「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

坂の上の雲 第四話 「日清開戦」(8)

2009年12月26日 | ゆるちょ!のドラマ・レビュー!
日清戦争は、日本の勝利で終わった。連合艦隊は佐世保に凱旋し、戦勝を祝した。

と広瀬さんです。皆から慕われてます。ひろせひろせ、言われますが、
おう、ってな感じで彼は誰かを探しています。と、見つけてちょっと眉をひそめます。
池をみている真之です。なんとなく、鬱々としています。

「秋山、俺はロシアに行こうと思うちゅう」と真之をみてさきの話をします。
「ロシアに」と真之です。
「まずロシア語を勉強し、武官となっち、ロシアの懐へ飛び込む。奴らの本当の姿を見ちゃる」とまっすぐ真之をみて話します。
「偵察ですか」真之も少し静かに話します。
「シベリア鉄道の工事も着々と進んじょると聞く。シベリア鉄道の終点、ウラジオストックの意味を知っちょるか」と真之はちょっとわからない感じ。
「ウラジバストーク、東を征服せよっちゅう意味じゃ」とちょっとうれしそうに広瀬さんが話します。
「ロシアが今狙っちゅうのは満州、朝鮮、それから日本じゃ。日本海をロシアの湖にするわけにはいかんち」と少し雄大な気分です。
「わが海軍もこれからが正念場じゃけん」とそこまで言ってから、真之の方を見ると、
「秋山。わしゃ絶対におまえが海軍をやめるのを許さん。許さんぞ」と説得します。真之は、なんとなく鎮痛な面持ちです。
「広瀬大尉、司令がお呼びです」と広瀬さんは呼ばれ、
「わかった」と声を返し、眼だけで何事かを言って、その場を離れる広瀬さんでした。
真之は、宴席を離れ、なにかの建物の中に入っていきます。ひとりになりたいんでしょう。なにか、やりきれない感じです。
近くにあった椅子に座っていると、ビリヤードの音が鳴り、奥に高級士官がいることが知られます。椅子から飛び出す真之です。
姿勢を正すと、真之は、
「失礼しました」とお辞儀をします。と、中にいたのは東郷平八郎そのひとでした。
「宴席は好まんか」と少しにこやかに聞くと、
「いえ」と答える真之です。
「おいも今日は気が進まん。お、飲もうかえ」と提督自らウィスキーを用意します。真之も
「はい」と言って近づきます。軽く杯を上げ、提督が飲むのを待ってから、
「いただきます」と言って軽く飲みます。
「どっかで会うたな」と気づいた提督です。
「4年程前に、呉で」とあのときは、原田水兵も一緒でした。
「おーう、あん時の」と回想シーンです。
「こちらへきなさい。無断侵入者です」と清国の船の中のシーンが思い出されます。原田水兵と一緒に敬礼していました。
「清国北洋艦隊提督 丁汝昌です」と丁汝昌の面影を思い出します。
「惜しか、名将を亡くしもした」と、東郷さんもさみしそうです。
「はい」と真之もどこかさみしそうです。
「おはんはどこの乗り組みじゃ」と東郷さんが静かに聞きます。
「筑紫です。3人の兵を失いました。ひとりは私の命令で死んだようなもんです」と悲痛な真之です。と、真之は、一歩東郷さんに近づき、
「少将、ひとつ伺ってもよろしいでしょうか」と質問します。
「うーん?」と鷹揚にうなづく東郷さんです。
「よき指揮官とは何でしょうか?」と必死な真之です。
「あしにはそれがようわからんのです。少将は、ご自分の出した命令を後悔したことはありませんか?」と突然の難問に少々考え気味の東郷さんです。
「失礼しました。不躾な質問、お許しください」と、真之は、ちょっと自分を後悔しています。
「おいは、自分の命令で、千百人の清国兵を一遍に殺しもした」と東郷さん。高陞号の話です。
「指揮官は決断し、命令を下すのが仕事じゃ。一端刀を抜く覚悟をしたら、後は戦うだけでごわす」うーん、サムライだね、やっぱりこのひとは。
「じゃっどん、決断に至るまで、あらゆることを考えぬきゃんにゃならん。そいが指揮官たるものの、責務でごはす」指揮官とは大変な仕事ですな。
「しかし、考えに考えてどんな決断をしても、結局あしは、悔やむ苦しみから逃れらそうもありません」と少し弱り気味の真之です。それを聞くと東郷さんは振り向いて、
「おいも人間じゃ。そいはおはんと同じじゃ。悩みや苦しみと無縁ではなか」これを聞く、真之はなんとなく思いつめた表情です。
「じゃっどん、将たるもの、自分が下した決断を神のごとく信じらんにゃあ、兵は動かせん」それを聞く、真之の表情は、少し繊細な思いつめた表情です。。
「決断は一瞬じゃが、正しい決断を求めるなら、その準備には、何年、何十年とかかろう」と東郷さんです。
「よか指揮官とはなんか。犠牲になった兵のためにも、よー考えてほしか」と真之に問いかけています。
「急がば回れ、短気は損気」真之は、何かを静かに思いついたように、話します。
「何じゃ?」と東郷さん。
「亡き父の言葉です」そうでしたね。少しなつかしい。
「少将の言葉を聞いているうちに、この言葉が浮かびました」と下から見上げます。
「なかなかよか」と笑顔の東郷さんです。
「はい」やっと真之の顔に笑顔が戻ります。
「やらんか」とキューを渡します。
「はい」と真之がそのキューを受け取ります。この受け渡しのシーンが、将来の暗示になっています。キューをつく真之はいつもの表情に戻っています。

のちに、智謀湧くがごとし、と言われたこの人物は、九年後、少佐で日露戦争を迎えた。
その時、日本海軍は、彼の能力を信頼し、東郷平八郎が率いる連合艦隊の参謀にし、三笠に乗り組ませた。
東郷の作戦は、ことごとく、彼が立てることになる。

さて、このシーンでは何を表現していたのでしょう。
真之は、部下を失って自信を失っていたんですね。東郷と話すうち、その死んだ兵のためにも、何年何十年と準備してみろ、と言われます。
そして、「急がば回れ。短気は損気」と父から言われたことを思い出し、指揮官になる長い準備を始めることにした、というところでしょうか。
真之の回復を、東郷が担ったというシーンを見せ、また、将来への暗示というシーンにしたのだと思いますね。
冒頭で高陞号を倒し、途中サムライであることを紹介された東郷を、真之の回復の契機にさせ、かつ真之と東郷の結びつきを見せるシーンで、
結果的に視聴者も東郷に元気づけられる効果を狙っています。冒頭で高陞号を倒した意味がここにつながってきているんですね。その一番かっこいい提督に
主人公が元気づけられるのですから、これくらいいいシーンはないですね。そして、それが未来への暗示になり、エンディングとなる。
いい構成です。アゲは東郷さん、サゲはなし。日本人的美徳の表現というのは、東郷さんのサムライ的考え方くらいかな。それでも十分ですけどね。

いやあ、長くなったなあ・・・。ある程度書き方の型みたいのが、できたけれど、いやはや長くなりすぎだねぇ(笑)。
にしても、今は終わったことだけでも、祝いたいくらいだ(笑)。

あとで、とにかくまとめ的な記事を投稿したいと思います。とりあえず、書ききったということで。

そして、ここまで読んでくださった、みなさん、ほんとうにありがとうございました。

ここまで、一番大変だったのは、あなたです。








最新の画像もっと見る