おはようございます。
今日は、ハロウィーンですか。
さて、誰に変身するかな。
さて、その時、僕は、イケメン貴島くん(29)と、社長の御島さん(31)、辛辣姫ユキちゃん(28)、
若いミユウちゃん(25)、若い池澤くん(24)とで、事務所の大部屋でお茶していました。
「あのー、僕、知りたいんですけど・・・女性って、どんな感じで、男性に恋に落ちるんですか?」
「そのメカニズムって言うか、恋に落ちる理由が知りたいんですよね・・・」
と、池澤くん。
「なんだか、安易な質問って感じですけどね」
と、ミユウちゃん。
「まあ、でも、いいんじゃない。改めて言葉にしてみるのも、悪くないと思うわ」
と、御島さん。コーヒーを飲んでいる。クールビューティーは、今日も黒のスカートスーツがお似合いだ。
「でも、女性って、いつの間にか、恋に落ちてる・・・そんなイメージがあるんですよね」
「あるいは、いつの間にか、別れを切り出している・・・」
「昔、王さんの娘さんの「蕎麦をすすってる音が元で、相手が嫌いになった」事件ってありませんでした」
「まだ、僕が子供の頃・・・」
と、貴島くん。
「そういえば、そんな事件もあったわね・・・あれこそ、まさしく女性的な事件だったわ」
と、御島さん。
「どんな話でしたっけ?わたし、よく覚えていないんですけど・・・」
と、ミユウちゃん。
「わたしもうろ覚えだけど・・・確か、王さんの娘さんが婚約していたのに・・・突然、婚約を破棄して、男性と別れて」
「その理由が「彼の蕎麦をすする音が不快になって・・・」って言う話で・・・物議を醸したって話だった・・・ですよね」
と、ユキちゃん。
「え?蕎麦をすする音が・・・婚約破棄の理由になったんですか?」
と、池澤くん。
「当時も、そういう男性の反応、多かったわよね」
と、御島さん。
「では、その反応は、正しくないと?」
と、貴島くん。
「女性は本能的に男性を嫌いになるけど・・・そこに明確な理由は無い・・・ただ、言葉に出していうなら」
「もう、その時点で、相手のする事、すべてが嫌いになっているから・・・蕎麦をすする音さえ、不快になる」
「・・・そういう話だったっけ?」
と、僕。
「そういう事。さすがにゆるちょくんは覚えていたのね」
と、御島さん。
「女性の特徴がよく出ていた・・・そういうエピだったからね」
「でも・・・本当に明確な理由は無いのかな?」
と、僕。
「理由はあるのよ。それは些細な事の積み重ねね・・・本来、女性と言うのは、繊細な動物だから」
「男性のガサツな行動に耐え切れなくなるのね・・・だから、蕎麦をすする音すら、ガサツな行為に見えたのね、きっと」
と、御島さん。
「もともと、女性は、男性の傍にいると、ストレスが溜まる動物なの。だってあからさまな敵だもの」
「いつ襲われるかわからない相手でしょ?」
と、御島さん。
「でも、恋した相手だったら・・・視界に入れておきたい・・・触れたいし、キスもしたければ、すべてを自分に受け入れたい」
「それが男女の恋状態よね。だから、恋って言うのは、女性にとって、唯一の例外状態なのよ・・・」
と、御島さん。
「普段は、男性から、自分自身を強く守っているし、視界にすら、入れないようにしている女性が」
「唯一、男性を視界に入れて・・・嬉しがる状態なのが、恋・・・そういう事ですね」
と、辛辣姫。
「そういう事。だから、恋の魔法が解けると・・・それはちょっとしたきっかけなんだけど」
「・・・相手のガサツさや、嫌な押し付け、ちょっとした言動・・・とにかく、ちょっとしたきっかけで」
「今まで素敵に見えていたすべての相手の行動が、一瞬で、すべて不快な行動に見えてきちゃうのよ・・・」
「それこそ、恋の魔法が解けた瞬間ね・・・」
と、御島さん。
「恋の魔法って・・・具体的に言うと、どういう事なんですか?」
と、池澤くん。
「あなた、恋の魔法、本当に未体験なのね・・・あれはすごいわよ」
「男性のちょっとしたガサツな行為を目にした事がきっかけで、それまで素敵に見えていた相手自身・・・そうビジュアルね」
