「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

「ラブ・クリスマス」(ボクとワタシのイブまでの一週間戦争!)(15)

2013年12月12日 | 過去の物語
クリスマス・イブを4日後に控えた火曜日の夜、10時頃、リョウコは、チーム涼のボス、佐伯涼(40)に呼び出されていた。

「重富リサ(30)の情報をフランスの対外治安総局(DGSE)がハックした証拠を見つけた・・・なるほど、これがそれね・・・」

と、佐伯涼は、ニヤリとしながら、リョウコが提出した資料を覗いている。

「リョウコも、この手にひっかかるとはなー。まあ、シナリオ的には、リサの所属機関であるDGSEに、リサがハックの方法を教え、そんで情報流出!みたいな話だろ」

と、佐伯は話している。

「は、はい。わたしは、そう見たんですが、それは誤り?」

と、リョウコが驚いたように反応すると、

「っていうかさ、DGSEともあろう者が、こんなにわかりやすい証拠を残すと思う?普通」

と、佐伯は笑顔で、さわやかに言う。

「ま、俺も若い頃に、CIAにいた時に、一時期所属したことがあるんだけど・・・もっとスパルタンな組織だぜ、あそこは・・・」

と、佐伯は、笑顔になりながら、言う。

「こんな失敗をやるような、甘ちゃんは、ひとりもいないよ。わかりやすい、アドバルーンあげ・・・いずれにしろ、リョウコがこの情報にぶち当たったことは、皆知ってる」

と、佐伯は言う。

「皆知ってる?」

と、リョウコが不可解な顔をすると、

「君がこの情報にアクセスした瞬間、君の情報が全世界の主要な諜報機関に流れるような仕組みさ」

と、涼は言う。

「・・・まあ、リサを追っているのが、リョウコだってことが、全世界的にバレちゃったってことだよ。もっともこれはリサがしかけた仕組みじゃない」

と、涼は言う。

「あのー、いまひとつ、よくわからないんですが・・・」

と、リョウコが言うと、

「まあ、いい。この件では、すでに、上が動いているし、実働部隊が動いているから、お前は、通常任務に戻れ。このこと、他言無用だぞ」

と、涼は、言うと、

「リサにも、気取られるなよ」

と、釘を刺すのを忘れない涼だった。


その直後、リョウコは、本部の建物を辞し、自宅マンションに向かう。

「どういうこと・・・リサさんがDGSEに所属しているかのように見せかけた?ということは、DGSE所属ではないってことね・・・」

と、リョウコは幾分混乱していた。

「涼さんの口ぶりでは、すでにリサさんに対する作戦が始まっているかのよう・・・わたしの勘は当たっていたってことになるわね・・・」

と、リョウコは考えていた。

「いずれにしろ、明日の勤務では、リサさんに会うことになるけど・・・まあ、いいわ。特に気にせず、いつも通りやるだけだわ・・・」

と、リョウコは結論を出すと、自宅に戻るべく、地下鉄の駅に降りていった。


クリスマス・イブを4日後に控えた火曜日の夜、午後10時頃、ガオはリサの家に電話していた。

ルルルルル、ガチャっと音がして、

「もしもし、ガオくんね」

と、リサが1コールで出てきた。

「こんばんわ、リサさん・・・昨日もいなかったから・・・今日もいないかと思っていたので、居てくれて、よかったです」

と、ガオは、少し嬉しそう。

「ふふ。ガオくんが、今日も電話してくれるって言うから・・・早く帰宅して待っていたの・・・ガオくんのこと考えていたら、胸が熱くなって、すぐに濡れちゃった」

と、リサは言う。

「いや、それは・・・」

と、苦笑するガオだが、

「僕もリサさんのこと、考えると、大きくなっちゃいますから、おあいこ、ですよ」

と、少しは大人になったガオだった。

「ふふ・・・そう大きくなるの・・・どれくらいの大きさなの、ガオくんのは?」

と、リサは相変わらずだ。

「え、それは・・・前測った時は、14センチくらいだったと思います」

と、ガオはあくまで、学究的に測ったのだった。

「あら、ちょうどいい大きさじゃない・・・太さは太いの?」

と、リサ。

「親指と人差し指で、丸をつくったくらいの太さかな」

と、ガオも、こういうネタに少し慣れたよう。

