事」として見ちゃうから」
「完全に存在を無視される事になり、これまた、不幸になる・・・つまり、社会と自分との関係を破壊したり、関係性を切ったりすると」
「日本では絶対に不幸になる・・・そういう事なんですね?」
と、池澤くん。
「そういう事。だからこそ、他人の「情」を大切にしなくちゃいけないのよ・・・」
と、御島さん。
「えーと、それって・・・「俺偉い病」の場合は、「和」を完全に破壊しちゃうから、他人からすれば、怒る事になるから」
「「情」のステイタスは「怒り」・・・だから、周囲から積極的に滅ぼされることになるんですね」
と、辛辣姫。
「さらに言えば・・・「逃げ込み者」は自分自身に「逃げ込んじゃう」から、他人からすればすべて「他人事」となるから」
「・・・「情」のステイタスは「徹底無視」・・・だから、孤立して不幸になると言う事なんですね」
と、辛辣姫。
「そういう事よ。簡単に言えば、この二つのカテゴライズな人間・・・「俺偉い病」と「逃げ込み者」は「和を以て貴しとなす」を」
「破壊する、あるいは、他人から無視され孤立するから、ふしあわせになると言う事なの。そこから考えれば」
「日本人のしあわせになるやり方と言うのは、自ずとわかってくるでしょう?どう、ミユウちゃん」
と、御島さん。
「つまり、「俺偉い病」「逃げ込み者」では無いあり方を目指せばいいんですよね」
「もっと具体的に言えば、「和を以て貴しとなす」をしっかりと実現し、「和」を成長させるあり方であればいい」
「それが出来る人間こそ、日本でしあわせになれる人間と言う事になりますね」
と、ミユウちゃん。
「それこそ・・・「情けは人の為ならず」が出来る・・・他人を本能からしあわせな気分にさせ、その他人から」
「本能からしあわせな気分にしてもらう・・・そういうカタチの取れるひと・・・そういう事ですよね?」
と、ユキちゃん。
「そういう事。ほら、知らず知らず「情けは人の為ならず」と言う言葉を使って・・・ここでも「情」と言う言葉が使われているでしょう?」
「それだけ、「情」と言うのは、日本社会にとって、大事だと言う事なの・・・」
「そして、もちろん、しあわせになるあり方における「情」のステイタス・・・他者からの「情」は「笑顔」のステイタスと言う事になるわね」
「わたしはこういう日本人のあり方を「絶対しあわせ者」と読んでいるけどね」
と、御島さん。
「「情」についてまとめれば、「俺偉い病」が「怒り」、「逃げ込み者」が「徹底無視」、「絶対しあわせ者」が「笑顔」・・・これはすべて本人に対する」
「日本社会側のステイタスだから・・・しあわせになりたければ、社会は怒らせちゃいけないし、徹底無視されてもダメ、唯一、笑顔にすること」
「・・・そういう事なんですね」
と、辛辣姫。
「そういう事ね。わかりやすくまとまったわね」
と、御島さん。
「そして・・・話を戻すけど、しあわせになっていく人間は、コミュニティ内部の人間を本能から笑顔に出来る人間なの。そういう人間こそ」
「わたし達は既に別な呼び方で呼んでいるわ・・・「ムードメーカー」・・・皆、彼がいると、自然と笑顔になれるし」
「その人間の言うことに笑顔で、従うでしょう?彼はコミュニティを守る強い意識を持っているし、その実力も兼ね備えていることを」
「コミュニティの皆は、知っているもの・・・それでいて、皆にやさしい・・・そういう人間、皆は社会でも出会ってきたんじゃない?」
と、御島さん。
「ははあ・・・なるほど、そういう事ですか」「わかりやすいですね。その例え」
と、池澤くんとミユウちゃんが言葉にする。
「「ムードメーカー」のすごい所はそのコミュニティの空気を作る人間であると言う事よ。そのコミュニティのメンバーひとりひとりの」
「資質を読み切り、メンバーすべてが笑顔になれる落とし所を考えながら、そういうシナリオを作っていける人間・・・」
「そういう人間こそが、そのコミュニティの長になれるのよ・・・そう言えば、わたし達はそういう実例を最近、見たんじゃなかった?」
と、御島さん。
「大塚家具問題の久美子社長・・・その人ですね!」
と、池澤くん。
「っていう事は出世する人間の条件はまさに久美子社長・・・コミュニティのメンバーひとりひとりの資質を読み切り」
「メンバーすべてが笑顔になれる落とし所を作れる人間・・・社員ひとりひとりの資質を知っていて、いい落とし所を用意した」
「久美子社長こそ、大塚家具の社長に相応しい・・・そういう事ですね」
と、ミユウちゃん。
「でも、テレビって馬鹿ですね。大塚家具問題の本質を未だに父と娘の対立と言う・・・外から見えるだけのカタチでしか」
「理解していない・・・視聴率獲得の為にそんな低劣な事ばかり言ってるから、テレビ全体の信用を失い」
「全体の視聴率がガタ落ちになるんですよ。ほんと「木を見て森を見ず」ですよね」
と、辛辣姫。
「ま、テレビの事はいいわ。まるっきり「他人事」だもの・・・だから、出世する人間と言うのは」
「「コミュニティ全体をコントロールする事が出来、メンバー全員を本能からの笑顔に出来る人間」・・・こういう定義になるの」
「それはオトコであっても、女性であっても、その条件さえ、実現出来れば、それでいいの」
と、御島さん。
「わたしは、しあわせになれる結婚の定義として、大きな夢を持ち、それを実現するために毎日自分を進化・成長させながら」