「そのビジュアルを見るだけで、毎回、楽しかったし、しゃべりのトーンも一オクターブくらい高かったのに・・・」
「相手のガサツな行為を目にした瞬間、本当に魔法が解けるように・・・相手を視界に入れる事が一瞬で不快になって・・・」
「相手そのものの存在が、不快になっちゃうの・・・これは経験しなければ、わからない事かもしれないわ」
と、御島さん。
「本当に、そんな事あるんですか?理性では理解出来ない・・・」
と、池澤くん。
「それは経験しないとわからないけど・・・ユキちゃんやミユウちゃんは、ある?その経験・・・」
と、御島さん。
「ありますよ」「あります」
と、ユキちゃんとミユウちゃん。
「それって、女性特有の症状なんですか?」
と、池澤くん。
「いや、俺もある」「僕も、ね」
と、貴島くんと僕。
「あれは・・・ほんと、ハッとしますよね。なんだろう・・・美しい女性だと思って抱いていたら、末摘花だった」
「・・・そんな感じの話だよ。男性的にわかりやすいように言ったら、ね・・・」
と、貴島くん。
「あれはほんと、ビックリするよ。飲み屋で女性と一緒に飲む事になって、楽しく話していたら・・・」
「ふと、魔法が解けちゃって・・・あれ、なんで、俺、こんな女性と?・・・って気づく感じでさ・・・」
「ほんと、恋の魔法は、恐ろしいんだ・・・」
と、僕。
「ほら、よく女性が恋の魔法から解けると・・・逆に相手が嫌いになってしまうって症状がよくあるじゃない」
「相手を視界にすら、いれたくなくなる・・・そういう症状」
「まあ、男性からすれば、この間まで、好き同志だったのに、納得いかんみたいな事になるでしょうけど」
「恋の魔法が解けるって、それくらい残酷な事なのよ」
と、御島さん。
「そうか。それこそ、三船美佳問題の正体ですね。恋の魔法が解けたからこそ、旦那のすべてが不快になって・・・」
「遭う気すらないと言う三船美佳さんの本音があって・・・でも、旦那は全然理解出来ない・・・そのパターンだ」
と、池澤くん。
「そういう事。恋の魔法問題を知っていれば、理解しやすいでしょう?」
と、御島さん。
「って・・・自分で言っててわかったけど、王さんも、あの時、そういう状態だったのね。あの時、おかしかったのは、男性達がしきりに理性的な」
「理由を知りたがった事。つまり、男性の多くは、恋の魔法が解ける経験を一切していなかったって事ね」
「人生の経験が少なすぎる・・・恥ずかしい事だわ」
と、御島さん。
「経験をしている人間と、そうでない人間は、その後の人生の歩き方も、随分異なっちゃうでしょうからね」
「ある意味、怖い事ですね」
と、ユキちゃんは結論的に言った。
「さて、となると、女子は、どんな感じで、男子に恋に落ちていくのかしら」
「・・・その手順を真面目に考えてみましょうか」
と、御島さん。
「恋とは、男性がプレゼンし、女性が落ちていくものだ・・・でしたものね」
と、ユキちゃん。
「ねえ、ユキちゃん・・・それ、ちょっと言葉にしてくれない?わたしは、それを客観的に見てみたいわ」
と、御島さん。
「いいですよ。間違っていたら、訂正してください」
と、ユキちゃん。
「そうですね。まず、最初は、どんな感じかな・・・」
と、辛辣姫は、真面目に考えている。
「最初は、目ですかね?ふと、相手の男性の目と合う・・・みたいな」
と、ミユウちゃん。
「は。そうかもね。突然、相手と目と目があって・・・ハッとなる」
「高校生くらいまでは、そんなだったような気がする」
と、ユキちゃん。
「ねえ。そもそもユキちゃんも、ミユウちゃんも、好き!と思ったら、自分から行く方?」
と、御島さん。
「はい」「そうですね」
と、ユキちゃんとミユウちゃん。
「あのー、話の途中で、申し訳ないんですけど、我々オトコとしては・・・女性が、なぜ、相手の男性を好きになるか・・・」
「そこが一番聞きたいんですけど・・・」
と、池澤くん。
「うん。確かに」「それは、そうですね」
と、僕と貴島くん。
「そっか。そこを詳しく話して欲しいのね・・・そうね。女性は何故、相手の男性を好きになるか、か・・・」