「いい感じの太さねえ・・・そんなモノが入ってきたら、さぞや気持ちいいでしょうに」

と、リサは喘ぐような声で言う。

「ガオくんは、どんな体位が好き?騎乗位は、好きかしら?」

と、リサは感情を込めて、言う。

「え?あ・・・はあ・・・そうですねー」

と、ガオは明らかに前回よりも落ち着きを取り戻している。

「リサさんが、そのー、騎乗位が好きなんですか?自分で動く方が?」

と、ガオは攻撃側に回る。今までになかったことだ。

「ふふ。ガオくんも少しは大人になったようね・・・」

と、笑うリサはガオの成長に嬉しそうだ。

「そうね。わたし、自分で入れる瞬間がたまらなく好きなの。自分で男のモノを持って、その上になりながら、あそこにあれを埋めていくの・・・」

と、リサは感情たっぷりにそのシーンを言葉で再現している。

「あれが、中に入って行く時の、こすれて入っていく瞬間がたまらないの・・・そして、クリがペニスの根本に当たって・・・最高に感じちゃうの・・・」

と、リサはその情景を思い描きながら、言葉にしている。

「その時、あなたも、感じているはずよ・・・わたしのヴァギナがあなたのペニスを締め付けるもの・・・キツく締め付けるから、まだ、若いあなたは一瞬でイっちゃうかも

と、リサはまるで目の前にガオがいるように言葉を出す。

「はは・・・リサさんの言葉を聞いてると、まるで、俺たち、ほんとうにセックスをしているような、そんな気分になりますよ」

と、ガオ。

「わたしは、しているつもりよ・・・だって、指でクリをいじりながら・・・感じながら、言葉にしているんだから・・・もう、かなり濡れてきているの・・・」

と、リサ。

「はは・・・リサさんは、大人の女性ですね・・・僕はこういうのは、初めてで・・・」

と、ガオは少々戸惑い気味。

「でも、ガオくん、前回より、全然落ち着いているじゃない・・・成長が速い証拠だわ」

と、リサは嬉しそうに言う。感情を込めて。

「リサさんを抱いたら・・・それは気持ちいいでしょうね、きっと」

と、ガオはポツリと言う。

「抱きたいの?ガオくん。今すぐにでも」

と、リサが聞く。

「いや、仮定の話ですよ。明日も早いし、今日はさすがに」

と、ガオが苦笑すると、

「抱かなくてもいいけど・・・明日、一緒にお酒でも飲まない?あなたのやさしい目を見ながら、お酒を楽しみたいの」

と、リサが誘う。

「明日ですか・・・いいですよ。飲みましょう・・・僕はあなたとの恋に、堕ちることに決めましたから」

と、ガオが決意表明。

「ふ。ほんと、それはよかったわ。あなたに、その決意があったから、今日は少し落ち着いて対応してくれたのね」

と、リサもそこは理解した。

「男がいつまでも、女性に弄ばれてては恥ずかしいだけですから。僕も柔道をやってきて、胆力はある方なんで」

と、ガオは、男らしく説明する。

「いいわ。わたしも本気であなたを弄んであげる。明日が楽しみだわ」

と、リサは、言い、待ち合わせ場所を知らせてから、電話を切った。


「あなたとの、エッチを想像しながら、これから、オナニーするわ。たくさん濡れるの・・・それから、明日また会いましょう」

リサの最後の言葉が、ガオの耳に残っていた。


「確かに、今日の俺は落ち着いていた・・・リサさんの激しい攻撃にも、耐えた・・・徹底的に相手すると決めたからか・・・落ちつけたのは」

と、ガオは赤ワインを飲みながら考えていた。

「もちろん、俺だって、女性とのエッチの経験は、人並み以上にはある。世界を放浪していた時に、出会った女性に誘惑されて寝たことだってあるし」

と、ガオは、自分が経験豊富なことを思い出していた。

「もう、リサさんは、怖くない・・・今は自分を成長させるために、この恋を使ってやるんだ。存分に」

と、ガオは決意を新たにする。


「アミさんに、このことを報告しなくちゃ・・・」

と、ガオは、電話をかけようとするが・・・。

「いや、辞めよう・・・なんでもアミさんに頼っていたら、俺自身、成長出来ない・・・」

と、ガオは電話をするのを断念する。

「俺がこの恋で成長出来たら・・・その時、アミさんに報告しよう・・・成長した俺をアミさんに見せるんだ」

と、ガオは、さらに、決意していた。