「前に出る人間・・・それとそのパートナーの夢の実現のために最大のサポートをし、パートナーの笑顔を」
「実現する事に自分を賭けられ、そのパートナーの笑顔に自分も笑顔になれる・・・そういう二人こそ、最高の結婚が実現出来るし、」
「それこそ、しあわせな結婚になれる条件だと思っているの」
と、御島さん。
「それって、先ごろ終了した、朝ドラ「マッサン」の二人・・・夢を実現する為に、前に出て七転八倒しながら、夢を実現したマッサンと」
「後ろから、そのマッサンの夢の実現をサポートし、マッサンの笑顔を自分の笑顔に変えてた、エリーの生き方・・・そのものですね」
「考えてみれば・・・」
と、辛辣姫。
「そうね。そういう物語だったわね」
と、御島さん。
「・・・って言う事は、出世するオトコって・・・仕事が出来る出来ないよりも・・・」
「コミュニティ皆を、男女の別なく笑顔に出来る・・・そういう能力こそ、出世する人間の本質だったんですね」
と、池澤くん。
「もう少し言えば・・・その「ムードメーカー」がオトコだったら、そのコミュニティのマドンナこそ・・・」
「そのムードメーカーのパートナーに相応しいの。だって二人共、コミュニティの皆が認めた男女であり」
「当然、コミュニティのメンバーすべてがその二人なら、お似合いだし、しあわせになって欲しいと願うから」
「だからこそ、二人はしあわせになれるの。そこが大事なところなのよ」
と、御島さん。
「大事な事は、その二人の後見人がたくさんいる事なの。だから、昔は、その後見人の中でも、もっともチカラのある夫婦が」
「媒酌人と言うカタチで、結婚式の時に、コミュニティ皆に、披露されたモノなの。最近は、そういう構造を無視し・・・ううん、それが」
「わからない人間が増え、ふしあわせになる人間が日本人の8割にも登っているわ。皆、「俺偉い病」か「逃げ込み者」に」
「なっているもの・・・仕方の無い事だわ」
と、御島さん。
「結局、コミュニティのメンバーを皆、笑顔に出来る人間こそ、そして、そのパートナーこそ、しあわせになれるって事だったんですね」
「そして、それこそが、出世出来るオトコの条件・・・よくわかりました」
と、ミユウちゃん。
「まあ、この日本では、やっぱり「御恩と奉公」の関係なのよ。「士は目をかけてくれる主の為に働く」と言う事」
「目をかけてくれる主だからこそ、士も全力で働く。そういう関係性なの。「この人の為なら死ねる」・・・それくらいの気持ちで働ける主に出会えたら」
「日本人はしあわせなんじゃないかしら。簡単に言えば、お互いがお互いを信頼して、働ける・・・そういう環境を作らないとね」
と、御島さん。
「主と士の関係って、お互いがお互いを支える意味では、結婚の関係にも共通しますね」
と、ユキちゃん。
「そうよ。だから、相手が何を考えているか、洞察力高く相手の気持ちを見抜ける事は日本では最も重要な事になるのよ」
「日本で言う「空気を読む」って、要は場にいるひとりひとりが何を考えているか瞬時に察するって言うことだもん」
「それが出来なきゃ、日本でコミュニティのトップには立てないわ」
と、御島さん。
「もちろん、そういう人間は、人間性が大きくて、頭の回転が速くて、そのコミュニティを率いていける・・・会社だったら、その会社の行き先を見極められる」
「そういう能力は持ち合わせてないといけないわ。でも、コミュニティをコントロール出来ると言う事はそのコミュニティの行き先も見えているはずだもの」
「そうやって、人間は成長していくし、それがさらなる出世につながると言う事になるのよね・・・」
と、御島さんは言った。
「それが社長業の出来る人間の条件でもあるんですね。うちの事務所と言うコミュニティの行き先が見えるからこそ、御島さんは社長になれているんですね」
と、ユキちゃんは言った。
「そういう事になるかしらね。だから、前に踏み出す勇気と他人の気持ちを見極める洞察力は大事なの。そういう人間こそ、皆に認められるのよ」」
と、御島さんはそう言った。、
「それが出世出来る人間の条件・・・大事な事は、やっぱり、「情けは人の為ならず」・・・「情け」こそ大事で・・・」
「・・・皆で助けあって生きていく事こそ、重要なんですね」
と、ミユウちゃんが、結論的に、言葉にした。
「・・・ところで、それはサラリーマンの場合ですよね。僕らのようなフリーの人間は、どういう事になりますか?」
と、貴島くんが質問する。
「これはコミュニティが同じ会社と言うところから・・・業界全体・・・あるいは日本全体と言う事に変わる・・・そういう事なの」
「だから、より、人間性の大きな個体が求められる・・・そういう事になるのよね」
と、御島さん。
「もちろん、世界的にオンリーワンな価値を持つ、オリジナリティーのある仕事が出来るって言うのも、重要だけど・・・」
「それと同時に、日本人全体、あるいは、世界の全人口をも、その背中にかつげるとかつて言った・・・ゆるちょくんなんか、そのいい例になるわよね」
「ね、そう言ったわよね、ゆるちょくん」
と、御島さん。
「はあ。それくらいの気持ちを持たないと、フリーでは成功出来ない・・・そういう意味でしたけどね」
と、僕。
「ううん。いいの。その意気よ。その意気で、わたしも、わたしの事務所のメンバー皆も、これからも、本能からの笑顔にしていって、頂戴」
と、御島さんは、言って、笑顔になった。
(おしまい)