と、ユキちゃん。
「わたしは、過去の事をいろいろ考えてみると・・・やっぱり、相手の人間性の大きさなんですよ」
「わたしは男性を見る時に、「人間性が大きいか、小さいか」をまず見ます。相手が自分の事をどう扱ってくれるか」
「やさしくしてくれるのか、あるいは、邪険にするのか・・・わたし、自身を受け入れてくれるキャパシティが相手にあるのか」
「そのあたりを見てる。自分の話より、まず、わたしの事を考えてくれて・・・いろいろ質問してくれる」
「自分の事は、わたしが質問した時にちょこっと照れながら話してくれる・・・そういう所から始まるんじゃないかしら」
と、ユキちゃん。
「あとはしゃべりかしら・・・自分の事を楽しく話してくれて・・・一緒に笑えたりして・・・なんか雰囲気いい相手だと、いい感情を持ってたかな・・・」
と、辛辣姫。
「逆に、ちょっとした事でイッパイイッパイになっていたり・・・自分の事、何一つしゃべれない人だと・・・ちょっとダメかな」
「まあ、それはその年代によっていろいろあると思うけど・・・いろいろ経験してて、人間性の大きな・・・自分を受け入れてくれる、暖かくて、やさしい人を見ると」
「いつの間にか、好きになってた」
と、ユキちゃん。
「わたしは、それプラス、価値観を共有出来る人でしたね。一緒にデートしてみて、子犬を可愛がる姿を見たり、夕焼けに感動していたり」
「世の中の事にちょっと怒ってみたり・・・そういう相手の気持ちに触れると・・・自分と思いが同じだったりすると・・・ちょっと感動して、好きになったりしてました」
「「あ、この人、わたしと同じなんだ」・・・って感動して・・・」
と、ミユウちゃん。
「「わたしと同じ」・・・ってキーワードは大事よね。ネット的に言うと、「お前は俺か」でしょ?」
と、御島さん。
「でも、やっぱり、人間性が大きいって事は大事だと思います。まず、自分の事より、先に相手の事を考えられる・・・そういう男性であって欲しいし」
と、ミユウちゃん。
「そうよね。後は・・・わたし的には、「人見知り」の問題かな。わたしは、「人見知り」を克服していて・・・割りと誰でもにこやかに話せる人が・・・好きになる相手ですね」
と、ユキちゃん。
「それはそうですね。社会に出れば・・・それくらい出来るのは、必須になるじゃないですか。他社との打ち合わせなんて、それこそ、初対面からすぐ打ち合わせに入れなければ」
「いけないわけだし・・・」
と、ミユウちゃん。
「ゆるちょくんなんて、そういう所、得意だもんね。初対面で、最初の出会いで、相手を笑顔にしてしまう。それは女性でも男性でも・・・むしろ、年上の男性や女性に」
「すぐ気に入られるから・・・話が円滑に進むわ」
と、御島さん。
「ま、僕も修行は、ちゃんとしてきましたから」
と、僕。
「でも、そこって、ほんと大事ですよね。人間って、全部、初対面に出ちゃうから。それに、よく就職セミナーみたいなモノで、「初対面が大事だから、気をつけて」」
「みたいな事が言われてますけど、相手は先輩ですからね。ちょっと取り繕ったって、人間の中身そのものを見抜いてくるから・・・人生そのものが大事って事になりますよ」
と、辛辣姫。
「だから、やっぱり、個人差はあると思うけど、女性って、相手を見た瞬間に恋に落ちてるのかな。もちろん、人間性が大きいとか、精神的にも結構強いとか」
「・・・そのあたりは、初対面でもある程度、話していればわかるし・・・価値観だって、話していれば、だんだんわかってくる」
と、ユキちゃん。
「そうですね。なにより、相手を見ながらしゃべっていれば、自分を隠さず開けっぴろげな人なら、ドンドン伝わってきますよね」
と、ミユウちゃん。
「逆に中身、何にも無い人もすぐわかるけどね。話す言葉が全然出てこないし、自分を隠したがるのも、すぐにわかるし・・・そういう相手は全然ダメね」
と、御島さん。
「そうですね。結局、人間って、それまで生きてきた歴史って言うか・・・すべてがその中身に反映されているから」