クリスマスイブ4日前の火曜日の夜は、静かに更けていった。


クリスマスイブ3日前の水曜日の朝、午前7時頃。

東堂賢一(61)は、ダイニングで一人朝食を食べていた。

いつもは、笑顔で一緒に朝食を食べてくれる妻愛美(56)は、今日も料理だけ作り、自分の分を持って、自分の部屋に戻っていた。

「愛美は月曜日の夜に激怒して以来、口も聞いてくれないどころか、姿も見せない・・・」

焼き鮭で、ごはんを食べながら、つい愚痴を言う賢一だった。

「まあ、やるとなったら、徹底しているのが、愛美だからな・・・」

と、自分の軽率な行動を悔やむ賢一。

「せっかくのクリスマス・シーズンだと、言うのに・・・」

と、賢一は、寒そうな窓の外を見ながら、寂しそうに愚痴っていた。


クリスマスイブ3日前の水曜日の夕方、午後5時頃。

タケルのいとこ、鈴木優(17)の携帯電話に、電話がかかってくる。

「もしもし、タケルさん!!!今、ニューヨークなんでしょ!すごい、今この携帯ニューヨークとつながっているんだ!」

と、鈴木優は、うれしそうに、はしゃいでいる。

「こっちは寒くてさ。今6度しか、ないんだ。なにしろ、朝の3時だから」

と、鈴木タケルは、寒そうに、はしゃいでいる。

「え?これ外の公衆電話から、かけてるの?」

と、優は勘違い。

「いや、6度ってのは、テレビで見たんだ。ホテルの電話から、かけてます」

と、笑うタケル。

「それでさー。優ちゃん、今度のイブ、俺戻れないから、頼みがあるんだけど・・・」

と、タケルは神妙に優に告げる。

「なーにー?タケルさんの頼みだったら、わたし、なんでも聞いてあげる!」

と、笑顔で言う優。

「イブの日にある集まりがあるんだ・・・そこに僕の婚約者がいるんだ」

と、いきなり言うタケル。

「え?・・・婚約者・・・」

と、その言葉に驚く優。

「ああ・・・僕がプロポーズした、その女性を優の目で確かめてほしいんだ。優の許せる女性か、をね」

と、タケルは真面目に話す。

「優が許せる女性だったら、僕は自信を持って、結婚する・・・結婚していい女性かどうか、優の目で確かめるんだ」

と、タケルが話すと、

「わかった・・・わたしの目で確かめてみる・・・わたしの目で・・・」

と、真面目そうにコクリと頷く優。

「よかった。頼んだよ、優・・・で、時間と場所なんだけど・・・」

と、タケルが話すと、時間と場所を、真面目そうにメモする優だった。


クリスマスイブ3日前の水曜日の夕方、午後5時半頃。

滝田祐(17)の携帯電話に、鈴木タケルから連絡が入る。

「あ、タケルさん・・・電話待ってました」

と、祐は、真面目に話す。

「おう。万事順調。優に電話したし、ちゃんと話しておいた。彼女は、僕の婚約者としてのアイリを確認に、当日行く・・・」

と、タケルは優を祐の為に誘い出したのだった。

「アイリがその優を歓待しているから・・・そこへ乗り込んで祐が告白するんだ。わかるな。手はずも打ち合わせ通りだ」

と、タケルは話す。

「とにかく、焦るな。お前だったら、大丈夫だ。きっと、いい17歳のイブになるぜ」

と、タケルは話す。

「はい。タケルさん、何から何まで・・・僕、なんか、うれしい・・・」

と、祐は、少し目頭を熱くする。

「おい、何言ってんだ・・・本番は、イブだぞ。優の為にも、それまで涙はとっておけ!」

と、タケルは冷静に話している。

「ま、アイリによろしく言っておいてくれ・・・俺は仕事だけどさ・・・楽しいイブを楽しめよ!じゃあな」

と、タケルは電話を切った。

「タケルさん・・・何から何まで・・・ほんと、大人のひとって、やさしいや」

と、切れた携帯を見ながら、なんとなく、感動する祐だった。


クリスマスイブ3日前の水曜日の夜、午後7時頃。

東堂賢一は、ひとりで、寂しい夕食を迎えていた。いつも一緒に笑顔で夕食を食べてくれる妻の愛美は、夕食だけ作ると、自分の分を持って、部屋に戻っていた。

「うーむ」

と言いながら、ガーリックステーキを食べる賢一は、仕方なく、ブランデーをグラスに注ぐ。

「この年で、ひとりの食事は、身に応えるわい」

と、愚痴を言いながら、ブランデーを飲む賢一。

「うーむ、何か、この状況を脱出する起死回生の逆転策は、ないものかのう」

と、東堂賢一は、言いながら、ブランデーをぐいと飲み干す。


と、そんな賢一に、何かひらめきのようなものが・・・。


「エイイチさん、アイリに失恋したのは、仕方ないとして・・・誰か、エイイチさんに良い相手、いないかしら。気のつくような女性・・・」


数日前、妻愛美が話していた言葉が、脳裏によぎる。

「それだ!」

と、東堂賢一は、ニヤリとする。

「うむ、これをなんとかすれば・・・あいつの気持ちも少しは変わってくるだろう」

と、東堂賢一は、ブランデーを飲み干しながら、ガーリックステーキにがぶりと噛み付いていた。


クリスマスイブ3日前の水曜日の夜、午後8時頃。

東京、六本木にある、トルコ料理の店「クムファン」は、名の通った老舗の店だった。

個室でトルコ料理が頂ける店は珍しく、オールドファンにも大変な人気の店だった。

リサから指定された店に、約束より少し早く着いた田島ガオ(28)は、黒いスーツ姿で、会社帰りの風情を見せていた。

「なんとなく、オリエンタルな雰囲気・・・そういえば、トルコからイスタンブールに出た時に入った店を思い出すなあ」

と、世界放浪の旅を経験しているガオは、懐かしく記憶を思い出している。

「トルコにいた時は、よく現地のひととチャイを飲んだもんだけど・・・皆暇そうだったなあ」

と、思わず笑うガオ・・・人懐っこそうな笑顔が広がる。

「ガオくんは、いい笑顔をするのね」

と、そこへ、ブルーのチャイナドレス姿のリサが現れる。

「ははああ・・・」

と、ガオはブルーのチャイナドレス姿のリサに、呆然とする。

「似合うかしら、チャイナドレス・・・近所のホテルを借りて、そこで着替えてきたの・・・今日のために」

と、リサは妖しい雰囲気で、そうささやく。

「その気なら・・・いつでも、そこへ行けばいいのよ・・・わかるでしょ、ガオくん」

と、リサは、妖しく微笑みながら、そうささやいた。

「今から、でも」

と、リサは、ささやくと、妖艶な笑顔になるのだった。


ガオは、あまりに妖艶なリサに、ただただ、言葉を出せずにいた。


同じ頃。

イズミは、八津菱電機鎌倉工場で、担当しているシステムの問題点を把握しようとしていた。

「最近、小さな問題がちょくちょく出てきている・・・原因はなんだ?」

と、彼は端末を操作しながら、小さいテストを繰り返している。


と、そのイズミの頭に、美緒の映像が広がる。


気持ちよさそうにしている裸の美緒・・・美しくて豊かな胸が、震える映像に、イズミは思わず苦笑してしまう。


「今週の土曜日はクリスマスイブか・・・美緒に何か、クリスマス・プレゼントをあげなきゃ、いけないな」

と、やさしい気持ちで、思うイズミ。


「わたしね。四つ葉のクローバーを探すのが大好きなの・・・」

と、美緒が、一緒に飲みながら話していたのを思い出す。

「四つ葉のクローバーを探して、それをカードに貼って、記念に持ってるの・・・それを財布にいれておくと、幸運が舞い込むって、聞いたの」

と、美緒はうれしそうに話す。

「ほら、これ・・・」

と、美緒は自分の財布から、そのカードを出すと、イズミに渡す。

「へえ・・・四つ葉のクローバーが、4つあるね・・・」

と、イズミも珍しそうに、そのカードを眺める。

「それ、イズミさんにあげる」

と、美緒は上機嫌で、そう話す。

「え?だって、これ、美緒の・・・」

と、イズミが言いかけると、

「ううん。それ、昨日、イズミさんの為に、わたしが探したの。1時間かかっちゃったけど」

と、美緒は少し照れるような笑顔。

「イズミさんの為の、おまもり」

と、美緒は言うと、イズミの頬にキッス。

「ありがと、美緒・・・こんなに嬉しい贈り物は、ちょっとないな」

と、イズミも上機嫌だった。


「四つ葉のクローバーのモチーフの・・・ネックレスでも、探すか」

と、イズミは思い返している。

「クリスマスイブに、美緒の笑顔が、見たいからな」

と、イズミは独りごちると、

「さ、仕事仕事」

と、仕事に戻っていくのだった。


クリスマスイブ3日前の水曜日の夜は、妖しく更けていくのだった。


つづく

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