「しゃべっているとすぐにわかっちゃうし・・・あれかな・・・あとは、自分の人生に自信がある人だと・・・結構好きになっちゃいますね」
と、辛辣姫。
「そう。結局、人生そのものに自信のある人って、素直な笑顔で話してくれるし、何を聞いても、明るく返ってくるし・・・わたし、自身、その人間性の大きさに」
「包まれちゃう感じがして・・・何より頼りがいがあるから・・・この人の横にずーっといたいって、思っちゃうんですよね・・・」
と、ユキちゃん。
「なるほど・・・王さんの話と比較すると・・・要は中身の無い人を、思い込みで好きになっても・・・結局、中身が無いから、思い込みの恋は、必ず、どこかで」
「魔法が解けちゃうって事で・・・中身のある男性相手の恋だと・・・それは思い込みじゃないから・・・その中身に恋しているからこそ、その恋の魔法は解ける事が無い」
「・・・そういう話になるのかしら」
と、御島さん。
「なるほど・・・王さんの話と、比較するとわかりやすいですね」
と、ユキちゃん。
「結局、人生って言うのは、レゴブロックを積み重ねて出来て行くように・・・積み重ねるから、人見知りもやがてしなくて済むようになるし」
「人間性も大きくなるし、精神的にも強くなっていく・・・そういう話みたいですね」
と、ミユウちゃん。
「だから、それが出来ていない人間がいるのよ。空気が読めなかったり、そもそも空気を読まない人間がいたり・・・」
と、御島さん。
「この日本において、そもそも空気が読めなかったら、ふしあわせスパイラル一直線じゃないですか」
と、ミユウちゃん。
「そ。空気が読めないのは、論外ね。空気を読まないのは、自分はエライとカン違いしている「俺エライ病」。官僚とか大学教授、医者、学校の先生とか」
「いわゆる「せんせい」と呼ばれる職種に多いわ。こういう人間は案外、修行が足りないから、人間的に小さかったり、精神的に弱くて未熟な人間が多いの」
「だから、「「俺エライ病」はふしあわせスパイラル一直線。だから近寄るな」と言う、ゆるちょくんの提言に従うべきだわ」
と、御島さん。
「結局、空気関係で言えば・・・皆に愛される・・・場の空気を自在に作り出せる、コミュニティのムードメーカーになれるオトコがいいのよ」
「女性は、そういうムードメーカーに愛される場のマドンナになれれば、それでいいの。結局、周囲の男女に愛された人間が最もしあわせになれるんだから」
と、御島さん。
「わたし、でも・・・なんか、今わかったんですけど・・・女性が恋に落ちるのは、相手の男性に目を見つめられた時かなって・・・」
と、ユキちゃん。
「やっぱり、女性と男性が目が合った時ですよね」
と、ミユウちゃん。
「そうなの。よーく考えてみたら・・・相手と視線が合った時、相手の男性のすべてが自分に押し寄せてきて・・・いつの間にか、恋に落ちてる」
「相手の目がすべてを語ってくれて・・・それで恋に落ちちゃう、そんな感じだって、今、なんとなく、わかったんです」
と、ユキちゃん。
「なるほど・・・よく言うモノね。女性と男性は目と目で通じ合えるって」
と、御島さん。
「それを言うなら、女性は目で恋を主張してきますよ」
と、僕。
「女性と男性は目と目を合わせる事で、恋に落ち・・・女性は目で恋を主張してくる・・・女性は結局目で相手のすべてを見抜いちゃうから」
「そこで、恋に落ちちゃうみたいね。もちろん、個人差はあるでしょうけどね」
と、御島さん。
「それが男女の恋ですか。いやあ、勉強になりますよ」
と、池澤くんは、言葉にした。
「で、参考になった?恋をしたい、池澤くん」
と、御島さん。
「好きなオンナは出来ても、ちょっと前に進めていないんだったな。池澤は」
と、貴島くん。
「はい・・・まあ、でも、今日は、いろいろ参考になりましたよ」
と、池澤くん。
「とにかく・・・恋の最初は、好きな女性と目と目を合わせられるようにするところから・・・まず、始まるって事ですね」
と、池澤くん。
「ま、そういう事になるな。がんばれよ、池澤」
と、貴島くん。
「はい。がんばります」
と、池澤くんは、笑顔で、軽く敬礼しながら、ずずっと煎茶を飲んだ。
(おしまい)
今日は、ハロウィーンですか。
さて、誰に変身するかな。
さて、その時、僕は、イケメン貴島くん(29)と、社長の御島さん(31)、辛辣姫ユキちゃん(28)、
若いミユウちゃん(25)、若い池澤くん(24)とで、事務所の大部屋でお茶していました。
「あのー、僕、知りたいんですけど・・・女性って、どんな感じで、男性に恋に落ちるんですか?」
「そのメカニズムって言うか、恋に落ちる理由が知りたいんですよね・・・」
と、池澤くん。
「なんだか、安易な質問って感じですけどね」
と、ミユウちゃん。
「まあ、でも、いいんじゃない。改めて言葉にしてみるのも、悪くないと思うわ」
と、御島さん。コーヒーを飲んでいる。クールビューティーは、今日も黒のスカートスーツがお似合いだ。
「でも、女性って、いつの間にか、恋に落ちてる・・・そんなイメージがあるんですよね」
「あるいは、いつの間にか、別れを切り出している・・・」
「昔、王さんの娘さんの「蕎麦をすすってる音が元で、相手が嫌いになった」事件ってありませんでした」
「まだ、僕が子供の頃・・・」
と、貴島くん。
「そういえば、そんな事件もあったわね・・・あれこそ、まさしく女性的な事件だったわ」
と、御島さん。
「どんな話でしたっけ?わたし、よく覚えていないんですけど・・・」
と、ミユウちゃん。
「わたしもうろ覚えだけど・・・確か、王さんの娘さんが婚約していたのに・・・突然、婚約を破棄して、男性と別れて」
「その理由が「彼の蕎麦をすする音が不快になって・・・」って言う話で・・・物議を醸したって話だった・・・ですよね」
と、ユキちゃん。
「え?蕎麦をすする音が・・・婚約破棄の理由になったんですか?」
と、池澤くん。
「当時も、そういう男性の反応、多かったわよね」
と、御島さん。
「では、その反応は、正しくないと?」
と、貴島くん。
「女性は本能的に男性を嫌いになるけど・・・そこに明確な理由は無い・・・ただ、言葉に出していうなら」
「もう、その時点で、相手のする事、すべてが嫌いになっているから・・・蕎麦をすする音さえ、不快になる」
「・・・そういう話だったっけ?」
と、僕。
「そういう事。さすがにゆるちょくんは覚えていたのね」
と、御島さん。
「女性の特徴がよく出ていた・・・そういうエピだったからね」
「でも・・・本当に明確な理由は無いのかな?」
と、僕。
「理由はあるのよ。それは些細な事の積み重ねね・・・本来、女性と言うのは、繊細な動物だから」
「男性のガサツな行動に耐え切れなくなるのね・・・だから、蕎麦をすする音すら、ガサツな行為に見えたのね、きっと」
と、御島さん。
「もともと、女性は、男性の傍にいると、ストレスが溜まる動物なの。だってあからさまな敵だもの」
「いつ襲われるかわからない相手でしょ?」
と、御島さん。
「でも、恋した相手だったら・・・視界に入れておきたい・・・触れたいし、キスもしたければ、すべてを自分に受け入れたい」
「それが男女の恋状態よね。だから、恋って言うのは、女性にとって、唯一の例外状態なのよ・・・」
と、御島さん。
「普段は、男性から、自分自身を強く守っているし、視界にすら、入れないようにしている女性が」
「唯一、男性を視界に入れて・・・嬉しがる状態なのが、恋・・・そういう事ですね」
と、辛辣姫。
「そういう事。だから、恋の魔法が解けると・・・それはちょっとしたきっかけなんだけど」
「・・・相手のガサツさや、嫌な押し付け、ちょっとした言動・・・とにかく、ちょっとしたきっかけで」
「今まで素敵に見えていたすべての相手の行動が、一瞬で、すべて不快な行動に見えてきちゃうのよ・・・」
「それこそ、恋の魔法が解けた瞬間ね・・・」
と、御島さん。
「恋の魔法って・・・具体的に言うと、どういう事なんですか?」
と、池澤くん。
「あなた、恋の魔法、本当に未体験なのね・・・あれはすごいわよ」
「男性のちょっとしたガサツな行為を目にした事がきっかけで、それまで素敵に見えていた相手自身・・・そうビジュアルね」
「そのビジュアルを見るだけで、毎回、楽しかったし、しゃべりのトーンも一オクターブくらい高かったのに・・・」
「相手のガサツな行為を目にした瞬間、本当に魔法が解けるように・・・相手を視界に入れる事が一瞬で不快になって・・・」
「相手そのものの存在が、不快になっちゃうの・・・これは経験しなければ、わからない事かもしれないわ」
と、御島さん。
「本当に、そんな事あるんですか?理性では理解出来ない・・・」
と、池澤くん。
「それは経験しないとわからないけど・・・ユキちゃんやミユウちゃんは、ある?その経験・・・」
と、御島さん。
「ありますよ」「あります」
と、ユキちゃんとミユウちゃん。
「それって、女性特有の症状なんですか?」
と、池澤くん。
「いや、俺もある」「僕も、ね」
と、貴島くんと僕。
「あれは・・・ほんと、ハッとしますよね。なんだろう・・・美しい女性だと思って抱いていたら、末摘花だった」
「・・・そんな感じの話だよ。男性的にわかりやすいように言ったら、ね・・・」
と、貴島くん。
「あれはほんと、ビックリするよ。飲み屋で女性と一緒に飲む事になって、楽しく話していたら・・・」
「ふと、魔法が解けちゃって・・・あれ、なんで、俺、こんな女性と?・・・って気づく感じでさ・・・」
「ほんと、恋の魔法は、恐ろしいんだ・・・」
と、僕。
「ほら、よく女性が恋の魔法から解けると・・・逆に相手が嫌いになってしまうって症状がよくあるじゃない」
「相手を視界にすら、いれたくなくなる・・・そういう症状」
「まあ、男性からすれば、この間まで、好き同志だったのに、納得いかんみたいな事になるでしょうけど」
「恋の魔法が解けるって、それくらい残酷な事なのよ」
と、御島さん。
「そうか。それこそ、三船美佳問題の正体ですね。恋の魔法が解けたからこそ、旦那のすべてが不快になって・・・」
「遭う気すらないと言う三船美佳さんの本音があって・・・でも、旦那は全然理解出来ない・・・そのパターンだ」
と、池澤くん。
「そういう事。恋の魔法問題を知っていれば、理解しやすいでしょう?」
と、御島さん。
「って・・・自分で言っててわかったけど、王さんも、あの時、そういう状態だったのね。あの時、おかしかったのは、男性達がしきりに理性的な」
「理由を知りたがった事。つまり、男性の多くは、恋の魔法が解ける経験を一切していなかったって事ね」
「人生の経験が少なすぎる・・・恥ずかしい事だわ」
と、御島さん。
「経験をしている人間と、そうでない人間は、その後の人生の歩き方も、随分異なっちゃうでしょうからね」
「ある意味、怖い事ですね」
と、ユキちゃんは結論的に言った。
「さて、となると、女子は、どんな感じで、男子に恋に落ちていくのかしら」
「・・・その手順を真面目に考えてみましょうか」
と、御島さん。
「恋とは、男性がプレゼンし、女性が落ちていくものだ・・・でしたものね」
と、ユキちゃん。
「ねえ、ユキちゃん・・・それ、ちょっと言葉にしてくれない?わたしは、それを客観的に見てみたいわ」
と、御島さん。
「いいですよ。間違っていたら、訂正してください」
と、ユキちゃん。
「そうですね。まず、最初は、どんな感じかな・・・」
と、辛辣姫は、真面目に考えている。
「最初は、目ですかね?ふと、相手の男性の目と合う・・・みたいな」
と、ミユウちゃん。
「は。そうかもね。突然、相手と目と目があって・・・ハッとなる」
「高校生くらいまでは、そんなだったような気がする」
と、ユキちゃん。
「ねえ。そもそもユキちゃんも、ミユウちゃんも、好き!と思ったら、自分から行く方?」
と、御島さん。
「はい」「そうですね」
と、ユキちゃんとミユウちゃん。
「あのー、話の途中で、申し訳ないんですけど、我々オトコとしては・・・女性が、なぜ、相手の男性を好きになるか・・・」
「そこが一番聞きたいんですけど・・・」
と、池澤くん。
「うん。確かに」「それは、そうですね」
と、僕と貴島くん。
「そっか。そこを詳しく話して欲しいのね・・・そうね。女性は何故、相手の男性を好きになるか、か・・・」
と、ユキちゃん。
「わたしは、過去の事をいろいろ考えてみると・・・やっぱり、相手の人間性の大きさなんですよ」
「わたしは男性を見る時に、「人間性が大きいか、小さいか」をまず見ます。相手が自分の事をどう扱ってくれるか」
「やさしくしてくれるのか、あるいは、邪険にするのか・・・わたし、自身を受け入れてくれるキャパシティが相手にあるのか」
「そのあたりを見てる。自分の話より、まず、わたしの事を考えてくれて・・・いろいろ質問してくれる」
「自分の事は、わたしが質問した時にちょこっと照れながら話してくれる・・・そういう所から始まるんじゃないかしら」
と、ユキちゃん。
「あとはしゃべりかしら・・・自分の事を楽しく話してくれて・・・一緒に笑えたりして・・・なんか雰囲気いい相手だと、いい感情を持ってたかな・・・」
と、辛辣姫。
「逆に、ちょっとした事でイッパイイッパイになっていたり・・・自分の事、何一つしゃべれない人だと・・・ちょっとダメかな」
「まあ、それはその年代によっていろいろあると思うけど・・・いろいろ経験してて、人間性の大きな・・・自分を受け入れてくれる、暖かくて、やさしい人を見ると」
「いつの間にか、好きになってた」
と、ユキちゃん。
「わたしは、それプラス、価値観を共有出来る人でしたね。一緒にデートしてみて、子犬を可愛がる姿を見たり、夕焼けに感動していたり」
「世の中の事にちょっと怒ってみたり・・・そういう相手の気持ちに触れると・・・自分と思いが同じだったりすると・・・ちょっと感動して、好きになったりしてました」
「「あ、この人、わたしと同じなんだ」・・・って感動して・・・」
と、ミユウちゃん。
「「わたしと同じ」・・・ってキーワードは大事よね。ネット的に言うと、「お前は俺か」でしょ?」
と、御島さん。
「でも、やっぱり、人間性が大きいって事は大事だと思います。まず、自分の事より、先に相手の事を考えられる・・・そういう男性であって欲しいし」
と、ミユウちゃん。
「そうよね。後は・・・わたし的には、「人見知り」の問題かな。わたしは、「人見知り」を克服していて・・・割りと誰でもにこやかに話せる人が・・・好きになる相手ですね」
と、ユキちゃん。
「それはそうですね。社会に出れば・・・それくらい出来るのは、必須になるじゃないですか。他社との打ち合わせなんて、それこそ、初対面からすぐ打ち合わせに入れなければ」
「いけないわけだし・・・」
と、ミユウちゃん。
「ゆるちょくんなんて、そういう所、得意だもんね。初対面で、最初の出会いで、相手を笑顔にしてしまう。それは女性でも男性でも・・・むしろ、年上の男性や女性に」
「すぐ気に入られるから・・・話が円滑に進むわ」
と、御島さん。
「ま、僕も修行は、ちゃんとしてきましたから」
と、僕。
「でも、そこって、ほんと大事ですよね。人間って、全部、初対面に出ちゃうから。それに、よく就職セミナーみたいなモノで、「初対面が大事だから、気をつけて」」
「みたいな事が言われてますけど、相手は先輩ですからね。ちょっと取り繕ったって、人間の中身そのものを見抜いてくるから・・・人生そのものが大事って事になりますよ」
と、辛辣姫。
「だから、やっぱり、個人差はあると思うけど、女性って、相手を見た瞬間に恋に落ちてるのかな。もちろん、人間性が大きいとか、精神的にも結構強いとか」
「・・・そのあたりは、初対面でもある程度、話していればわかるし・・・価値観だって、話していれば、だんだんわかってくる」
と、ユキちゃん。
「そうですね。なにより、相手を見ながらしゃべっていれば、自分を隠さず開けっぴろげな人なら、ドンドン伝わってきますよね」
と、ミユウちゃん。
「逆に中身、何にも無い人もすぐわかるけどね。話す言葉が全然出てこないし、自分を隠したがるのも、すぐにわかるし・・・そういう相手は全然ダメね」
と、御島さん。
「そうですね。結局、人間って、それまで生きてきた歴史って言うか・・・すべてがその中身に反映されているから」
「しゃべっているとすぐにわかっちゃうし・・・あれかな・・・あとは、自分の人生に自信がある人だと・・・結構好きになっちゃいますね」
と、辛辣姫。
「そう。結局、人生そのものに自信のある人って、素直な笑顔で話してくれるし、何を聞いても、明るく返ってくるし・・・わたし、自身、その人間性の大きさに」
「包まれちゃう感じがして・・・何より頼りがいがあるから・・・この人の横にずーっといたいって、思っちゃうんですよね・・・」
と、ユキちゃん。
「なるほど・・・王さんの話と比較すると・・・要は中身の無い人を、思い込みで好きになっても・・・結局、中身が無いから、思い込みの恋は、必ず、どこかで」
「魔法が解けちゃうって事で・・・中身のある男性相手の恋だと・・・それは思い込みじゃないから・・・その中身に恋しているからこそ、その恋の魔法は解ける事が無い」
「・・・そういう話になるのかしら」
と、御島さん。
「なるほど・・・王さんの話と、比較するとわかりやすいですね」
と、ユキちゃん。
「結局、人生って言うのは、レゴブロックを積み重ねて出来て行くように・・・積み重ねるから、人見知りもやがてしなくて済むようになるし」
「人間性も大きくなるし、精神的にも強くなっていく・・・そういう話みたいですね」
と、ミユウちゃん。
「だから、それが出来ていない人間がいるのよ。空気が読めなかったり、そもそも空気を読まない人間がいたり・・・」
と、御島さん。
「この日本において、そもそも空気が読めなかったら、ふしあわせスパイラル一直線じゃないですか」
と、ミユウちゃん。
「そ。空気が読めないのは、論外ね。空気を読まないのは、自分はエライとカン違いしている「俺エライ病」。官僚とか大学教授、医者、学校の先生とか」
「いわゆる「せんせい」と呼ばれる職種に多いわ。こういう人間は案外、修行が足りないから、人間的に小さかったり、精神的に弱くて未熟な人間が多いの」
「だから、「「俺エライ病」はふしあわせスパイラル一直線。だから近寄るな」と言う、ゆるちょくんの提言に従うべきだわ」
と、御島さん。
「結局、空気関係で言えば・・・皆に愛される・・・場の空気を自在に作り出せる、コミュニティのムードメーカーになれるオトコがいいのよ」
「女性は、そういうムードメーカーに愛される場のマドンナになれれば、それでいいの。結局、周囲の男女に愛された人間が最もしあわせになれるんだから」
と、御島さん。
「わたし、でも・・・なんか、今わかったんですけど・・・女性が恋に落ちるのは、相手の男性に目を見つめられた時かなって・・・」
と、ユキちゃん。
「やっぱり、女性と男性が目が合った時ですよね」
と、ミユウちゃん。
「そうなの。よーく考えてみたら・・・相手と視線が合った時、相手の男性のすべてが自分に押し寄せてきて・・・いつの間にか、恋に落ちてる」
「相手の目がすべてを語ってくれて・・・それで恋に落ちちゃう、そんな感じだって、今、なんとなく、わかったんです」
と、ユキちゃん。
「なるほど・・・よく言うモノね。女性と男性は目と目で通じ合えるって」
と、御島さん。
「それを言うなら、女性は目で恋を主張してきますよ」
と、僕。
「女性と男性は目と目を合わせる事で、恋に落ち・・・女性は目で恋を主張してくる・・・女性は結局目で相手のすべてを見抜いちゃうから」
「そこで、恋に落ちちゃうみたいね。もちろん、個人差はあるでしょうけどね」
と、御島さん。
「それが男女の恋ですか。いやあ、勉強になりますよ」
と、池澤くんは、言葉にした。
「で、参考になった?恋をしたい、池澤くん」
と、御島さん。
「好きなオンナは出来ても、ちょっと前に進めていないんだったな。池澤は」
と、貴島くん。
「はい・・・まあ、でも、今日は、いろいろ参考になりましたよ」
と、池澤くん。
「とにかく・・・恋の最初は、好きな女性と目と目を合わせられるようにするところから・・・まず、始まるって事ですね」
と、池澤くん。
「ま、そういう事になるな。がんばれよ、池澤」
と、貴島くん。
「はい。がんばります」
と、池澤くんは、笑顔で、軽く敬礼しながら、ずずっと煎茶を飲んだ。
(おしまい)